これまでの『エール』感想レポ
第6週のサブタイトルは「ふたりの決意」。裕一と音の間に大きな出来事が起こりそうな予感がします。
その前に…少し前に大河ドラマのストックが6月頭で切れてしまうというニュースが流れました。この知らせを聞いた時におそらく朝ドラも同じようなことになってしまうのではと懸念していたのですが…やはり案の定6月末に放送予定分が切れてしまうというニュースが流れてしまいました。
今の時期はキャストやスタッフの皆さんの健康と安全が一番ですから、撮影ストップはやむを得ないと思っています。でも、撮影が再開された折には予定期間を過ぎてもいいので最後まで放送してほしいです。中途半端で終わるようなことにならないよう祈ってます。
「バンジヨシ(万事よし)」という三郎からの電報を信じて福島に帰郷した裕一でしたが、心配した通り結婚に関して全く家族を説得できておらず修羅場となってしまいました(苦笑)。
特に弟の浩二はこれまで溜まりに溜まってきた兄に対する嫉妬の感情が爆発。父も母も自分より裕一に関心を寄せていることを敏感に感じていましたから…涙ながらに「周りの愛を当たり前だと思うなよ!もっと感謝しろよ!」と詰め寄るシーンは見ていて切なかったです…。
裕一は浩二の心の叫びを目の当たりにして、初めて自分が恵まれた立場にいたことを自覚し、弟を苦しめていたことに心を痛めるのでした。音との結婚を推し進めようとしていましたが、説得することにためらいを感じてしまった裕一…。
裕一サイドが三郎以外は結婚に大反対されていることなど全く知らない音は、裕一からの連絡がこないことに大きな不安を感じ呆けてしまっていました(汗)。そんな妹の姿を見た吟は「もうすぐ音楽学校の実技試験があるんでしょ」と喝を入れ外で練習してくるようにと促すのでした。なんだかんだでお姉ちゃん、優しいよね。
さっそく歌は東京の公園で歌の練習をするのですが・・・自然が溢れる林と池がある抜群の環境でそこが「東京」であることを忘れてしまうかのような美しいところでした。昭和初期の東京はまだこういった自然がたくさん残っていたのかもしれませんね。
しばらく歌の自主練をしていた音でしたが、あまり自分の歌声に納得していない様子。すると、どこからか「体は楽器だ。もっとリラックスして、体全体を使わないと駄目だよ」という男性の声が聞こえてきました。驚いた音が声のするほうに目を向けると…
謎の若い青年が背中を向けたまま音に歌のアドバイスをしているではないですか。しかも音のことをこれまでもずっと見てきたようで「君は力んで猫背になる悪い癖がある。体を開いて視線を少し上げてごらん」と内容もかなり的確ですw。
音は半信半疑で言われた通りに歌ってみると…最初の頃よりもずっと声の出方が変わったことを実感。喜んでお礼を言おうとさっきの場所に目を向けてみると…謎の青年の姿はもうそこにはありませんでした。
この神出鬼没っぷりは…間違いなく「彼」でしょうww!でも、この日はまだOPの名前紹介も「謎の男」扱い(笑)。そんな山崎育三郎くん初登場の回でした。なかなかクセが強そうなキャラなのでww、今後の活躍が大いに期待できそうです!
一方、福島の裕一は自分の進むべき道に迷い母校の小学校の藤堂先生を訪ねていました。
結婚を勢いで決めたものの家族の賛成を得られず、さらに弟まで傷つけてしまったことに激しいショックを受けたことを告白する裕一。
そんな彼に藤堂先生は「身近な人の気持ちって気付きづらいよな…」と意味深なことを呟き、学校をやめることになるかもしれないと告げます。もともとは陸軍の父親の反対を押し切って教師の道に進んだようですが、未だに自分を認めてくれない父と向き合うことに疲れ果ててしまったという…。そういう背景があったんですね。親にいつまでも認めてもらえないのはたしかに辛い…。
その話に衝撃を受けた裕一は子供たちのためにも教師を続けてほしいと懇願。裕一は藤堂先生に音楽の才能を見出されてここまでやって来れましたからね。生徒に真摯に向き合ってくれる藤堂先生のような存在はこれからの学校にも必要だという気持ちが人一倍強いのかもしれない。
それでも、藤堂先生は最近「親孝行をしたい」という気持ちが膨らんできたらしく…やはり教職の道を離れるほうへ傾いてる感じでした。勿体ないと思うけど、こればかりは自分の気持ち次第ですからね…。
同じく人生の岐路に立っている藤堂先生に、裕一は「先生が今の僕の立場だったら、どうしますか?」と尋ねてみる。
家族の反対を押し切って音と結婚する道を選ぶべきか、それとも周囲の期待に応えるべくロンドンへ音楽留学に行くか。最初はどちらも選び取ろうとしていましたが、今はそのどちらかを選ばなければならないときにきてしまっている…。そんな裕一に、藤堂先生は自らの考えを告げます。
「本気で何かを成し遂げたいなら、何かを捨てねばならない。俺はお前に世界で一流と認められるような作曲家になってほしい。この留学は最後に残された唯一の道だ。家族の気持ちもある。辛いかもしれないが最善の選択をしてほしい」
どちらも得ようとしていた裕一の考えは甘いと暗に告げたうえで、結婚ではなく音楽の道を究めてほしいと背中を押してくれた藤堂先生の優しさにジーンときてしまった。
裕一の音楽の才能を一番最初に見抜いた藤堂先生だからこそ、彼にはその道を究めてほしいという想いが人一倍強かったと思います。目の前にチャンスがあるのならば、今はそれを生かすべきだという彼の意見に私も同意したい。
それにしても・・・森山直太朗くん、本当にドラマでの本格的な演技初挑戦か!?とてもそうは思えないほど堂々としているし自然だし、セリフに説得力があるよ。俳優さんといっても全然通用するレベルかと。
藤堂先生の話を聞いた裕一は、熟考の末にある大きな決断をします。
東京では、音が無事に音楽の実技試験を通過。「謎の男」の指導の成果が出たということかw。それにしても、古川くんの次にいっくんから音楽指南を受けるなんて…音ちゃん、めちゃめちゃ恵まれてるよ(違ww)!?
そんな彼女のもとに、ついに裕一から一通の手紙が来ました。待ちに待った愛する人からの手紙に大喜びで封を切りさっそく読み進めていく音でしたが…そこには彼女が全く想像していなかった言葉が綴られていました…。
「別れてください。夢を選びます」という最後の一文はあまりにも残酷…。
音はショックのあまり手の震えが止まらなくなり、吟の胸の中で激しく慟哭する…。このシーンは見ていて本当に胸が痛みました(涙)。音と裕一の結婚までの道筋はあまりにもスピードが速くて今ひとつ二人の愛情が見えづらい部分はあったのですが、それでも音ちゃんのあの号泣っぷりは見ていて辛かったです…。
一方の裕一も机の前で「音さん捨てたんだろ、お前は。一流になんなきゃ意味ない…」と涙ながらに自分に言い聞かせながら音楽と向き合おうと必死になっていました…。手紙の文字が乱れているように見えたのは、裕一の気持ちの乱れが出てしまっていたのかもしれません…。
音がいなければ音楽はできないと思い込んでいた裕一でしたが、これからは彼女のいない世界で音楽と向き合わなければなりません。その覚悟を受け入れようと必死に自分を戒めてる姿がとても痛々しくて泣けました…(涙)。
音は裕一から別れの手紙を受け取った後も諦めきれず、何度も福島へ手紙を書いて送っていました。しかし、裕一はその手紙を一度も読むことなく箱の中にしまい込んで必死に耐えていました…(状況はちょっと違うけどちりとてちんで正典が糸子からの手紙を読まずに箱にしまい込んでいたのを少し思い出した)。それでも辛くてやっぱり涙が出てしまう繊細さが切ない。窪田くんはこういうすごく繊細な青年の芝居がめちゃめちゃハマってリアルに見えるんですよね。
しかし、ある日その中の一通にロンドンからの手紙があるのを見つけます。急いで封を開けて読んだ裕一は激しいショックを受け、家族に手紙だけ渡すと食事をとらずに自室に籠ってしまいました…。
ロンドンからの手紙には、「留学を取り消す」旨が書かれてあったのです…。
身を切るように辛い想いをしてまで音との結婚を諦め音楽の道へ進むことを決めた裕一。しかし、ロンドン留学の話も突然閉ざされてしまったことで自分の将来に何の希望も見いだせなくなってしまった。繊細過ぎる裕一の心は崩壊し、やり場のない憤りの感情を物にぶつけるしかなくなってしまう。
激しい物音に驚いた家族が部屋を訪れると、荒れ放題の部屋のなかで呆然と座り込みうなだれている裕一の姿がそこにありました…。
「どうしてかな…。家族のこと顧みなかった報いなのかな?期待させてごめんね…。もう終わり…。全部終わり…」
放心状態でうつろな目をしながらつぶやく裕一の姿に、三郎もまさも、兄に複雑な感情を抱いていた弟の浩二も大きなショックを受け言葉を失ってしまいました(涙)。「期待させてごめんね」っていう裕一の言葉が悲しすぎて私も泣きそうになってしまった…。まささんが泣いてしまう気持ちも痛いほどよくわかる…。あんな息子の姿、見たくなかったよね…。
あまりにも衝撃的な裕一の姿を目の当たりにしてしまった三郎は、その日の夜、豊橋の関内家に一通の手紙をしたためました。
手紙を読んだ光子と梅は裕一の現状に大きな衝撃を受けます。一刻も早くこのことを知らせなければと、光子は梅に留守を任せ東京の音の元へと向かいました。
それにしても光子さん、東京到着早かったですね(笑)。突然の母親の来訪に音も吟も驚いて狼狽えてたよww。でも今はそんなことを言ってる時ではない。光子はすぐに音に三郎からの手紙を手渡します。それを読んだ音はどのような行動に出るのでしょうか。きっと、行っちゃうだろうね…福島へ。