大河ドラマ『麒麟がくる』第23回感想 義輝、夏の終わりに

台風の影響で1週遅れとなりましたが、今週は無事に放送されてよかったです。せっかく再開されたばかりですからね。何とか最後まで完走してほしいと願うばかりです。

義輝の窮地を救うべく信長に上洛を促すため光秀は尾張に向けて出発。しかし、信長のほうも何やら色々と戦に明け暮れている事情がありそうで雲行きは極めて怪しい情勢でした。

尾張に到着し信長と面会した光秀はさっそく義輝からの御内書を差し出しますが、信長はそれを受け取る前に「上洛の件と察するが今はその話をしている余裕がない」と素っ気ない態度をとる。美濃攻め真っただ中にある信長にとっては、義輝を支えるといったことに構っている場合ではなかったようです。タイミングが悪かったなぁ(汗)。

それでも光秀は事情は上様も分かっている、と前置きしたうえで「こんな時だからこそ信長様が上洛を!」と猛プッシュしてみるのですが…信長はどこか上の空の表情。さらに軍議の予定も入ってしまいまともに話を聞いてもらうことができませんでした。
あの様子を見るに、信長はもうすでに義輝のことは見放していたと思いますね。たとえ戦の最中ではなかったとしても、尤もらしい理由をつけてこの話をスルーしていたような気がします。

でも、ほとんど取り合わずに帰すのは忍びないと思ったのか、代わりに話を聞く者を用意したと、ある人物を光秀に宛てることにした信長。その人こそ…

木下藤吉郎、のちの、豊臣秀吉なのでした。放浪の末ようやく信長のもとに辿り着いたようですね。この先過酷な運命が待ち受けてることなど知る由もない二人の出会い。
それにしても、蔵之介さんの

「はーーーーーーー!!!!」

”圧”がものすごかったなwwww。

以下、さらに第23回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

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『麒麟がくる』第23回 義輝、夏の終わりに

2020年09月13日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45

長谷川博己、染谷将太、門脇麦、向井理、眞島秀和、佐々木蔵之介、滝藤賢一、吉田鋼太郎、堺正章、ほか

あらすじ

将軍・義輝(向井 理)の文を手に信長(染谷将太)のもとに向かった光秀(長谷川博己)。しかし肝心の信長は美濃攻めに苦戦しており、話どころではなかった。代わりに取り次ぎを任された藤吉郎(佐々木蔵之介)から、京で三好長慶(山路和弘)の子らによる義輝暗殺計画のうわさがあると聞く。しかも裏で糸を引いているのが松永久秀(吉田鋼太郎)であると知り、衝撃を受ける光秀。すぐに大和の松永のもとを訪ね、その真意を問いただすも、松永は「義輝はもはや将軍の器ではない、このままでは世が治まらないので、殺しはしないが追放するつもりである」と告げる。

<公式HPより引用>

さっそく光秀に料理を振舞い丁重に接待する藤吉郎。「ここで酒を飲むつもりはありません」と迷惑顔な光秀のこともお構いなしに、あれよあれよという間に酌をするまで持って行ってしまう強引さがさすがです(笑)。人たらし的な一面が垣間見えてて面白かったw。

ところが、陽気だった(ちょっと胡散臭いけどw)藤吉郎が突然「京で将軍義輝様が近々闇討ちされるという噂があるのを御存じですか?」と囁いてくる。この時点でガラっと雰囲気が一変。眼光も鋭くなり不敵な表情を浮かべた藤吉郎にゾクっとするものを感じました。蔵之介さんの表現力が素晴らしい!
突然寝耳に水な話題が飛び出したことで光秀も驚き息を飲みます。そんな彼に滔々と義輝が闇討ちされるかもしれない状況の背景を説明する藤吉郎。その言葉にとても冷たく突き放すような気配が感じられました…。

この藤吉郎の様子を見て、やっぱり信長は足利義輝のことをもう見切ったんだなと確信しました。義輝を助けても自分には何の得もないことを悟っていたのだと思います。そもそも最初に謁見した時から「この人はもうだめだろうな」って直感したような描写ありましたからね。

しかし、光秀は違う。彼の今一番の”推し“は紛れもなく足利義輝なわけで、こんな不穏な話を聞いたらもはや食事どころの話ではない。さらに、義輝暗殺の流れを止めることができるのは裏で糸を引いているであろう松永久秀だけだと藤吉郎から聞かされた光秀は大きなショックを受けてしまう。久秀とはこれまでなんだかんだで親交を持ってきましたからなおさらでしょうね…。

その京では、明け方に目を覚ました義輝が庭の真ん中で呆然と立ち尽くしていました…。

いくら呼んでも誰も自分のもとに駆けつけてくれる人はいない…。気が付けば、周りから人が去ってしまっていた。静まり返った館の庭に下り立ち、ぼんやりと朝日が差し込むなかで孤独に佇む義輝の姿があまりにも儚く…とても哀しかった(涙)。「麒麟を呼べる男になりたい」とかつて語っていた場所で、「自分はもう麒麟を呼べる男にはなりえないのだ」と痛感させられていたのかもしれません。

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一方、大和では相変わらず覚慶が貧しい庶民たちに施しを与えていました。それを少し離れた場所からじっと見守っていた駒は、覚慶が立ち去るときにまたその後を追ってしまう。彼女の気配を感じた覚慶は渋々足を止め話を聞くことにします。

駒は、戦で傷ついた人を助けることができるのは目の前にいる人だけだと語りだす。自分の気づかないところでは多くの人が命を落としている現状があるわけで、それを想うと彼女はやりきれない気持ちでいっぱいなのです。それゆえ、道端で貧しい人々に施しを与えて歩く覚慶は今の現状をどう思っているのか尋ねたかったわけです。

すると覚慶は「私も同じことを想う」と静かに語りだす。仏のように万民に尽くすことができない自分は無力だと…。そして「麒麟がくる世にならなければ皆が豊かになることはない」と告げた覚慶。駒は覚慶が「麒麟」を知っていたことに驚きを隠せませんでした。

「私の父上がよう仰せられていた、”麒麟のくる世を作りたい”と。父上は、将軍であった。だが、ついに戦を止めることはできなかった。私の兄上も今日まで…」

この言葉を聞いて、駒は覚慶が実は将軍家に関わる高貴な人物だったのではと悟り驚きます。そういえば義輝が光秀に”麒麟”の話をしたときに父から聞いた話って言ってたな。つまり覚慶が言ってた”兄”というのは義輝のことです。向井くんが滝藤さんのお兄さん役っていうのもすごい設定だなw。
でも、駒がそれ以上話を聞こうとした時、覚慶を付けていた不審人物に追われ一緒に逃げることになってしまった。

無事に逃げ切った後、二人で市を散策。なんだか和やかな時間を過ごす二人が可愛くてちょっとホッコリしてしまいました。旅芸人に誘われて一緒に踊る駒を見ている覚慶の表情はなんだか可愛い妹を見守る兄だったな。図らずも、駒ちゃんはまたしても歴史上の重要人物の心をとらえてしまったようです(笑)。

しかし、駒が踊る最中、いつの間にか覚慶の後ろには義輝の傍にいるはずの藤孝一色藤長の姿が…。どうやらずっと覚慶を探していたようで「一人で出歩いたら危ないから早く寺に戻るように」と促しにやって来た様子。駒の踊りをもっと見ていたい覚慶でしたが、渋々二人に促されて立ち去ることに。
それにしても、なぜ藤孝は義輝のもとを離れてここに来ていたのだろうか…とこの時すごく気になりました。その答えは少し後に明かされることに。

笑顔で踊り終わった駒が後ろを振り向いた時には、もう覚慶の姿はありませんでした。そんな彼女を探していたのが伊呂波太夫。太夫は駒が作った黒い丸薬をとあるお坊さんに渡したところ、腹痛がすっかり回復したのだと話す。

それって、やっぱり、正〇丸じゃね!??ww

これに気を良くした伊呂波太夫は駒が作る丸薬を売ってお金にすることを提案。渋る駒を強引に説き伏せようとしてしまうのがすごいなw。それでもやっぱり駒ちゃん的にはお金が絡むことはしたくない様子だったけど。

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その頃光秀は、藤吉郎から義輝暗殺の黒幕が松永久秀だと聞かされたことで居てもたってもいられず、久秀のいる多聞山城を訪れていました。

現れた久秀は光秀の存在に気づかず、3つ並べられた壺のうち2つを豪快に割りまくってましたw。割り終わったところで光秀の姿に気が付いた久秀は親しげに彼を部屋に入るよう招き入れます。そして、光秀の話を待たずに壺の話を始める久秀。
堺の商人から壺を高く売りつけたいので、3つあると有難味に欠けるから1つだけを選んでほしいと頼まれたのだという。なるほど、それで自分の目利きで「これならイケる」と思ったもの以外を割りまくってたわけかw。

「わしが名器といえば、名器になる!」

超ドヤ顔の久秀ww。この割らなかった壺は後々何かで出てくるんだろうか。もしや、あの有名エピソードの時に…!?そんな予感もするぞ…!
しかし、光秀としては今はそんな壺の目利きのことなど全くどうでもいい話です。義輝のことを切り出そうと口を挟みますが、久秀はその言葉を「目利きの話をしている」とさらに遮る。光秀が自分のところへやって来た理由を久秀はとっくに悟っていたようでした。

「物には、もともと値打ちがあるわけではない。物の値打ちは人が作るものじゃ。将軍の値打ちもそうだ。人が決め、人が作っていく。人が相応しいと思えば値打ちは上がり、相応しくないと思えば値打ちは下がる。下がれば、壊したくなる」

このセリフはなるほどな~と思ってしまった。値打ちというのは「人が決めるもの」という言葉は特に響きましたね。たしかにその通りだなと。久秀は、義輝の評価はもう下り坂一直線だということを光秀に説いてるわけです。でも「下がれば壊したくなる」という最後の一言はゾクっときました(汗)。こういうところが久秀の恐ろしいところ…。

”推し”である義輝を「値打ちがない将軍」と評された光秀は不快感をあらわにしますが、久秀は光秀が義輝を慕っていることを承知しているうえで「討つことはしないが、京からは追放する」と言い放つ。

憤りを隠せない光秀に対し、久秀は「周りをよく見ろ!!」と一喝。今やどの大名も義輝のために上洛しようとしない。家臣ですら支えようとする者もいない。自分も何とか支えようとはしたが(そこはちょっと疑わしいがw)聞く耳を持ってもらえない将軍にはもう構っていられない「疲れた」とため息をつく久秀。
「疲れた」という言葉に衝撃を受けて思わず叫んでしまう光秀。ま、そりゃ、疲れたからもう支えるのやめた、なんて聞いたら「なんやて~~!??」って気持ちになるわなw。それでも、もう自分には排除する流れを止めることはできないと久秀は突っぱねます。

しかし、将軍の存在がなくなったらその先はどうするのかと光秀は詰め寄る。すると、久秀は意外な人物を呼び出しました。その人とは・・・

パグた・・・じゃなくて(すみません、どうしても過っちゃってww)細川藤孝!!あまりにも意外過ぎる人物登場に驚きすぎて表情がこわばってしまう光秀。その気持ちはよくわかる(汗)。

あんなに義輝を必死に支えようとしていた藤孝でしたが、もうそれも限界に達してしまったと。そして今は断腸の想いで「次の将軍」を助ける側に回ったのだという。ただでさえ衝撃受けてた光秀にとって、藤孝の口から「次の将軍」という言葉が飛び出したことはさらなるショックだったと思います。こうなるともう、二の句も告げられない状態になるよなぁ(汗)。
呆然とする光秀に、久秀は「息子たちには討つなと言ってある、案ずるな」とだけ告げるのでした。しかし、その言葉も信ぴょう性がねぇ…(苦笑)。

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京に戻った光秀は重い気持ちで義輝と面会します。その表情を見たとき、義輝はすべてを悟ったんじゃないかな…もう自分には希望が残っていないことを…「やむを得ぬ、皆戦に忙しいのじゃ」と力なく語りだす義輝を見るのが辛い…。

「京が、これほど寂しい所とは・・・知らなかった・・・」

朝起きて聞こえてくるのは風の音だけ。庭には紅葉したモミジが葉を落としている。

「夏は終わった・・・、わしの夏は・・・」

自分の居場所を失ったことを、自分の時代がすでに終わりを迎えてしまったことを、誰よりも痛切に感じていたのは義輝自身だったと思います。それだけに、「夏が終わった」という表現はあまりにも哀しく切なかった(涙)。

義輝は光秀にこれまでの労を労い、越前へ帰るよう促します。

「欲を言えば…もそっと、早うに会いたかった…!!!遅かった!!!!…遅かった…」

最後の最後に、義輝は光秀に本音を漏らすこのシーン…涙なしには見れなかったよ(泣)。「早くに」というのは、広い意味で・・・自分が将軍になった頃にというように私には受け取れました。もっと早くに二人が出会っていれば、違う未来が待っていたのではないか。そう思わずにはいられない。

義輝は涙をこらえながら「朝倉には将軍が息災であると伝えるように」と告げます。

「十兵衛、また会おう…!」

光秀の手を取り笑顔で「また会う」約束をした義輝でしたが、二人とも、もうこれが今生の別れとなることを予感していたのではなかろうか(涙)。あまりにも哀しく、切ない二人の別れのシーンでした…。

一方、京へ戻ってきた駒は東庵の家に帰ることを躊躇いなかなか入れずにいました。けっこうな大喧嘩をして家出しましたからねw。
しかし、お茶売りのおっちゃん(カメとめの濱津隆之さん、まさかの再登場w)から東庵先生が盗賊に襲われたという話を聞いて慌てて家の中へ。すると、部屋の中は見事にからっぽ。縁側では腕に添え木と包帯を巻いた痛々しい東庵が一人ぼんやりと座っていました。

駒が東庵の世話をしているとそこに伊呂波太夫が訪ねてくる。太夫は駒の作った丸薬を色々なところに宣伝して回っているようで、700人分の薬を請け負う話までつけてきてしまったという。しかもすでに手付金もらってきちゃってるww。金の絡んだ話には抜かりない伊呂波太夫w。駒は丸薬の一件で東庵と大喧嘩したこともあり、その話は断ってほしいと必死に懇願します。
ところが、盗賊に襲われ一文無しの状況に陥ってしまった東庵は今はどうしてもお金が欲しいw。あんなに反対していた駒の丸薬ではありましたが、生活のために渋々作ることを了承するのでした。ま、こういうところは東庵先生らしいかな(笑)。

同じころ、義輝と別れた光秀は越前の自宅に帰宅。門のところで自分の留守を守る家族が穏やかに暮らしている様子を眺めながら穏やかな気持ちに戻るのを感じている様子。牧を演じる石川さゆりさんの年季の入った子守唄がさすがでしたw。
朝倉義景は、約束通り本当に光秀の留守の間家族の援助をしてくれていたようです。まぁそれも、後々の見返りを見越してのこととは思いますが(苦笑)。

久しぶりに煕子と夫婦の時間を過ごす光秀。朝倉に帰還の報告をしたときに「野心を持たずこの国にじっとしているように、自分の家が一番いいのだ」と諭されたという。出ていくときには外の世界の自分の働く場所があると意気込んでいた光秀でしたが、義輝の一件を経て家に戻ってきた今では「家族と一緒にいるのが一番いいのかもしれない」という気持ちになったと語ります。しかし、その表情はなんだかどこか空虚でしっくりこない様子…。

それを察した煕子は、光秀が家族と一緒にいる時間が一番だと思ってくれる気持ちは嬉しいとしたうえで「戦で誰かがどこかで命を落としていると考えると辛い、どの国からも戦がなくなればいいと思う」と告げます。その言葉の裏にはきっと、戦のない世を作るためにいつかきっと光秀が活躍できる時がくる、という意味も含ませていたんじゃないかな。

そして翌年1565年・・・ついに恐れていた事態が勃発。三好長慶の子・長慶が足利義輝を襲うべく挙兵。義輝の命のカウントダウンが始まる…。