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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第18回感想 小豆と砂糖

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雉真家の家屋は幸いにもかろうじて焼け残りました。千吉は、大切な妻と母を失い心も身体も病んでしまった金太のために離れを提供し、安子が看病できるよう計らってくれました。おそらく美都里はあまり良い顔をしなかったような気がしますが(苦笑)それを制して部屋を提供してくれたんじゃないかな。良いお舅さんがいてくれてよかったよ…。

千吉は安子のことも心配してくれましたが、安子はそれをありがたいと思いつつも「動いていた方が気がまぎれますから」と休むことをやんわりと断ります。ちょっとでも気を抜いたら自分も崩れてお父さんと向き合えなくなると思っていたからかもしれない…。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー
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それから約2か月後の1945年8月15日の午後0時。ラジオから玉音放送が流れてきた。るいを抱いた安子は千吉や美都里と居間で、未だに立ち上がる気力が出ない金太は布団の上でその放送に耳を傾けていました。

放送の内容が理解できない美都里に千吉は戦争が終わり、日本が負けたことを告げる。戦争が終わったことを知った美都里は、やっと二人の息子が家に帰ってくると期待を寄せる。しかし、その安否がわからないままだったことから安子は素直に喜ぶことができない…。
一方の金太は、放送で日本が敗戦したことを悟ると、声が漏れないようにするかのように顔を布団にうずめて一人嗚咽を漏らし泣き崩れてしまいました…(涙)。この戦争で失ってしまった愛する妻や母のことを想うと、泣いても泣き切れないよね…。ただただ、あの別れた日の後悔だけが押し寄せているようで見ていて本当に辛かった…。

安子はるいを背中におぶり焼け野原となった道をフラフラと進んでいく。辿り着いたのは、稔がプロポーズしてくれた神社。この思い出の場所も何とか焼け残ることができたのか…。安子は膝をついて必死に祈りを捧げる。

「稔さんがご無事でありますように…!ご無事で、帰ってきてくれますように…!どうか…どうか!!」

蝉の声が響き渡る神社で、泣きそうになる気持ちをこらえながら縋るように祈り続ける安子の姿に胸が潰れそうになっちゃったよ(涙)。美都里さんは戦争の終結=息子の帰還と捉えていたみたいだけど、安子は本当に稔が無事なのかどうかが心配で生きた心地がしなかったと思います。きっと、手紙も途絶えてしまっているのではないだろうか…。

稔も、勇も、無事に帰ってきてほしい…本当に・・・。

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終戦からしばらく時が経っても、金太の心と体は回復する兆しが見えませんでした。ラジオからは浪曲が流れていますが、それにも全く興味を示そうとしない。

そんなある日安子がるいに食事を与えていると、とつぜん美都里が傍らにやって来てるいの食事を自分の方へ持って行ってしまう。

「安子さんはお父様の世話があるじゃろう。それに買い物もしてもらわなければいけないから」

一見、安子を思いやった言葉のようにも聞こえますが、その行動はちょっと強引で、まるでるいを取り上げてしまったかのよう…。これは非常に危険な兆候です。美都里は孫を溺愛するあまり最後には自分の手元に置こうとしてしまうのではないかとすら思ってしまう(汗)。今後の美都里さんの動向が恐ろしくなってきました(汗汗)。

そこへやって来た千吉は、ラジオから流れてきた天気予報に耳を傾け嬉しそうな顔を浮かべていました。戦争中は敵に情報を知られるからという理由で天気予報が禁止されていましたが、9月に入ってからようやくそれが許されるようになったのですね。やっと元通りの生活に戻りつつあると安堵の表情を浮かべる千吉。

こういう時代があったと考えると、前の朝ドラ『おかえりモネ』の百音は幸せだったよなぁと思ってしまいますね。

しかし安子は未だに父の心と体が元に戻っていないことから、天気予報の放送を素直に喜ぶことはできませんでした…。最初は気遣ってくれた千吉さんももうあまり金太さんのことには関心がなくなってきてしまったのだろうか…。それよりも、美都里さんのるいに対する行動も注視していてほしいんだけど…でも、そういうことには鈍感そうだからなぁ(苦笑)。

闇市に出掛けた安子は、店先に売られていた小豆を見つけて思わず笑顔になる。で、思わず購入してしまったようなのですが…

けっこうな分量を購入したんやね(汗)。

闇市だし、値段もそんなに安くはなかったと思うんだけど…これだけの小豆を購入しちゃって美都里さんとかに嫌味言われたりしないか心配になっちゃったよ。でもあの様子だとすんなり許してもらえてたっぽいし…、雉真家はそれだけ財政に余裕があったということなのだろうか。

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安子は父に元気になってもらおうと小豆を購入したんですよね。少しでも和菓子を作っていたあの頃を思い出して立ち直るきっかけになればという一心だったと思う。「あんこの作り方教えてもらえないかな」と安子は優しく語り掛けますが、金太はその声が聞こえているのかどうかすら分からない表情でまるで反応する気配がない…。それでも安子は諦めずに語り掛ける。

「お父さん、一緒におはぎ作ってお母さんらにお供えしよう」

しかし、金太がその声に反応することはついにありませんでした。

その日の夜、娘のるいを千吉夫婦のもとで寝かせた安子は(これも後々危険要素な気もするけど…汗)、かつて父が小豆を焚いていた姿を思い出しながら見様見真似であんこづくりにチャレンジしてみる。
金太が職人たちに教えていた小豆の作り方は杵太郎から受け継いできたもの。「美味しくなれ、美味しくなれ…」…常にそう小豆に語りかけながらじっくりとあんこができるのを待っていた父。その時を思い出しながらなんとかタイミングを計って火から小豆を取り上げてみる。
しかし砂糖がなかったこともあり、出来上がったあんこの味は父が作ってきたものには及びもしないものとなってしまい思わず顔をしかめてしまう。

翌朝、父の身支度をしながらあんこづくりに失敗してしまったと苦笑いしながら話しかける安子。何とか興味を持ってもらおうと必死に話を続けますが、支度を終えると金太はそのまま彼女から顔を背けて布団の中に籠ってしまう。

それでも安子は諦めずに再びあんこ作りにチャレンジ。しかしすべて自己流でやっていることもありなかなか納得いく味にならない。さすがに心が折れかけた様子で、ポケットの中から稔の写真を取り出し「どうか力を貸して」とすがるように語り掛ける。今の安子の気持ちをギリギリで支えていたのは、愛する夫の存在だったのかもしれない。

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数日後、岡山に台風16号が近づいているというニュースがラジオから流れてきた(枕崎台風)。かなり発達した危険な台風だったようで、すでに外は強い雨が降っている。

そんななかでも安子は諦めずにあんこづくりをしていました。何とか完成させたおはぎを金太に差し出し「一口でもいいから味見してくれないかな」と促します。ところが、金太は怯えたようにそれを払い除けてしまう。

その瞬間、「お父さん!!」と思わず声を荒げてしまった安子…。これまでずっと堪えてきた気持ちが切れてしまったかのよう。でも、仕方なかったと思うよ、これは…。
金太の心をむしばんでいたのは小しずとひさを失ったショックというよりも、自分のせいで死なせてしまったという自責の念ではないだろうか。そこを払拭しないと、心も身体も元に戻れないような気がしてなりません(涙)。

安子に強い口調をぶつけられた金太は泣きそうな顔をしながら俯いてしまった…。その表情を目の当たりにしてハッとしてしまった安子はすぐに「ごめんなさい、無理強いしてしまって」と謝罪。安子も金太も悪くないのに…。
居たたまれなくなった安子は台所に逃げるように立ち去りその場にうずくまってしまいました(涙)。誰の助けも借りられないし…もう安子自身も限界だよね…。一人で背負うにはあまりにも重すぎるよ…。

ラジオから空しく台風情報だけが流れる中、金太は恐る恐る払い除けてしまったおはぎに手を伸ばす。安子が作ったおはぎを少しすくい少し口に運んでみた瞬間、金太のなかで何かが目覚める。
そのことを全く知らない安子が少し気持ちを落ち着かせて父の寝ていた部屋を訪れると、忽然とその姿が消えていました。慌てて家を飛び出し雨が降りしきるなか必死に探しに飛びだすと…、自宅の焼け跡で必死に何かを探している金太の姿があった。

いくら早く帰ろうと促しても、なにかに憑りつかれたように厨房のあった後を掘り続ける金太。それを見た安子は何かがあるのかもしれないと察したからか一緒に探し始めます。その時、金太は泥だらけの缶を探し当てる。それは、配給された砂糖を少しずつ溜めて大切に保管していた缶だった。

「あんな不味いおはぎを供えられたんじゃ、小しずらも安心して成仏できんわ」

砂糖の入った泥だらけの缶を抱きしめながら涙する金太…。安子の作ったおはぎがついに父に一歩踏み出す勇気を与えたのですね(涙)。まだ完全に受け入れられたわけじゃないと思うけど、少しずつでもいいからゆっくりと前を向いていってほしいです。

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