今川氏真の怒りによって処刑寸前に追い込まれてしまった元康の妻・瀬名。次郎は最後の最後まで望みを捨てずに縋り付くも万事休す…。と、そこへ元康の側近である石川数正が馬で駆けこんできて人質交換を申し出ます。このぎりぎりの選択によって瀬名の命はなんとか救われたのでした。
それにしても・・・中村織央さんが演じた石川数正、めっちゃカッコよかったわ~~!!
命拾いした瀬名は元康の待つ岡崎へと旅立つことに。別れ際に瀬名から「これからは敵味方となってしまうのですね…」と告げられた次郎は「表向きはのぅ」と返すのが精いっぱい…。手紙で何でも語り合えてた二人だっただけに、この別れは切なかったです。やっと出会えたばかりだったのにね…。
瀬名はそれと同時に母の佐名とも敵味方という立場になってしまいました。それでも佐名は「自分に構わず今川を手に入れなさい」と励まします。娘と別れた後、佐名さんは自害に追い込まれてしまったようなので、これが母と娘の今生の別れとなってしまった(涙)。戦国の世は非情です…。
これまでの『おんな城主直虎』感想レポ
『おんな城主直虎』第11回 さらば愛しき人
本放送:2017年03月19日(日)放送 NHK総合 20:00~20:45 ほか
CS放送:2021年04月21日(水)放送 チャンネル銀河 08:00~08:45
主な出演者:柴咲コウ、高橋一生、三浦春馬、市原隼人、小林薫
あらすじ
瀬名(菜々緒)を救おうと取りすがる次郎法師(柴咲コウ)の元に、松平元康(阿部サダヲ)からの使者が到着する。桶狭間での大敗以降、衰退の一途をたどる今川家の跡を継いだ氏真(尾上松也)と寿桂尼(浅丘ルリ子)は、離反者の粛清に躍起になっていた。ある日次郎法師のもとに、元康からの御礼の品が届く。直親は今川家と手を切り、元康と手を組むことを決意する。ついに元康との密会を果たす直親だったが…。
<NHKオンデマンドより引用>
サブタイトルの元ネタ:「さらば愛しき女よ」(チャンドラー)
ようやく龍潭寺に戻った次郎は昊天や直親たちが一心不乱に経を唱えている光景を見て「どなたか亡くなられたのですか!?」と戸惑ってしまう。しかしその経は…まぎれもなく”次郎の無事”を祈るものでw、昊天は「あなたが勝手に飛び出すから皆心配していたのですよ!」とオカンムリです(笑)。バツが悪そうにする次郎に「無事ならばよいのだ」とニッコリ笑う直親、その屈託ない笑顔がまた次郎の心を揺らしそうでコワイw。
次郎から瀬名人質交換劇の顛末を聞いた直親は「松平元親さまは面白い策を立てるお方じゃなぁ…」と興味を抱いた様子。さらに寿桂尼が昔のようなおおらかさを失い余裕を失っているようだと聞くと「今川は盛り返せぬかもしれぬなぁ…」と意味深な発言。
桶狭間の戦で大敗を喫してから急速に力を失いつつある今川。井伊はその今川に逆らえない立場だったがゆえに、直親のなかで「ここが今川の支配から脱するチャンスかも」という考えが浮かんでいたのかもしれません。でもそれ、けっこう危険な賭けなんだよなぁ(汗)。
その頃氏真は元康にしてやられた形になったが故にどこか弱気になっていました。そんな孫に婆様から恐ろしいアドバイスがもたらされます。
「事というのは起こさせねばよいのです。起こる前に握りつぶすのです」
氏真は将来、「元康に領地を奪われた能なし」だと評判が立つだろうと厳しい現実を突きつけ不安をさらに煽った後に、恐ろしい形相で「事が起こる前に潰してしまえばいい」とアドバイスする寿桂尼様に戦慄が走った(汗)。さすが、今川の影の支配者と呼ばれるだけあるわ。
そんな黒い話が進んでいるとは知る由もない次郎のもとに、見知らぬ山伏が「瀬名さまを救っていただいたお礼」を持参しにやって来ました。そこには元康から直親に宛てた手紙も添えられていた。次郎には「内容はただの御礼状にすぎなかった」と告げた直親でしたが、実はそこには”共に鷹狩りをしないか”という誘い文句が綴られていたらしい。なんか、嫌な予感しかしないんですけど(汗)。
直親から本当の手紙の内容を聞かされた政次は「目付の自分に松平との内通を匂わす内容を見せてどうするんだ?」と怪訝な顔で尋ねる。しかし、直親は今川の力はもう復活しないと読んでいるらしく「道連れになるのはまっぴらじゃ」と決別する方向を考えていた。直親、新たな頼り先として今けっこうな勢いのある松平家と誼を結ぶ気満々です(汗)。
政次は「じかに会うのはまだ早い」と慎重論を解きますが、「今川に謀反の疑いをかけられる前に政次に決めてもらいたい」と迫る直親。こう言われちゃったらねぇ…政次としては
「選ぶ余地などないではないか。俺とて今川と共倒れなどごめんだ」
と本音を言わざるを得ないではないか。そのうえで、事を進めるのには2つの条件を飲んでほしいと告げます。ひとつは、”今川の間者がどこにいるか分からないのでこの一件は絶対に口外しないこと”。もうひとつは、”政次に一切を知らせること”。漏れがあったらいざという時に守れないから、という理由なのはいかにも真面目な彼らしい。でも、今川を見限って松平につこうという危険な行動に出ようとしてるんだから、このくらい慎重にしないとね。
「選ぶ余地など、ないではないか」
直親のこの返答により、二人による危険なミッションがスタートしました。直親と政次のバディ誕生シーンでもあり、なんだかちょっと心が震えるものがありましたね。
その後直親は手紙にある鷹狩への招待の招きに応じ元康の元へ出発。でもなんか、あの山伏の雰囲気が怪しいんだよなぁ(汗)。で、直親は元康とついに対面を果たすのですが…
オイイーーーー!!!その人、松平元康さんじゃないよww!??よく見ると・・・ほっしゃん。じゃないですか(笑)。いや、確かにぱっと見ちょっとだけ阿部サダヲさんと似てるかもしれないけどさww、明らかに別人じゃないか!!!
この時代、前もって人物の顔を確かめる術なんてなかったですからねぇ。初対面の直親がほっしゃん。顔の人物に「私が松平元康です」と言われたら「あ、そうですか」って信じちゃうのは仕方がない(苦笑)。
でもなーんかどこか胡散臭い雰囲気が漂ってて、突然手を握られて「妻子の命を救ってくださり誠にありがとうございましたっ!!」と熱く迫られたらさすがの直親も「ん??」とちょっと違和感覚えたっぽいw。しかも手の甲には怪しい傷もあるし・・・どこぞのならず者を仕立てたんじゃないのかねぇ、あれ(苦笑)。
でも結局、直親信じちゃって鷹狩しながら親交を結んでしまったーーー(汗)。少し怪しいかもって思ったあの時に、何かしら確かめるような材料を用意していれば…。
政次から「どんなお方であった?」と聞かれた直親は「お歳の割に貫禄のある精悍な顔つきのお方で、手に刀傷があられた」と印象を告げます。えーーと、まぁ、たしかに「貫禄」はありましたが、「精悍」だったかと言われると…ちょっとそれは違ってたんじゃない?って思わなくもなかったり(ほっしゃん。さんのせいではないw)。でも、それだけでは政次も疑う余地もなく「ふーん」って感じで信じてしまいました(苦笑)。
すっかりホッとした直親は政次に「嫁は取らないのか?」と聞く余裕もww。そんな恋バナしてる場合じゃないんだってば!と多くの視聴者は叫んでいたに違いない(笑)。
苦笑いしながら「私は一人でいいです」と消極的な政次に直親は、今川の支配下から抜けられたら次郎が還俗できるからその時に娶ればいいと提案。しかしそれに対して政次は少し困ったように「次郎様がお望みにはならんでしょ」と答える。切ないねぇ…。彼は次郎が幸せになることだけを望んでいるようです。そこに自分と結婚する選択肢はないと思ってるんだよね…。
そこへちょうど噂の主・次郎がやって来ます。次郎の嫁入り話をしていたと聞くとちょっとむっとしてしまう。久しぶりに3人で他愛もない会話を楽しむ時間が愛おしい…。
笑顔で語り合った子供の頃を思い出す次郎…。いつまでもこんな穏やかな時が続いてほしいと念じたに違いありません。その笑顔はなぜかちょっと切なく見えました…。
しばらくして政次は駿府へ向かう。その背中に「よろしく頼むぞ、家老殿」と言葉をかける直親。「何やら昔に戻ったようじゃの」と嬉しそうに見送った次郎。3人が笑顔で語り合えたのは、これが最後となることも知らずに…(涙)。
政次が旅立ってしばらくした後、鼻歌歌いながら日曜大工をしていた次郎のもとに謎の山伏が訪ねてきました。彼の名は、常慶。松平元康の側近的立場のようです。常慶は元康から預かってきたという「瀬名を助けてくれたお礼の品」を持参していました。しかし、それはもうすでに受け取っているはず…。次郎の脳裏に不安がよぎる!!
血相を変えて直親の元に駆けつけた次郎は「我らは今川に諮られたのかもしれぬ!!!」と動揺を隠せない。その頃すでに駿府入りしていた政次はこの事実を知る由もない。突然寿桂尼から「井伊が松平と内通しているという噂を耳にしている」と切り出され内心動揺しつつもそれを感づかれまいとポーカーフェイスを装う政次。これはかなり苦しい立場になってきたのでは(汗)。
寿桂尼はさらに”松平と内通していた証拠”として直親が元康に宛てた文を見せつける。政次、明らかに動揺していますがなんとか冷静を保ってる。とりあえず「殿の筆とは違う」と言って切り抜けようとしましたが、証人として元康を演じたほっしゃん。が現れて大ピンチ!!!
直親から「手の甲に刀傷があった」と聞いていた政次は、この時今川に諮られたことを初めて悟ります(汗)。同様のあまり言葉が出てこない政次に畳みかけるように「まさか目付でありながら加担していたのではあるまいな?」と答えを迫る寿桂尼様、怖すぎでしょーー!!!政次が食われちゃうーーーー(汗)。
追い詰められた政次は「答えを選ぶ余地などございませぬ!」として今川に忠誠を誓う道を選んでしまうことに…。この場合は、こう答えるしかなかったと思うよ…。でも、それと引き換えに彼は大切なものを失ってしまうことに(涙)。
一方の直親も事の次第をようやく把握。これをきっかけに松平からの援助を期待すると告げた直親は南渓和尚に岡崎へ行ってほしいと依頼します。もはやそれに賭けるしかない…。政次の安否を気遣う余裕は、直親にはありませんでした。その代わりに次郎が南渓と共に岡崎城へ向かうことに。
直親には、駿府に申し開きに訪れるよう通達が届いていました…。もうこれ、嫌な予感しかしない…!
一縷の望みをかけて岡崎城で元康との対面を待つ次郎たちでしたが、常慶はそんな二人に「松平には兵を出す余裕がないから加勢できない」という回答が突きつけられる。次郎がいくら「以前助けてやったのに!!」と迫ってもその答えは変わりません。
それでも諦められない次郎は瀬名のいる寺を訪れ、井伊まで一緒に来てほしいと懇願します。
次郎は瀬名と嫡男の竹千代を井伊の人質にして松平と交渉しようと考えていました。しかし、自分を人質としても「捨て置かれるだけだ」と力なく答える瀬名…。前回は助けてもらえたけれど、今回は何も行動を起こしてもらえないと悟ってしまっている様子。辛い立場なんだよねぇ、瀬名も。
でも、「もう後がない!!」と必死の形相の次郎を哀れと思ったからか「分りました」と了承してくれました。
ところがその夜、いざ出発しようとしたところで次郎だけ寺の外に締め出してしまう瀬名。最初から、彼女は井伊の人質になるつもりなどなかったのです(汗)。瀬名は、母と「今川を手に入れてみせる」と約束していました。それゆえ、井伊の人質になればそれが叶わなくなると思ったのです。力のない井伊は今川の支配下から抜けられないですからね…。
それでも次郎は声の限り瀬名の名を呼び続けるわけですが、寺の扉は固く閉ざされたまま開くことはありませんでした。お互いに守りたいもののために必死なんですよね…。絶対に譲れないものがお互いにあるが故のすれ違いが切なかったです。
一方、駿府の政次は一人孤独な葛藤を繰り返していました…。その脳裏に浮かんだのは、かつて父から告げられた「お前は必ずわしと同じ道をたどるぞ」という呪いのような言葉だった(涙)。常に影の存在で裏切り者扱いされていた父と同じ轍は踏むまいと心に誓っていた政次でしたが、運命はあまりにも皮肉なもので、結局はその言葉通りになろうとしていることを受け止めざるを得ない。
そのタイミングでやって来た氏真は「井伊が呼び出しに応じない」とかなり焦っている様子。すると政次は「少し、脅されるがよいかもしれませぬ」と答えます。その顔にもう、迷いはなかった…。井伊を守るために、彼は鬼となる道を選んでしまったのです…。
井伊谷には今川の軍勢が差し向けられた様子。つまりは、政次の言う「脅し」作戦でしょう。覚悟を決めた直平たちは「こうなったら討って出るしかない!!」とテンションを上げまくりますが、直親は「虎松が危険な目に遭った時にそうしてほしい」と告げました…。
直親は自分のミスのせいで井伊をピンチにさせてしまったことに大きな責任を感じていた。それゆえ、自らが犠牲になる覚悟を固めてしまったんですよね(涙)。今川のこと、甘く見すぎていたのがマズかったんだけど…情報を得ることが難しいあの時代では仕方がなかったと思うよ~。
自ら今川の元へ申し開きに行く覚悟を決めた直親に、「わしはもう、これ以上見送るのはごめんじゃ!」と悲痛な叫びをあげる直平が哀しかった(涙)。自分より若い世代をたくさん見送ってきた大叔父上だけに、ここでさらに直親が犠牲になるかもしれない現状は耐えられなかったと思うよ…。
岡崎から戻った南渓から政次の行方を尋ねられた直親は、何の音沙汰もないことを告げる。そんな彼に南渓は「お前はどう思っているのか」と尋ねる…。
「私は、政次は井伊を守ったのではないかと。そう思いとうございます」
それは即ち、政次が井伊を守るために今川方に就いたことを意味していました。直親は、政次が自分を切り捨てたことを悟ったと思うんだけど、それしか道がなかったことも分かってたんだよね…。その決断を直親は尊重したんだと思うけど…これはホント辛すぎた(涙)。
その夜、妻のしのと息子の虎松の元を訪れた直親。寝ずに戻ってくるのを待っていたしのは、これが今生の別れになるかもしれないことを覚悟しているようだった…。そんな彼女に直親は「虎松は将来きっと井伊をよみがえらせる」と予言します。それ、めっちゃ当たってるよ!!その姿、見せてあげたいよ…(涙)。
直親はしのに息子のことを頼むと告げた後、まだ幼い息子にもメッセージを残しました。
「生きておれば必ず好機はある!」
このセリフ…三浦春馬くん亡き今聞くと、ものすごく泣けます(涙)。そうだよ、生きてさえいれば、好機はいつか訪れたんだよ…。この言葉を、春馬くんにもう一度聞かせてあげたかった…。色んな意味で、今このシーンを見ると胸が張り裂けそうになりますね(涙)。
駿府へ向かう前、直親は次郎に会いに行きました。井戸の前で次郎との結婚の約束を果たせなかったことを詫びる直親…。それに対して次郎も「自分がもっとおとなしくしていたら今川に目を付けられずに済んだのだ」と子供の頃の過ちを詫びます。それでも直親は次郎を責めようとはしない。そんな彼を見るのが辛くなった次郎は
「吾が男子に生まれておればよかったのだ!!そうすれば駿府に向かうのは吾だったはずじゃ!!」
と叫んでしまう。そんな彼女に直親は静かに告げます。
「それは困る。もし、おとわが女子でなければ、俺のたった一つの美しい思い出が、なくなってしまう」
直親ーーーーーー、なんて哀しいことをーーーー(涙)。駿府へ向かえばおそらく自分の命はないだろうことを予感してるからこそのセリフなんだよなぁ…。辛すぎる…。
最後に、経を歌ってほしいと次郎にリクエストする直親。しかし次郎は「あれは死者を弔う歌だから断る!」とそれを拒絶しました…。そんな不吉な歌、無理だよね…。そんな次郎を切なく見つめていた直親でしたが、想いが溢れついに彼女を強く抱きしめました。
「では…、戻ったら一緒になってくれ!返事は?…」
直親、渾身のプロポーズに、次郎は「心得た…」と涙をこらえて承諾します。こんな状況じゃなければ”直親、この期に及んで何てこと言うんだよーーー!”とツッコミたいところですが(女房と子供がいる身だしね 汗)、ここではもう、許すしかないじゃないか…。
直親も、次郎も、これがおそらく今生の別れになってしまうことを悟ってしまってる。叶わない出来事だからこそ、あえて直親は心の奥に秘めた想いを次郎に告げ、次郎もそれを受けたんだと思う。
暫くしてから旅立とうと背を向けた直親。そんな彼に泣きながら「待っておるからな…!!何をしてもどんな卑怯な手を使っても戻ってくるのじゃ!!」と告げた次郎。その言葉を受けて直親は旅立ってしまいました…。あまりにも哀しい、二人の別れでした(涙)。
誰もが直親の生還は望めないと思っていた。
そしてその駿府へ向かう道中の直親を、今川の刺客が取り囲む…。顛末が描かれないまま次回へ続く。
「PR」
- 最初にU-NEXTに登録するとNHKオンデマンド料金に使える1000ポイントがもらえる。
(無料期間終了後は月合算。無料期間中は解約自由) - NHK以外の番組は登録してから31日間無料で見られる
- 有料期間に入ると、毎月1200ポイントもらえる(オンデマンド料金に使える)