【過去ドラマ振り返り】東芝日曜劇場『ふたりのシーソーゲーム』

田辺誠一さん出演の過去ドラマを勝手に振り返るシリーズの第4弾は、TBS系列で放送された東芝日曜劇場『ふたりのシーソーゲーム』です。

これまでの田辺誠一さん出演作品感想レポ

田辺誠一さん出演作品感想一覧
田辺誠一さん出演作品感想一覧
田辺誠一さんが出演した作品の感想

『ふたりのシーソーゲーム』は1996年7月に当時ホームドラマ色が強かった東芝日曜劇場枠で放送されました。そのちょうど1年後の7月にドラマ『ガラスの仮面』が放送されて速水真澄役で田辺さんがブレイクしたことを考えると、なんだか感慨深いものがあります。

脚本を担当していた石原武龍さんは”温泉旅館”を舞台にしたドラマを多く手がけた方で、加藤貴子さんが主演したTBSの昼ドラ『温泉へ行こう』(1999年~2005年放送)は人気作となり第5シリーズまで製作されました。
その先駆けとなったのが『ふたりのシーソーゲーム』です。第1話ゲストの田中実さんは『温泉へ~』で主人公の相手役に抜擢されましたし、レギュラー出演していた神保悟志さんも同じく『温泉へ~』で知名度が上がり人気者となりました。

ちなみに石原さんが最初に手がけた温泉旅館を舞台にした作品は、『ふたりの~』の1年前に放送された高橋由美子さん主演の『おかみ三代女の戦い』でした。このドラマもけっこう好きで今でも録画持ってますw。

石原さんは2018年にまだ66歳という若さでお亡くなりになってしまいました…。多くの人気作を手掛けた脚本家さんだっただけに、本当に残念です。

以下、『ふたりのシーソーゲーム』について少し振り返ってみたいと思います。

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東芝日曜劇場『ふたりのシーソーゲーム』

放送:1996年07月07日~09月29日(日)21:00~21:54 TBS系列<全12回>

脚本:石原武龍

主題歌:SMILE「ジグソーパズル」

田辺誠一さんの役:桐野利幸(レギュラー出演)

主演:中村雅俊、篠ひろ子

その他主な出演者:小林克也、菅井きん、松金よね子、三井ゆり、神保悟志、大島さと子、金田明夫、村井國夫、ほか

簡単なあらすじ

大手商社に勤めていた航平に、伊豆の旅館・佐倉井へ出向して経営を立て直せとの辞令が下る。定年間近の吉田と、若手で生意気盛りな桐野とともに佐倉井へ乗り込むものの、仲居たちの猛反発を受け悪戦苦闘の日々。女将の千春は間に入ろうとするものの、なかなか双方の溝は埋まらない。
会社に捨てられないよう必死に奮闘する航平たちと、自らのテリトリーを守ろうと反発する旅館メンバーとの戦いと成長の物語。

この作品は、主人公の中村雅俊さん演じる航平と、篠ひろ子さん演じる佐倉井の女将・千春の丁々発止が大きな見どころ。タイトルの『ふたりの』は航平と千春のことを指していると思われます。何かと反発を繰り返しながらも、旅館を立て直したいという共通の目標へ向かっていくうちにやがて心が通っていくという物語。
それまでの間には、航平の家族との関係や、千春と高杉常務の過去の関係などといった問題も絡んでいくのですが、最後には見事に丸く収まります。

あとは、強烈な仲居さんたちの反抗もすごいです(笑)。菅井きんさん演じる仲居頭のキクを筆頭に一致団結して航平たち出向組の大きな壁となるのですが、彼女たちとどう距離を縮めていくのかも見所の一つだったかなと思いました。

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今では珍しい全12回の放送のなかで、旅館・佐倉井の経営をどう立て直していくかのドタバタ劇が軸になっている作品ですが、田辺ファンの私目線からいうと・・・航平と共に出向してきた桐野の成長物語という側面も非常に大きかったかなと思ってます。
というのも、田辺さんが演じた桐野くん・・・全話に満遍なく登場してくるからです。中村さん、篠さんに次いでの出番の多さで、ファンとしてはもう毎回祭りみたいな状態でしたww。

『ステイション』の時と同じく男3人組のなかでのドタバタ劇といった要素は大きいのですが、テイストは全然違いますね。

田辺さんが演じた桐野利幸は、大手商社の東昭物産で通信事業部に所属し「いずれは社長」という大きな目標を掲げていた青年なのですが・・・とにかく、生意気野郎なキャラなのです(笑)。旅館へ出向させられたことがとにかく腹立たしくて、上司である航平やベテラン社員の吉田に対しても全く遠慮なしにズケズケと不平不満をぶつけちゃう、みたいな困ったクン。

基本的にいつもムス~~~っと顔をしかめてるか、機嫌損ねて客相手にも食って掛かってるか、スネてるかがほとんどww。ほぼイライラして怒りまくってましたね(笑)。表情が柔らかくなるのは後半のクライマックスに突入した頃くらいでした。

そんな性格なので、周囲との衝突も日常茶飯事なトラブルメーカー的な立ち位置でしたね。今ではこういう勢いのある役はもう田辺さんには来ないと思うのでw、非常に貴重なキャラだったと思います。
そんな彼が、全12回を通してどのように成長していくか見守るという楽しさがこの作品にはありました。特に一番反発していた仲居頭のキクさんとの関係の変化は最後に大きな感動が待っていて泣けます。

以下、どんだけお騒がせだったかをざっと挙げていきたいと思います(笑)。

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まず、出向が決まったことを抗議するために高杉常務の部屋へ突撃しにいくところからドラマがスタート。冒頭シーンが桐野くんからだったんですよね。そこから見ても彼がこの作品のなかでキーになっていることがうかがえます。
でも結局部屋から出てきた常務の姿を見たら何も文句が言えなくて、唇噛みしめながらも旅館へ行くことになっちゃうわけです(なにげに勢いだけはあるけど実は小心者w)。

まず、新幹線で3人そろって旅館へ向かう車内で桐野は目上のベテラン社員・吉田に「早期退職を断ったクチですか」と上から目線でバカにするということをさっそくやらかします。大人な対応をする吉田さんでしたが、航平としては「先が思いやられる」と苦笑いするしかない。

イライラしながらも、後戻りできないと覚悟を決めて旅館の入り口に立つ3人でしたが、のっけから「素人に経営任せるなんてとんでもない」と猛反発する仲居さんたちの壁に阻まれます。
この時まず最初に彼女たちに噛みついたのもやっぱり桐野くんでしたw。しかし、菅井きんさん演じる仲居頭のキクさんに「ボク」と呼ばれ馬鹿にされてしまうというしっぺ返しを食らいますww。ここから二人の長い攻防が始まるわけで、個人的には”もう一つのふたりのシーソーゲーム”と呼びたいくらい(笑)。

そして旅館・佐倉井での初仕事で靴磨きをするように強要された桐野は、渋々それに従うことにするのですがすぐに嫌になってポイw。その現場を目撃したキクさんからキツく注意されると「俺は経営再建のために来たんだ!勘違いするな!!」と怒鳴り返す始末。
それに対して「お客様の靴も磨けないような子に旅館の経営が分かってたまるかっていうのよ!!」と大反論するキクさん。まるで孫とおばあちゃんほどの差がある二人ですが、第1話から本気でバチバチの喧嘩となってしまいます。

ちなみに、菅井きんさんとは『ステイション』の第1話でも共演シーンがあるんですよね。

1年後に再びこうして田辺さんと菅井さんが共演することになったんだなぁと思うと、なんだかとても感慨深いものがありました。

さらに、旅館を立て直さなければ会社には戻れないってことで、何とか自分の成果をアピールしたい桐野は旅館に仕入れている馴染みの魚屋との契約を切り、大手の流通会社から仕入れるように手配しようとしてしまいます。
そのことで、旅館側からさらに大きな反発を食らうことになってしまい、航平はますます窮地へと追いやられてしまうことに。やることなすこと、トラブルメーカーな桐野くんww。

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そんなある日、お客さんから「宴会の声がうるさいからなんとかしてほしい」というクレームを受けて困り果ててしまう事態が発生。途方に暮れているところに助けに入ってくれたのはキクさんでした。

適切な対応をてきぱきとるキクさんを見て、これまでと少し心境が変化した桐野くんでしたが…靴磨きの仕事はやはり率先してやる気にはなれませんw。そのことを咎められると「旅館の仕事をしないで仲居たちに経費削減の要求ばかり押し付けても言うこと聞くはずがない」と鋭く詰め寄られてしまう。さすがにこの言葉はけっこう堪えたようでした。

そしてようやく旅館の仕事をやる気に少し傾いた桐野は、一人黙々と靴磨きを開始。

ところが、折悪くそのタイミングで本社の同僚たちがシークレットで旅館に遊びに来てしまう。プライドが高い桐野としては、そんな姿を彼らに見られたくなかったことで大きなショックを受けてしまいました。
しかも、神保悟志さん演じる松山が桐野に「その法被よく似合ってるじゃないか」と強烈な嫌味をかましたもんだからさらに傷ついてしまいその場を立ち去ってしまう。

そして彼は大きな波紋を起こしてしまうことに。イライラした気持ちを抑えきれないままキクさんから靴磨きをちゃんとしたかと指摘されてしまった桐野くん、まさに火に油を注がれてしまった状態となってしまい・・・公にしてはならなかった”キクさんリストラ話”を本人の前でシレっと打ち明けてしまう(汗)。
ショックを受けたキクは激しく落ち込んでしまい、ついには体調を崩して倒れてしまう事態に。航平たちと旅館サイドとの溝をさらに深める結果となってしまいました。

激怒した仲居達がストライキを開始して掃除洗濯を全て押し付けてくるシーンは面白かったw。

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とりあえずすったもんだの末、航平が本社に掛け合ってキクさんのリストラを何とか阻止することに成功。桐野の尻拭いはいつも航平の役目となってましたw。しかしその代わりの案を出す必要性に迫られることになり、仲居たちに大幅な経費削減の協力を要請せざるを得なくなってしまいます。この件でまたまた溝が深まってしまう両者。

もうひとつ、桐野サイドのストーリーとしてクローズアップされてくるのが三井ゆりさん演じる恋人・紗也との関係です。遠距離になってしまったことから二人の関係にも変化が訪れていて…、さらには神保さん演じる松山が紗也にちょっかい出して桐野の心を乱す作戦に出てきたりと問題山積。
そこに巻き込まれてしまうのがまたしても航平さんw。松山から「紗也と大沢さんの関係は怪しい」と吹き込まれて桐野は疑心暗鬼になってしまいます。

さらに悪いことに仲居たちにもその噂が広まってしまい精神的にも不安定になっていく桐野くんw。これはさすがにかわいそうでした。

そんなある日、経費削減のほかに集客力を上げるために新規開拓をしなければということで営業に出ることになった航平と桐野。本社の仲間たちの協力もあり、桐野は50人の団体予約を確保することに成功します。
ところが、旅館側としては50人という大口予約は聞いてない!ってことでまたまた反発を食らう事に(汗)。それでも吉田の説得もありなんとか了承を経て団体を迎える日が来たのですが・・・旅館は戦場のような忙しさ。桐野くんも必死のその仕事を手伝うことに。なんだかんだ文句を言いながらもやることはやるところが彼のちょっと良いところ。

しかし、またまた問題発生。桐野が受けてきた契約は「1泊2日で2万円」だったのですが、実はエージェントは「3万円」を受け取っていたことが判明。桐野くんはまんまと騙されてしまったわけです。このあたりの見極めの甘さが彼のダメなところだったりします。
お客は3万円も払ってるのにこの程度のサービスかと文句を言ってくる事態となってしまい、旅館側はなんとか急遽色を付けたサービスをして事を治めることに奔走せざるを得なくなりました。桐野くん的にはさすがにこの件については反省したようですw。

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数日後、旅館の客が失踪するという事件が発生。警察にも連絡したことで何とか居場所が判明しますが、彼は連絡先も告げずに旅館へ来ていたことが判明。その理由を航平と女将さんが聞くことになるのですが、希望していた仕事をやることができずに鬱々としてやる気を失い現実逃避をしてしまったという話だと知ると航平は「世の中には不満を抱えながらも必死に頑張っている人がいる」と熱く説得するのでした。

その話を外でキクさんと聞いていた桐野は、この時初めて航平に「ありがとうございました」と頭を下げます。そんな彼を微笑ましく見つめているキクさんがちょっと泣けました。なんだかんだと言い争いの絶えない二人ですが、キクさんは桐野くんのことをいつも見守ってくれてるんですよね。

少し成長した桐野くんは、次の日の朝率先してお客さんの靴磨きをしていました。

そんな彼の成長が嬉しくてキクさんたちの態度も柔らかくなります。でも、ついでに庭掃除もと頼まれると「なんで!?」と食って掛かってしまうのは相変わらずなのですがw。それでも心境の変化は確実にあって、仲居の民子に「(キクさんは)俺のひいばあちゃんに似てる」とコソっと打ち明けるのが可愛らしかった(笑)。

仕事にもやる気が戻ってきた桐野は、旅館のパンフレットを作ってくれる会社を見つけてきます。航平はその会社に一抹の不安を感じながらも、桐野が生き生き仕事をし始めたことが嬉しくてGOサインを出してしまいました。
しかし、400万円で受けてきた仕事で足りない100万を佐倉井から借りるって話になったり…200万円前払いしてほしいって要求を呑んでしまっていたりと、危険要素が散りばめられています(汗)。

そしてついに不安は現実のものに。いよいよパンフレットづくりのために翌日依頼した会社に来てもらうことになったわけですが、いくら電話をしても繋がらない。様子を見に行ってもらうと…なんと会社は夜逃げしたかのようにもぬけの殻状態。前払いした金をもって行方を晦ませてしまったのです。つまり、またまた桐野くんは騙されてしまったわけです(苦笑)。

200万円の大損を出してしまったことで、ベテラン社員の吉田は堪り兼ねて「ちゃんと確認しなかったのか!?」と桐野を責めてしまう。

逆上した桐野は「僕のせいだっていうんですか!?」と食って掛かり、それを必死に航平が仲裁して止めに入ったりと雰囲気は最悪です。しかし、200万+佐倉井から引き出した100万の損失を出してしまったことは会社に伝えないと背任行為とみなされてしまうことを知ると、桐野は顔面蒼白に…。

航平は事態を打開するために自腹を切ってパンフレットを作ることを決めるのでした。しかしそのことは、彼らを追い詰める事態になることから吉田は大反対しますが、それ以外に方法がないと分かると何も言えなくなるのでした。

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ところが後日、会社や旅館にFAXで300万円の大損を出したという告発文が一斉に配信されるという事件が発生。すべてを航平の責任だと押し付けるような内容で事態が余計悪化するわけですが、騙されてしまった張本人の桐野は「これじゃ大沢さんも言い逃れできませんよね」とまるで他人事(汗)。自分のミスという罪悪感はこの時の彼の頭にはないようでした。

航平は本社へ行き、告発文の件はデマだとしらを切ってしまう。常務の高杉はそれを嘘だとは見抜いていると悟っているようでしたが、航平はある理由から嘘をつき通す決意をしていました。ところが、桐野はそんな航平の態度が我慢ならない。

嘘をついてまでこの危機を乗り切ろうとする航平のことを理解することができない桐野。さらに新しく見つけたパンフレット製造会社についても、吉田のお墨付きがあったことで決まったことから「そんなに僕を信用できないんですか!?」とさらに疑心暗鬼に陥ってしまいます。

それでも文句言いつつ航平と一緒に営業に出る桐野くん。不満に思っていても従うところは従うところは偉いと思うよ。
とはいうものの、航平に対する不信感はぬぐえず…恋人の紗也との関係もうまくいかない桐野は、旅館の仕事中についその苛立ちを客にぶつけてしまいます。「しまった」と思った時は時すでに遅し。あれよあれよという間に客と大喧嘩に発展してしまいました(汗)。

ちなみに、この時の喧嘩相手のお客さんを演じていたのは小松政夫さんでした。田辺さんと小松さんは2000年のNHKドラマ『走れノボセモン!』で親子役として共演してるんですよね。それだけに、このシーンもちょっと感慨深いものがありました。

小松さん演じる中畑は鉄工所の社長という名目で佐倉井に泊りに来ていた常連客でしたが、実はもう会社は潰れてしまっていてタクシーの運転手をやっている人物。桐野としては「社長」と嘘をついて旅館に泊まりに来ていたということが、航平の嘘と重なってしまい許せない気持ちになってしまったわけです。

佐倉井の面々は中畑の嘘を最初から知っていたうえでいつも接していたという事情がありましたが、桐野はそのことを知りませんでした。居たたまれず唇を噛みしめながらその場を立ち去る姿がちょっと切なかった。田辺さん、感情が昂るとした唇を噛む仕草をすることが今でも多いですよね。あれ、好きw。

長くなったので続きは次のページにて。