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『西郷どん』第45回感想 西郷立つ

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いよいよ終わりが見えてきました…。先月トークショーで亮平くんと瑛太くんのこの作品に賭ける想いを直に聞いたこともあってか、ホント、感極まる展開が多くなった気がする。

私学校の方は順風満帆に進んでいるようで、西郷を頼って遠方からも続々と生徒が集まってくるようになりました。

その中には、はるばる庄内藩(現在の山形県)からやってきた伴兼之榊原正治もいました。

戊辰戦争の折に幕府側として戦った庄内藩でしたが、戦後処理では西郷の熱い温情を受けたとされています。庄内の人たちの西郷への感謝と尊敬の念は厚く、伴と榊原もそんな想いから西郷を頼って私学校へとやって来たようでした。

さらに、別府晋介と親しかった中原尚雄も私学校へやってきます。


ツン吉さーーーん・・・じゃなかったww、田上晃吉さん、満を持して重要な役で登場!!迫田さんに続いて薩摩ことば指導からのドラマ出演、おめでとうございもす
迫どんは佐賀藩士だったけど、ツン吉さんは薩摩志士の役でよかったですね(笑)。

二人は再会を喜び合いますが…実は中原は政府の密偵として私学校を探るために潜り込む目的があったのでした。でも、川路は「私学校が暴発しないように見張れ」と、あくまでも薩摩のためを想って中原を派遣したようです。
このことが、後に大きな悲劇を生むことになってしまいます…(涙)。

大河ドラマ『西郷どん』感想一覧

第45回 西郷立つ

2018年12月02日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45

鈴木亮平・瑛太・黒木華・大野拓朗・錦戸亮・田上晃吉・北村有起哉・笑福亭鶴瓶・石橋蓮司 ほか

あらすじ

西郷(鈴木亮平)が創立した私学校には続々と若者たちが集まって来た。一方、それを警戒する大久保(瑛太)と川路(泉澤祐希)は、薩摩に密偵を送り込む。その頃、各地で不平士族の反乱が勃発し、政府に不満を持つ私学校の生徒たちは暴発寸前だった。西郷はその思いを何とか押さえ込んでいたが、私学校の生徒たちが政府の火薬庫を襲い、銃や弾薬を運び出す事件が起こってしまう。西郷はついに自らが立つことを決断する。

公式HPより引用

西郷家には新しい家族が増えることになりました。奄美大島で愛加那との間に誕生した菊草、菊次郎の妹です。


雰囲気が愛加那さんとそっくりでビックリした!!

それにしても、よく愛加那は大切な娘をも手放す決心をしたなぁと思ってしまいました…。
ドラマには出てきませんでしたが、実際は西郷が愛加那に「娘を鹿児島へよこしてほしい」と手紙で頼んだようですね。それが菊草の幸せに繋がるなら…と送り出したのかもしれないけど、とても辛い別れだったと思うよ(涙)。

菊草は成人した後に大山巌の弟と結婚しますが、不幸な結婚生活が続いた挙句に亡くなってしまいます。もしかしたら、大島にいた方が幸せな人生を送れたかもしれないと思うとなんともやりきれない思いがこみ上げてしまいますね(涙)。

それにしても、西郷どんには大山巌が全然出てこなかったな(汗)。

近年、菊草が写った写真が発見されたそうです。

同じころ、私学校には県令の大山綱吉らが「政府から刀を持つことを禁じる命令が下された」という知らせを告げにやってきます。『廃刀令』が施行されてしまったのです。

私学校で居場所を見つけた篠原たちではありましたが、武士の魂までは捨てたわけではない。むしろその誇りを胸にこれまで生きてきました。それだけに、「刀を持ってはいけない」という政府からの通達は屈辱以外のなにものでもありませんでした。

大山たちに激しく詰め寄る篠原たちでしたが…桐野だけは

「私学校にケチをつけられてたまるか!!西郷先生のためだ!!」

と告げてそれに従う決意をする。一番刀を持つことに誇りを持って生きてきた桐野だけに、胸の内はどんなに悔しく哀しい想いをしたか計り知れません。が、彼の中では西郷の存在がそれを上回ったという事なんでしょう。ホントに大好きなんだよねぇ、西郷のことが。
桐野が刀を置いたことで、他の生徒もそれに従うことになり…大きな騒ぎには至りませんでした。

この顛末を後ろの方で見つめていた西郷は何も口出しをしませんでしたが、なんだかとても悲しげな顔をしてたな…。刀を取り上げられることが彼らにとってどんなに辛く耐えがたいものかっていうのが分かっていたからこそなんだろうね。
でも、大久保の政府を応援しようと決めている手前何も言えなかったんだろうけど…辛かったと思うよ、西郷も。

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ところが、その後政府は武士の給金でもあった禄も廃止(秩禄処分)にも踏み切ってしまったため、各地では士族たちの不満が爆発し次々と乱が発生。大久保ら政府はそれらの火種を力でねじ伏せていました。

神風連の乱
熊本で発生した士族の反乱。太田黒伴雄、加屋霽堅ら約170名で蜂起して政府軍が守る熊本城を襲撃。しかし、政府軍の制圧によって首謀者たちは命を失い乱は失敗に終わりました。秋月の乱
熊本の神風連の乱に呼応する形で福岡の秋月で発生した乱。約400名で一斉蜂起したものの、政府軍によって制圧されてしまう。この時政府軍側として乃木希典も先頭に立って戦っていました。

萩の乱
山口の萩で発生した士族たちの反乱。神風連、秋月に呼応する形で蜂起されます。先頭に立っていたのは元参議だった前原一誠。後に総理大臣となる若き田中義一も参戦していました。これも政府によって鎮圧され、前原は斬首されてしまいました。

鹿児島は未だ平穏を保っていましたが、熊本から文が来たことから事態は危うい方へと進みだす…。

私学校では武闘派の辺見と篠原が鼻息荒く政府への不満を募らせていて、今にも暴れ出さん勢い(汗)。この二人がトップの方にいると、なんかろくなことが起こらない予感しかしない(苦笑)。
危機感を募らせた辺見たちは、「このまま黙っていては薩摩は笑いものになる!!」と討って出るべきだと主張しますが、それは西郷が最も望まないことだと知っている桐野は「動いたらいかん!」と説得しようとする。ホントは桐野自身も政府への不満がたまりにたまっていてすぐにでも立ちたい気持ちはあっただろうけど、それを思いとどまらせたのはやはり西郷への熱い思いからだったんだと思うよ…。

桐野の返答に絶望した辺見は「桐野さぁは腑抜けになられたようじゃ」と抜かしおって、自分たちだけで蜂起してやるとヤケになる始末。もともと辺見は問題児だったようですからねぇ(苦笑)。一気に血が上るとこやつは何をやらかすか危なっかしくて仕方ない。

と、一触即発ムードが高まったところで新八、小兵衛、西郷がやってきます。さすがに西郷の姿を見たら、頭に血が上った連中たちもおとなしくなるもんだねww。

西郷はいきり立っていた生徒たちを前に「みんなで田畑を耕しこの薩摩で一緒に生きていくと決めたのではなかったのか!?」と問いただす。
不平不満を持つ士族たちの居場所のために私学校を作ったからね。西郷的には、てっきりみんなここで満足してくれてると思ってしまった節はあっただろうなぁ。


「おはんらが立つことは断じてならんっ!!!」

この時の亮平くん@西郷の迫力がすごかった!!まるで本物の西郷さんが私学校の生徒たちを叱り飛ばしているようだったよ。実際の西郷もきっとこんな感じだったんだと思う。

そんな迫力満点の西郷の言葉に「じゃっどん聞いてほしかことがある」と口を挟んだ篠原さん、すごいなww。

篠原によれば、熊本からの手紙には「大久保が士族たちを見張るために密偵を放っている。熊本はその密偵によって潰された」と書かれてあったらしい。神風連の乱が制圧されてしまった件ですな、これは。

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ここから生徒たちの疑心暗鬼が一気に広まっていく。誰が密偵なのかの犯人探しが突然始まりますが、真っ先に疑われてしまった庄内藩出身の伴くんと榊原くんが不憫でなりませぬ(涙)。「戊辰の戦では敵じゃったな!??」と、まるで吉田鋼太郎さんがそこにいるかのようなww凄い迫力で迫られちゃ・・・あんな若い二人は恐くて何も言えなくなっちゃうよ~~。

その騒ぎを止めようと、中原は「みんな同志じゃなかですか!??」と篠原に食って掛かりますが、逆に「庇い立てするなんて怪しい」と激しく詰め寄られて激しい争いに発展。中原、今ここでバレたら命なかったかもな(汗)。
もう事態は収拾できないところまできてしまい、「誰が密偵か!??」の探り合いで私学校崩壊の危機に…。

ところが、西郷はその様子を見て突然笑い出す。え?何、そこ笑うところ!??とちょっとビックリしちゃったよ(汗)。血の気の多い者たちが互いを殺し合わんが勢いで争ってるのに、西郷さん、壊れちゃったのかww!??なんて。掴み合いをしていたみんなもポカーーン状態(笑)。
そんな彼らに笑いながら理由を告げる西郷。


「こん、やっせんぼどもが!!密偵がおったところで何か困ることがあっとか!?」

自分たちは調練し畑を耕しているだけではないかと。探られて困るようなことは何にもしてないだろう??というのが西郷先生のお考え。言われてみれば、確かにその通り。別に探られて痛いようなことは今のところ何もしていない。

こう言われてしまえば、みんなグウの音も出ないので納得せざるを得ない。西郷の言葉の威力はすごいな。あの貫録で言われたら、「まぁ、確かに・・・」って気持ちにさせられてしまう。そう納得させるだけの迫力を兼ね備えた芝居をしてる鈴木亮平、おそるべしっ!!

しかし、篠原や別府など特に血の気の多い者たちはそれでもなお不満が募っているようで気がかりです…。
そして、この一件で激しく詰問された中原もまた…その腹いせとばかりに政府に「反乱の気配あり」と電報を送ってしまって…。この人もやっぱり血の気の多い薩摩の人の部類にあったのか(汗)。

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中原が送った電信はすぐに大警視の川路の元に届いていました。中原さんはいったいどこから電信を送っていたのだろうか?あんだけの猛者揃いの環境の中、バレないようにするのさぞかし大変だったと思うぞ。
ちなみに、ドラマでは中原一人がスパイってことになってましたが、実際にはほかに何名か紛れ込んでたらしいのでそこと連携してやっていたんじゃないかと思われます。

川路から私学校の様子が危うくなっているらしいという話を聞いた大久保は、万一に備えて前線の熊本陣営の軍備を整えるよう山県に指示を出します。
それを聞いた従道は「大久保卿は西郷隆盛を信じておられないのですか?」と問いただす。川路は「これは天下国家の問題だ!」と思わず口を挟んでしまいますが、従道は弟として兄が政府に刃向うなんてことを企てるはずがないと必死に訴える。身内であるが故にここはクールになりきれないという気持ちは痛いほどわかる…。

しかし、大久保は西郷が不平士族を抑え込んでくれるものだと思っていると前置きしたうえで

「裏を返せば、西郷の覚悟ひとつで日本中の士族を奮い立たせることができるということだ」

と言い放つ。その強い言葉に何も言い返すことができない従道…。彼の中には大きな不安が広がり、密偵に出した指令が「偵察」だけなのかと恐る恐る尋ねてみる。これに対して川路は

「暴発が起こった時には身命を賭してそれを止めること、それが叶わなかった時は、西郷先生には死んでもらわねばならぬ」

という衝撃の内容を明かす。国家の上に立つ者として、世を乱すような行為をする者はたとえ幼馴染の親友であったとしても排除しなければならない・・・という強い大久保の決意の表れでした。が、弟として兄を信頼している従道にとっては看過できない内容ですよね。しかも、西郷の親友だった大久保がその命令を出しているということが受け入れられなかったんだと思います。

このあと川路は「西郷先生は立たん!大久保卿もそれを信じちょる」と従道に告げる。薩摩を守りたいから自分はこの命令に従っているんだと、率直な想いを告げる川路。すき好んで故郷の仲間を潰そうなんて絶対に思うはずがないよね。そこには尊敬する西郷もいるし、いつも行動を共にしてきた桐野もいる。川路も辛いところなんだよ…。
大久保も川路も、「西郷は立たない!」と自分自身に暗示をかけて最悪の事態にならないことを必死に願い続けているようでなんだか痛々しさすら感じてしまう(涙)。

しかし、ある一通の電報によってその願いは打ち砕かれてしまう方向へと進んでしまいます。中原に送られた内容は・・・


「ボウズヲ シサツセヨ」

「ボウズ」は西郷隆盛のことを指していると考えて間違いないと思いますが、問題はその後の「シサツ」の意味です。

この内容を読んだ中原は、旧知の友である別府を呼び出して「私学校の過激な者たちを抑えるために仲間を集めてほしい」と切り出します。たしかに篠原や別府といった猛者が上で仕切っている限り暴発するのは時間の問題だからな(苦笑)。

別府を信頼していた中原は、その流れで、政府の船がもうすぐやって来て薩摩の銃や弾薬を運び出そうとしているというトップシークレットを話してしまいます。あーーーー、いくら親友だと思っていても、そんな簡単に言ってしまったら危なすぎやしませんか???
案の定、これを聞いた別府の顔色は変わり「お前が密偵だったのか!?」と食って掛かってくる。中原は別府にショックを与えてしまったことを申し訳なく感じたからか「薩摩を守るためだ」と説得しようとしましたが、別府が本当にショックだったことはそれよりも深いところにありました。


「中原・・・すまん!!!」

泣きながら中原に詫びた別府の言葉と同時に、隠れていた桐野や篠原たちが姿を現し中原を捕えていしまう。

おそらく別府は篠原たちから中原を探るように言われてたんだろうね…。あの疑心暗鬼にみんながなった時から目を付けられたのかもしれない。桐野の表情も意味深だったし…。
別府は中原とは旧知の仲でもあったようだし、疑われずに近づくにはもってこいの人材だと思われたに違いない。その使命を負いながら「中原は密偵などではない」と何度も信じようとしたと思うよ、別府くん…(涙)。これからも私学校の仲間としてずっと一緒にやっていきたいって思っていたはずです。
それだけに、本当に密偵だったと明らかになってしまったことは彼にとってショックであったし、悲しかったんじゃないだろうか。同時に、友人を売るような形になってしまったことにも罪悪感があったと思います。別府くんのそんな心情を想像すると本当につらい…。

乱暴に捕えられた中原は、桐野から「ないごてじゃ!?」と迫られる。その表情は篠原たちとは違って、裏切られたことへの哀しみみたいなものが浮かんでいました…。おそらく桐野も別府と同じく、中原が政府の密偵であるはずがないって思いたかったんだろうね…。それだけに失望感は大きかったのではないだろうか。


それにしても、拷問第一弾としての手の甲に刀の柄の部分をグリグリやるシーンは見ているだけで痛かったよーーーー

ちなみに、実際に密偵として鹿児島に戻ったのは中原以下24名いたそうです。このことが逆に怪しまれることになったとも言われているのだとか…。たしかに、そりゃ目を付けられても仕方なかったかも(苦笑)。

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そんな恐ろしいことが起こっているとは露知らぬ西郷は、菊次郎とのんびり温泉に浸かって星を眺めていました。おそらくこれが、西郷にとって、人生最後の一番平穏で幸せな時間だったのかもしれません…。

そこへ小兵衛が血相を変えて「私学校の者たちが政府を襲ってしまった!」と飛び込んでくる。この一報を聞いた西郷は

「しもぅた…!!!」

と思わず声に出し風呂を飛び出していきます。ここは史実とされているところを忠実に再現したようですね。実際の西郷もこの知らせを聞いたときに開口一番「しもうた!!」と口走ったそうなので。

おそらく彼の心の中ではいつも私学校の生徒たちが暴発しないか気に留めていたんだと思います。だけど、学校に関して自分は前面に出ることなく若い者たちに任せる形をとってしまっていた。それが結果的に最悪の事態を引き起こしてしまったと…あの瞬間後悔したのかもしれません。

しかし、後悔先に立たず…。

鹿児島の暴発を恐れていた政府は、秘密裏に鹿児島にある武器や弾薬を船に乗せて運び出します。一説には、政府による私学校を挑発する行為という見方があるようです。

一部の私学校生徒たちはその動きに激怒し(政府に武器を盗まれたという想いが強かったらしい)、政府の管轄の草牟田にあった火薬庫を襲撃して武器を強奪しました。この暴動は、事前に桐野や篠原ら幹部には報告しないで勝手に決行してしまったそうです(ドラマでは参加したことになっているような感じになっていましたが)

私学校の生徒たちが政府の火薬庫を襲った知らせはすぐに政府にも届きます。これを聞いても大久保は動揺した素振りを見せず、川路と山県に来るべき時に備えるよう指令を下す。

この様子から見て、大久保はやはり私学校を挑発する意思があったのかも…と思ってしまった。私学校の危険分子たちに関しては彼にとって頭の痛い問題でもあったのかもしれない。でもそれは同時に西郷を窮地に陥れることにも繋がるかもしれないわけで…胸中は穏やかじゃなかったと思うよ。


しかし気になるなぁ、大久保さぁの額の真ん中にある小さな凹みw。ずーっと額にペンを押し当てて悩んだりしてたんだろうか?

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急いで駆け付けた西郷。それまでは大隅方面で狩猟をしていたそうなので、知らせを聞いてからちょっと時間がかかったものと思われます。

戻って西郷が目にしたものは・・・


桐野たち私学校の生徒たちから激しい拷問を受け吊るされた、中原のあまりにも無残な姿でした…。あんなひどい目に遭いながらよく生きてたな…と思ってしまうほどだった。まぁ、古高俊太郎のように五寸釘刺されなかっただけマシかもしれないけど(汗)。

すぐに中原を下ろした後、西郷は涙目になりながら拷問に加わったと思われる桐野たちを張り倒していきます。桐野は平手で倒してたのに対して篠原と辺見はグーパンチだったなw。そこの西郷の情の差が出ていたような気がした。

「おはんら、なんということをしでかしてくれたか…!!」

こう叱り飛ばした西郷。この台詞も、実際の西郷さんが暴発した生徒たちに発した言葉だとされているそうです。

政府管轄の弾薬庫を襲ったということは、つまりは国家に対する反逆を意味します。それは西郷が一番避けたかったことでした。西郷が哀しかったのは、自分たちが賊軍になってしまう・・・ということよりも、生徒たちが討伐されてしまう恐れが高まったことの方が強かったように感じました。彼らのことだけは何としても守りたかったに違いない。「人を大切にする」という心情を掲げている西郷らしい…。
だからこそ彼は、烈火のごとく彼らの犯した行動を厳しく問い詰めていたんですよね。それが切ない…。

しかし、桐野は「先生は分かっていない!」とある小さな紙切れを西郷に手渡す。そこに書かれてあったのは・・・

「ボウズヲ シサツセヨ」

という、中原が持参していたと思われる指令書。桐野たちはこれを読んだ時に「西郷を暗殺せよ」というニュアンスとして捉えてしまっていました。中原も拷問の中で西郷を刺し殺そうとしていたと自白したと篠原は付け加える。
それを聞いた西郷は、静かに中原に近づき「本当に刺し殺せという意味なのか?」と尋ねますが…拷問され重傷を負った中原にはその真意を正確に伝える力は残っていませんでした…。

おそらくあの時、中原は「違う」という趣旨のことを言いたかったんじゃないのかな…。彼はあくまでも薩摩を守りたいという気持ちだけでこの任務を引き受けて来たはず。政府側がたとえ本当に「殺せ」と言ってきたとしても、中原は本当にそれを実行できるのかどうかは疑問です。拷問に耐えられず、篠原たちの言われたシナリオを肯定せざるを得なくなってしまったのが本当のところではないのだろうかと思ってしまいました。

実際のところ「シサツ」の意味は今でも「刺殺」を意味していたのか「視察」を意味していたのかは分かっていないそうです。中原はこの後も長生きできたとのことですが、死の間際に「視察を意味していた」というようなことを言ったというようなことも伝えられているらしいけど、政府の本当の意思はどうだったのかは分かりませんね。
だけど、ふつう、暗殺を指示するのに具体的な「刺殺」という言葉は出すのかという疑問はあります。個人的には「視察」を意味していたと信じたい。

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何かを伝えようとしながらもそれができない中原を目の当たりにした西郷は涙ながらに「よかよか」と優しく彼の頭を撫でてやります。この場面、ちょっとウルっときてしまった(涙)。
西郷はこれっぽっちも中原のことを恨みに思ってなかったよね…。たとえ彼が本当に自分を暗殺する目的でいたのだとしても、西郷は中原を許していたんじゃないだろうか。そこに憎しみがないことを信じていたと思います…。


もしかしたら本当に政府は自分を抹殺しようとしていたのかもしれない…と感じた西郷は思わず涙を流してしまう。新八も小兵衛も「そこまで敵視されていた」ということに落胆を隠せない。

そんな彼らに、桐野は

「薩摩から国を変えるという西郷先生の言葉を信じてどんな理不尽にも耐えて来たけれども、西郷先生を殺せと言ってくる政府にはもう我慢の限界だ」

と訴えます。

桐野は半次郎と名乗っていた少年時代から西郷のことを尊敬して、まるで神格化したかのように慕ってきましたからね…。それだけに「殺せ」と指令を出した政府のことは誰がなんと言おうと許すことができなかったのでしょう。彼らが起こした行動も、偏に、西郷隆盛を想ってのものだということには変わりなかったのです。

「できることはもはや一つ、わが身を捨て石とし、政府の政を糺すのみ!!」

桐野の言葉に、他の生徒たちも同じ想いだと従う。みんな、命を投げ出す覚悟をしたということなのか…。

その堅い覚悟をついに受け止めた西郷は涙を流しながら彼らの想いを受け止める決断を下します

「みんなで東京へ行き、全国の士族たちの想い、新しか世を見ることなく散っていった先人たちの想いを政府に訴え、政の在り方を問いただす。そして、みんなで必ず薩摩へ帰ってくっとじゃ!!」

「必ず薩摩へ戻ろう」と最後に付け加えた西郷の想いにまたウルウルっときてしまった(涙)。
本当は無事に戻れない可能性の方が高いって心のどこかで思っていただろうけど、それでも、また彼らともう一度薩摩で新しい世の中を創っていきたいという西郷の切なる願いが込められていたような気がしてねぇ…。この後の歴史を知ってしまってはいるけれど、やっぱりみんな無事に戻ってきてほしいって思ったよ。特に桐野には…。

自宅に戻った西郷は、斉彬からの担当を傍らに置き


『敬天愛人』の書を書き上げる。

この言葉は、西郷が沖永良部で悟った時に出てきた言葉だとされています。今までドラマの中では第4部の冒頭の書でしか登場してきませんでしたが、ここにきてようやく、西郷の筆という形で出てきましたね。満を持してと言ったところでしょうか。

だけど、これを書いたときの心境を想うとなんだか切ない…。まるで、遺言のようなニュアンスに受け取れてしまうようなシーンだったので…。

その夜、西郷は家族の前で「私学校の生徒たちと一緒に東京へ向かうことになった」と話をする。私学校の騒ぎのことは家族の耳にも届いていたこともあり、糸たちの間には不安が広がる。
しかも、雪篷が「まさか戦をしに行く気では!?」という問いに西郷はハッキリと「違う」と答えることができなかったからなおさらです…。ただの行軍では終わらないだろうということは、西郷も覚悟をしていたということです。

そんな中、菊次郎は自分も一緒に行かせてほしいと西郷に懇願します。糸は母親として、愛加那への想いもある故に「そんな危険なところへはやれない」と厳しく反対しますが、「自分が今立ち合っているすべてを見届けたい」という菊次郎の決意は揺るがない。
私学校に入ったことで彼らと接していくうちにしっかりとした意見を持つ青年へと成長したんだろうな…とは思えども、母としてそれを引き留めたいという糸さんの気持ちも痛いほどわかる。

たとえ戦になったとしても「自分の道は自分で決める!」と改めてその決意を語る菊次郎。西郷にはその熱意を否定することはできませんでした。「男子が決めたことだ」と西郷から諭されては、糸はそれ以上もう何も言うことができない…。

皆が寝静まった頃、西郷と糸は二人きりで話し合う。糸は家族の前では言えなかった「踏み留まることはできないのですか」と静かに尋ねますが、それに対して西郷はキッパリと「できん」と答える。私学校の生徒たちを守るために自ら下した決断をもう曲げることはできないよね…。

それを聞いたうえで、糸は

「新しか国を必ず見せてくれるのですか?答えてくいやい…」

と涙ながらに尋ねる。西郷の目指した新しい国を自分たちに見せてほしいと…。その願いを必ず叶えるという約束が彼女は欲しかった。つまり、生きて再び戻ってくるという言葉が聞きたかったんだよね…。でも、それをハッキリとは言わないところが糸さんの強さであり、切なさでもある。
しかし、その問いに西郷はハッキリとした返事をすることができませんでした…。それが死を覚悟した厳しい旅になることを、糸は悟ってしまったと思います(涙)。答えることができず涙ぐみながら黙る西郷も切なかった…(涙)。

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西郷は出発前に新八、桐野、篠原を連れて県令の大山の元を訪れる。
政府に対する意見書を大山に託しますが、大山としては本当に「話すためだけ」に向かうのかが気がかりで仕方ない。桐野と篠原はそうは思ってないようなオーラばりばり出してるしね(苦笑)。その不安をなんとか西郷が「大丈夫じゃって」となだめてましたw。まぁ、それ以上のことが起こらないように自分が何とかするからっていう意味があったと思いますが、彼らを抑えるのは至難の業だぞ!?

西郷たちの決意の固さに、大山もついに腹を決めます。その気合いの入り方がすごい(笑)。


「これはおいがパーーーっと撒いてやるから、お前たちは堂々と行ってこーーい!!」

あまりの気迫っぷりに西郷や新八も「頼もしか~~」と微笑んじゃってたし、硬い表情だった桐野や篠原にもうっすら笑みがこぼれていたようなw。これなんか、台本にはないような自然な展開だったような気がする(笑)。
暗く辛い話題が続いていますが、こんな時に大山さんのこういったテンションは救いになりますね。

そして明治10年2月17日、鹿児島に50年ぶりの大雪が降るなか、出発の日を迎えました。

出発前に海江田は桂久武と一緒にやってきますが、久武の格好はまさに戦支度そのもの。


「こん薩摩一の弓名人を置いていくとは何事か!!西郷!!」

ここでようやく西郷と久武の友情が垣間見えるシーンが出てきましたな(格好はちょっと時代遅れな気がするけどww)。ドラマではほとんど描かれていませんでしたが、久武と西郷の間には熱い友情関係があったようです。

ドラマでは最初からついて行く気満々の久武でしたがw、史実によると、最初は西郷について行くつもりがなかったそうです。出発の前夜に二人で別れを惜しみあったとも伝わるとか。
ところが見送りの際に行列を見て物資関連が手薄であると感じた久武は、急遽戦支度を整えその列に加わったのだそうです。

海江田は久光からの言伝を西郷に伝えますが・・・


まさかのモノマネ付きwwww!!!

あまりにも光臣くんのムネくん@久光モノマネが似てて面白すぎて内容が頭に入ってこなかったではないか(笑)。亮平くん、よくこれを笑わずに聞いてられたなw。さすがはプロの役者(笑)。

つまるところ、久光は「見送りにはいかない。あってほしければ無事に帰ってこい」ということを伝えたかったらしい。一人火綴の前でくしゃみをしてた国父様ww。コメディかっ!!まんま『国父チャンネル』のキャラじゃないかwww。

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いよいよ西郷は家族に見送られて出発の時を迎えていました。琴の息子・宗介も菊次郎と同じく西郷について行くことになったようです…。
そして、犬たちも西郷家から2匹ほど選抜されてついていくことになりました。ドラマでは2匹でしたが、実際は4‐5匹くらいいたという説もあるそうな。それくらい西郷は犬が好きだったようです。

使用人の熊吉も西郷と運命を共にする決意をしたようですね…。熊吉は後に大きな働きをすることになります。

人数が揃ったのを確認した西郷は政府に向けて出発しようとします。その時、背中に聞き覚えのある歌が聞こえてくる…。

それは、愛加那が西郷と別れる時に歌った「行きゅんにゃ加那」…。菊草が歌うと、なんだかまるでそこに愛加那がいるかのような錯覚を覚えてしまって…もうこのシーンは号泣でした(涙)。

”行ってしまうのですか愛しい人、私の事を忘れていってしまうのですか愛しい人”

奄美大島に伝わる、愛する人を送る歌です。また再び会えますようにと祈る気持ちも込められた、優しい愛しい、そして切ない旋律が激しく胸を打ちます…。

この歌に送られて、ついに鹿児島を出立した西郷たち。辛く、険しい、そして悲しい旅が始まってしまいました・・・。それを想うだけでも本当に泣ける(涙)。

そして、西郷が立ったという知らせは大久保の耳にも届いてしまう。それを聞いたとき、

「嘘じゃ…!!ないごてじゃ…、ないごてじゃ、吉之助さぁ!!!」

と思わず感情を顕にする。そして、自らが説得に向かおうと飛び出そうとする大久保…。この時の彼は『大久保利通』ではなく、西郷の無二の親友だった『大久保一蔵』に戻っていたよね(涙)。ずっと西郷が立たないでほしいと心の中で念じ続けていただけに、彼の心のショックは計り知れないものがある。

でもねぇ…、あまりにも事を急ぎ過ぎたんだよ、大久保は。あのやり方では、多くの士族たちは不満を抱いてしまうだろうし、西郷も抑えきれなくなっちゃうよ…。そのことが見えてなかったんだろうな。

必死に周りが止めるのも聞かずに西郷の元へ向かおうとした大久保。そんな彼に岩倉は必死に訴える。

「おまえ日本を見捨てるつもりか!??お前は国家の要だ!!それを忘れるな…!!」


その言葉に我に返り立ち止まった大久保の背中が哀しくて泣けました…。

大久保は今や、自分一人の感情で動ける立場ではなくなっていました。国家を背負う立場の大久保と、薩摩の…そして全国の不平士族たちの想いを背負う西郷。この二人が合いまみえることは、もうできないところまで来てしまったのだなと思い知らされた…。

まるで、恋愛関係の想いのすれ違いみたいではないか(涙)。分かってほしい想いがお互いに正確に伝わらないもどかしさがなんとも切なすぎる…。

そして次回ついに西南戦争が勃発してしまうようですね…。悲しい別れがたくさん…と思うと辛いよ(泣)。

先日にはバトンタッチセレモニーが行われたようですね。次も楽しみだけど…でもやっぱり今は『西郷どん』愛の方が強いかなぁ…。亮平くん、トークショーの頃よりまたさらに体がスッキリ絞れてる感じですね!その見事な体重増減方法…ぜひとも知りたいw。いやぁ、プロ中のプロだなと改めて。

今週の鈴木亮平くんのブログ

🎀「西郷どん」ブルーレイ第四集(36~最終47話まで)

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