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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第58回感想 諦めない

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いよいよるい編も佳境へと入ってきたような気がします。第12週ラストの錠一郎には驚かされましたが…、今週なんとか軌道修正してほしいところ。ということで、第13週のサブタイトルは「1964-1965」二人の1年間がどのように進むのか期待しています。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

暗い目をした錠一郎に「奈々のことが好きになった。だから、お前とは終わりや」という冷たい刃物のような言葉で傷つけられてしまったるい。あまりのショックに、頼まれていた豆腐を買いに行くことすらできず竹村家に戻ることに…。
和子も平助も呆然としながら部屋に籠ってしまったるいに異変を感じていましたが、その時は何も聞かずにそっとしておいてくれたようです。お二人のこういう優しさがまた泣けるんだよね…。

部屋に戻りぼんやりと座り込んでしまったるい。

その脳裏に浮かんでくるのは、錠一郎と一緒に過ごした楽しかった日々だった…。どの場面を思い出しても、錠一郎はるいに優しく微笑み、子供のような純粋さを見せてくれていた。そんな彼があんな血も通わないような言葉を口にするなんて…、るいはどうしても信じることができなかったんじゃないかな(涙)。

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一方、錠一郎は開店前の店で小暮さんに東京で起こったことを打ち明けていました。その事情を聞いて衝撃を受けながらも、バンドの人たちに病気のことを聞いてみると言ってくれている。しかし、錠一郎は自分の病気のことは誰にも知られたくないと俯いてしまう…。
そして、るいに対しては「自分で話します」と嘘をついてしまった。小暮さんも、まさか彼がるいを突き放すような言葉で傷つけたなんて夢にも思ってないだろうな…。

皆に会いたくないから店を出てしばらく宿で暮らしたいと告げる錠一郎。おそらく店のショーで聞こえてくるトランペットの音色すら聞きたくなかったのではないかと…。さらには、あんなに大事にしていたトランペットも小暮さんに預かってほしいと手放してしまった。
原因不明の病でトランペットを吹けなくなった今、それに関わるものは極力遠ざけたいという気持ちが強いんだろうなと思います。その気持ちは痛いほどわかるよ…。

そんな彼に小暮さんは「ジョー、大丈夫や!慣れ親しんだ大阪に帰って来たんや。きっと治る!」と励まし続ける。これまで親代わりとして錠一郎に接してきてくれた小暮さんも辛いよね…。なんとかもう一度、あんなに大好きだったトランペットに彼を戻してあげたいという気持ちがこみ上げていたと思います。そのためには出来る限りのことはやるという覚悟もあったと思う。
しかし、そんな小暮さんの気持ちをありがたいと思いながらも…錠一郎は虚ろな目をして頷くだけ。今は何を言われても彼の心には何も響かなかったのかもしれない。

それからしばらくして、「night and day」にやって来たトミー。その時ふと前の方を見ると錠一郎と奈々が連れ立って一緒に歩いていく姿を目撃してしまった(汗)。

あちゃぁ…(汗汗)。ササプロの娘・奈々との関係が噂されてる話を聞いて「ジョーはそんなことできる男じゃない」と信じていたトミーでしたが、あんな後ろ姿見てしまったら”ジョーがササプロの社長令嬢とデートに行くところ”みたいにどうしたって思っちゃうよね(苦笑)。

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錠一郎は「月浜」という旅館に身を置くことに決めました。部屋には奈々も一緒についてきてて…、仲居さんとしては”恋人同士のご宿泊”みたいに見えちゃったんじゃなかろうかw!?っていうか、奈々さん、部屋までついてくる必要あったのだろうか(苦笑)。錠一郎は落ち込んでいるとはいえもういい大人だしねぇ。

錠一郎は奈々に「僕のことはいいから東京へ帰ってください」と促します。それに対して、錠一郎の穴を埋めるための人材を探すために大阪へ来たのだと告げる奈々。たしかに、ササプロとしてはビジネス的に不利益は出したくないだろうから、錠一郎の代わりの人材は一刻も早く探して穴埋めしたいところかもしれないよなぁ。
自分は近くのホテルに泊まっているから何かあったら連絡してほしいとメモを残し、奈々は旅館を後にしました。それ、彼の泊まる部屋まで来なくても済む話だったんじゃ…とちょっと思ってしまう(苦笑)。まだちょっと危険な香りがするよなぁ、奈々さんw。

奈々が部屋を出てから程なくして、突然トミーが怒鳴り込んできました。仲居さんが止める隙もなく突入してきたって感じだよなぁ、あれは。二人の後ろ姿を目撃してからこっそりと後をついてきて旅館を突き止めたんだろうね。

トミーは部屋に入るなり錠一郎に掴みかかり鬱積していた気持ちをぶちまける。

「何してんねん、お前は!!女に現抜かして何もかも台無しにしたってか!?トランペット床や?どこに置いてきたんや!!トランペットも、トランぺッター・大月錠一郎も!!!」

トミーは自分が認めた唯一の最高のライバルである錠一郎が堕落してしまったことをどうしても認めたくなかったんだと思います。「ジョーはそんな男じゃない」と悪い噂を耳にするたびに否定し続けてきた…。だけど、確かな証拠がなかったから不安で仕方なかったと思う…。だから、奈々と一緒にいる姿を見てしまった時は悔しさと共に哀しさもこみあげてしまったんじゃないかな…。錠一郎のことを信じようとずっと思ってきただけになおさら…。

激しい口調で錠一郎に掴みかかり責めたてたトミー。しかし錠一郎は、目に涙を浮かべ怯えたように唇を震わせながらトミーの肩を掴んできた。そこに反撃の意思がないことをとっさに感じ取ったトミー…。

どうしようもないほどの哀しい目をしながら「トミー…!」と救いを求めるような表情を浮かべている錠一郎。この時トミーは、彼がとてつもない辛いものを背負っていることを察しただろうね…。

シーンにはなかったけど、あの後おそらくトミーは錠一郎に何があったのかを問い詰めたのではないかと思います。錠一郎も、みんなには知られたくないと言っていたけれど…トミーには事情を話しただろうなと。真剣に自分のことを想ってくれているライバルであり数少ない友達だからこそ、彼には言わずにはいられなかったんじゃないかな…(涙)。

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その頃、竹村クリーニング店では和子も平助も沈んだ雰囲気のるいを気遣い続けていました。あれからまだ彼女から話を聞いてなかったんだね…。どう切り出して良いのかもわからなかったのかもしれない。
そんな時、「night and day」宛ての洗濯物ができたと平助が言葉をかける。るいはなるべくいつも通りに振舞い配達の準備に入ろうとしますが、和子はそれを止めました。もう限界だと察したのでしょう。

「大月君と何かあったんか?それぐらいわかるわ。言いとうなかったらええ。せやけど、心配なんや。おっちゃんも、おばちゃんも…」

優しい気遣いの言葉と和子と平助の心配そうな表情を目にしたとき…、るいの目からホロホロと涙が溢れてきた。

耐え切れずにすすり泣くるいの肩を、和子は力強く抱き留めてやりました…。言葉はなくとも、るいが大きな哀しみを背負っていることを感じ静かに受け止めてくれる竹村夫妻。本当に仏様のような慈愛に満ちていて涙が出てくるよ(泣)。るいが話してくれるまで、おそらくずっと寄り添っていてくれただろうね…。

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一方、「night and day」ではショーが始まっていましたが…トミーは酒瓶を片手に酔っ払いながらトランペットを吹くという状態に陥っている(汗)。
ベリーはいったい何があったのか気になって仕方がないようですが、小暮さんは何かを察したような表情をしてましたね。きっと、トミーが錠一郎の事情を知ってしまったのではと感じ取っていたのかもしれません。

それにしても、トミーの酔っぱらいトランペットパフォーマンス、逆にすごいと思っちゃったよ!あんな姿勢で酒瓶も持ちながら良い音を演奏するなんて相当な技術じゃないの??何も知らない人が見たら凄い演出…みたいに見えてもおかしくないw。ただまぁ、相当酔っていたっぽいので客席のファンはザワついてましたけどね。

演奏が終わったトミーにベリーは事情を聞き出そうとしますが「お前は帰ってさっさと卒論書け」とチャカされてしまう。しかしそれに対して「もうとっくに書いたわ!」と言い返すベリーさん、さすがっ!!

するとそこへ新しいトランぺッターを発掘しようと店を訪れていた奈々がやってくる。トミーの演奏を見て大いに興味を持ったらしい奈々は、「一度東京でステージに立ってみません?」と誘いをかけてきた。しかしその後の「父がまた新しい人を発掘したいと言っているんです」というシレっとした言葉にベリーは違和感を覚える。
「東京でデビューするのはジョーやろ!?ジョーの話はどないなったん!?」と食って掛かるベリーでしたが、奈々はそんな彼女をガン無視。あの態度はちょっとよろしくないですな。

そして、奈々の言葉に逆上したトミーは思い切り怒りをぶちまける。

「ふざけんなよ!お前のオヤジがジョーを預かったんやろ!?最後まで責任とれや!!なんやねん!!わけのわからん病気になったからいうてゴミみたいに捨てやがって!!ジョーは治る!!絶対治る!!せやから空けとけ!録音スタジオも、クラブのスケジュールも、ジョーが帰ってくるまで!!」

東京行きの話は、本当だったらトミーにとって大きなチャンスになる話です。でも彼は自分のことよりも錠一郎のことを第一に考えていた。コンテストで負けた時、「最高だった」と嬉しそうに微笑んでいたトミー。彼にとって錠一郎は最高のライバルであり、そして親友でもあったんだと思います。

今その大切な友達が切り捨てられそうになって苦しんでいる。そんな姿を目の当たりにしてしまったトミーは激しいショックを受けたはずです。それだけになおさらササプロのやり方が許せなかったのではないだろうか。あの怒りの言葉の中には、錠一郎への熱い友情の想いがたくさん込められているように聞こえて涙が止まりませんでした…(泣)。トミー、本当に良い奴…!!

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「night and day」にクリーニングを届けに行った平助は、偶然この時の現場に居合わせてしまっていました。錠一郎の事情を知った平助は急いで店に戻りるいと和子に説明する。この時のアワアワした感じで身振り手振りしてた平助さんはちょっと可愛かったw。でも、このシーンの音声を流さない演出はとても効果的だったなと思いました。

最後まで事情を聞かないまま、るいは弾けたように店を飛び出し錠一郎のいる旅館へと走り出す。川沿いを走るるいの前髪は風にあおられ額の傷が露になっていました。いつもはそうなることを気にして走ることを躊躇っていた彼女が、今、錠一郎のために傷のことを忘れて疾走している。そこに愛の深さを感じましたね…。

暗い部屋に一人俯きながら座っていた錠一郎のもとに駆け込んできたるいは、なぜ本当のことを言ってくれなかったのかと彼を責めたてる。

「言うてほしかった!一緒に、泣きたかった…。一緒に、苦しみたかった…。私にできること…、なんでもしたかった」

必死に自分の気持ちを伝えるるい。いつも以上に力強い声を出していた姿に心打たれました。なぜ一緒に気持ちを共有させてくれなかったのかというもどかしい想いがひしひしと伝わってきた…。

しかしそんな彼女に錠一郎は力のない眼差しで「分ってたから…、そう言うって分かってたから言われへんかった」と告げる。るいの優しい寄り添うような言葉はなおさら自分を辛くしてしまうと察していたから、あんな冷たいことを言って突き放そうとしたのか…。

「るい。僕とおったらあかん。不幸にしたくない」

そんな錠一郎の言葉に、るいは「何が私の幸せか、勝手に決めんといて!」と反論する。子供の時もるいは母親から「るいの幸せのためだから」と雉真家に置いて行かれる目に遭ってたから(結果的に、って感じではあったけど)、なおさら錠一郎の「不幸にしたくない」という言葉には嫌悪感を持ったのかもしれない。

しかし錠一郎はそんなるいを強引に部屋の外へ追い出してしまった。最初肩を掴んだ時にもっと危険な行動に出るのではといらん心配しちゃったよ(←ヲイっ 汗)。でもこの時初めてるいは錠一郎のことを「ジョーさん」と呼びましたね。まさかこんな緊迫したシーンで彼女の錠一郎の呼び名を聞くことになるとは思わなかったよ…。

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その翌日、るいは台所でおにぎりを作っていました。

きっと、錠一郎に持っていくために作っていたんだろうね。あの調子だと、食べてもらえるか分からない…というか、食べてもらえない可能性の方が高い。それでもるいは、彼のために握り飯を心を込めて作り続けるんだろうな。

するとそこへベリーが洗濯物を持って竹村クリーニング店にやってきた。和子と平助はベリーの姿を確認すると、さりげなくるいに「悪いけど出てくれるか?」と促してやる。本当に竹村夫妻、気遣いの神様…!!それだけ深くるいのことを理解し愛しているってことでしょう。

ベリーは卒業式に着て行くスーツを洗濯してもらおうと持ってきたと告げますが、本当のところは、るいを心配して様子を見に来てくれたんだよね。

「サッチモ、元気なん?もう気になって卒業どころやあらへん」

ちょっと照れ隠しに「卒業どころじゃない」なんて言ってたけど、ベリーがるいを気遣っていることはひしひしと伝わってきた。いつの間にか彼女の中でもるいは「友達」の部類に入っていたんじゃないかな。ちょっと強がりなところがあるけど、ベリーさんは本当はすごく友達想いの優しい女の子なんだと思う。るいも、そんな彼女の気持ちが伝わっていたようでした。

「私は大丈夫です。 諦めへんて決めたから。ジョーさんのこと。ジョーさんと幸せになること」

いつになく真っ直ぐな瞳で錠一郎への変わらない愛を伝えたるい。ベリーのことを信頼したからこそ自分の素直な本当の気持ちを打ち明けたのでしょう。錠一郎を愛したことで、るいは大切なものがたくさん増えたのだなと思いました。

いよいよ明日は錠一郎とのクライマックスが描かれそうです。るいの愛情を彼は受け止めることができるだろうか。

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