西南戦争編
第44話 半次郎の想い
始めは政府へのかかわりを拒絶し続ける西郷に違和感を感じ反発していた桐野でしたが、私学校を開くことを知り自分もその中で生きていこうと決意します。
どんなに違和感を抱いても、幼い頃に自分の心を救ってくれた西郷への愛情は誰にも負けない自負がある桐野。目を潤ませながら「お世話になりもす!!」と頭を下げた姿には思わずグッと来てしまうものがありました。
大野くんは今回の桐野役がすごくハマってて。激しさと純粋さとが同居する魅力的な人物像を創り上げてくれたと思っています。
第45話 海江田のモノマネ・別れの唄・大久保の動揺
私学校の生徒たちを守るために、西郷は死を覚悟して東京の政府に彼らを引き連れて向かおうとしたシーン。その先の破滅が見えている故に胸が痛む場面でもあったのですが、見送りにやってきた海江田が突然『国父様』のモノマネを披露しながら久光の伝言を伝えるのには吹きましたwww。まさかあの緊迫したところでこれが出てくるとは(笑)。
しかも、光臣君…けっこうムネくんの特徴捉えてて似てたってところがまた笑えたww。
雪が降りしきるなか旅立とうとする西郷たちを見送る中で、愛加那との娘・菊草が「行くんにゃかな」をウルウルしながら歌い出すシーンは思わず涙してしまいました。
この旅立ちが、父と菊次郎以外の子供たちとの最後の対面になりましたからね…。菊草は永久の別れになってしまうことを子供ながらに感じ取っていたのかもしれません…。美しくて悲しい歌声に観ているこちらも涙が止まりませんでした。
西郷が立ったという知らせに、これまで感情を出さなかった大久保が動揺のあまり「自分が直接交渉してくる!!」と我を忘れて飛び出そうとしてしまう。それほどまでに西郷が決起しないことを心の中でずっと念じ続けていたのかと思うと…本当に胸が痛くなりました。
大久保にとって、西郷が自分に刃向ってくるという現実を受け止めたくなかったんだろうね。彼の中で西郷は絶対に失いたくない親友なんだっていうことを改めて想い知らされた場面でもありました。
岩倉に「日本を捨てる気か!」と止められて愕然としてしまう大久保にも泣けました…。
第46話 小兵衛の死
いよいよ始まってしまう西南戦争の回でしたが、一番悲しかったのは末弟・小兵衛の戦死です。
負傷した菊次郎を守るために、勇敢にも盾となって守り抜き命を落とした小兵衛…。甘えん坊の末弟だったのに、いつの間にあんな逞しくなって…。いつもムードメーカー的な存在でもあったので、小兵衛が戦死してしまったのは本当に哀しかったです。
弟の亡骸に静かに涙を流しながら愛しそうにその顔に触れている西郷の後姿も泣けました。きっと、自分ももうすぐ追いつくからなって語りかけてるようでした…。
第47話 最期の時
最終回はもう、すべてが号泣ポイントで選べない…。
西郷と大久保の死を見届けた時に思ったのは、二人はお互いの存在なくしては生きられなかったんだろうなってことでした。少なくともこのドラマの中の西郷と大久保は、まるで魂の片割れ同士のようだった。
特に大久保は西郷亡き後も政治活動に没頭していったようでしたが、いつも心の中に満たされない想いを抱えていたんじゃないかと思うんですよね。西郷のいない世界で大久保は生きていけない運命にあったのではないだろうかと…。
ベスト・オブ・西郷どん
見所が多かった『西郷どん』でしたが、その中で一番印象に残ったシーンを挙げるとしたら・・・
第13話 変わらない友
そのラストシーンです。予告で見た時からウルっときていましたが、本編で見た時は号泣してしまいました。今でもこの吉之助と正助の二人の場面は涙なくしては見れません。
吉之助は気を利かせて「正助も薩摩から熊本まで同行させてほしい」と斉彬に頼み込んで許可をもらいますが、正助は情けをかけてもらったと思い込んでしまい「自分の力だけで薩摩を抜け出してみせる」と激しく反発してしまいます。
正助の婚礼の夜だというのに、そのまま大ケンカして別れしてしまった二人。
翌朝、吉之助は複雑な想いを抱きながら江戸へと向かい、正助もまた複雑な心境で妻と向き合っていた。そんな正助の気持ちを敏感に察した妻と両親は「吉之助を追いかけていけ」と背中を押しました。
その想いに応えるように吉之助の後を追いかけ走っていく正助。しばらく行くと、向こう側から慌てて引き返そうとしている吉之助の姿を目にします。
「忘れ物した」と真っ直ぐな目で正助に告げる吉之助。
「そんな大事なものを忘れたのか?」とそれが何か分からず呆然とする正助。
「大久保正助を忘れてきた…!!!」
「・・・!!!」
吉之助の自分に対する熱い想いに触れた正助はことばを失い、「すまんじゃった!!」とその場に崩れ落ちてしまいます。そこへ駆け寄った吉之助は熱い眼差しで「立ってくいやい!!」と力強く語りかける。
二人の間にそれ以上の会話は必要ありませんでした。
「行っど・・・!!!」
切っても切れない二人の熱い絆と友情が凝縮されているような気がして…同じ想いで薩摩から駆け出していくこのシーンは涙なくしては見られないです。
最終回で大久保の死の間際にこのシーンを出してきたように、二人の物語の根幹がここにあるような気がしてなりませんでした。忘れ難い最高のシーンだったと思います。
以上、私の『西郷どん』総括感想でした。あくまでも個人の意見ですのであしからず。
1年間、本当に楽しませてもらいました。ゆかりの地である鹿児島や熊本も訪ねることができたし、亮平くんと瑛太くんのトークショーに奇跡の当選もしてしまった。「真田丸」の時のようにイベント三昧ってことはなかったけどw、あの時と同じくらいの充実感はこのドラマからもらえたと思っています。
あらためて、『西郷どん』に関わった皆さま、本当にありがとうございました。
ブルーレイも購入しているのでまたゆっくり思い出に浸りたいと思います。
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