今週は及川家の再生の物語。新次と亮の親子の間には何か重い事情があるのではとずっと思いながら見てきました。そこにはあまりにも悲しい過去が…。
第8週のサブタイトルは「それでも海は」です。
第37回は1回目より2回目、3回目とリピートして見ると本当に泣けるエピソードだったと思います。
これまでの『おかえりモネ』感想レポ
百音が亀島に試験勉強もかねて帰郷すると、母の亜哉子が誰かと密会しているという噂が流れていてビックリ。未知に誘われるまま母を尾行したら…会っていた相手は亮の父・新次だったことが判明。
亜哉子は新次のアルコール依存症をなんとかしようと、一緒に病院へ付き添ってあげていたのです。半信半疑ながらも亜哉子に悪いと思っているからかちゃんと薬は飲み続けている様子。お酒が飲みたくなった時には麦茶(だと信じたいにを飲んで気持ちを紛らわせていた新次。
でも、アルコールは薬で制御できても、心に抱えた大きな傷は未だに癒えないままのようでした…。携帯の待ち受けには愛する妻・美波とのツーショットが映し出されている。
同じころ海の上にいた亮は、夜眠りにつくことができずこみあげてくる哀しみに一人必死に耐えていました…。
おかえりモネ:永瀬廉の涙に視聴者「もらい泣き」「胸が張り裂けそう」 若き日の耕治の“忘れられない人”も判明 https://t.co/li69uAtkiz
— MANTANWEB (まんたんウェブ) (@mantanweb) July 5, 2021
スマホの待ち受けに映し出されていたのは、幸せだった頃の家族写真。二人にとってかけがえのない太陽のような存在だった母・美波の笑顔が亮の心をどうしようもなく揺さぶっていた…。
なぜ新次は酒におぼれるようになってしまったのか、なぜ亮は笑顔の裏にどことなく暗い影を潜ませていたのか、なぜ耕治と亜哉子は及川親子をいつも気にかけていたのか…。その理由がこの後語られることとなりました。
時は遡って6年前の2010年4月。耕治の幼馴染だった及川新次と妻の美波が永浦家を訪ねてきました。新次が新しい船を造ることになり、銀行員である耕治にその資金繰りの相談にやってきたのでした。
新次は金銭感覚がちょっとヤバい感じでしたがw、美波がそんな彼をしっかりと制御しているようでお互いとてもバランスの取れた微笑ましい良い夫婦でした。
高校を卒業したら漁師を継ぐと言ってくれた息子の亮と一緒にその船で漁に出ることを新次は何よりも楽しみにしている様子。そんな彼を耕治や亜哉子、そして美波が嬉しそうに見守っていました。
その日の夜は晩御飯を食べてそのまま宴会に突入。亮も結局永浦家にやってくることになりました。食事の席は大人グループと子供グループで分かれてましたね。たしか雅代さんの法事の時もそんな感じだったっけ。その方が色々と会話が進んでいいかも。
大人グループはお酒も進んでか美波さんのテンションが絶好調。そんなお母さんがちょっと恥ずかしい思春期の亮くんでしたが、百音は美波さんがいつも明るく周りを照らしてくれていることによって母の亜哉子さんが島に馴染めていると察し感謝しているようでした。どんな人も明るく懐深く受け入れてくれてた人なんだろうね、美波さん。
亮はそんな百音の言葉に照れくさそうにしていましたが、母を褒めてもらえたことが嬉しかったようで頬が緩んでましたね。りょーちん、お母さんのこと、大好きだったんだよね…。
そしてその場はさらに盛り上がりカラオケ大会・・・というか、美波さんオンステージへw。そそくさと永浦家にあるカラオケ機器を設置していく新次さんや美波さんが面白かったww。りょーちんもツッコミいれてたけど、そこ、及川家じゃなくて永浦家だぞ(笑)。もともと旅館経営してた関係でカラオケセットもあったのかもね。
美波が歌ったのは十八番でもあるという「かもめはかもめ」。
3人の幼馴染が14歳だったころの青春ソングらしい。新次さんは「いつものじゃねぇかよ!」ってツッコミ入れてたけど、内心は彼女がこの歌を歌うのが大好きっていうのがダダ洩れしてたねw。最初は恥ずかしがってたりょーちんも生き生き歌う母の明るい笑顔が見られて嬉しそうだった。
永浦家も、及川家も、みんなみんな、美波さんを囲んで幸せの笑顔に包まれてた…。
ちなみにこの時りょーちんが「ヤバイ、俺たちも(将来)ああなっちゃうかも」って苦笑いしたときにみーちゃんが「どっちと?」って真顔で聞いてたのも印象的でしたね。つまり、りょーちんは百音と未知とどっちのカップルになってるの?って遠回しに聞いたってニュアンスだったんじゃないかとw。この時からみーちゃんはりょーちんに片想いしてたっぽいね。
そしてしばらくした後、新次の新しい船が完成。龍己ははなむけに大漁旗をプレゼント。耕治も「親父最高!」と粋な贈り物をした父を誇りに思っていたようでした。
及川家の新しい船出は希望に満ち溢れていた。
【コラム】坂井真紀、永瀬廉&浅野忠信と作り出す“家族の香り” 『おかえりモネ』に及川美波役で登場#坂井真紀 #永瀬廉 #浅野忠信 #おかえりモネ
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新しい出発を記念して撮影された及川家の家族写真…。あの時あの場にいた誰もが希望に満ちた明日がくると信じて疑わなかった…。
そこから場面はフェードアウトして真っ暗に…。そして星空…。
2011年5月、あの日から2か月後。
永浦家では雅代が海水や泥で変色してしまったと思われる及川家の家族写真を元に戻そうと丁寧に水に浸していましたが、なかなか再生してくれない。龍己は泥水にまみれたと思われる新次のために贈った大量旗を広げ、言葉を失っていました…。耕治はうつろな表情を浮かべ、亜哉子も言葉が出てこない。
これだけで、及川家にある悲劇が襲ったことが伝わってきて一気に胸が痛くなってしまった(涙)。
数日後、百音と未知は複雑な想いを抱えながら亮が住む仮設住宅を訪ね卒業文集を手渡す。二人とも彼になんと言葉をかけていいのかなかなか見つからない…。それでも百音は絞り出すように「何かあったら…ごはんとか…うち来てね…」とだけ声を掛けました。そんな彼女の気持ちを察した亮は
「うん、大丈夫」
と笑顔で答え、文集を持ってきたことに対する感謝の気持ちを伝えました。あの時笑顔を見せることが、どんなにか辛かっただろうと思うと涙が止まらなかったよ…(涙)。心配してきてくれた百音や未知を気遣って頑張って自分の本音を殺したんだろうね…。
以前百音が登米へ戻る日にバス停で「何かあったら言って」と声をかけた時、亮は「そういうのいらない」と背を向けて答えていました。あの時の彼の気持ちが、このシーンを見た時に痛いほどわかってしまって本当に辛い…。
二人を見送った後亮が部屋に戻ると、生気を無くしてしまったかのような父が布団に横たわり携帯電話に残された留守電メッセージに耳を傾けていました…。そのメッセージが届いたのは、2011年3月11日の午後3時01分…。声の主は、愛する妻・美波だった…。
「亮は学校にいるから大丈夫。私も今、位牌を持って家を出るところ。お父さん、船、沖に出せた?無理しないでね!」
大切な家族を思いやる愛する妻が残したメッセージ…。最後まで自分のことよりも新次を気遣う言葉を残していた美波…。新次はこの伝言をもう何度繰り返し聞き返していたのだろうか…。何度聞いても、太陽のように明るかった愛する妻はもう傍にいない。
布団の中で嗚咽する父の姿を、亮はもう何日も目にしていたに違いない…。亮だって泣きたかっただろうし叫びたかったに違いない。でも、あんな父の姿を目の当たりにしてしまったら、自分の感情を押し殺さずにはいられなかったと思う…(涙)。
百音は震災の日に仲間たちと一緒にいられなかったことがトラウマとなり心の傷となっていました。でも亮もあの日、震災で家族を失うという想像を絶する哀しみに直面していたのです。それでも彼は百音を気遣ってくれていた…。
だけど、そんな「大人」であろうとしている亮くんのことがとても心配です。どれだけ感情を押し殺してきただろうと思うと…切なくて哀しくてたまらないよ(涙)。
キンプリの永瀬くんがこんな繊細なお芝居できるとはちょっと意外な驚きでした。最初に映画「うちの執事~」を見た時にはちょっとまだお芝居が初々しかったので、亮という難しい役に決まったと知った時は心配の方が大きかった。
だけど、予想外にすごくハマってると思う。揺れる心の内も巧く表現されていて亮にいつの間にか感情移入してしまいます。
そして時は戻り2016年1月。菅波先生が「お守り」のように渡してくれた縄跳びを忠実に飛んでいる百音w。そこに未知が血相を変えて飛び込んできた。新次が行方不明になり、海に落ちたかもしれないという…。どうか無事でいてほしい!!じゃないと亮くんが壊れちゃうよ(涙)。