NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第19回感想 幸福な夢

戦争のくだりの展開は見ていて辛くなるシーンが多いだろうなと覚悟していたけれど…、戦後になった後の展開にこういう顛末が待っているとは思わなかった。またしても心の準備が何もできていなかっただけに今回のストーリーはなおさら…(涙)。

焼け跡から砂糖の缶を見つけたことで何とか生きる気力を取り戻した金太。さっそく小豆と焚いて安子とおはぎを作っている。また金太お父ちゃんの「美味しゅうなれ、美味しゅうなれ…」を聞くことができて本当に良かった。

完成したおはぎは、お世話になった雉真家の人たちにも配られました。千吉は「懐かしい、たちばなの味じゃ」と感慨深そうに頬を緩めている。そうだった、千吉さんは金太さんの作るおはぎが大好きだったよね…。美都里もお手伝いのタミも嬉しそうな笑顔を浮かべていました。
るいちゃんは…、まだおはぎのあんこは興味なかったみたいだけどね(笑)。あのシーンで思わずみんなが笑ってしまっていたのはだったかなと思った。あそこでるいちゃんがパクッとなれば神シーンだったかもしれないけど、あんまりお気に召さなかったみたいでしたねw。

安子は結婚式の写真の前に父の作ったおはぎをそっと備え手を合わせました。まさかあのおめでたい平和な写真が遺影代わりになってしまうなんてね(涙)。

そんな安子を少し離れたところで見守りながら金太と千吉が穏やかに語り合っている。結局、軍服を作っていた大きな工場は空襲に焼かれてしまったらしい…。しかし、雉真繊維の原点にもなっている水島の足袋工場は何とか生き残ったということで、そこだけは動いているらしい。
戦時中軍にかなり協力的だったことから白い目で見られることも多いようですが、足袋を作り続けていることを評価してくれている人もいるという。稔が戻ってきた時には、新しい事業を始めたいと千吉は希望を抱いていました。

「早く戻られるといいですな」と稔の無事を願う金太に、千吉は「算太さんも」と優しく微笑みます。金太は千吉に息子の見送りに顔を出さなかったことを後悔していると話したことがありましたから、気にかけてくれたんでしょうね…。
稔、算太、そして勇も、職人さんたちも…、みんな無事に戻ってきてほしいよ…。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー
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空襲から100日が経った10月、焼け落ちた百貨店が営業を再開。これって、天満屋さんの事ですよね。当時、商店街はまだどこも営業していなかったため、3か月ちょっとで再開した天満屋は大きな話題になったそうです。

百貨店の営業は多くの商店街の刺激となり、復興に向けて皆前を向き始めていました。病が癒え生きる気力を取り戻した金太もその一人で、”たちばな”をもう一度再建する決意を安子に語ります。

「戦時中、菓子は贅沢品だと言われて作らせてもらえなかったけれど、本当は菓子は苦しい時ほど必要なものだとわしは思う。たちばなの菓子で救われる人がきっといるはずだ」

疲れたり苦しかったりするとき、金太の作った優しくて甘いお菓子は多くの人にきっと元気を与えるはずだと私も思う。安子も父の決意を聞いて「私も手伝います」と笑顔を浮かべるのでした。

その後、金太は雉真家を出て雨風をしのげる簡単な小屋を作りそこで暮らすようになりました。安子は雉真家の食料の買い出しに出ながら、金太の菓子作りの材料を調達するために奔走。美都里さんは闇市とか行きそうにないもんなぁ(苦笑)。お手伝いのタミさんがいるとはいえ、あの家でけっこう苦労しているのではないかとちょっと心配になってきた(汗)。
それでも、せっかく前を向いた父を助けたいという気持ちから安子は頑張ってお店再建のため頑張ったんだろうなと思います。

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安子が調達してきた小豆に金太は心を込めて火を入れる。

「美味しゅうなれ、美味しゅうなれ」と父と一緒に嬉しそうにあんこづくりをする安子を見ているとなんだかジーンときて泣けてきてしまうなぁ。こんな日が訪れて本当に良かった。

安子は小豆が焚けた鍋を置きながら、幼い頃は菓子職人になりたかったけれど女子はなれないから工場に入ってはいけないと言われたことを明かす。それだけに、金太から菓子づくりを教えてもらえていることが嬉しいと笑顔を浮かべる安子。それに対してちょっと複雑な表情を浮かべて苦笑いしてた金太さんが可愛かったな。照れもあっただろうね。

売れるだけのおはぎが完成したところで、焼け跡から”たちばな”が再スタートします。すると、復員兵の人たちが次々と買い求めにやって来て金太の作ったおはぎを食べながら笑顔を浮かべている。砂糖はまだ手に入らず甘味料のサッカリンを代用したおはぎでしたが、彼が言うようにこういう苦しい時だからこそみんな甘いものを求めていたのかもしれないなと思いました。

すると、わずかな隙をついて一人の少年がおはぎを一つこっそりと盗み逃げ去ろうとしていた。金太はすぐさま追いつき少年を確保。すでにおはぎは口の中に入ってしまっていましたが、彼はお金を持っていなかった。

すると金太は安子におはぎが入った箱を一つ持ってこさせると、少年にそれを押しつけて「お前の才覚で値段をつけてここに入っているおはぎをすべて売ってこい」と告げる。売り上げの1割を少年の取り分としてそれをおはぎ代にするという。その顛末を見守っていた人たちは少年が戻ってくることを信じていませんでしたが、金太はまるで願いを込めるようにその後ろ姿を見送っていました…。

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夕方になり、おはぎもすべて売り切れ店じまいをする安子と金太。安子は金太が粗末な”たちばな”の仮小屋で寝泊まりしていたことから体調を気にして「夜だけでもうちに来たら?」と誘いますが、金太はそれに答えず「帰ってこないなぁ」と少年のことを気にしている様子。
安子はなぜ少年におはぎを売りに行かせるようなことをしたのか父に尋ねます。すると金太は「何か似ていただろう、算太に」とポツリと呟きました。

「だから賭けをしたんだ。あのガキが帰ってきたら算太も帰ってくる。帰ってこなかったら、算太も帰ってこない」

あぁ…だからあの時金太さんは祈るようなまなざしで少年を見送っていたんだね(涙)。安子はそんな父の姿を少し複雑そうな表情で見つめていました…。出征の時に見送らなかったことをずっと後悔しているんだと感じ取ったんだろうね。でもまさか、この日が最後になってしまうなんて安子は夢にも思ってなかったと思うよ(視聴者もしかり 涙)。

夜遅い時間になっても、金太は小豆を焚き続けていました。するとその時、「おっちゃん!おはぎのおっちゃん!!」と呼びながら扉を叩く少年の声が聞こえてきた。自分の賭けが当たったのだと心を躍らせながら急いで扉を開ける金太。しかし、扉の前に立っていたのは少年ではなく…待ち焦がれていた息子の算太の姿でした。
この時、一瞬、算太が少年のおはぎ売りを手伝ってやって一緒に帰ってきたのかと思ってしまった。でも、少年の姿はどこにも見当たらない…。どこかちょっと、違和感を感じる場面ではありましたが、それよりも前に、金太さん、本当に良かったね!!という気持ちの方が勝ったんですよ、この時。

寒いから中に入れてほしいと挨拶もそこそこに小屋の中にさっさと入り火に当たる算太。金太はあまりにも突然息子が帰ってきたことに驚きと感激を隠しきれない。これまでどこにいたのかと必死に尋ねると、算太は突然荷物の中から大金を取り出しました。「またあちこちで借金したのか!!?」と動揺を隠せない金太でしたが、算太は呆れたようにそれを否定して

「言われた通り、わしの才覚でおはぎを売ってきたんじゃ」

と告げる。そのセリフに、また少し違和感を覚える…。金太がおはぎを売るように伝えたのは算太に似た悪ガキだったはず…。でも、それを考える暇を与えないくらい算太は饒舌におはぎを売った時の様子を事細かに金太に語って聞かせている。
相変わらず調子の良いことを言って稼いだのかと苦笑いしちゃいましたが、金持ちそうな優しい婦人に「母親を失った」という嘘をついて金を出させたという経緯は、金太は怒るだろうなと思ったんですよね。小しずさんたちを失ってずっと寝込んでいたくらいですから…。

しかし金太は「よう帰ってきてくれたのぅ…、算太」と叱るどころか感極まって泣いていた。怒られると思っていた算太は「なんだ、気色悪い…」と言って苦笑いしてしまう。
この時は、金太さんは怒るよりもただただ息子が無事に帰ってきてくれたことが嬉しくてたまらないんだろうなと思った…。違和感や展開のズレを感じながらもそう思わずにはいられなかったんだよね…。

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金太は杵太郎、ひさ、そして小しずを失ってしまったと涙を浮かべて算太に告げる。それを聞いた算太は父が罪悪感に苛まれていると感じ取った様子…。

「戦争だったんだ…、仕方がない。父ちゃん、もうそんなに気を張るな。こんなんだけど、まだわしが生きている。安子も生きている。そうだろう?」

あの算太が、涙を浮かべながら必死に父を励ます日が来るなんて…(涙)。自責の念にずっとしばられている金太が、一番言ってほしかった言葉ばかりじゃないか…(涙)。

息子から思いがけず救いの言葉をかけてもらった金太は嬉しさのあまり涙を抑えることができない。そして、これまで”たちばな”があった場所に建てた粗末な簡易小屋でずっと寝泊まりしていた理由を告げました。

「お前がいつ帰ってくるからわからないから、わし、待ってたんだ!!」

だから、安子が夜だけでも雉真家で寝泊まりするよう言っても今の場所に居続けることにこだわっていたんだね(涙)。意地を張って算太が出征する見送りをしなかったあの日から、金太はそれをずっと後悔して、祈るような気持ちで息子のことを待ち続けていました。だからこの時の喜びは本当にひとしおだったと思います。
算太も父の言葉を聞いて感極まって涙を浮かべていました。初めて父と子が心を通わすシーンを見た気がする…。

少し照れ臭く感じたからか、算太は近くにあったラジオのスイッチを入れました。あれ?ラジオなんてあったかな…。

ラジオからは、かつて家族で大笑いしたエンタツ・アチャコの漫才が流れてくる…。それは、橘家が最も幸せだったあの頃の記憶だった(涙)。笑顔の食卓には、3人の若い弟子たちの姿もある。この回想が流れてくるだけでもう、涙腺が決壊してしまって…(号泣)。なんでラジオがあるのかとかそんなこと忘れてしまうほどだったよ…。

その時代を思い出して涙が止まらない金太にさらにもらい泣きしていたのですが、次に出てきたシーンは、明らかに回想ではない。たちばなの仮小屋に、金太の一番大切な人たちの姿が次々と映し出されていく。3人の職人さんも、杵太郎さんも、ひささんも、小しずさんも、算太も、安子も、そして金太も・・・みんな、おはぎを食べながら大笑いしている。

そしてその輪の中心に、幸せそうに笑う金太さんの姿があった…。

番組PRの時にこのシーンを見たとき、いったいどこで出てくるのだろうかと思っていたのですが…、まさかここで登場するとは…(涙涙)。

この笑顔の家族の団欒シーンで号泣していたのですが、その直後に耳を疑うような城田優くんの静かなナレーションが入ってきた。

”金太が亡くなっているという知らせが入ったのは、その翌朝のことでした”

え…。

あ…。

しばらく時間が留まったような気持になったけど、この展開の内容を受け止めたときにもう、その直後に始まった「あさイチ」の鈴木奈穂子アナウンサーと同じような号泣状態となってしまいました…。
金太さんはおそらく、少年の声を耳にしたときは既に意識を失っていたのだと思います。薄れゆく意識の中で、帰ってくるのを心待ちにしていた算太を感じていたんでしょう(涙)。もしかしたら、算太ももうこの世にはいなくて、父親を迎えに来たのかもしれない…。彼は帰ってくると信じたかったけど…。

せっかく生きる希望をもてたばかりの金太さんが、まさかこんなに呆気なくこの世を去ってしまうなんて…。全然心の準備できてなかったからほんとショックが大きいよ…。やはり藤本有紀さんの脚本は容赦ない。こんなに切なく、残酷で、でも、儚く、美しい場面…なかなかお目にかかれないよ(涙)。

安子はまた家族を失ってしまった…。その先の彼女の人生がとても心配です。せめて稔さん…無事でいてほしい…。

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