NHK朝ドラ『エール』第54回感想(2020.06.11放送)それぞれの苦悩

これまでの『エール』感想レポ

エール
エール
2020年前期・朝の連続テレビ小説『エール』の視聴感想

今週のエピソードは見ていてホント辛いなぁ…。予想はしていたけど、やっぱり身内との別れが迫る展開は身につまされるというか…。

自宅に呼んだ医者に定期健診をしてもらう三郎でしたが、胃のあたりがやはりかなり辛そうでした…。医者の見立てでは立っていられるのも不思議だというくらい三郎の病状は深刻です。それでも辛い顔を見せずあえて元気そうに振舞っているのは…、やはり家族の微妙な空気を感じているからかもしれません。

医者はまさに「覚悟はしておいてください」と重い表情で一言告げて帰っていきました…。この言葉をまささんはなんとか平常心を保とうとしながら受け止めていましたが…、その心中を想うと居たたまれません(涙)。

裕一が三郎の部屋を訪れると、起き上がって爪を切っていました。笑いながら「どうした、そんなシケた面して」と問いかける父に、「暇だろうと思ってさ」と自分の心の動揺を悟られないよう振舞う裕一。しかしその後に続く言葉がなかなか思い浮かばない。
それでもなんとか「何か食べたいものは?」と聞くと、三郎は裕一のハーモニカを久しぶりに聞きたいと答える。裕一の音楽を誰よりも応援し続けてきてくれた三郎ですからね…。食べ物よりも愛する息子の音楽が一番の”ごちそう”なのかもしれない。でも、裕一はもうハーモニカを持ってなくて…申し訳なさそうに「ごめん、持ってくればよかったね…」と謝るしかありませんでした。

そこへ、まさと音がうどんを作ったと言って三郎と裕一のところに運んでくる。何とか頑張って出汁をすすってはいたものの、それすら相当辛そうで…。それでも音は「私がだし作ったんですよ」とちょっとドヤ顔して見せると「いまひとつだな…」と憎まれ口をたたいてみたりする。
少し場が和んだようにはなりましたが…、それでもやはり重苦しい空気がどうしても漂ってしまいますね。うーーん、辛いよ・・・。

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その頃浩二は役所の仕事で養蚕農家の畠山の元を訪ね、「桑畑から果樹園へと変えてみないか」と必死に頼み込んでいました。農業推進課に勤めている浩二は、採算の取れない農家を訪れては育てる作物を変えないかと提案して回っているようです。

しかし、長く養蚕業を続けてきた畠山としてはそう簡単に「はいそうですか」と果樹園に乗り換えるなんてことはできないわけで、厳しい態度で浩二の提案を拒絶してしまう。まぁ、その気持ちも分からなくはないけど、同じ業者はほとんど廃業に追いやられているらしいし…ここはやはり転換期に差し掛かっているんじゃないかなぁと。

浩二が畠山に勧めていたのは「りんご」。比較的気温がリンゴに適している福島ならやっていけるはずだとさらに熱弁して説得すると、奥さんのほうはすこーーしだけ気持ちが傾きかけたようでしたね。でも、マキタスポーツさん演じるオヤジさんのほうは相当頑固で・・・あれはなかなか折れさせるのは難しそう(苦笑)。

とりあえず資料だけおいてもう一度来ると約束し畠山家を去ろうとした浩二。そんな彼に畠山は

「あんたんとこの兄貴、「船頭可愛や」の作曲家なんだって?今度来た時は兄貴のレコードぐらい持ってこい!」

と叫ぶ。あーーーー、畠山さん、いま、それ、絶対浩二に言っちゃいけないやつだよーーー(汗)。ま、小山家の家庭の事情なんて知らないだろうから仕方ないんだけどね。なんともタイミングが悪いというか…。

これでますます浩二の心がささくれ立ってしまったではないの~~(汗)。

一方小山家では、まさが音の前で涙を浮かべながら「ものすごく怖いの…」と心の内を打ち明けていました…。自分の実家のことが重荷になってしまったのではないか、もっと早くに気づいてあげられたのではないか、浮かんでくるのは後悔ばかり…。自分を責め追い込んでしまい、ついには抑えきれずに号泣してしまうまささんの姿があまりにも辛すぎて思わず涙…。
こういう心境になってしまう気持ち、痛いほどわかってしまう…。それだけに本当に辛い…。

音はただまさの傍にそっと寄り添うことしかできませんでした…。

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裕一は未だに父がもう手遅れの状態であることを受け止めることができないようで、東京の病院へ連れて行ったほうがいいのではないかと音に相談します。でも、音は三郎にかえって辛い思いをさせてしまうと反対する。そして、それでも納得いかない表情の裕一に「お義母さん泣いとったの。お義父さんの前では一生懸命振る舞っとるけど、ずっと辛かったんだと思う…」と告げるのでした…。
音は、まさや浩二たちが三郎のためにこれまで手を尽くしてきたことを察したんだろうね…。これ以上三郎に負担をかけるようなことはするべきではないと、暗に裕一を諭したんじゃないかな。

しばらくして裕一は、改めて「滞在費」をまさに手渡そうとします。せめてお金のことだけでも家族の助けになりたいという想いはよくわかる…。最初は渋っていたまさも、裕一の想いを察したからか素直にお金の入った封筒を受け取りました。

が、その現場を仕事が終わって帰ってきた浩二に見られてしまった…。あーーー、またよりによってお金を渡すタイミングでーーーー(汗)。たしか前回もそうだったよね!?浩二、タイミングがあまりにもドラマ的にドンピシャすぎるぜ(苦笑)。

烈火のごとく怒り狂う浩二に対しまさも必死に説得しようとしますが、「 母さんは黙ってて!こんなものいらねえって言ったろ!!」と封筒を裕一に突き返してしまう。ただでさえ養蚕家の畠山に裕一のことを持ち出されてイラついてただけに、お金を渡しているところなんか見たらなおさら「見下されてる」って感情になってしまうよな(汗)。

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それでも何とか浩二に自分の想いを分かってほしくて説得を試みた裕一でしたが、お金の件で心配していると告げれば告げるほど、それは浩二の心を抉ることでしかなかった。
裕一がいない間、まさも浩二も、三郎のために医者の件でできる限りのことはして来たのです。ただ手をこまねいて今の状況を迎えてしまったわけではない。裕一が渡そうとしているお金は、浩二には「自分なら父さんを救えるかも」という兄の驕りというように思えて仕方なかったんだと思います。

「いつも自分の感情ばっかで動きやがって!!兄さんはな…もうとっくに家族じゃねえんだよ!!」

という浩二の悲鳴のような叫びが痛々しくて辛い…。突き飛ばされた裕一は何も言い返すことができませんでした…。

そこへ三郎が「騒がしいな」と言いながら入ってきました。急いでまさと浩二は「なんでもない」と繕いますが、三郎は寝ていたほうがいいという言葉を無視して裕一を飲みに誘い出そうとする。
まさと浩二は必死にやめるよう説得しますが「大事な話があんだよ!」と珍しく激しい勢いで振り切ろうとする三郎を止めることができなかった。

近所の神社に裕一を連れ出した三郎は「俺はもう駄目だ。みんな必死にごまかしてるけど、それぐらい分かる」と告げます。自分の体はおそらく三郎さん自身が一番分かっていたのかもしれません…。家族が気を遣ってくれていることを知っていたから、あえて辛い顔を見せなかったんだろうね(涙)。
突然の父の告白に動揺を隠せない裕一に三郎は苦笑いする。そして真面目な顔になり「承諾してもらいたいことがある」と切り出しました。おそらく、浩二のことでしょう…。

それにしても唐沢さん、この週のエピソードのためにだいぶ体重落とされたようですよね。三郎の深刻な状況が見た目からも伝わってきます。やはり唐沢さんはプロの役者だなぁと改めて思いました。