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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第57回感想 豹変

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これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

クリスマスが近づいたある日、突然トミーがるいを訪ねて竹村クリーニング店にやって来た。彼の口から告げられたのは、錠一郎のデビューコンサートが延期になったという驚きの内容だった。

 小暮さんの情報によれば、レコードもライブも4月まで延期になったという。バンドのスケジュールなどの問題もあって期間を延ばさざるを得ないらしい…。るいは「全然知りませんでした」とひきつった笑顔を浮かべていましたが、心の中は不安でいっぱいの様子。
そりゃそうだよねぇ。3か月間待ち続けてやっと会える日が目前って時にそれがさらに延びてしまったんだから…心中穏やかでないのは当然です。

大きな不安に駆られたるいは、その夜錠一郎に宛てて手紙を書くことにしました。本当はもう少し早くそうしていたらよかったのにとちょっと思ってしまう…。でも、手紙の文章ですら自分の本心を隠してしまうるい。「いつになったら会えるのでしょう、寂しいです」という文面はあったほうがよかった気がするんだけどなぁ。

ところが、その後何通も手紙を書いて送ったにもかかわらず錠一郎からの返事は一通も返ってこなかった。ますます募る一方の不安…。

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その頃東京では、笹川社長の家で錠一郎が必死にトランペットの音色を奏でようとしていた。しかし、何度やっても望んだ音を出すことができない。それどころか、音階すらまともに吹けないほど症状が悪化してしまっている。
その様子を見た笹川社長は「コンサートもレコーディングも中止だ!!」と激怒してしまう。その横で娘の奈々が「ジョーは疲れているだけよ」と必死になだめている。どうやら医者にも診せたらしいのですが疲労だろうとしか診断してくれなかったようですね…。

しかし、まともにトランペットが吹けなくなってから数か月が経過してしまっていたことから笹川社長の怒りは我慢の限界に達しようとしていた。錠一郎は申し訳なさそうに謝罪しますが、医者にも全く原因が分からないと言われてしまっていることで本人も混乱の極みだったと思います。

それでも社長は落ち込む錠一郎に追い打ちをかけるように「重圧に耐えかねて逃げてるだけじゃないのかなぁ?」と疑いの目で辛辣な言葉をぶつけてくる(眼鏡を下げての言い方がまた憎たらしいww)。
錠一郎の回復を待ち続けている間に金銭的な問題も抱えることになってしまったらしく怒りが収まらない様子。レコーディングもライブ会場もキャンセルして他のトランぺッターを雇わなければと息巻いている。

まぁ…、会社の社長としては苛立つ気持ちも分からなくはない。大損になっちゃいましたからね。医者に診せてもはっきりした病名が出たわけでもないし、日常生活は問題なく送ることができている錠一郎。トランペットだけが吹けない状態になっているので、「仮病じゃないのか」と疑ってしまうのも仕方なかったかなぁと…。でもあまりにも態度が変わってしまっているのがちょっとねぇ(苦笑)。

今すぐにでも大阪の小暮さんに電話をして迎えに来させると鼻息が荒い笹川社長。受話器に手をやったその時、錠一郎は「それだけはやめてください」と懇願しました。

世話になった小暮さんや他のみんなに心配を掛けたくなかった。皆彼に大きな期待をして送り出してくれたからなおさらそう思っちゃうよね…。

奈々はなんとか錠一郎を回復させたい一心でいくつか良さそうな病院を当たってあると告げる。そして春までなんとか猶予を与えてほしいと父に懇願。奈々さん、実はとてもいい子じゃないの。社長も娘の頼みとあっては断ることができず、渋々リミットを延ばしてくれました。

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その後奈々の見つけてきた病院を片っ端から受信する錠一郎でしたが、どこへ行っても原因不明とされるだけで適切な診断や処置を加えてくれるところはありませんでした。

この当時の日本はまだ心療内科的な診察が未熟だっただろうから、錠一郎の不調の原因を診断できる医者はいなかったのかもしれないねぇ…。現代では解明されているようで、どうやら彼の病は「職業性ジストニア」という心の病の可能性が大きいそうです。
環境の変化などで大きなストレスを体が感じると本人の意思に関係なく体が硬直してしまったり、特定の動作ができなくなってしまったりする病なのだとか…。『カムカム~』の音楽を担当している元米米CLUBの金子隆博さんもこれと同じ病にかかりサックスが吹けなくなった経験があるとのこと。

どこの医者に行っても原因が分からないことで錠一郎はますます気持ちが落ち込んでいってしまう。

るいからの手紙が届いていると知っても、それを読む気力もない。るいには今の自分を一番知られたくないと思っているからか、一度も返事を出せずにいた錠一郎。

 そんな彼に奈々はため息をつきながら「あなたはそれでいいかもしれないけど、女はそれじゃあ納得できないのよ」と諫めます。おおっと、なかなか鋭い良いことを言ってくれたではないですか。ちゃんとるいの気持ちを慮ってくれてましたね。

奈々の忠告を聞いて少し反省した錠一郎は、思い切って竹村家に電話を掛けてみる。電話に出たのはるいの母親代わりでもある和子さんだった。久しぶりに聞く懐かしい温かい彼女の声色に錠一郎は動揺してうまく言葉を発することができない。

そしてしばらくすると、るいの声が漏れ聞こえてきた。もう長いこと耳にしていない愛する人の声…。和子とかわす他愛もない会話をする彼女の声を聞いた錠一郎は、居たたまれなくなり何も応答しないまま電話を切ってしまいました…。

もし仮に彼女が電話に最初に出たとしても、何も言えずに切ってしまったかもしれないね…。るいも、まさか和子の電話の向こうにいるのが逢いたくてたまらない人だとは夢にも思ってなくて、このすれ違いがなんとも切なかった(涙)。

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一方、小暮に店にやって来たベリーは錠一郎が東京でどうなっているのか気になって仕方がない。小暮さんに早く電話で聴くようにとせっついているw。「もう私も卒業してしまうで」とドヤ顔で言うベリーに対して「関係あらへんがな」とツッコミ入れてる小暮さんが相変わらず面白い(笑)。こういう重い展開の時、この二人のやり取りは救いですね。

しかしトミーは錠一郎について良からぬ噂を耳にしていることを告げる。
東京から戻ってきたバンドマンの話によれば、錠一郎のレコーディングが進まないのは彼がご令嬢と交際して社長を怒らせてしまったせいだという。そのバンドマンはしょっちゅう奈々と錠一郎が出かける姿を目撃していたのです。

あぁ…、それでか…(苦笑)。そりゃ、男女がいつも一緒にどこか出かけてるの見たら…そう思い込んでも仕方ないね。尾行したわけでもないからまさか病院に行ってるなんて思いもしないだろうし。それでそんな噂が独り歩きしてしまったのか(苦笑)。

それを聞いたベリーは「やっぱり…あの女!!だから忠告したのに!!」と我がことのようにめちゃめちゃ悔しがっているw。るいのこと気にかけてくれてるからこそなんだけどね。
ところが、そのタイミングでるいがクリーニングを届けに店にやってきてしまい話を聞いてしまった(汗汗)。あぁぁ…神様はなんといじわるな…(っていうか、脚本の藤本さんが、だけどw)。

ベリーはるいになんと言葉をかけていいか詰まってしまったようですが、トミーは「ただの噂や。浮気みたいな器用なことできる男やない」と断言してくれました。やっぱり彼は優しい男だね。少しでもるいを安心させようとしてくれたんじゃないかな。
そんな心遣いが伝わったからか、るいも笑顔で「分ってます」と平気を装いました。不安な顔をして皆を心配させたくなかっただろうしね…。

でも、竹村家に戻って錠一郎から買ってもらった風鈴を眺めているうちに不安な気持ちがこみ上げてしまうるい。彼のことを信じながらも、東京での様子が全く掴めないことがどんどんるいの気持ちを追い込んでいく。これはかなり辛い(涙)。

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そして、が訪れる。結局錠一郎は約束の期日までにトランペットを吹くことができなかった。「終わりだな。ご苦労さん」という笹川社長の冷たい言葉が胸に突き刺さる。社長もここまで引き延ばしたことで胃の調子がけっこうアカンことになってたような(汗)。ここまでが我慢の限界だったでしょう。
錠一郎も契約打ち切りを受け入れ、「お世話になりました」と感謝の気持ちを伝えます。それに対して「いつか治ることを祈ってるよ」とだけ告げその場を去っていった笹川社長。彼の精一杯のねぎらいの言葉だったのかもしれない。

これからどうするのかと奈々に尋ねられた錠一郎は、大阪に帰って小暮さんにだけ事情を話すと伝える。しかし、るいにはそれを語ることはできないと苦しげに答える…。

「どないして会えるんや…。僕とるいを繋いでいたのはトランペットやのに…」

ジョォーーーー!!!なんでそういう考えになっちゃうんだよぉぉーーー!!

るいの心の傷を丸ごと受け止めてくれたじゃないか。あれは、トランペット云々関係なかったよね!?ちゃんと気持ちが繋がってたよね??二人の絆は、トランペットというアイテムがなくなったとしてもちゃんと繋がってると私は思ってたのに…。この発言はホント哀しかったよ…。

でも、錠一郎は自分の取り柄はトランペットだけだと思ってる節もあったからなぁ。それがなくなってしまったことで、自分の価値を見出せなくなってしまったのではないだろうか。そんな自分とるいは一緒になってはいけないんだとか、そういうマイナス思考しか出てこなくなっちゃったのかも…。

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夜の遅い時間、大阪に戻ってきた錠一郎。思い詰めた表情で立ち尽くしているその表情を見た小暮さんは「今夜は休め。話は明日や」とだけ告げると、彼の荷物を持ち2階へ持っていってくれました。なんて優しい人なんだ、小暮さん(涙)!!錠一郎に対する気遣いがめちゃめちゃ泣けたよ…。彼が東京でどんな辛い思いをしたのか、あの一瞬で悟ってしまったんだろうね…。

その日は、るいも錠一郎も眠れない夜を過ごしていました。このシーンで錠一郎の呼び方についてのあのほのぼのした会話を流すとはねぇ…。「るいも大月さんになるんだから」って嬉しそうに話してたあの言葉が、今聞くとものすごく切なく響いてくる。まさかこんな不安な想いであの時の会話を振り返らなければならなくなるなんて思いもしなかったよ。二人は本当に夫婦になれるのだろうかという不安が見ているこちらにも伝染してきて辛い…。

翌朝、錠一郎が店の外に出てみるとトミー北沢の単独公演のポスターが目に留まる。

トミーは彼なりに頑張って単独コンサートを開けるまでになっていたんだね。でも、今の錠一郎にはこの現実はあまりにも辛い…。一緒に戦ったライバルがどんどん先へ進んでいく姿を錠一郎はどんな想いで見つめていたのだろうか…。

錠一郎がぼんやりとトミーのポスターを眺めていたその時、「大月さん?」とるいが呼びかけてきた。二人が再会するのはどれくらいぶりだっただろうか。

「いつ帰って来たんですか?手紙、届いてますか?何通も出したんですよ、心配で…。どないしてたんですか?」

るいは溢れる想いが抑えきれないといったように矢継ぎ早に質問を投げかける。しかし、錠一郎はそんな彼女を感情を置き忘れたかのような暗い目で見つめていた…。そこには、あの、優しかった頃の、少し子供っぽい可愛さがあった彼の面影はなかった。オダジョー君、ホント、すごいなと思った。昨日までとはまるで別人だったよ。

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るいが何も語ろうとしない錠一郎にさらに言葉を求めようとしたその時、突然「ごめんなさい、やっぱり気になって」と奈々が現れる。

あちゃぁ~~~、奈々さん、タイミング最悪だよぉ~~~(汗汗)。

心配してきちゃうって言うのは分かるけど、現れるタイミングはそこじゃないーーー(苦笑)。まぁ、まさかそこに錠一郎の恋人がいるなんて思わなかっただろうから仕方ないけどね。藤本先生も罪なことをなさる(苦笑)。

るいは内心不安で心臓が破裂しそうになっていたと思う。でも、それを必死に押し隠して「変な噂を聞いたけれど私はそんなの信じてません」と気丈に振舞う。ところが、錠一郎は冷たい声で「ほんまや」と告げるとツカツカとるいの前に近づいてきた。

「奈々のことが好きになった。そやから、お前とは終わりや」

え…!??君は、誰ですか???錠一郎の皮を被った悪魔ですか???るいのことを「お前」なんて、以前の錠一郎だったら絶対口にしなかったよ。なにかに憑りつかれちゃったんじゃないか!??あの暗い目と、冷たい声色…。別人すぎて見てるこちらもショックなんですけど!!あれは”自分が悪者になって嘘をついた”っていうレベル越えてたんじゃ…。

いやぁ…、このシーンのオダジョーくんの芝居、本当に圧巻すぎてビックリしました。この役に彼が抜擢された理由が分かったような気がした。

あまりにも予想外すぎる冷たい言葉で拒絶されてしまったことに、るいは激しいショックを受けてしまう。

目に涙をためて言葉を発することができなくなり引き返していくるいの背中があまりにも哀しすぎた…(泣)。錠一郎の言葉はまるでナイフのように彼女の心をズタズタに引き裂いてしまったのではなかったか…。

幸せなシーンが続いた後には、やっぱり恐ろしい不幸の波が押し寄せてきたよなぁ。果たして二人はこの過酷な運命を乗り越えることができるのでしょうか!?一番の山場が火曜日当たりらしいのでハラハラしながら見守りたいと思います(汗)。

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