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大河ドラマ『麒麟がくる』を振り返る -美濃・上洛編-

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上洛編

第18回 越前へ

美濃を追われた光秀一行が伊呂波太夫の導きで越前へ逃げ延びるエピソードでしたが、この階も個人的に思い入れがあるシーンが多かったです。

越前への逃亡の途中に立ち寄った小屋で駒が自分の命の恩人を探していると語る場面。それを聞いた牧は、駒を助けた人物は夫の光綱…すなわち光秀の父親であると確信して彼女を娘のように抱きしめました。
なんとなーく駒を助けた謎の人物は光秀と関係のある人(父親かもとも)ではないかと予感はしてきましたが、いざそれが明かされたこの場面はなんだかとても感動的でちょっと泣けちゃいましたね。駒の、ずっと恩返ししたいと思っていた相手がもうこの世にいなかったと知った哀しみと、光秀との絆が自分にもあったんだと感極まる想いがひしひしと伝わってきてとても切なかったです。

その様子をじっと眺めていた光秀が、明智家当主としての覚悟を刻むように桔梗紋の旗を見つめ刀を振るう姿もとても印象に残っています。

そしてもう一つ大きなインパクトを残したシーンが、信長が弟の信勝を毒殺してしまう場面

母親から溺愛されてきた信勝に対して複雑な感情を抱いていた信長でしたが、この大河では「激しい憎しみ」といった感情を持っているようには見受けられなかった気がします。それだけに、信長を排除しようとする勢力に影響され(信長が大嫌いな高政とも通じてたらしいし)兄を毒殺しようとした弟の魂胆を知った時の衝撃は大きかったように思いました。

信勝が自分に毒を盛ろうとしたことを悟り、それを逆手にとって彼を追い詰め「お前が飲め!!」と激しい感情をむき出しにして迫る染谷@信長は恐ろしいというよりも、とても哀しげに見えました。あの時の信長は、怒りもあっただろうけど「なぜだ!?」という弟に対する忸怩たる想いも強かったんじゃないかな…。涙を浮かべながら弟を圧倒する信長の姿がとても印象に残っています。

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第21回 決戦!桶狭間

新型コロナ禍による緊急事態宣言により撮影ができなくなったとのことで放送中断を余儀なくされた今回の大河ドラマ。その、中断される直前に放送されたのが「桶狭間の戦い」を描いたエピソードでした。そのため、色んな意味で記憶に濃く残る回でもありましたね。

戦国時代を題材にしたドラマではだいたい登場する「桶狭間の戦い」ですが、この大河ほど戦い前から詳しく丁寧に描かれているものはこれまでなかったように思うので、大変興味深かったです。
そういえば、清州城に籠城を決めたときに信長は『敦盛』を唄ってましたね。本能寺の変のシーンで定番だったものを、ここに持ってきたのかと唸らされました。実際の歴史資料「信長公記」にも桶狭間出陣前に『敦盛』を舞ったとの記述があるらしいですね。最終回に『敦盛』を出さなかったのも納得できます。

そしてやはり特筆すべきは、片岡愛之助さんの今川義元の存在感だったと思います!これまでも短い出番ながらも大物感をだしまくる芝居が素晴らしかったのですが、「桶狭間の戦い」では圧倒的なカリスマ性で下のものを引っ張っていく力強いリーダーシップが加わって本当に最高でしたね。
愛之助さんと気心の知れた今井翼くん演じる毛利新介の大ジャンプからの槍攻撃にやられてしまうシーンは、その結末を分かってはいても思わず目を閉じてしまいたくなるほどショックでした(汗)。もう少し見たかったですねぇ、愛之助枝さんの義元。

そしてもう一つ印象深かったのが、光秀が桶狭間の勝利から帰宅途中の信長軍を出迎えたシーンです。夕陽をバックにした背景もとても印象深かったし、信長と光秀の想いが重なっていくかのような会話劇も見事で思わず心が震えました。

「今川を倒し、次は何を目指します!?」と聞かれた信長は「帰蝶を喜ばせるために美濃を攻略する」と答える。さらに光秀は「その後は?」と尋ねますが、信長は少し間を置いてニヤリとしただけで何も告げずに帰って行きました。あの「間」が良かったですよねぇ。あの時信長は「そうか、さらに次があるのか!」といったようなワクワク感が芽生えていたんじゃないかなと思います。
そしてその後ろ姿を見つめながら気持ちの高ぶりを抑えきれない様子の光秀もとても印象深かった。「信長となら一緒にやれるかもしれない」という道三の遺言がより鮮明に彼の心に響いた瞬間だったのではないかな。

めちゃめちゃ良いところなのに、ここで中断してしまうのが本当にもったいない!!と馬で駆けていく十兵衛の後ろ姿を見ながら忸怩たる想いに駆られた第21回のラストでした。

第22回 京よりの使者

待ちに待った『麒麟がくる』放送が再開されたのは、放送中断から約2か月後のことでした。当初の予定通り話数を減らさず放送することも決まり本当に感無量の心境でしたね(朝ドラ『エール』は話数減らされてしまいましたので…)。
再開された時代は桶狭間の戦いが終わってから4年後という設定になっていたので、間が空いてからの第2章のスタートといった意味合いからも良い感じで始まったんじゃないかなと思いました。

まだこの時は越前で質素な暮らしを送っていた光秀。世の中の動きから置いていかれるような焦りを感じつつも時がくるのをじっと耐えて待っていた印象でした。そんな彼の時計が動き始めたのが、盟友の細川藤孝が訪ねてきたシーン。
ここで面白かったのは、藤孝が未来の息子の嫁となる光秀の次女「たま」とご対面するエピソードが出てきたことでしたw。

普段は人見知りですぐ泣いてしまうというたまが、藤孝に抱かれてもおとなしくしていることに牧さんたちも驚いちゃったっていう”伏線”まで(笑)。ここは微笑ましくて思わず笑っちゃいましたねw。

しかし世の中は足利義輝の威光が衰えまくっていてかなり厳しい状況。そんな将軍の話し相手となってほしいと藤孝から頼まれた光秀がついに表舞台へと一歩足を踏み出していきます。そんなきっかけとなる回でした。
また、後の第15代将軍・足利義昭となる滝藤賢一さん演じる覚慶が登場したことも印象深かったです。

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第24回 将軍の器

ここから感想レポがストップしてしまいましたが(汗)、色々と見所が多く印象に残っている回でもあります。

※第23回の感想レポ↓

まず最初の大きな見どころは、向井理くん演じる足利義輝の大立ち回りシーンでしょう。前の週で光秀と最後に語り合った時「もっと早く会いたかった」とお互い涙を浮かべていたのがとても印象的でしたが、OP前の冒頭で義輝暗殺が突然来たので「心の準備が…!!」と動揺したのを思い出します(汗)。
剣豪だった義輝が障子に挟まれて串刺し状態で刺されて絶命するシーンは衝撃的でした。事切れる寸前の義輝の何とも言えない魂が抜けたような表情も印象深かったです。

そしてもう一つインパクトが強かったシーンが、松永久秀と光秀による命を懸けたヒリヒリするやり取りです。

将軍暗殺の実行犯には三好一族のほかに久秀の息子もいたことから、この陰謀には久秀自身も関わっていたのではないかとの疑念が浮かび光秀は彼を厳しく問い詰めます。すると久秀は銃口に火を灯し「わしが憎ければ遠慮なく撃て」と光秀に迫るんですよね。

義輝LOVEだった光秀からしたら、将軍暗殺をきっぱり否定しない久秀のことは憎くて仕方がないはずなのですが、寸でのところで雄たけびを上げながら銃口を逸らし思い留まりました。この時のハセヒロさんの色んな複雑な感情が爆発したような叫び声がめちゃめちゃ印象に残ってます。そして、光秀を信頼してこそその銃口を自分の額に押し当てた久秀も痺れました。彼は十兵衛大好きですからね。

この事件をきっかけに、義輝の弟である覚慶の存在感が一気に増していくこととなりました。

第25回 羽運ぶ蟻

このサブタイトルを最初に見たときには「?」と思ったのですが、ストーリーを見て「なるほど!」と唸りましたね。

義昭は上洛するために還俗して出てきたはいいものの、頼りにするはずの朝倉義景は匿うべきかどうか態度を決めかねていて手前の館に足止めを食らってしまいます。そんな時に庭で蝶の羽を運ぶ蟻の姿を見て、「1匹で羽根を運ぼうと意地になっている蟻は自分だ」と感じてしまったのだと。蟻の何倍もの大きさの「羽根」を「将軍職」に見立てた例えで、義昭のただならぬ覚悟を悟った気持ちというものが伝わってきました。
つまり、将軍職に就くには一人の力ではなく支えてくれる周りの力がどうしても必要なのだと悟ったわけなんですよね。この表現はすごいなと思いました。

もう一つ印象深かったのが、信長と光秀が「大きな国」について語り合う場面。ちなみにこのシーンの時に初めて信長は光秀に「わしに仕える気はないか?」と口説いてましたね。でも、光秀は将軍家への想いが強くてそれを断ってしまうんですよね。残念そうだった信長が印象的だった。この時からもう十兵衛を手元に置きたい欲求がだいぶ強くなってたみたいだしねw。

そのうえで、光秀は信長に道三が言い残した「大きな国」について語ります。

地図の周りを無邪気にぐるりと回りながら「これくらいの大きさか!?」と光秀に興味津々に尋ねていた染谷@信長がとても面白かった!未だかつてこんなピュアにストレートな感情表現する信長さん、見たことなかったですからねぇ。まさか信長に「可愛いぞ」なんて感情抱く日がくるなんて思わなかったよww。そのあと十兵衛と将来を想いながら大声で笑い合うシーンも印象深いです。
この場面は、最終回の本能寺の変の時に二人の脳裏に駆け巡ったシーンでもあったので…改めて見直してみると非常に感慨深いものがあります。この頃が一番二人にとって幸せだったかもしれないなぁ…なんて。

そしてもうひとつ、光秀の母・牧さんとのお別れもありました。伝吾から「もう戻って来ても大丈夫」という手紙を受け取り「美濃へ帰りたい」と言った母の願いを光秀は叶えます。母と別れて暮らすことへの不安を口にした息子に「誇り高く明智家当主として生きなさい」と諭した牧さんの言葉は胸を打つものがありました。
牧さんについては”壮絶な最期を遂げた”という逸話もあったことから、そういったシーンも出てくるかと思っていましたが、この回が最後の出演ということになりました。石川さゆりさんの熱演が本当に素晴らしかったです。

第27回 宗久の約束

越前で足止めを食らっていた義昭たちは美濃へ移ることに。しかし、表向きは良好な関係に見えても、大金を献上しても興味を示さない義昭に対して信長は「将軍としての自覚があるのか?」と違和感を抱いてしまいます。しかし、様々な困難の末に信長は足利義昭を奉じて京に上洛を果たしました。

義昭上洛のために下準備として京に入った光秀が、「平和な世にするためには戦はやむを得ない」として駒と対立してしまうエピソードは切なかったです。お互いに「麒麟がくる世の中」を望んでいるはずなのに、そこを目指すまでの道がすれ違ってしまうんですよねぇ…。

この回で一番印象深かったのは、信長が光秀に二度目の勧誘をするシーンですw。

満を持して「義昭様に仕えるか、わしに仕えるか、今、それを決めよ」と光秀に迫りましたが、結局は「わたくしの心は決まっております。将軍のお傍に参ります」と再度断られてしまいました(汗)。光秀としても信長に魅力を感じてはいたのですが、武士としての自分は将軍家に仕える身であるという原点から逸れることはできなかったんですよね。
二者択一を迫って光秀がしばらく考えを巡らせてた間、「今度こそ頷いてくれるはず」って少し期待を以て待っていた信長はちょっと気の毒でした(笑)。でも、断られてもそれに対して怒ったりしないんですよねぇ。それだけ光秀のことをこの時点では尊重してたんだろうなと思います。

お互いに人間として惹かれながらも別の道を行くことを決めた信長と光秀。このあたりのやりとりが面白かったです。

光秀、いよいよ歴史の表舞台へ!と気持ちの高まるラストでした。

※美濃編・上洛編はディスク壱と弐に収められています

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本当はこのほかにも印象深かったエピソードはたくさんあったのですが、今回はだいぶ絞って振り返ってみました。上洛後の振り返りについては次の記事で書いていこうと思います。

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