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NHK大河ドラマ『青天を衝け』第10回ネタバレ感想 栄一、志士になる

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国の根幹を変えるために何かできることはないのかと模索していた栄一は、ある日、喜作が江戸へ行くことが決まったと聞かされ大きく心が揺れてしまいます。胸の中がグルグルする~~って前回盛んに言ってましたから、もう居ても立ってもいられなくなったって感じでしたね(汗)。
その想いのまま、父っ様に「一時だけでいいから江戸へ行かせてほしい」と必死に懇願。でも、百姓がもがいたところでどうにもならないと思ってる節のある市郎右衛門はこの申し出を受けないんじゃないかな…と思ってました。

ところが、栄一から世の中の不条理について熱弁を振るわれると…「そんなに行きたければ行ってこい」と根負けして許してしまいましたw。まぁ、とっさまも栄一の言う違和感をずっと感じてきたはずなので、息子の気持ちも分かってしまったからなんだろうけどね。

栄一が江戸に行けるのは仕事の少ないひと月のみという条件を出した市郎右衛門。許可が出たことにテンションが上がりまくる栄一でしたが、果たしてこの約束を守ることができるのか不安でしかないww。
でも、もっと不安なのは奥さんになったばかりの千代かもしれない。栄一がたびたび物騒な話に首ツッコんで影響されてる姿目の当たりにしてますからね(汗)。江戸に行ったらますます危険思想に飲み込まれてしまうのではないかと心が落ち着かなかったと思います。

その頃江戸では、井伊直弼亡き後を継いだ老中・安藤信正「公武合体政策」として和宮降嫁・・・つまり、14代将軍・徳川家茂のお嫁さんとして天皇の妹である和宮を迎え入れる計画を進めようとしていました。これを発案したのは直弼で、具体的に実行に移そうと頑張ったのが安藤さんってことになりますね。当時はこの「公武合体政策」が幕府の権威を復活させる最良の策だと信じられていたそうな。

しかし、嫁がされる身となった和宮は婚約者と離縁させられた上に、野蛮な人がウヨウヨしてると思い込んでる江戸へ降嫁させられることに大いに怯え泣き崩れていました。幕府内の情報とか、ましてや旦那様になる家茂がどんな人なのかまったく分からない時代ですから、それはそれは恐ろしかったと思いますよ(汗)。

以下、さらに第10回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

これまでの『青天を衝け』感想レポ

青天を衝け
青天を衝け
2021年度NHK大河ドラマ『青天を衝け』の感想レビュー

『青天を衝け』第10回 栄一、志士になる

2021年04月18日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45 ほか

出演:吉沢亮、高良健吾、橋本愛、満島真之介、福山翔大、田辺誠一、草彅剛、和久井映見、小林薫、ほか

あらすじ

幕府では、暗殺された井伊直弼(岸谷五朗)に代わって老中・安藤信正(岩瀬 亮)が、孝明天皇(尾上右近)の妹・和宮(深川麻衣)の将軍・家茂(磯村勇斗)への降嫁を進めていた。朝廷との結びつきを強めて幕府の権威回復を図った和宮降嫁は、尊王攘夷派の志士に火をつける。一方、念願の江戸に来た栄一(吉沢 亮)は、尊王論者・大橋訥庵(山崎銀之丞)を紹介され、安藤の暗殺計画を知る。長七郎(満島真之介)は、その計画のために命を捨てる覚悟を決めるが…。

<公式HPより引用>

父の許しを得て久しぶりに江戸へ足を踏み入れた栄一でしたが、8年前に訪れたときとはまるで違う荒廃した町の雰囲気を見て愕然としてしまいます。外国が介入したことで物価が高騰しまくり、人々の生活は苦しくそこかしこで言い争いの風景も見受けられるようになってしまったようです(汗)。

呆然と荒れた街の様子を眺めていると、喜作が栄一を迎えにやってきてくれました。

喜作に誘われるまま思誠塾を訪れた栄一は、大山訥庵から「江戸は呪われた町だ」という話を聞かされる。大地震や桜田門外の変のような大事件が続いたことで今の江戸は荒廃しきっているという。この話の最中、訥庵はある一人の男に声を掛けました。

下野国から来ていた志士・河野顕三です。彼は元々は医者の息子だったようですが、尊王攘夷思想に傾倒するようになり医師の道を捨てた経緯があったとのこと。ゴリゴリの攘夷論者である訥庵の影響もかなり強く受けているというのが登場した時の雰囲気からメラメラと伝わってきてゾクっとさせられました。
ちなみに、眼帯を付けた隻眼の男としての登場だったわけですが…、その目の謎については触れられておらず気になってしまった。ネットで色々調べたのですが情報が少なく分からずじまい。ただ、SNSに”幼い時の疱瘡で片方の目を失明したらしい”という記述もあったのでそういうことなのかなと。

顕三から江戸の荒廃っぷりは「夷人を入れたことによる神風による天罰だ」と聞かされた栄一は、素直に思ったままの疑問を口にします。

「どうして日ノ本の神様は”神風”を起こしてくれねぇんだ?天罰なんか起こしてねぇで、風で夷人も病も吹き飛ばしてくれりゃいいに」

そりゃそうだ(笑)。これには訥庵先生も虚を突かれたようで少し動揺した風でしたよね。
ところが、尊王攘夷思想に燃え滾る塾生たちからすれば、栄一のこの素朴な疑問発言は「神への冒涜」以外のなにものでもない。顕三ら激怒しまくった塾生たちは栄一を庭先に突き飛ばし追い払おうとしてしまいます。栄一はなぜ自分が突き飛ばされたのか全く分かっていない様子で(汗)彼らと嚙み合いませんねぇ。

ところが、意外にも訥庵は栄一の発言をかなり好意的に受け取ったらしく「幕吏の横暴っぷりに髪も助けたいという気持ちすら起こらないのだろう」と告げます。続けて「水戸の慶喜さまが将軍になっていればこんなことにはなっていなかった」と訥庵。「我々が神風を起こすのだ!!」と逆に塾生たちをさらに奮起させることに。栄一の発言が想わぬ波及効果を生んでしまったな(汗)。
この時栄一は初めて”一橋慶喜”の存在を意識しました。こういうリンクのさせ方は巧いなぁと思った。

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栄一は「俺たちが風を起こすんだーーー!!」とさらに攘夷思想に燃え上がる塾生たちを見て圧倒されまくってしまう。彼にはまだ思誠塾は刺激が強すぎるような気がします(苦笑)。
と、そこへ長七郎がやって来て再会を喜びます。その夜は喜作も交えて久しぶりに3人で酒を酌み交わすことに。栄一と喜作がお互いの愛妻について語っているのを見た長七郎、ちょっと羨ましそうにしてましたねw。長七郎のような気性が激しい男だと…たしかに農家のお嫁さんはなかなか見つからないかも(汗)。逆にお嫁さんができれば長七郎ももう少し丸くなるのかもしれないけど。

話が思誠塾でのことに移ると、栄一は前のめりになって「幕吏とはなんだ」と長七郎に質問。すると喜作が「夷敵の言いなりになる幕府の犬ども」のことだとドヤ顔で解説w。彼もすっかり思誠塾の影響を受けてしまっている様子。

へぇ~、と思って見ていたら・・・次のシーンになったら突然飲み仲間が増殖しててビックリww!!何の前触れもなく人数増えてるからどうしたのかと思っちゃったよ(汗)。これ、編集さん、もう少し何か工夫してほしかったような…。えっと、これはつまり、3人で飲んだ日の数日後設定ということでいいのかしら??

飲みながら語る会には新たに範之助と、栄一に超批判的だった河野顕三の姿があったのが驚き!いつの間に一緒に酒を酌み交わせるまでになったんだろう(汗)。
顕三は「今一番倒すべき幕吏は安藤信正だ」と宣言します。和宮降嫁を進める安藤を「国賊」と呼び、相当な恨みを募らせているようでした。桜田門の時のように襲撃してやろうという計画まであったらしいのですが、結託するはずだった薩摩や長州などはお国事情が大変なことになっていてそれどころではなくなったと。

ちなみに、顕三が人一倍安藤に対して激しい憎しみを抱いているのには彼自身の個人的恨みもあったようです。顕三が師事した堀利煕がプロイセン(今のドイツ)との条約を交渉を進めていたのを、安藤が異国嫌いな孝明天皇に遠慮して跳ねのけてしまったことがあったそう。そのことに憤った堀は、自らの死を持って幕府に抗議をした経緯がありました。
恩人であった堀さんがそんなことになったのは安藤のせいだと、顕三はそういった想いも強く持っていたようです。

長七郎は顕三とかなり親しくしているようで、安藤抹殺に対してかなり前向きな意見を持っていました。

顕三から「後ろ盾のない俺たち、”草莽の志士” のほうがいっそ動きやすい」と聞かされる栄一。ここでまた新たなワードを知ることになります。

”草莽の志士”とは、「日ノ本の想いのみで動く名もなき志士たち」のこと。

つまり、何の後ろ盾を持たないながらも、国への思いは人一倍強い志高い者たちを指しています。顕三は自分たちもそれに当てはまると鼻息が荒い。
今の時代に彼らを見ると危険なテロリストとしての側面を強く感じてしまうのですが(汗)、彼らは私利私欲ではなく本気で「日ノ本を今よりずっと良い国にしたい」という高い志を抱いていたんですよね。ただその方法が過激すぎたのです…。

範之助は栄一や喜作に「いずれは尾高先生(惇忠)やおまえたちもその時がくる」と熱く語ります。その言葉に胸を昂らせる栄一と喜作。どんどん過激な尊王攘夷思想に傾いていってしまう二人がなんだかすごく心配(汗)。なんかまだ事の重大さの本質までは理解できてないような気がするんだよねぇ…。

で、やる気に燃えてた栄一でしたが・・・顕三は「百姓であるお前たちに何ができる」と鼻で笑い完全に見下している様子。これにはさすがの栄一も「いちいち気に障るやつだな!!」とちょいギレしてしまうのですが・・・

「お前の言葉には胸を打たれた!俺も今日この日から、草莽の志士になる!!」

と目をぎらつかせながら宣言しました。たしかに百姓をバカにしてくる顕三には頭に来るけど、栄一は彼が本気で国を変えてみせると意気込む想いには大いに感銘を受けていたんですよね。言葉尻だけで人を判断しない栄一は、私はすごいと思いますよ。顕三もそんな栄一に心を開いてくれるといいんだけど…、そう簡単にはいかないかな。

それからしばらくしたある日、栄一は喜作に連れられてとある荒廃した空き家の敷地に案内されます。思誠塾の道場では目立ちすぎるということで、人目に付きにくいこの場所で実際に真剣を使った人を斬る稽古をしているのだという。
これまでは竹刀でしか剣術の稽古をしてこなかった栄一にとって「人を斬るための稽古」というワードは衝撃だったに違いありません。ここでようやく”現実”というものが目の前にぶら下がって来たかな。

剣の腕の立つ長七郎は一太刀で人に見立てた藁をスッパリと二つに斬り割いていました。斬り終わったあともギラギラした人斬りの目をしていた長七郎…、その心意気を顕三は高く評価していたのかも。
長七郎は栄一に「お前もやってみろ」と声をかける。最初は少しビビったような表情をしていましたが、「草莽の志士になる」と告げた志もあるのでゆっくりと剣を取りに向かう栄一。

初めて真剣を手にした栄一に熱く剣術指導する長七郎。塾生たちが息をつめて見守るなか、栄一の緊張感はもうMAX状態。人を斬るための剣術というものを経験したことがないため、その刀を振るうことにはためらいも大きかったと思います。

すると、そんな栄一の不安を察知した顕三が「やめとけ!こいつに人を斬れるわけがない。百姓は桑や鋤で土を掘っているのが似合いだ」と見下したような発言をしてくる。
いちいち人の心を逆なでするようなことを言ってくるなぁとは思いますが(苦笑)、人を斬ることに少しでも迷いがある奴は「草莽の志士」としては認められないという想いが強いが故なんだろうなとも思います。それだけ彼らは命がけで生きている。

「帰れ帰れ!邪魔だ!」とさらに栄一を煽る顕三。ところがこの言葉が逆に栄一の心の迷いを吹き飛ばすことになります。狂ったように藁に真剣を突き刺しまくる栄一に、さすがの顕三たちも驚きを隠せません。何かに憑りつかれたかのように無我夢中で剣を振りまくる姿は恐ろしくもありましたね(汗)。実際にスイッチが入ってしまうと、こいつ何しでかすか分からないぞ!?的な恐れを顕三たちも抱いたかもしれません。
荒れ狂い自分を見失い藁がボロボロになるまで刀を振り回していた栄一を止めたのは喜作と長七郎。二人がかりでなければ止められないほどの勢いだった。ふと我に返った時、千代からもらったお守り袋を思わず握りしめた栄一。この時、もう一人の自分の存在に恐怖心を抱いたのかもしれない…。

血洗島では、千代たちが地道に農作業にいそしんでいました。栄一はやはり1か月経過しても戻ってきていないようです(苦笑)。

この日は伯母のまさもやってきていたようなのですが…、なかなか子供ができない千代に対して「あんたは細いからなかなか子供が生まれないのかもしれないけど」みたいな、けっこうな無神経発言をしてくる(汗)。言った本人に全く悪気はないというのがタチ悪いんだよなぁ。言われた方としてはプレッシャーどころか責められているような気持にさせられてしまいますよねぇ。
でも、そのあとゑいさんたちから優しくフォローが入って・・・それだけが救いかなぁ。まさ伯母さんはしばらく渋沢家には来ていただかないほうがいいと思いますよ(苦笑)。

するとそこへ、ひょっこり栄一が帰ってきました。あの、狂ったように刀を振り回しまくってからどれくらい時がたってるんだろうか…。すっかりいつもの栄一の表情に戻ってるようでちょっと安心した。
江戸では志の高い者とたくさん出会ったと語る栄一。「良き友もできた」とも言ってましたが…そのなかには顕三は入っていたのだろうか?あの狂い斬りの一件で栄一への評価が変わって心を許していたのかも??そうあってほしいような、ほしくないような…。

落ち着いた栄一は千代にだけ「ここと江戸とあまりにも風が違いすぎて…」と正直な気持ちを打ち明けます。彼が思っているよりもずっと、江戸では強烈な尊王攘夷思想の風が吹き荒れてましたから…やはり気持ち的にも疲れたというのはあったでしょう。

 「お前に会いたかった」と千代をバックハグする栄一!!これは吉沢亮くんファンは「きゃぁ~!」ってなるようなシーンだったのでは(笑)。千代を演じる橋本愛ちゃんが「キュンキュンする」って言ってたのも分かるww。
でも、千代を抱きしめている栄一の表情をよく見ると…どこか心ここにあらずのような顔になってるんですよね。江戸の影響を強く受けたでしょうから、なおさら「今のままの生活でいいのだろうか」という想いは増していたんじゃないかと思います。

それでも、これまで通り農作業をし、惇忠の道場に通い竹刀での剣術に励む日々を送る栄一。しかし、時代のうねりは血洗島にも確実に訪れていて、惇忠のもとには多くの志士や脱藩浪士たちが集まるようになっていました。
栄一たちの話を聞いているであろう惇忠は「このままでは日本が夷人に食いつぶされてしまう」という危機感をさらに強くしていました。公武合体政策についても批判的な立場をとっている一同。下々の生活のことよりも幕府の内部にしか目を向けていない現状に怒りを募らせている面々…、その気持ちはよく分かる気がします。まるで、今の日本のようとも思えるんだよなぁ…。歴史は繰り返すってことなのだろうか。

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と、場面が緊迫感に包まれたところで・・・

突然、徳川家康さんが登場してビックリしたわーーー(笑)!!

今回、番組始まって以来のかなり遅くのご登場でしたねw。もう出ないかと思ってた…っていうか、物語に集中して存在ちょっと忘れてた(ヲイ 笑)。
今回家康さんが紹介したのは、公武合体について。惇忠たちが「和宮降嫁」について批判的意見を述べていたのを受けての説明でしたね。

ある夜、市郎右衛門から「和宮降嫁の行列が中仙道を通ることになったから、血洗島を含めた村から人足を出すことになった」と聞かされた栄一は大いに憤ってしまう。「これは幕吏の謀だ!!」と猛然と抗議しますが、市郎右衛門は「それが百姓の務めだからしょうがない」と諦めモード。どんなに理不尽だと思っても、それに従わなければ村は生き残っていけない現状があります。
しかし、栄一はそんなことを続けなければいけないことに限界を感じていました。江戸を見てきたからなおさらだっただろうね。

「百姓とは、なんと空しいもんだい!!!」

とっさまの後を継いで立派な藍農家にしてみせると意気込んでいた栄一でしたが、この時初めて明確に「百姓なんかやってらんない」という気持ちが芽生えたんじゃないだろうか…。そんな息子の心の変化を市郎右衛門は敏感に感じ取り大きな不安を抱いてしまいます。
しかし二人が核心に触れた会話に入ろうとしたその時、外でこっそり様子を伺っていた千代が倒れてしまった。しかし千代は病気ではなく・・・ツワリによって倒れてしまったのでした。

千代ちゃん、ついに、ご懐妊です!!

ずーーっと子供ができないことで苦しんできたからホッとしたよね。よかったよかった。この知らせを聞いた栄一は大喜び!!それまで国の理不尽さに怒り心頭だったのに、それすらも吹っ飛んでしまうかのようなテンションだったな(笑)。
農作業をするときも常に千代の体を気遣って率先して作業をする優しい旦那さんの栄一。その表情は久しぶりに晴れやかで和らいだ笑顔が浮かんでいました。千代はそんな夫の姿を見れたことに安堵します。「俺はそんなに険しい顔をしておったか…」と我に返る栄一。

しかし、国に対する熱い想いだけは変わっていません。「俺は今、この日ノ本を身内のように感じている」と語ります。それゆえに納得がいかないことが多いと力なく語る栄一でしたが、そんな彼に千代は

「私は栄一さんたちがこの国を想う気持ちは尊いと思っております。それと同じように、この家のみんなを守ろうと思う気持ちも決して負けない尊いものだとありがたく思っております」

と静かに告げるのでした。国を守ることも、家を守ることも、同じくらい尊い想いなのだという千代の言葉に栄一は少し考えこんでしまいました。自分が本当に為すべきことは何か、心の中で色んな疑問が生まれてただろうね。でもとりあえずここでクールダウンできたのは彼の為にも良かったと思います。

数日後、和宮降嫁の行列が血洗島の近くまで進んできました。栄一たちは和宮をもてなすための準備に追われ農作業どころではない様子。これまでの幕末歴史ドラマでは、こうした農家たちの裏事情に目を向けられることがなかったので、とても新鮮な気持ちで見ることができました。和宮も気が重かったと思うけど、この政策に振り回されたのはお世話することを義務付けられた村の人たちも同じだったんだなと思いました。

その頃江戸では天璋院(篤姫)が家茂に「自分は一橋擁立を進めるために江戸城へ入った」という裏事情を説明していました。家定がその事情を知ったうえで大切にしてくれたことを天璋院はとても感謝していたようです。二人のほのぼのシーンはもっと見てみたかったよなぁ。
家茂は天璋院の話を聞き、改めて国が一つになってまとまらなければという想いを強くしていました。和宮を嫁に迎えることは国にとって必要なことだと覚悟を決めたようでしたね。それにしても萌音ちゃんの天璋院は凛としていてとても雰囲気がいいですね!もっと出番あるといいなぁ。

そして江戸に到着した和宮はさっそく家茂と対面することに。誠実な印象で挨拶する家茂の姿を目の当たりにした和宮様・・・

"あれ!?思ってたような野蛮な感じじゃなくて・・・むしろイイ男!??”的なちょっとビックリした表情だったのが可愛かったですね(笑)。実際、家茂と和宮は歴代将軍夫妻のなかで一番といっていいほど仲が良かったとされていますから、この出会い方はよかったんじゃないでしょうか。

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ところが、和宮が江戸城に入ったというニュースを聞いた思誠塾の塾生たちは「なんだと!??」と大いにいきりたちまくっております(汗)。和宮さまが家茂に好意を抱いたとか、そういうことは彼らには全く関係ないんだよなぁ。公武合体政策そのものに怒り心頭なわけです。天皇家を軽んじた行為と受け止めちゃってますからねぇ…。

訥庵は顕三の「いま安藤を討たないと夷狄に支配されてしまう」という声に押され、ついにその決行を決めてしまう。その実行犯として彼が指名したのは…なんと長七郎!塾生たちも一斉に彼に期待の目を注ぎます。でも、長七郎一人にそんな大役押し付けるっていうのはちょっとねぇ…(苦笑)。

それから数日後、血洗島の尾高家に一時帰還した長七郎は惇忠、栄一、喜作に年が明けたら安藤を斬る計画があることを告げます。その計画が成就した暁には自分は切腹するつもりだと目を輝かせて語る長七郎…。彼は事を成す前に家族に別れを告げに戻ったんだね…。
「切腹」というワードを聞いた惇忠たちは大いに動揺しますが、「俺は武士になるんだ、武士の本懐を果たせばあとは潔く死ぬだけだ」とその決意は変わらない。人一倍武士への憧れが強かった長七郎は、切腹することはむしろ「名誉なこと」だと思っているのです。当時はこういう考えを持った若者が大勢いたんだろうな…。『龍馬伝』で饅頭屋の長次郎が切腹したエピソードのことをちょっと思い出しました。

それにしても長七郎…眉毛はどうした!??なんかえらく薄くなってる…っていうか剃った?武士になるためには眉毛も邪魔なのか!?

長七郎の熱い武士への想いを聞いた栄一と喜作は彼を引き留める言葉を失ってしまいます。その気持ちはおそらく彼らには痛いほどわかったんだと思う。しかし、惇忠だけはそのことに関して強く反対しました。

「安藤一人斬っただけで何が変わる?それだけでは一橋様は動かぬ」

惇忠は老中の安藤一人を斬ったところで世の中が変わるわけではないことを、これまでの勉学を重ねる中で悟っていました。それゆえ、長七郎が決行しようとしている計画では国は何一つ変えられないと必死に説得。剣の腕の立つ弟をむざむざ無駄死にさせることだけは断固阻止したい兄心だったと思います。

そんな兄に長七郎は「兄ぃは知識ばかり身に着けて一生動かぬおつもりですか!?」と憤り食って掛かってしまう。喜作はそんな長七郎の気持ちが分かると告げますが、栄一は惇忠の意見に賛同する。血洗島で気持ちを落ち着かせていたことで、より世間を冷静に見れるようになったようだね。

「幕吏が何人死のうが入れ替わろうが何も変わらない。武士は武士、百姓は百姓と決めてしまってる幕府がある限り何も変わらないんだよ!!」

もっと根本から立て直すことを考えるべきだという栄一の熱い説得は長七郎の心を大きく揺さぶったようでした。千代が言っていた「国を想う気持ちも家を想う気持ちもどちらも尊い」といった言葉が栄一に大きく影響していたからこその言葉だったよね。
それを受けて惇忠は「この兄も、もはやじっとしてはおらぬ」と立ち上がる決意を固めます。

「我らこそが口火となり、挙国一致し、幕府を転覆させる!!!それにはどうしてもお前が必要だ!行くな長七郎!!お前のようなかけがえのない剣士を安藤一人のために失いたくねぇんだ!!」

弟を思いやる熱い言葉には変わらないのですが…、惇忠兄ぃの過激思想に逆に火が灯ってしまいかなり危険思想に傾いたようにも思えてゾクっとしました(汗)。”幕府転覆”っていうパワーワードが特に気になりますよ…。かなりヤバい計画考えてるのでは(苦笑)。
惇忠の魂の説得についに考えを改めた長七郎は、しばらく上州に身を隠すことになりました。兄ぃが行動を起こすと語ったことが大きな決め手だったと思いますが、武士として名を上げる絶好のチャンスを失ってしまうことでもあるので長七郎の心境としてはかなり複雑だったと思います。

その頃尾高家には伯父の宗助が、惇忠の元に危険な輩が集まっているのはどうにかできないかと小言を言いにやってきていました。攘夷派を取り締まる隠し目付(幕府のスパイ的なやつ)が血洗島にもやってきているらしく、惇忠も目をつけられているのではと気が気ではないらしい。揉め事を嫌う宗助伯父さんとしては、危険な輩を先導するような行動ばかりしている惇忠は迷惑でしかない。
やへさんたちはただひたすら謝るしかできないんだけど…あそこまで燃え上がったら彼女たちの説得にはもう耳を貸さないだろうなぁ(苦笑)。奥さんたちも苦しい立場になってしまった。

その頃、訥庵は慶喜に「我々と供に立ち上がろうぜ!!」といった熱い手紙を送っていました。しかし、当の慶喜本人はその手紙を読んでも無反応w。応じる気配はゼロでした。手紙作戦大失敗。
しかし、安藤暗殺の計画はそのまま実行へ移されることになってしまいます。

顕三が息を張り詰めながら立っていたのは…坂下門の近く。安藤の籠が門に到着するや否や桜田門の時と同じように「駕籠訴」を携えた志士が行列前に押しかける。それを合図に顕三たち数人の志士たちが一斉に安藤の駕籠へと刀を抜き突っ込んでいきました。

しかし、桜田門以来護衛を増やしていた幕府側は今回は襲撃にもひるむことなく果敢に立ち向かってきた。顕三も重傷を負いますが、最後の最後に安藤に一太刀浴びせんというところでとどめを刺されてしまった…。壮絶な最期でした。

世にいう、坂下門外の変です。

安藤はこの混乱のなかで背中を斬りつけられたものの軽症で、命からがら城内に逃れることができました。警護の者たちに死者はなく、襲撃犯6人は全員討ち取られることに…。
安藤は命は助かりましたが、この事件で幕府の力の低下を露呈させることになり(後ろに不覚を取ったこともマイナス材料だったらしい)老中を罷免されたうえ蟄居・謹慎の処分を食らうことになってしまいました。色々と後味の悪い事件でしたね…。

河野顕三を演じた福山翔大くん、めちゃめちゃカッコよかったよ!!!大河ドラマは『おんな城主直虎』以来2度目の出演でしたが、たった1回の放送のなかでとてつもないインパクトを与えてくれました。過激思想の持主ながらも、まっすぐにただただ国の未来を想いながら突き進んでいく姿はまさに”志士”そのもの。ギラギラ光る片方の目の語る力がとても強く本当に素晴らしかったです。

福山くんは8年前に舞台で見たときから知っているのですが、あれからすっかり精悍な青年に成長してて、なんだかとても嬉しい。お芝居もしっかりしてるし存在感もある。今後はもっと出番の多い役で大河ドラマ出演してくれるといいなと思います。現在放送中の『恋はDeepに』にも出演してるのでチェックしてみてください。

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坂下門外の変の知らせは栄一の元にも届きました。喜作から河野も討ち死にしたと聞かされると複雑な表情を浮かべる栄一…。結局彼とは分かり合える友になることはできなかったのかな。もっと違う時代で出会っていれば友になれたかもしれないし、河野だって医師の経験を活かせることもできたかもしれない。時代のうねりは残酷です…。

幕吏は坂下門外の変に関わった者たちの探索を厳しくしているという。その話を聞いて改めて長七郎を上州に逃がしていたことに安堵する栄一と喜作。
その話をこそこそしているところに市郎右衛門がやって来たので、喜作は慌てて渋沢家を後にします。栄一としても、父にこういった話をしていることを知られたくない様子。でも、とっさまは気づいてたと思うなぁ…。栄一がいつかは農家の道を捨てて武士に道へ進むのではないかと予感してる気がしてなりません。

その夜、栄一は伝蔵から「長七郎が江戸へ向かったらしい」という報告を受けます。今江戸へ向かったら、長七郎は捕らわれの身となり命の保証はありません。それでも、長七郎は自分一人が計画に参加できなかったことが悔しくてたまらなかったんでしょう。身を隠しておくくらいなら、「武士」として散りたいという気持ちを抑えきれなくなったんだと思う…。

栄一は長七郎の後を追いかけるべく家を飛び出していきました。果たして間に合うか…!?っていうか、栄一は長七郎を説得することができるのか!?

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