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大河ドラマ『麒麟がくる』を振り返る -本能寺編-

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NHK大河ドラマ『麒麟がくる』を振り返る、第3弾は「本能寺編」について書いてみたいと思います。後半に行けば行くほどベストシーンが増えていくすごい作品だったなぁと改めて。本放送中に感想書けなかったことが多かったので、けっこう長くなってますw。

「美濃編」「上洛編」についての振り返りはこちら↓

「新幕府編」についての振り返りはこちら↓

※完結編のガイドブック

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これまでの『麒麟がくる』感想レポ

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NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の感想レビュー

大河ドラマ『麒麟がくる』振り返り 本能寺編

第37回 信長公と蘭奢待

この回も見所がなかなか多く印象深かったです。

頼みの信玄が引き返してしまったことで孤立無援となった義昭は捕らえられ(秀吉の横暴さと光秀の苦しい胸の内の対比が印象的)、それに伴い将軍方についた三淵も投降せざるを得なくなりました。
早くから幕府から寝返り織田方についた弟の藤孝との対面シーンは切なかったですねぇ…。ずっと兄弟で将軍を支えるために尽力してきた仲だったのに、時の流れに逆らえず最後は苦い想いを残して別れることになってしまうとは…。

光秀から「紙一重の立場の違い」と告げられ、諦めにも似た空しい表情で涙を浮かべていた三淵の姿が泣けましたし、そんな姿を目の当たりにした光秀も辛かっただろうなぁと…。谷原さんとハセヒロさんの魂の通った芝居が素晴らしかったです。

将軍を追い出した後から信長の暴走にさらに拍車がかかっていきましたね。運命の元号「天正」を自ら選び取ったシーンも非常に印象的でした。

それともう一つインパクト強かったのは、朝倉家滅亡のシーン。手塚とおるさん演じる景鏡の裏切りで義景は覚悟を決めるわけですが、去り際の時の「あっかんべーー」は腹立ちましたねぇ(笑)。

あんな顔目の前でされたら、はらわた煮えかえりますわww。それでも義景は最後まで朝倉家としての誇りを胸に散っていきました。ユースケさんの熱演、素晴らしかったです!これで浅井朝倉は滅亡してしまうのですが、信長が髑髏で酒を飲むエピソードは今回出てきませんでしたね。

そして最大の見どころが、信長が蘭奢待を手に入れるシーンでしょう!このエピソードはあまりドラマで見たことなかったので非常に新鮮でしたし、信長の権力への執着が分かりやすい形で表れてて面白かったですね。

この蘭奢待を前にしたときの染谷くんの芝居がこれまた非常に面白かった!!削ってる音を聴きながら恍惚の表情を浮かべていてもう完全に酔ってましたからねぇ。信長の心の中のテンションが一番MAXに到達した瞬間を見た気がしましたよ、あれはw。

さらに印象深かったのが、蘭奢待を2切れ手に入れたときにもう一方を「帝に差し上げよう」と信長が提案する場面。つまり自分は帝と同等の位まで到達したと思い込んでるっていうね…。お友達みたいな感覚にすら見えちゃって「これはヤバい」って見ててゾクっとしたよww。

ところが帝は、届けられた蘭奢待のかけらを…こともあろうに信長が敵視していた毛利にあげてしまう。この出来事は後々信長に暗い影を落としましたから…、帝も罪なことをするなぁと思いましたね(苦笑)。

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第38回 丹波攻略命令

この回から信長と光秀の関係性が微妙にズレてくる危うさが目に見える形で出てきた気がしますが、二人の会話劇は道三と光秀のかつてのやり取りを彷彿とさせるものでとても面白かったです。

将軍を捕らえたときの扱いの悪さや(あれは秀吉の勝ち誇った態度がムカついたやつだったw)、三淵を切腹に追い込んだことを光秀は率直に信長に抗議。でも信長にとっては耳の痛い話ばかりだったので…「もうよい!!帰れ!!!」と拒絶。そう言われると光秀もムカっときて「帰りまする!!!」って本当にその場を立ち去っちゃう(笑)。すると信長はイライラしながらも「早く呼び戻せ!!!」とお付きに命令して光秀を再び呼び寄せてしまいました。このやり取り、なんかすごく懐かしくてなぜか微笑ましくもありましたね。

信長は光秀から耳の痛い忠告を受けることを嫌いましたが、光秀自身のことは大好きなので完全には拒絶できないんですよね。そんな彼のジレンマも垣間見れて可愛いなと萌えてしまいましたw。
呼び戻した後は感情を落ち着かせて嬉しそうに「自分には似合わないから」と言ってバテレン服をプレゼント(笑)。光秀が喜んでくれると思っての行動っていうのがこれまた可愛い信長でしたw。

で、実際に坂本城へ戻って試着した光秀でしたが・・・子供たちや左馬助は笑いをこらえることができず(笑)。

いや、でもこれ、めっちゃ似合ってたよ!?ハセヒロ@光秀さん!煕子だけは「お似合いになります」って褒めてくれて、それを聞いて嬉しそうにしてる光秀も可愛かったけど。いつも明智家はとても穏やかで平和でホッとしたよなぁ。
それにしても驚いたのが、ハセヒロさんの足の細さと美しさ!!

これだけ見たら、まんま女性!!!もしくはそれ以上じゃないか!?ビックリしたわ(笑)。

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第39回 本願寺を叩け

このあたりから信長の無茶ぶりがエスカレートしていきましたな。特に本願寺攻めのシーンで砦にやって来た時のパワハラっぷりはかなりのものでしたよ(ケガ人踏みつけるとか、ヤバさ倍増 汗)。そんな信長に唯一意見できたのが光秀。「皆疲れておりまする!!!」と思うがままを叫ぶんですけど、あれって、光秀以外が言ったらあの場で叩き斬られてもおかしくない状況だったよなと今となっては思いますね(苦笑)。

お前ら行かないんだったら俺が行く!!と信長は一人で砦から戦場へ向かってしまうわけですけど、銃を手に敵を打倒していく姿は暴挙にもかかわらず頼れるヒーローみたいでカッコよく見えてしまいました。が、無茶なことには変わりなく…鉄砲で足を撃たれてしまうハメに。
そんな信長を体を張って救出したのは秀吉ではなく、やはり光秀でした。秀吉も一応盾を持って信長を庇いましたけど、吹っ飛ばされてそのまま退却してましたからねw。

自らが覆いかぶさって必死に信長を守ろうとする光秀の姿になんだかちょっと胸熱くなったなぁ。あんな庇い方されたら、ますます信長の「光秀LOVE」度が上がったんじゃなかろうかw。でもこの後すぐに担いで退却させられましたけどね(笑)。

このあと光秀は戦の傷跡が元で倒れ昏睡状態に陥ってしまいました。そんな光秀を全身全霊をかけて救おうと奔走したのが妻の煕子でした。東庵先生を無理やり引っ張り出したり、一日も欠かさずお百度参りをしたり…まさに身を削る想いで光秀の回復を願い尽力した煕子さんの姿には本当に胸打たれて涙が出ました(泣)。

そのかいあって光秀は何とか回復しますが、無理がたたった煕子は体調を崩してしまい命の火がどんどん小さくなっていく…。そして二人で過ごした最後の夜…。この場面は本当に感動的だった。

「私は、麒麟を呼ぶ者が、十兵衛様…、あなたであったなら…、ずっとそう思っておりました」

最愛の妻が残したこの言葉は、この先ずっと光秀の心の中で響き続けましたからね…。これまでにない大きな使命を与えられたようなそんな気持ちが大きくなったのもこの時からかもしれません。

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第40回 松永久秀の平蜘蛛

松永久秀は茶の器と共に爆死したという逸話のある人物だったので、吉田鋼太郎さんが演じると決まった時からさぞやその最期は迫力満点になるのだろうなと思って期待していました。が、今回のドラマでは「爆死」という選択肢を取らず、「切腹」という結末になりましたね。でも、爆死以上のインパクトがあったというか…、このドラマに生きた松永久秀に一番ふさわしい壮絶な最期だったなと思います。

久秀が密かに光秀を呼びだして寝返る決意を語るシーンは本当に切なかった…。
凸凹コンビながらもなぜかすごく馬が合っていた二人で、やいのやいの言い合いながらもお互い惹かれ合っていたことはいつもすごく伝わってきました。裏がありそうな行動を取っていた時も、久秀は光秀にだけは腹を割った本心を語っていたと思うのです。そんな二人を見るのが私は大好きだった…。

久秀は命の次に大事にしているという茶道具「平蜘蛛」を光秀の前に差し出し、涙を流しながら光秀と戦わなければならない無念を語る。光秀も涙を浮かべて「わしも戦いとうはない!!」と久秀の決意を必死に覆そうとする。でも、久秀は「わしにも意地がある!!!」と自らの意思を曲げようとはしませんでした…。哀しかったですねぇ、この二人のやり取り(涙)。もっと同じ時間を過ごしたい気持ちを共有していながらも、敵味方に分かれる道しか選べなくなっていたなんて切なすぎ…。

「平蜘蛛は儂じゃ!!」と光秀に託そうとした久秀に対し、号泣しながら「解せぬ!!!」と泣き崩れる光秀がもう切なすぎて見ているこちらも涙腺崩壊しましたよ(泣)。

「平蜘蛛など欲しくはない!!戦などしたくはない!!」

と叫んで飛び出していく姿も涙なくして見れなかったよ…。それほど彼にとって松永久秀という人物は魅力あふれる大切な親友でもあったんだなと思いました。ひたすら哀しかったよ、二人の別れが…。
ハセヒロ光秀は本当に体の奥底から来る感情をものすごくストレートに表現して泣きますから、もう、見ているこちらも同じ気持ちにさせられてしまう…。この二人の別れのシーンはものすごく印象に残りましたね。

そして追い詰められた松永久秀は、城に火を放った後、壮絶な切腹で最期を遂げました。

言葉はもうでないというか…、ただただ、圧巻でした!!あれは、吉田鋼太郎さんが演じたからこそ成り立ったシーンだとも思います。最高の松永久秀でした!!

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一方の信長の精神状態はかなり危うくなってきていて、あんなに大好きだった帰蝶までもが彼の元を離れていってしまいました。この展開はちょっとビックリしましたね。帰蝶は最後まで信長の傍で支える存在だと思ってたので。今から思うと、最終的に信長の心に残り続けたのは光秀だけだったということをクローズアップするための展開だったのかなぁ…とも。

そして一番ハラハラさせられたのが、光秀が信長から久秀の平蜘蛛のありかを尋ねられたシーン。久秀が最後に言い残した「これは儂じゃ!!」という言葉が頭から離れなかったであろう光秀は、「平蜘蛛については何も聞いていない」と嘘をついてしまった。

信長は秀吉に久秀を見張るよう尾行を付けていたらしく、光秀が久秀と会っていたことをキャッチしていました。なので会わなかったという嘘はつけない。でも、久秀の想いだけは光秀は裏切れなかったんですよね…。まさに、決死の嘘だったわけですが、染谷@信長の探るような目つきが怖いのなんの!!光秀、よく耐えたなと思った(汗)。でも信長は信長で、光秀から初めて嘘をつかれたことに大きな衝撃を受けちゃうんですよねぇ…。愛憎のもつれの始まりって感じでヒリヒリしたよ(汗)。

さらに印象的だったのが、伊呂波太夫が久秀から預かっていた「平蜘蛛」を持参するシーン
それを受け取った光秀の脳裏に、信長に嘘をついてしまった自分の姿が蘇ってくる。そう思っているうちに「久秀による光秀が信長から離れるよう仕組んだ罠だったのか」という考えに至ってしまった。そう思い込んだ瞬間のハセヒロ@光秀の狂気の表情が忘れられない!!

予告で見たときもビックリしたけどw、本編であのシーン見たときはそれ以上に衝撃でしたね。なんっちゅう表情するんだよ、ハセヒロ@光秀ーーー!!!って思ってしまいましたから(いい意味で)。あれをオーバーリアクションと私は思えなかったですから、そこが本当にすごいなと。目が飛び出しそうだったけどね(汗)。

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第41回 月にのぼる者

まず印象深かったのは、光秀と秀吉による”直接対決”のシーンです。

播磨の国を任されることになった秀吉は意気揚々とその件を光秀に報告。その際に「明智様の導きのおかげ」とヨイショする言葉を忘れないところが人たらしと呼ばれるゆえんだなと(そこに心なんかこもってないしねww)。蔵之介さんの秀吉の芝居がとにかくやることなすこと憎たらしい(笑)。殿つとめたときに我がことのように怒ってくれた恩を思い出せ!と何度思ったことかww。
光秀としては、久秀と会って平蜘蛛の件を話していたことを信長に告げ口され肝を冷やす羽目になった恨みがあるので、ここは反撃しなきゃ気が済まないといった心境だったでしょう。

調子のいい言い訳をしてその場を凌ごうとした秀吉に光秀は「貴殿にとって平らかな世とはどういう世じゃ?」と尋ねた時、「わしのような貧乏人がおらぬ世」という返答が。あの時の秀吉の一言だけは嘘じゃないと思いましたが、そのために手段を択ばない出世の道を猛進しようとする彼の態度だけは、光秀は承服できなかったんじゃないかな。

「こたびのことは貸しにしておく。口の軽い弟はよく叱っておくべきだな」

と釘を刺した光秀はめちゃめちゃカッコよかった!!扇子を秀吉にサッと差し出した時の型の美しさなんか最高でしたよねぇ、ハセヒロさん。
しかしながら、この一件が元で久秀の密偵をして役目を果たしただけの”弟”は秀吉にあっさりと抹殺されてしまいました(汗)。こういう狡猾で非情な一面のある秀吉を蔵さんはめちゃめちゃダークに演じて居てとても印象深かったです。

それから、光秀が菊丸に逃げるよう促すシーンも良かったです。光秀は菊丸が家康の密偵として働いていたことを察知していたので、彼が秀吉に怪しまれたことを感づいたあとすぐに動いたんですよね。菊丸にはだいぶ助けてもらったし、なにせ初回からのご縁ですから優しい光秀としては何としても逃がしたい。
そんな彼に、「本当は居心地の良いこの場所から離れたくない気持ちがある」と本音を話した後、逃げる決断をした菊丸が切なかった…。まさか岡村さんに泣かされる日が来るとは思わなかった。逃げ足のすばしっこさはさすがでしたね。

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そしてまたまた信長と光秀による直接対談シーン。信長の自画自賛はグングンパワーアップしていて「京における自分の評判は上々だ」と悦に入ってしまわれているww。光秀はそんな信長に危うさを感じていたため、正直に「松永殿は何ゆえ殿に背を向けられましたか?公方様は何ゆえ背かれましたか?」と指摘してまたまた機嫌を損ねさせてしまう。光秀としては、何とか信長に軌道修正してほしい一心なんですよねぇ…。
で、あえて信長に「知らない」と言い張っていた久秀からもらい受けた平蜘蛛の茶釜を差し出します。

「知らないと言ってしまったことを後悔しております。殿に対して一点の曇りがある限り手元に置かないほうがいいと思って持参いたしました」

えーーー!!!光秀、そう来たかぁーーー!!とビックリした場面(笑)。真っ正直すぎるというか、直球ストレートすぎるというか、一度「知らない」とシラを切ったものを、あえて「嘘をついてしまったからもう手元に置けない」と言って手渡しに来るとはなかなかできる戦法じゃないぞと。
そして、「平蜘蛛には持つ者の覚悟が必要だ」と説くわけです。このところ自己中心的行動が行き過ぎていた信長に、平らかな世を作るための武士としての誇りを取り戻してほしいという気持ちを込めたんですよね。あくまでも、真摯に、まっすぐ信長に軌道修正してもらおうと迫る光秀の姿はとても美しく、気高かった。

ところが、一筋縄ではいかないのが信長。茶釜を手に取った彼が発した言葉は…

「いずれ、今井宗久にでも申し付け、金に変えさせよう。覚悟込みで1万貫くらいでは売れよう」

まーーったく信長には光秀の想いは届いていなかった(汗)。草葉の陰で松永久秀が悔し涙を流していたに違いないと思ったよーー!!「これは儂じゃ!」って光秀に渡してましたからね。
この時光秀は、心のどこかで信長と自分とはもう同じ気持ちを共有できないのではないかと直感していたような気がします。

そんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま、ついに光秀は正親町天皇と対面を果たします。このシーンでの二人のやり取りは、見ていてゾクゾクするというか…気分がものすごく高揚しました。

美しく輝く満月を見ながら、桂男が不老不死の言い伝えのある不可思議な花を独り占めしようとしたところ神の怒りに触れ月に閉じ込められてしまったという逸話を語る帝と光秀。そして帝は今後の光秀に大きく影響する言葉を告げるのです。

「力ある者は皆あの月へ駆け上がろうとするのじゃ。朕はこれまで数多の武将たちが月へ昇るのを見てきたが、下界へ帰ってこなかった。信長はどうか?この後、信長が道を間違えぬよう、しかと見届けよ」

帝直々に「信長が道を誤らないよう導くように」なんて言葉をかけられたら、そりゃもう、光秀のプレッシャーたるや並々ならぬものがあっただろうなと察しましたよ(汗)。ただでさえ信長の行動や言動に違和感感じまくってる時に、あまりにも大きな重荷を背負わされてしまったなぁと。真っ正直な光秀とすれば、自分が何とかしなければという気持ちをあれでさらに強めてしまったように思えて…なんだか見ていて胸が苦しくなったシーンでもありました。

それにしても、玉三郎さんの帝としての貫禄はもう誰も超えられない域に達しているようにも思えましたね。神々しさがハンパない。誰も近づけないような圧倒的なオーラ、さすがでございました!!

続きは次のページにて

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