NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第17回感想 悔恨

前回予想したよりもショッキングな展開が怒涛のように押し寄せた回となりました…。ガイドブックでお母さんとおばあちゃんのことは悟っていたのですが、まさかケチベエさんまでが…(涙)。

生まれて間もないるいを抱いて安子は実家の橘家を訪れる。和菓子屋の”たちばな”はもうだいぶ前に店を閉めてしまっていたようですね…。あのような状況では致し方ないけど、断腸の想いだっただろうな(涙)。

ガランと寂しい店先に少しの間佇んでいた安子でしたが、しばらくしてから母の優しい声が聞こえてきました。るいと対面するのが久しぶりだったようで、小しずも祖母のひさも頬が緩んで嬉しそうに世話をしてやっている。

特に祖父の杵太郎を失ってからすっかり元気をなくしてしまったというひさは、るいに自作のお汁粉を飲ませたり、るいのための日用品を作って用意したりとかなりテンションが上がっている様子。小しずさんも「あんな楽しそうなばあちゃん久しぶりじゃ」と胸をなでおろしていました。

安子とるいの幸せそうな親子の姿を見た小しずは、安子が生まれた日のことを懐かしく回想する。朝の9時半に出産したこしずは、その時金太が作っていた小豆のあんこの匂いを忘れることができないと語ります。
安子誕生のお祝いを持ってきた近所の人たちを、杵太郎が強引に家の中に招き入れて大宴会を繰り広げたこともあったらしい。とにかくみんな、安子の誕生を心から喜んでくれたんだよね。それはとてつもなく甘く、幸せな時間だった。ずっとそんな日が続いてほしいと思ってただろうに…。

安子誕生の日の思い出話をして母と笑い合っていたその時、軍需工場に勤務していた父がるいに会うために大急ぎで家に戻ってきた。孫の誕生にデレデレな金太おじいちゃんでしたが、るいちゃんはまだ馴染んでないようで泣き始めちゃいましたけどね(笑)。でも、こんな何気ないほんのひと時の光景がどんなにか貴重で尊いものだったかと思うと本当に泣けてくる…。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー
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少しの間実家の橘家で楽しく穏やかな時間を過ごした安子。小しずとひさは、安子が帰るときにるいのために心を込めて作った生活用品を手渡す。

「ほんなら、またね」

次の機会にまた会えることを疑わなかった安子、小しず、ひさ。いつものように優しい眼差しで安子とるいが帰っていく姿を見送ってくれた母と祖母…。これが今生の別れになってしまうなんて、いったい誰が想像できたでしょうか(涙)。

その帰り道、安子は久しぶりに親友のきぬと再会する。もうずいぶん会ってなかったみたいだな…。きぬちゃん、軍国少女になった雰囲気もなくてちょっと安心したよ。挺身隊に入って忙しくしていたようでしたね。

しかしきぬはこの後、姉が嫁いだ先が農家だということで家族全員でそこへ疎開することになったと報告する。食べ物に困っていたこの時代、農家のお世話になることに活路を見出そうとしたんだろうけど…、疎開した後に肩身の狭い想いや虐げられたりするんじゃないかと逆に心配になってしまう。町にいるよりも安全…っていうのはあったかもしれないけど…。
とにかくきぬちゃん、強く生き抜いてまた無事に安子と再会してほしいよ!!

数日後、ラジオから1945年3月10日の東京大空襲を知らせるニュースが鳴り響いてきた…。その3日後には大阪大空襲のニュースまで…。地方都市も爆撃されるだろうことはもう時間の問題となってきていました。次々と流れてくる恐ろしい内容を耳にした千吉は、工場が最初に狙われると予想し機械や材料を早く運び出さなければと焦りを感じている…。

一方の吉兵衛は疎開が決まった家から大量に家財を安く引き取ったと意気揚々と戻ってきた。いつかのように、戦争が終わった後にそれを高く売って大儲けしようという腹積もりらしい(苦笑)。相変わらずガメツイですなぁ~。
しかし、妻の清子はそんな夫の行動にずっと肩身の狭い想いをさせられていた為「うちだけ儲ければいいみたいなそんなこと、もうやめてください」と必死に訴える。それでも吉兵衛は聴く耳を持とうとせず「気に入らないのだったら里へ帰れ!」と怒鳴ってしまった…。

するとその時、後ろから息子の吉右衛門が清子に「僕と二人で京都のお母ちゃんの里へ帰ろう!」と訴える声が聞こえてきた。驚いた吉兵衛は「お父ちゃんはおまえのために…」といつものように告げようとしましたが、吉右衛門はそれを遮るように辛辣な言葉を父にぶつけてしまう。

「あんたはお父ちゃんなんかじゃない!!アコギなケチべえだ!!!」

溺愛する息子から思いがけない拒絶の言葉をぶつけられてしまった吉兵衛はショックのあまりその場に立ち尽くしてしまった…。

これまで吉兵衛がアコギな商売に手を付けてしまったのは全て溺愛する息子・吉右衛門の将来のためだったわけですが…、あまりにも周りが見えなさすぎちゃってたんだよなぁ。どんなに白い目で見られても、それが息子のためになると信じすぎて突っ走ってしまったところはあると思う。そのために息子本人が肩身の狭い想いをしていたことに気づけなかった悲劇…。
だけど、今回のシーンはちょっと吉兵衛さん、可哀そうだったなと思ってしまったかも。吉右衛門くんの気持ち考えたらああいう風に言いたくなるのも分かるし仕方ないんだけど…、吉兵衛さんの原動力は全て息子のためだったところが大きいからなぁ…。なんだか色々と心が痛い場面だった。

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1945年6月29日深夜、静かな町に突然爆音が響き渡る。岡山大空襲の始まりだった…。あまりにも不意打ちな攻撃だったため、空襲警報を鳴らす暇もなかったそうですね(涙)。

急いで飛び起きた安子はるいと稔の写真を抱きしめて千吉や美都里と防空壕へと走る。その途中、安子がふと後ろを振り返ると、いつも目にしてきた岡山城の天守閣が炎に包まれて焼け落ちそうになっていた(涙)。

あの映像は岡山に住んでいる私としてもショックが大きかったけど、当時の人の衝撃はそれ以上だったと思います…。

同じころ、清子とはぐれてしまった吉右衛門が燃え盛る町をさ迷いながら必死に母の名前を呼び続けていた。遠くの方から息子の名前を必死に叫んでいる清子の声は聞こえてくるものの、なかなかその姿を見つけることができない。
この時吉右衛門は父親のことは呼んでなかったんだよな…。やっぱりあの時のことが影響してしまっているのかも…、と思ったその時、吉右衛門の上に炎に包まれた柱が落ちてきた!!!え!???どうなっちゃったのーーー(涙)!!!!

しばらくして吉右衛門が意識を取り戻すと、父親が息子を守るように覆いかぶさっていたことに気付く。吉兵衛は愛息子が無事なことを確認すると、愛しそうにその頬を撫で優しい笑顔を見せていた…。

「無事じゃったか…。吉右衛門…」

息子の無事に安堵したその瞬間、吉兵衛の命の時計は止まってしまいました(号泣)。炎を上げて燃える自宅の前で、吉右衛門は泣きながら必死に父の名前を呼び続ける…。その悲痛な声だけが町中に響き渡っていて…もうこの場面はショックすぎて思い出すだけでも涙が止まりません(泣)!!!
吉兵衛は、心底、息子の吉右衛門くんのことを愛し抜いたんですよね…。商売のやり方も見直して仲睦まじい親子に戻れることを願っていたのに、それが叶わなくなってしまったことが本当に哀しくてやりきれない。

さらにこの時のことが吉右衛門のトラウマとなってしまうのではないかと心配です。直前に父に向けて辛辣な言葉をぶつけてしまいましたから…。こんな哀しい場面の時に初めて父の本当の愛情に触れることになるなんて…、あまりにも残酷すぎる(涙)。

一方、金太は小しずとひさを防空壕まで案内し自分は火消しのために一人燃え盛る町へと走り去っていきました。「大丈夫じゃ!!待っとけ!待っとけよ!!」と逞しい言葉で二人を励まし走り去った金太。この時点ではむしろ、金太さんの身の上のほうが心配だったわけで…。小しずとひさは不安そうな表情でその後ろ姿を見送っていた。必ずまた会えると信じて…。

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攻撃が収まった明け方、岡山市に黒い雨が降る…。黒く染まる旭川が静かに流れていく…。

防空壕で怯えながら過ごした安子たちは何とか無事に生き残ることができた。攻撃の音が鎮まり雨の音が響くなか、実家の様子が気になった安子はるいを美都里に預けて一人商店街の方へ向かうことに。

陽が昇った頃自宅付近に到着した安子は、一面焼け野原となった変わり果てた町の姿を目の当たりにして呆然としてしまう。それでも実家のあったほうに目を向けてみると、金太が呆然と焼け跡で座り込んでいた姿があった。父の無事を知り安堵し急いで駆け寄る安子でしたが、金太は娘に気が付きながらもどこか遠くを見つめたまま…。

安子は母と祖母が逃げ込んだという防空壕を探しに行こうとしますが、金太は虚ろな目をしながら衝撃の事実を伝えてきた。

「防空壕は…、焼夷弾に焼かれて…、中の者はみな…」

安全だと思って案内した防空壕でしたが、焼夷弾の攻撃を受けてその中にいた人たちは全員助からなかったというのです…。小しずさんと、ひささんは、その犠牲となってしまった(号泣)。その事実を知った安子は衝撃のあまり動けなくなりましたが、金太のショックはそれ以上だったと思います…。

「わしが、言うた。あの防空壕に入れ言うて…、待っとけ言うて…」

もしも自分があの時、その防空壕に案内しなかったら…。激しい悔恨の念が金太の心を絞めつける。自分自身を責め続けながら、小しずとひさに「すまん」と泣き叫びながら謝罪する金太さんの姿は辛すぎて辛すぎてまともに見ていられなかったよ(号泣)。
金太さんは悪くない、その防空壕に焼夷弾が落ちるなんて誰も想像できなかった。あの時はそこに逃げ込む以外方法はなかったはず。でもそれでも、耐えがたい現実を前にして彼は自分を責めずにはいられなかったんだろうな…。その気持ちを想うと苦しくて涙が止まらないよ…。

安子も、金太も、吉右衛門も、そして多くの人たちが、かけがえのない大切な人を失ってしまった…。その心の傷は計り知れません(涙)。岡山市以外の地方でも無差別攻撃は行われたようで、多くの罪のない人々の命が奪われたとのこと…。

そしてその1か月半後には広島に、長崎に・・・。

戦争なんて、悲しみと憎しみしかもたらさない。こんなこと、絶対に繰り返してはならないと改めて思う。

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