NHK大河ドラマ『青天を衝け』第36回ネタバレ感想 栄一と千代

とうとうこの回が来てしまいました…。まるで菩薩のようだった千代さんが(涙)。政治的な面もだけど、恐ろしい伝染病も現代とリンクするところが多いとは…。歴史に皮肉を感じずにはいられません。

明治13年(1880年)三菱が海運業を独占する事態に多くの会社が不満を募らせていました。益田や大倉の訴えを受けた栄一は三菱に対抗するべく新しい船の合本組織「東京風帆船会社」を設立することを思い立つ。
多くの海運会社がこれに参加し、営業開始は翌年の1月に決定。「合本で三菱の独り勝ちを打ち破ろう!」と栄一の気合も十分です。

その話を聞いた岩崎はすぐさま大隈の元へ駆けつけ「これは渋沢君の謀だ」とニヤリ。さらに大隈の耳元であらぬ噂を吹き込んだ模様w。それを聞いたとたん、大隈は顔色を変えて栄一への怒りを爆発させてしまった(汗)。
こんなにあっさりその話を信じてしまうなんて…、本当に大隈さんは栄一と決別してしまったんだなぁと寂しくなってしまった。出会った頃あんなに意気投合していた姿を見ているだけに、分かり合えない二人になってしまったことが本当に残念でなりません。

すぐさま栄一たちが立ち上げた合本会社を調べさせるべく、血相を変えて大隈は部屋を飛び出してしまった。その直後、岩崎は「何が”ふーはんせん”じゃ。風船玉のようにしぼめてやる」とちょっとうまいことを言いながらwwガハハハと豪快な笑いを浮かべていました。栄一たちは本当にとんでもない相手と戦うことになってしまったよなぁ(苦笑)。

以下、第36回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

これまでの『青天を衝け』感想レポ

青天を衝け
青天を衝け
2021年度NHK大河ドラマ『青天を衝け』の感想レビュー
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『青天を衝け』第36回 栄一と千代

2021年11月21日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45 ほか

出演:吉沢亮、高良健吾、橋本愛、成海璃子、ディーン・フジオカ、田辺誠一、山崎育三郎、福士誠治、大倉孝二、中村芝翫、ほか

あらすじ

栄一(吉沢 亮)は三菱の独占に対抗するために東京風帆船(とうきょうふうはんせん)会社を設立するが、岩崎弥太郎(中村芝翫)の新聞を使った巧みな攻撃に、開業前に敗北してしまう。また、養育院も東京府から事業縮小を迫られ、なかなか前に進めない栄一。その裏で弥太郎は着々と事業拡大を進める。そのころ、長女・うた(小野莉奈)と穂積陳重(ほづみ・のぶしげ/田村健太郎)の縁談が持ち上がり、意気投合した二人は結婚する。しかし、渋沢家が幸せな空気に包まれる中、千代(橋本 愛)が突然病に倒れてしまう。

<公式HPより引用>

その頃飛鳥山の渋沢邸では、うたの縁談話が話題になっていました。もう何度か縁談を断っているらしく、妹のことはそれが気になって仕方がない様子。この話に少しムッとしたうたは「家族皆で健康で暮らすことだけを願っています」と、あくまでも縁談には興味がないことを強調。しかし千代は「幸か不幸かは神様しか決めることで私たちはそれに従うしかないのですよ」と指摘。
なんだか千代さんのこのセリフが後の展開と繋がってるように思えて不安な気持ちがこみ上げてきてしまう…。どんな運命をも受け入れる覚悟を常日頃からしているということなのか…。

すると飛鳥山にただ事ではない様子の喜作が栄一の名前を叫びながら飛び込んできた。千代は何事か全くわかっていないようでしたが、喜作は気が気じゃない様子で新聞に栄一が銀行業の失敗に絶望して首をくくったということが書かれていると叫んでいる。しかもその噂は紙面だけにとどまらず町中に広がっていたらしい(汗)。

喜作の話を聞いて真っ青になった千代は一目散に栄一がいるであろう部屋を目指す。その後を喜作やうたたちも必死に追いかける。
焦って応接間の障子を開けたその先に、キョトンとした顔の栄一が座っていました。安堵感から一気に力が抜ける一同でしたが、栄一はなぜみんなそんな真っ青な顔して駆けつけたのか理解してない様子でしたね(苦笑)。とりあえず、無事であることが分かって一安心です。

栄一のもとには同じような捏造記事を見つけた五代友厚が訪れていて、どのように対策をしたらよいかを話し合っていたらしい。どうやらその起点となっているのは岩崎弥太郎による悪口の吹聴とのこと(苦笑)。自分たちの独占を死守するためにはどんな卑怯な手もためらわずに使ってくるのがあの人の恐ろしいところだよなぁ。
もうすでに大隈にもその噂は耳に入ってしまっているだろうと五代は表情を曇らせていました。栄一も、「大隈に嫌われてしまったらもうこの会社も終わりだ…。こんな出鱈目の記事のせいで」と諦めムードに・・・。

結局「東京風帆船会社」は岩崎のなりふり構わぬ悪口攻撃に屈してしまい、1月の開業を待たずして呆気なく潰されてしまいました
それを知った岩崎は大いにご機嫌で、集まった人たちに「みだりに海運業に手を出すよりも、わしらと組んで商社を作ったらどうだ」と提案している。三菱の船もどんどん使っていいし、いくらでも融資してやるという大盤振る舞いでイケイケ状態w。一度は栄一たちの合本会社に協力しようとした商人たちも、強気の経営で挙句に融資までしてもらえるという三菱のほうになびいていってしまったというのはあったかもしれない。

「これも国家のためだ」と大演説をし多くの商人の熱狂を集めている岩崎弥太郎。本当に生半可な覚悟では太刀打ちできる相手ではないなと痛感させられますね(汗)。

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明治14年(1882年)、栄一が院長を務めていた東京養育院も大きな壁にぶち当たっていました。米が値上がったうえに収容人数が増える一方で財政難となり経営状態が悪化してしまっていた。千代は子供たちを連れて何度か養育院を訪れ自炊を手伝っていましたが(この頃は賄いから自炊に変わってたらしい)、事態が好転するには至りませんでした。

東京府議会では養育院を今後どうするかの話し合いが行われる。府会議員の田口卯吉や沼間守一らは税金を出して支援しているにも拘らずほとんどの貧民を救えていないという厳しい現状を指摘。「だいたい誰かが助けてくれるなどという望みを持たせるから努力を怠らせることになるのだ!」と彼らの主張は非常に手厳しい。
しかし、栄一は経費削減の努力をしているところなのでもう少し様子を見てほしいと反論します。「国が一番守らなければならないのは人だ」と語りあくまでも救済を続けてほしいという意見を貫こうとする。

栄一が養育院を続けたいと主張したのは「慈善事業」という純粋に貧しい人たちに手を差し伸べるという意味と、もう一つ、犯罪率を下げるという目的があったそうです。貧困ゆえに自暴自棄となり凶悪な犯罪に走る人がいたことから、彼らの受け皿となるような施設が必要だと栄一は考えていたとのこと。それが養育院だったようです。
本院では困窮者の救済を、分院では非行少年の更生を目的としたことを行っていたとのこと。

田口や沼間ら他の府議会議員は「理想論に過ぎない」と猛反発。未熟な日本にはすべての人に手を差し伸べる余裕はない、優秀な人間だけが残ればいいと熱弁を展開。この議論のシーンを見て、いつの時代にもこういう考えの人は絶えないのだなぁと少し恐ろしくなりました。現代にもそういう考え方の人、いますしね…。

たしかに何の努力をしようともせずただ援助を受けることしか考えない人は問題がないとは言い切れない部分はあるけれど、努力したくてもできない環境にある人も大勢いるわけです。そういう弱者までも切り捨ててしまおうという考えはあまりにも横暴ではないでしょうか。
渋沢栄一は、養育院を通して底辺から這い上がろうともがく人たちの手助けをし”育てる”ことに力を注ぎたかったのだと思います。そうすることで、優秀な人材も出てくるのではと期待もしていたのではないでしょうか。

府議会は次第にヒートアップ。沼間らの主張に我慢がならなくなった栄一は「その説は間違っておる」と猛抗議し、「その説は間違ってるというあなたが間違っている」と返されればさらに「間違っているという俺を間違っているというお主が間違っている!!」と負けじと応戦w。あんな興奮状態でよくもあれだけ滑舌よく「間違ってるというおまえが間違ってる……云々」と延々と繰り返し言えたなぁと吉沢亮くんの熱演っぷりに感心してしまった。あのセリフはかなり難易度高かったと思うよ。
横に座っていた福地は頭に血が上って「間違ってる」論を繰り返そうとする栄一をなだめようと必死になっててちょっと気の毒でした(苦笑)。

結局養育院は縮小経営することが決定とされ、商法会議所に戻った栄一はがっくりと肩を落として座り込んでしまう。営業開始前に潰されてしまった「東京風帆船会社」の看板が静かに下ろされるなか、栄一の脳裏に岩崎の「お前の言うことは理想は高くても所詮はおとぎ話だ」という言葉が蘇ってきた…。才覚のある人だけが力を持ってこそ国を動かせるという彼の主張を否定したい気持ちは今も強いだろうけど、ここ最近うまくいかないことが多くなってから少し自信を失いかけてしまっているのかもしれない…。

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同じ年の夏、うたは宇和島藩の元藩主だった伊達宗城が連れてきた穂積陳重と見合いすることになります。穂積は伊達家の旧臣の家柄の出身で留学先から戻ったばかりでありながら、すでに東京大学の法学教員として勤めることが決まっているという。かなり優秀なお見合い相手のようですね。

しかし栄一は父親として愛娘が結婚するということに乗り気ではないようで、千代にもそのあたりをツッこまれてしまっていますww。栄一はまだまだ娘を手元に置いておきたい気持ちが大きいものの、千代はうたが婚期を逃してしまったらいけないと心配していたのです。今の時代では19で結婚となるとかなり早いという印象が強いですが、明治の時代はちょうどお年頃ということだったのでしょうね。

庭を散策する二人は最初はギクシャクしていた様子でしたが、お互いに結婚について少し前向きな雰囲気はありましたね。緊張気味なうたを気遣って栄一や千代のことを質問する穂積くんは人の心を思いやれる優しい青年だなと思います。また、うたもそんな彼の質問に精いっぱい答えようと一気にまくしたてるように答えてて可愛い(笑)。あの途中で言葉を挟ませない話っぷりは栄一譲りだなと思っちゃったよww。
そんな二人の様子を家の中からハラハラしながら見守っている栄一と千代。栄一は内心この話もなくなってほしいみたいに考えてたかもしれんなw。

しかしうたは自分の話を黙って受け止めてくれている穂積に興味を抱いたようで、「私のことはお尋ねにならないのですか?」と尋ねている。自分のことも相手にもっと知ってほしいという気持ちが彼女の中で初めて沸き起こった瞬間だったかな。
穂積はつい大笑いしてしまいますが「あなたのことも知りたい!そしてそれがすんだら、私のこともぜひ知っていただきたい」と熱心に答える。うたは嬉しそうに「ぜひ知りとうございます!」と叫び、穂積についてのあれこれを聞きまくっている。

栄一は穂積が大笑いした時はかなり怪訝な表情を浮かべていましたがw、うたが嬉しそうに語る姿を目の当たりにして表情を緩めていました。千代もほっと一安心。寂しさがないと言ったらうそになると思うけど、結局は娘の幸せが一番な二人なのです。

同じころ、”北海道開拓使の官営工場が格安で五代友厚に払い下げられた”というニュースがすっぱ抜かれて大騒ぎとなっていました。
北海道の開拓を任されていた黒田清隆が10年の月日を経ても成果を上げられないという現状は前回もドラマで出てきましたが、それに業を煮やした政府は民間にそれを委託するという決断をしたようです。ところが、黒田が同じ薩摩出身の五代に”高値で作った官有物を破格の安さで譲るらしい”という話になったことから「政府は薩長出身者だけで固めた専横政治を行おうとしている」という疑惑をかけられてしまう。

その新聞記事を読んだ井上馨は「こんな記事は出鱈目だ!なんでも政府を悪者にしおって!!」と大激怒。伊藤も「払い下げに反対した大隈さんだけを称えて薩長出身者を目の敵にしようとしている」と苦い表情をしますが、どこか落ち着いているように見えました。実際、大隈が反対した理由は癒着している三菱に忖度したからというのが本当のところだったらしく、井上の怒りが収まらないのも仕方がないかなと(汗)。

すると伊藤は「大隈さんなぁ…。これはいい機会かもしれない」と不敵な表情を浮かべました。このときのいっくん@伊藤の表情、めっちゃゾクっとさせられたなぁ(汗)。”政治家”の顔してた。栄一と初めて会った頃の陽気で快活な雰囲気はすっかり影を潜めていて…、このあたりの演じ分けもすごくうまいなぁと思います。

伊藤は大隈が明治天皇の地方巡幸に同行して不在の間に、以前計画していたことの準備を着々と進めていきました。そして10月の深夜に大隈宅を突然訪問し、臨時の御前会議を今終えたところだと冷たく言い放つ。全くその話を聞かされていなかった大隈は一気に眠気が吹っ飛ぶほどの衝撃を受ける。

「どうか、黙って今すぐ辞表をお出しください」

こうして伊藤の策略通り大隈は政府から追放されてしまいます。

それに代わり権力のトップに就いたのが伊藤博文。それを支える役目を担ったのは、親友でもあった井上馨ら薩長出身者たちだった。今でいう「明治14年の政変」です。他にも国会開設についてのすったもんだや、伊藤と大隈の激しい意見対立など色々な要因が絡んだ結果の出来事だったようです。

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五代は栄一のもとを訪れ「おいは汚い商売は何もしていない」と巷で批判を受けている官有物払下げ事件について無実であると主張しています。
実は、黒田が激安で払い下げようとしていたという民間会社は五代の会社とは無関係のところだったということが最近の研究で明らかになったとのこと。本当にこの件に関して五代さんは「薩摩出身者」というだけで濡れ衣を着せられてしまったわけですね(汗)。

栄一はそんな五代に「新聞に書き立てられてることも出鱈目なんだから反論するべきだ」と促しますが、本人は「そのうち別の新聞が真実を描いてくれるだろう」と今は積極的に出ることを控えようと思っているようでした。大きな話題になってしまってましたし、ここは騒ぎが収まるまでじっとしている方が得策かもしれないですよね。さらに友達でもあった大隈が叩かれることになりかねないこと(五代をハメたのは官を追い出された大隈だという噂が広まること)を危惧しているというのもあったようです。冷静な五代さんらしい考えだな。

それでも栄一は「世間が話題にするのは悪意のある興味本位の嘘だけだ。この嘘だけが広がってあなたの名誉に傷がついてしまったら…」と五代のことを気遣いました。”世間が話題にするのは悪意ある興味本位の嘘”っていう栄一の主張はすごくリアルだなぁと思ってしまう。今もそういうこと多々ありますからね…。

そんな栄一に五代は「北海道の仕事を失ったのは残念だけど、まだこれで終わりじゃない」と次を見据えていることを告げる。
しかし栄一は反論しない五代を歯がゆく想い「あなたは甘い」と呟いてしまう。そんな彼を諭すように五代は「名誉や金より大切なのは目的だ」と言い、多くの人が一致協力して国を富ませることは正義だと思うと語ります。たとえそれが岩崎の商売のやり方に負けていたとしても…。五代は純粋に国のために自分の能力を捧げようとした人なんだなと言うのが伝わってきて胸が熱くなりました。

最後に五代は自分のやり方は栄一にも負けていると言いながら「おはんはおいよりずっと欲深い男だ」と指摘しました。岩崎と同じ人種だと思われたことを心外に感じた栄一は即座に反論しますが、五代は「二人とも己こそが日本を変えてやるという欲に満ちている」と不敵な笑みを浮かべ反論の余地を奪ってしまいました。
五代さんはかなり鋭いところを突いてきますね。たしかにそういう意味では栄一は岩崎よりも欲深い男と言えるのかもしれません。ただ、その想いの中身はだいぶ開きがあると思いますけどねw。

するとその時、すごい勢いで井上と益田が「三菱を倒してくれ!!」とすごい勢いでやって来た。三菱の力は政府の手に負えないほど強大化してしまったらしく、何とかそれを潰そうと必死になっているようでした。井上はその対策として、もう一度合本組織としての会社を設立することを提案する。今度は資本金600万のうち260万は政府が融通するという。

栄一はなぜそこまで躍起になるのかと不思議に思っていましたが、それには大隈の存在が大きく影響していたらしい。政府を追い出された大隈さんでしたが、ただでは転ばないとばかりに政府に対抗する新しい政党(のちの立憲改進党)を作ろうとしているらしい。さらにこの頃”早稲田”に大学を作ることも視野に入れてたとのこと。逞しいねぇ~。井上が「あの佐賀人は不死身だ」と言いたくなる気持ちも分かるw。
大隈のそれらの動きを陰でバックアップしていたのがズブズブな関係にあった三菱というわけ。三菱をここで何とか叩かないと、大隈の好き勝手されてしまうという危機感が政府内に広がっていたようです。

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明治15年春、渋沢邸に井上の妻の武子が訪ねてきた。千代がうたの婚礼の時の献立をどうすればいいか彼女に相談していたようで、大隈の妻の綾子が高級料亭の献立を教えてくれたものを持参してきてくれたのです。ダンナ同士は色々とバックグラウンドの問題があったためw、式には政治家は一切招かないことになったようでしたが、奥様方の交流は変わりなく続いているようでちょっとホッコリしますね。武子は出席できない身の上でしたが、うたの結婚を心から喜んでくれました。

そして程なくして、うたは穂積と祝言を挙げました。このタイミングで「歌子」と改名したようですね。血洗島からはてい夫婦、さらには伝蔵(ていのダンナの兄)も駆けつけ、和やかで温かい式となりました。喜作の挨拶がちょっと長くなってしまい、よしにピシャリと怒られていたのも可愛かった(笑)。ちなみに歌子と穂積の新婚夫婦は、飛鳥山の渋沢邸の横に家を建てて新婚生活を始めたとのことです。

祝言が終わった日の夜、栄一は千代に「若い二人が羨ましい」とため息をついていました。仕事の方は岩崎が率いる三菱に太刀打ちできず苦しい状況が続いている。自分の理想を実現させたくてもなかなかそれを許してもらえない現状に直面し、珍しく弱気になっているようでした。
「五代さんには俺も欲深いと言われてしまった」と苦笑いを浮かべる栄一。彼の言う通り、自分は汚い大人になってしまったのではないかと肩を落とすばかり…。

しかし千代は「お前様は、昔から欲深いお方でしたよ?」と少し意外なことを告げました。驚く栄一に、正しいと思ったら妻や子もほったらかしでどこへでも行ってしまうし、攘夷のために働いたお金を使ってしまうこともあったと指摘。さらには今まで敵視していたところにも仕官したことすらありましたからねw。千代の言う通り、なるほど、栄一は色々と欲深い奴かもしれないと思ってしまう(笑)。
次々と思い当たる節をぶつけられた栄一は何も反論できず「俺はとんでもない男だな」と認めざるを得ませんw。寂しい想いを何度もさせられたと追い打ちをかけるようにニッコリしながら告げる千代に栄一もお手上げ状態でさすがにちょっと落ち込んでしまった様子(笑)。まぁ、全部事実だから仕方ないね。でも、千代はそんな栄一のことを心から愛していました。優しく夫の胸に手を当てながら、思いの丈を語る千代…。

「お前様のここが、誰よりも純粋で温かいことも知っております」

さらに千代は、幼い頃に栄一が目を輝かせながら父の市郎衛門と異国を旅して「よくやった」と褒めてもらった夢を見たことを夢中で話してくれたことを思い出していた。久しぶりに初期の栄一の映像を見ましたが、今とはまるで違う純粋な幼さがありましたよね。改めて吉沢亮くんのお芝居、すごいなと感動してしまった。

「お前様は今、あの夢の通りに堂々とお仕事なさっているではありませんか。色々なものを背負うようになっても、心の根っこはあの頃とちっとも変わらない」

たとえ迷ったとしても、自分が正しいと思う方に進めばあの時の夢のように天国の市郎右衛門やゑいは褒めてくれるはずだと栄一を励ます千代…。もちろん自分も「よくやった」と褒めると穏やかな笑みを浮かべる妻に背中を押された栄一は、「いつまでもムベムベしてないで励まないとな」と再び前を向く勇気を得たようでした。
こんな温かい言葉で夫を励ますなんて…、本当に千代さんは出来すぎた奥さんだと思うよ。そんな彼女にもうすぐ悲劇が…と思うと胸が苦しくなってしまった(涙)。

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ある日の渋沢家の朝食には穂積の勧めで”ミルク”が出されていました。栄一たちはミルクに懐疑的で飲もうとしていませんでしたが、穂積は「海外では健康の秘訣という人もいる」と熱心に勧めてくる。すると、飲まないと決めていた千代が「そんなに言うのなら」と勇気を出して飲むことに。

皆が緊張して見守るなか、鼻をつまみながらも一気にミルクを飲み干す千代がめちゃめちゃ可愛らしかった。

すると、思ったよりも飲めると感じた千代は穂積に「牛の乳も飲めないこともないものですね」と笑顔を見せました。本当はそんなに好きな味じゃなかったっぽいんだけど、ちゃんと娘の旦那様を気遣うところが彼女の素晴らしいところだよね。
それに安心した栄一は子供たちにもミルクを飲むように勧めていましたが、栄一は結局最後まで飲んだ形跡がありませんでしたな(笑)。でも、渋沢家の食卓は明るく穏やかで平和そのもので見ていてホッコリします。

昼下がり、おもちゃを乱暴に扱う息子の篤二を見た千代は「おもちゃが持てない子もいるし、父様からのお土産なのだから大事にするように」と窘めていました。それを理解した篤二は素直に返事をし、栄一もそんな二人に目を細めている。そこへ、歌子が離れからナスの炊き方を教えてほしいとやって来た。

快くそれに応じそちらへ向かおうとした千代でしたが、その瞬間、激しい吐き気に襲われて部屋を足早に出て行ってしまった…。いよいよ、その時が来てしまったのか…(涙)。こんな平和な光景の直後なんて残酷すぎる。

ただ一つ気になったのが、牛乳を飲んだ直後に具合が悪くなったように見えてしまったことかな(汗)。あの牛乳が原因だと受け取られかねない繋がり方だったので。実際は全く関係ないと思います。牛乳が悪いわけじゃないので、穂積さんは気にしないでほしいな…。

千代の病状は急激に悪化の一途をたどる。呆然とする栄一に訪問診療に訪れていたい者は衝撃の病名を告げました。

「コレラとみて間違いありません。感染力の強い病なのでお子様たちを決して近づけないようにしてください」

この時代、コレラは何度か流行期を繰り返していて罹った者はあっという間に命を落としてしまっていたと言います。潜伏期間はだいたい1日~3日くらいとのことですが、千代がどこでどう感染してしまったのは分からずじまいでした…。

栄一は衝撃を受けながらも苦しそうに息をする千代の傍らに寄り添い、必死に励ましていました。こんな時、南方仁先生が転生してきてくれたら…って思わずにはいられない(漫画・ドラマ「JIN」より)。ペニシリンーーー!!

篤二は心配のあまり母が臥せっている部屋を覗きに来てしまいますが、栄一はそれを見つけると慌てて部屋の外へと連れ出します。母の病が心配のあまり俯いて泣きそうになっている篤二の様子を見た栄一は「あとで一緒に草むしりをしよう。良いことをたくさんすれば母様はきっとよくなる」と励ましそっと抱きしめる。その言葉は自分自身にも言い聞かせているように聞こえたな…。成すすべなくただ祈ったり徳を積むことで回復することを祈るしかないのが本当に辛すぎます(涙)。

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それと時期を同じくして、官民による三菱に対抗するための海運組織「共同運輸株式会社」の発起人大会が行われていました。しかし栄一の姿はそこにはありませんでした。井上からどうしたのかと尋ねられた喜作は千代の病状が芳しくないことを告げますが…、喜作自身も身を裂かれる思いでその場にいたのだと思います(涙)。千代は彼にとってもかけがえのない幼馴染だったし、かつては恋心を抱いたこともあるほどだもの…。必死に涙をこらえようとしている喜作の姿に胸が痛みました(涙)。

千代の病状はさらに悪化し危篤状態となってしまった…。子供たちは立ち入り禁止の札が貼られた扉の外で心配そうに立ち尽くしている。その後ろには穂積、そして栄一の妾のくにと娘のふみがさらにその後ろから心配そうに見守っていました。
ふみが耐え切れず母のくにに抱きついたシーンも辛かったな…。きっと千代から実の娘のように優しく接してもらっていたのでしょう。でも、日陰の身である故に歌子たちの傍に近寄ることは許されない…。想いは同じなのに、立場が違うことでさらに離れた場所から見守らざるを得ない親子が哀しかった(涙)。

そして7月14日の夜を迎える…。どんどん弱っていく千代の傍らにつきっきりとなっていた栄一。うっすらと目を開けて何かを訴えようとする千代の細い手を握りしめながら必死に語りかける。

「お千代、死ぬな。俺はおまえがいなくては生きていけない。もう何もいらない。欲など全部捨てる。お前さえいればいいんだ…!だから、お千代…!」

祈るように千代の手を握りしめながら俯き必死に涙をこらえる栄一。しかし千代は自分の最期を悟ったかのようにか細い声で思いの丈を伝える。

「生きて…。生きてください…。生きて…、必ず、あなたの道を…」

最後の力を振り絞り栄一の着物を掴みながら必死に訴えたのは、愛する夫へのエールだった。最後の最後まで愛情深い穏やかで優しい笑顔を浮かべた千代…。そして次の瞬間、栄一の着物を掴んだ手の力がスッと抜けていった。
千代は、最後の最後まで栄一にありったけの愛情を注ぎながら天国へと静かに旅立っていきました(涙)。発病してから2日余りで命を落としてしまったそう…。

あまりにも突然愛する人を失ったことを受け止めきれない栄一は何度も何度も愛する人の名前を呼び「逝かないでくれ」と起こそうとしますが、その目が開くことは二度とありませんでした…。

栄一の悲愴な泣き叫ぶ声を聞いた子供たちは、弾かれたように貼り紙の先の部屋へ駆けつけようとする。「一目だけでも!!!」と泣き叫びながら母の名前を呼び続ける歌子を夫の穂積は必死に引き留めようとしていた…。その後ろで、篤二は何が起こったのか訳が分からない様子でぼんやりと立ち尽くしている…。おそらくそのさらに後ろではくにさんとふみ親娘も…。子供たちの哀しみのシーンも涙失くしては見れなかった…。

優しく、温かく、時には逞しく強く生きた非の打ち所がない女性と言っても過言ではなかった千代。まるで渋沢家の女神・菩薩のような存在だった。その別れはあまりにも突然であっという間の出来事(涙)。こんなの、受け入れろという方が無理だよ…。あまりにも素晴らしい人だったから、神様が早くに呼んでしまったのだろうか。それでも千代は数えでまだ42だったと言います…。早すぎるよ…。

千代の死因が感染力の強いコレラだったことから、その日のうちに荼毘に付されることになってしまいました…。まるで感情を失ったかのように炎を見つめていた栄一の姿に胸が痛む(涙)。
この一連の感染症での重篤化から亡くなった後のことも現代の新型コロナと重なって見えてしまう。新型コロナもその感染力の強さから看取ることも許されずすぐに荼毘に付してしまうと聞いているので…。あの時の栄一と同じような悲しみを体験した人が現代にも多くいるかと思うと本当に言葉がありません。

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暫くして、すっかり年齢を重ねた惇忠が青ざめた顔をして飛鳥山邸を訪れる。この頃惇忠は富岡製糸場を離れて第一国立銀行の盛岡支店・仙台支店の支配人をしていたそうで、千代の最期に間に合うことができませんでした…(実際は飛鳥山邸に訪れることもなかったとのこと)。

惇忠、弟二人に続き妹まで失ってしまうことになるとは…。自分よりも先に下の年代が去ってしまったことにどれだけ心を痛めたかと思うと本当に辛くてたまりません(涙)。「なぜこんな急に…」という言葉を絞り出すだけで精いっぱいだったのではないでしょうか…。

呆然としながら惇忠が椅子に座ると、歌子は泣き腫らした目をしながら「どこをとっても素晴らしかった母様がなぜ亡くならなければならなかったのですか」と行き場のない想いを吐き出します。考えれば考えるほど涙があふれて仕方のない歌子を穂積はそっと肩を抱きさすってやる…。優しい旦那さまだね。でも、どんなに泣いても、どんなに考えても、千代はもう戻ってこない。

喜作は断腸の想いで「しかし、この先のことも考えなければならない」と告げる。時間は止まってくれない。辛いけれど、生きている者は立ち止まらず進んで行かなければならない。そんな夫の気持ちを察したよしも、「何か食べよう」と立ち上がるのでした。哀しい気持ちは歌子たちと同じだと思うけれど、必死に折れそうになる気持ちを奮い立たせる喜作とよしの姿もまたグッとくるものがありました。

そんななか、栄一は千代が伏せていた部屋の前の縁側でぼんやりと外を眺めていた。栄一が心配になり様子を見に来たくにでしたが、憔悴しきった姿を目の当たりにして何も言葉をかけることもできずそっと部屋を離れていきました。

ふと後ろを振り向いても、優しく微笑みながら励ましてくれた愛する人の姿はもうそこにはありません…。感情を失ったようにポツンと佇む栄一の姿は、これまでで一番孤独で哀しく見えました(涙)。

次回はまた大きな進展がありそうです。あの人や、あの人との別れも…。そして栄一はこの哀しみからどのように立ち直っていくのでしょうか。伊藤兼子さんが本格的に登場してきますが、そう簡単には切り替えられないと思う。

完全版ディスク発売中!(第弐集は12月発売予定)

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