NHK朝ドラ『エール』第53回感想(2020.06.10放送)父の病

これまでの『エール』感想レポ

エール
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2020年前期・朝の連続テレビ小説『エール』の視聴感想

家族を捨てたような形で家を飛び出してしまった手前、福島の実家に戻ることを躊躇いまくっていた裕一でしたが・・・、意外にも家族は温かく迎え入れてくれました。どんな形で出ていったとしても、こうして帰れる場所を作っていてくれたっていうのは嬉しいよね。

その夜は裕一が帰ってきたお祝いとして小山家で大宴会が開かれました。呉服店時代の番頭・大河原さんや、ハーモニカ倶楽部で一緒だった史郎くんまで来てくれて盛大に盛り上がる。その中でも一番はしゃいでいたのは、おそらく裕一が帰って来てくるのを誰よりも待ちわびていた父・三郎でした。
しかし、音は酒の準備をするため台所へ行った折に調子が悪そうな三郎の姿を見てしまう。「ううっ!!」って呻きっぷりがけっこう派手だったので一瞬また「唐沢さんのアドリブ芸か!?」なんて思っちゃいましたがw、あれは深刻なやつだったようですな(汗)。

三郎はそのあとも宴席に参加。さらにお酒を要求しまくっていてまさを困らせていましたが、あまりにも嬉しそうにしている姿を見てあまり強くは言えない様子です。「俺だって昔は歌手か役者にって言われたこともあったんだ!」と自慢しまくる三郎に音が思わず吹き出してしまう場面は面白かったw。

そこへ弟の浩二が帰宅。家業が廃業した後は役所で働いているとのことですが、けっこう遅くまで頑張っているようです。帰って来るなり予想外の宴会状態が繰り広げられていたら、そりゃ驚くよね(汗)。特に三郎がやたら酒に手を伸ばしたがっていることにはかなり神経質になっていました。

そんな彼に裕一は恐る恐る「久しぶり…」と声をかけますが、相変わらず浩二の態度は頑なで…露骨に嫌そうな顔をして「たった一曲売れたぐらいで大作曲家気取りかよ!」と嫌味をぶつけてしまいます。そこまで根に持つのもねぇ…という反面、裕一が出ていってしまった後の心情を想うと仕方ないのかなぁとも思えてしまう。うーん、複雑。

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宴会が終わった後、片づけをしているまさを手伝うため音が台所にやってきます。孫の華のことを語るうちに幼い頃の裕一について思い出話を聞かせるまさ。その話を聞いていた音はしみじみと「華を産んでから、お義母さんがどれだけ裕一さんのこと思っていたか分かった気がします」と告げる。

かつて結婚の許しを得るために訪れた音に対しまさが「裕一にはもう苦しんでほしくない」と叫び、音楽への道を志す裕一を応援しようとした彼女を拒絶したことがありました。その時には理解できなかった気持ちが、華を産んだ今ならわかるようになったという音は改めて頭を下げました。まさも裕一を信じてくれたことに対して心から感謝の言葉を伝えます。
二人の微妙だった距離感が、華が生まれたことによって分かり合い縮まっていったことは良かったなと思いました。

そして音は思い切って「お義父さん、どこか悪いんじゃないですか?」とまさに尋ねてみる。妙な苦しがり方をした三郎のことが心に引っかかっていました。それに対し「胃潰瘍なの」と病名を告げるまさでしたが、どこか動揺を隠せないでいる様子…。音も胸騒ぎを感じてしまいます。

同じころ裕一は、浩二との心の距離が開いたままになっていることに悩んでいました。浩二に突き返された土産のスノードームを見つめる裕一と、「船頭可愛いや」のレコードを手にしながら兄に対してどうしても攻撃的な態度をとってしまう自分を責めているかのような浩二の対比が切なかった…。ちなみに浩二が持ってたのは赤レーベルのほうでしたね。藤丸さんバージョン持っててくれたのは嬉しかった。

そこへやって来た音は、このままもう少し小山家に滞在したいと提案します。三郎やまさのことがどうしても気になって仕方がないようだからね。裕一も浩二と和解したいと考えていたためそれに同意することにしました。

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一方、藤堂先生は久しぶりに元軍人だった父親とゆっくり向き合って話をしていました。この二人にも微妙な距離感みたいなものがあるんでしたっけ。

父の晴吉は軍の要請で満州へ視察に行くことになったと告げる。それに対し「いまさらついて来いなんて言わないよね!?」と不信感をあらわにする藤堂先生。父親からすれば藤堂先生が軍人ではなく「教師」という職業を選んでいることに対して未だに良しとは思っていないようです。これを機会に一緒に満州へ・・・と思っていたのは確かだろうな。

二人の間が少し険悪になったその時、藤堂先生のお嫁さんの座を見事にゲットした昌子さんがお茶を運んできます。彼女は二人の関係が微妙であることも理解しているようで、入るタイミングもちゃんと見計らっていましたね。

そして話をそらすために大きくなったお腹を親子二人に触れさせる作戦に出ます。するとこれまたタイミングよく動きまくる昌子さんのお腹の中の赤ちゃん!その胎動を感じ、藤堂先生親子の顔にもいつの間にか笑顔が浮かんでいました。

「この子は強い子になりますよ!お国のために戦ってきたおじい様の強い血を受け継いでますからね」

と義父をヨイショすることも抜かりない昌子さん、最高の嫁じゃないですかw!!あの頑固そうな晴吉さんが結婚を許してしまったのも納得できるかも。

晴吉は昌子に「安産祈願」のお守りを手渡し、息子のことをよろしく頼むと頭を下げるのでした。このシーンはとても温かくてなんだかジーンときちゃいましたね。

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翌朝、裕一は少しの間滞在させてもらうからと言ってまさに当面のお金を手渡そうとします。遠慮するまさに「受け取ってもらえないと居づらいから」と言ってさらに勧めていたのですが・・・その現場を降り悪く浩二に見られてしまいました(汗)。

浩二はただでさえ裕一に複雑な感情を抱いているので、お金を渡そうとしているのを見て当然いい気分はしないよな…。裕一はこのことでますます弟との溝が広がってしまうという危機感を覚えたからか、必死に「滞在費だから!」と説得を試みる。そしてさらに「父さんにうまい酒でも飲ませてやって!」と付け加えると、なぜかこれが逆効果で、浩二の顔色がさらに険しいものへと変わってしまいました。

「なにがうまい酒だよ!!」と怒りをあらわにする浩二のただならぬ様子を目の当たりにした裕一は「何があったんだよ!?頼むから、お願いだから教えてくれよ!!なんなんだよ!?」と強引に聞き出そうとします。
あまりの裕一の勢いについに浩二は衝撃の事実を口にする。

「父さん、もう長くねえんだ…。胃がんだって。もう手の施しようが…」

予想だにしていなかった浩二の言葉に、裕一はすぐには受け入れることができず激しく動揺しその場に立ち尽くしてしまいます…。そんな兄に浩二は「父さんの前でそんな顔絶対にすんなよ!?俺たちだって父さんの体気遣いなから必死に隠してきたんだ。もしバレたら、ただじゃおかねえからな!!」と険しい表情で忠告し、役所へと出かけていく…。

裕一が福島の実家を離れた後、あまりにも小山家にはいろいろなことがありすぎたんだろうね。呉服店も畳むことになってしまったし、そのうえ三郎さんが重い病に侵されてしまうなんて…。そんなこんなを背負ってきた浩二からすれば、自由な生き方を選んだ裕一に対して妬ましい気持ちが強くなってしまうのも仕方ないかもしれません。

二人の絆を繋げるキーになるのは…おそらく、三郎さんしかいないでしょう…。

浩二を演じている佐久本くん、なかなか魅力的なお芝居ですね。今後の活躍も期待できそうです。