大河ドラマ『西郷どん』感想・総括

2018年の大河ドラマ『西郷どん』の本放送が終了。自分の中で予想以上の「ロス」感情が湧き起っていることに驚くとともに嬉しくもあったりしています。

西郷の人柄や家族、ことさら人と人との繋がりから起こる感情部分に焦点を当てたドラマだった故に、歴史的な事件や経緯、出来事についてのことが描き切れていなかったことも多かったかなとは思います。
特に「西郷さんって結局何を成し遂げた人なの?」って視点で見ると、その答えをこのドラマの中から導き出すのはちょっと難しい気がする(苦笑)。

個人的に「戦国」よりも幕末から明治にかけての時代のほうが興味があって好きだったりするので「もっと事件についてのドラマがあればよかったのになぁ」と残念に感じたりツッコミしたくなることもチョイチョイありました(苦笑)。
まぁ、そんなに歴史好きってわけでもないし深い専門知識を知っているわけでもないので大きなことは言えませんがw。

が、そのモヤっとするものを超越するような展開がこのドラマの中には多かった。いいセリフもたくさんあったし、何よりもドラマの中で本気で命かけて演じてる役者さんたちの魂の芝居に強く心揺さぶられることが何度もありました。
鈴木亮平くん、瑛太くんは言うまでもなく、堀井くんや大野くん、泉澤くんなど若手の役者さんたちが回を追うごとに表情や芝居がリアルになっていったことも大きな感動ポイントのひとつでした。

全編通して、この作品には様々な大きな「愛」がたくさん詰まっていたと思っています。

歴史的事件について描かれなかったり足りない部分があったのも残念って言えば残念ではあったけど、そういうことは後で個人的にネットなり本なりで調べて「そうだったのか」って知ればいい。それが勉強になることもあるし、そういうのも大河ドラマの一つの楽しみ方なんじゃないかと私は思ってます。

史実にこだわりすぎて見れば粗が見えるのは当たり前。大河ドラマってそこを求めすぎるものじゃないと思うんですよね。あくまでも【ドラマ】ですから。作り手の意思のほうが大きく尊重されるものです。そこに乗れるか乗れないかは個人の自由。好みの問題です。
そういう点で「駄作」とか「名作」とか色んな感情が出ることは自然な流れだと思います。私は「名作」だったなと感じたわけです。

幕末から明治にかけての時代を生きた人たちの想いに作り手や役者が出来るだけ寄せていく。たとえ史実と違っていたとしても、その想いが重なったと感じた時に、見ている者は心を動かされる。『西郷どん』にはそんな瞬間が何度もありました。

以下、特に印象に残った『西郷どん』のシーンをいくつか振り返って挙げてみようと思います。  

 

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『西郷どん』を振り返って

「薩摩編」、「島編」、「革命編」、「明治編」、「西南戦争編」、「ベストオブ西郷どん」に分けていくつかシーンを挙げてみたいと思います。

薩摩編

第1話 城山から桜島を眺める子供たち

「西郷どん」は子役も生き生きとしていてとても良かったです。ラストシーンで子供たちが行く末とともに紹介される場面が特に印象深く胸打たれるものがありました。あの演出は本当に泣けた! ちなみに、紹介されなかった子供は吉二郎と有馬。二人は明治の世を見ないまま亡くなったということでクローズアップされなかったんですよね…。その裏話も泣けました。

そして何より、この胸熱くしたシーンが最終回に繋がったことが最高に胸揺さぶられて泣きましたよ。子供の頃に夢を抱いて石に刻んだ「cangoxina」が西郷たち最後の地で再び見つかるとはねぇ…。憎い演出だなと思いました。  

 

第2話 涙のやっせんぼ

家が貧しくて売られる運命にあったふきを助けることができなかった吉之助が「立派なお侍なんかじゃなか!」と号泣するシーンは思わずもらい泣きしてしまうほど切なかったです(涙)。

大人になったふきはあまり好きではなかったけどw、子役のふきには本当に心揺さぶられましたし、亮平くん演じる吉之助の本気泣きにも激しく胸を打たれました。  

 

第5話 運命の大相撲

鈴木亮平くんと渡辺謙さんによる真剣勝負には見ていてドキドキさせられました。この瞬間まで二人はほとんど言葉を交わすこともないくらい集中してたって裏話を聞いてなおさら「熱い!」って思いましたね。仙巌園ロケもよかった!

このシーンで個人的にベストだったのが、謙さん@斉彬の「かち上げ」「喉わ」攻撃でしたw。  

 

第7話 正助のボヤキ・母との別れ

薩摩編では櫓の上で吉之助と正助が二人で語らう場面がたくさん出てきました。ここで本音をお互いに伝えていたりしたんですよね。この時も謹慎中だった正助は「自分も江戸に行きたい」と愚痴をこぼしてしまうのでした。 こうした二人の積み重ねが、このドラマの大きな核になっていったように思います。  

 

第7話は父と母を立て続けに亡くしてしまうという、なんとも悲しい切ないストーリーでした。特に、母の満佐さんを背負って最後に二人で桜島を眺めるシーンは涙なくしては見れませんでした…。背中に母の温もりを感じながら、必死に涙を抑えようとしながらもこらえきれない吉之助の姿が今でも忘れられません。

 

第9話・11話 吉之助と斉彬

薩摩編では吉之助の斉彬への飽くなき熱い忠誠心が主に描かれてきました。 なかでも印象的だったのが第9話で「あの時のやっせんぼか!」と斉彬が吉之助をアゴクイする場面wwと、第11話で吉之助が先走った行動をしたことに怒り心頭の斉彬が思い切りキックで吹っ飛ばした場面ww。あれはめっちゃインパクト強かった!

 

その他にも、初めて斉彬が「おやっとさぁ」と吉之助に薩摩弁をポロっと出してしまうシーンや、最後に対面した時に「お前は儂になれ!」とすごい眼力で迫ったシーンなど。謙さんの斉彬はとにかく圧といい存在感といい文句なしでございました。  

 

第13話 友の結婚

正助が結婚することが決まって、婚礼式の前にあまりの嬉しさから涙する吉之助が本当に可愛かった!そんな吉之助のことを「泣かなくても」って想いながらも嬉しくてつい頬が緩んでしまう正助。お互いにお互いのことが本当に大好きなんだなって垣間見える心和むシーンでもありました。  

その他にも、子供のころからの仲間たちとの交流や、篤姫とのエピソード、月照さんとの心中事件などなど…挙げたいシーンはけっこう薩摩編の中では多かった。その中でも特に取り上げたい場面もあるのですが、それは一番最後に触れたいと思います。

 

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島編

第18話 ケンムン吉之助

月照さんと海に飛び込んで心中したものの自分だけが生き残って大島に流されてしまったことですっかりやさぐれてしまった吉之助。名前も菊池源吾となりましたが、島に来たばかりのころのヤサグレっぷりはすごかった(笑)。

その中でも個人的に好きだったのが、子供たちに「ケンムンだー」と恐れられてた時のシーン。樹にしがみついて動かない吉之助が・・・なんか、めっちゃ可愛くて萌えたんだよなぁ(笑)。 完全にグレモード突入した吉之助は、個人的にかなーり好みでした。新鮮っていうのもあったのかも。

18話の中ではもう一つ。愛加那が「わたしらは民のうちに入らなかったんだ」と呟くシーンはグサリときましたね。あの言葉で吉之助の気持ちが動いたわけですし、キーになる場面だったと思います。 また、立ち直った吉之助が初めてとぅまの名前を呼ぶシーンも好きです!「とぅま・・・どん・・・」の台詞の言い方が絶妙でした、亮平くん!  

 

第21話 再会と別れ

吉之助を薩摩に帰すために仲間との亀裂も生んでしまった一蔵。そこまで友のために尽力していた彼が直接吉之助に会いに大島までやってきた時は何だかとても胸熱くなりました。久しぶりに再会して無邪気に喜びを分かち合う二人を見るのがとにかく嬉しかった。  

 

薩摩へ帰ることが決まり、愛加那とは別れなくなった場面は泣けました…。二人が本気で愛し合っていたのが随所で伝わってきたのでなおさら切なかったですね。海の中で愛加那を抱きしめながら一緒に歌う場面は名シーンだったと思います。

でも、トークショーでこの時の裏話を亮平くんから聞いたときはちょっと笑ったけどねw。 一番泣けたのは、奄美大島から去る場面。島唄がとにかく切なくてグッときました。

 

第23話 最後のウナギ獲り

大島から戻った吉之助は郷中の仲間たちの間がギクシャクしているのを感じ、昔の絆を取り戻そうとウナギ獲りに繰り出す場面。子供のころにケンカしつつも一緒にワイワイとウナギを追いかけていたあの頃と重なってジーンとくるものがありました。

さらに、このシーンでは弟の信吾が「兄と一緒にウナギを獲ってみたかった」と寂しく呟いたことを気にした吉之助の粋な計らいっていう意味もあったんですよね。 また、深い亀裂が入ってしまった有馬と一蔵が共に酒を酌み交わす場面はグッとくるものがありました。 結局これが、吉之助が有馬と過ごす最後の時となってしまうのがとても切なかったです(涙)。

このあと、有馬は寺田屋騒動で友の格之助の剣に刺されて絶命してしまいました…。泣きながら有馬を抱きしめる格之助の姿が哀しくて泣いた…。  

 

第24話 唯一の口移しシーン

久光の怒りを買って沖永良部まで流された吉之助は、野ざらし牢の中で瀕死の状態になってしまいます。その姿を黙って見ていられなくなった雪篷さんが堪らず「口移し」で水を飲ませてやるという・・・場面的にはけっこう大切なところ。

ですが、これが「西郷どん」唯一の”キスシーン”ってトークショーの時に亮平くんが言ってたのが面白すぎてww。インパクトとしても十分でございもしたw。