こちらの記事は「ガラスの仮面スペシャル~完結編」感想レポその1・2の続きになります。
本当は2つにまとめるつもりでしたが、やっぱり久しぶりに見ると当時の熱が蘇り書きたいことが沸いてしまってダメでしたねぇ(汗)。ということで、第三弾のこちらの記事で最後になります。興味があり、お時間がある方はどうぞお付き合いください。
以下の感想・ツッコミは大いにネタバレありまくりwです。ご注意を。
パート2の全感想レポ
ドラマ『ガラスの仮面 スペシャル』完結編 -3-
1999年09月30日(木)19:58~21:54 テレビ朝日系にて放送
※クランクインは1999年09月1日(水)
原作:美内すずえ
脚本:野依美幸
テーマソング:B'z「Calling」
主なキャスト
安達祐実(北島マヤ)、田辺誠一(速水真澄)、中村愛美(姫川亜弓)、小橋賢児(桜小路優)、佐伯伽耶(鷹宮紫織)、戸川京子(水城冴子)、六平直政(小林源造)、佐戸井けん太(小野寺一)、羽場裕一(黒沼龍三)、かとうかずこ(姫川歌子)、野際陽子(月影千草)ほか
黒沼から「告白しろ」と励まされたマヤと、水城から「速水真澄、個人としての幸せを考えてもよろしいのではないですか」と背中を押された真澄。信頼のおける人からの強力プッシュを受けた二人はついに大きな決断をします。
夜道を歩いていたマヤは花屋に並んでいた紫のバラの花を目にしながら「伝えよう…!速水さんに伝えよう…!私の気持ちを…!」と一大決心!!その直後にB'zの「Calling」が流れ始めて大いにドラマを盛り上げます。毎回絶妙なタイミングで入ってくるんだよね~。
マヤが大都芸能に向かって走り出した時、真澄も青いスカーフを見つめながらマヤにもう一度自分の正直な想いを伝える決意を固めていました。そうだよ、今一度ちゃんとまっすぐに自分の気持ち告白したほうがいいよ!!と拍手しながら見ていましたw。
が、副社長室を飛び出そうとした瞬間にあの女が立ちふさがるwww!!「マヤさんのところへ行かれるのね!?」と問い詰められた真澄は「すまない…、俺は君のことを幸せにはできない…!」と今度こそ自分の意思を貫き通そうとします。しかし、紫織も必死の形相で
「行かせない!許さない!あの子になんか渡さない!!お願い…、行かないで…!お願い!!!」
と体を張って真澄の行く手を阻止にかかるww。もうなりふり構わず状態で速水さんに縋り付いて食い止めようとしてて・・・さすがに少し哀れだなとここでは思いましたね(汗)。一度は婚約までしちゃったわけですから、是が非でも諦めきれないという気持ちは分かる。
でもねぇ、やっぱり紫織さんの想いは速水さんへの「愛」とは違うようにしか思えんのですよ。だから最後まで彼の心を動かすことができなかったんじゃないですかねぇ。
目をクワッと見開いて腕を掴みながら決死の覚悟で行く手を阻み続けた紫織でしたが、真澄のマヤへの想いはそれくらいで揺らぐようなものではもはやありませんでした。一言だけ「すまない…」と彼女に告げるも、気持ちはマヤにしか向いていない。
そしてついに紫織を振り切り、副社長室を飛び出しマヤの元へと駆け出すのでした。よくやったぞ、速水真澄ーーー!!!紫織は絶望感でその場に立ち尽くすしかなく、彼女はこのままフェードアウトすることになるんじゃないかな・・・と、この時は思ってしまいましたww。
マヤの象徴でもある青いスカーフを握りしめ急ぎ車に乗り込む真澄。ちなみにスポンサーの関係からか速水さんの車種が外車からト〇タに変わってました(笑)。外車は色々と維持費かかりますから買い換えたってことにしておきましょうww。
夜道を爆走するマヤは心の中で真澄への熱い想いをどんどん募らせていく。
「速水さんに伝えよう。その結果がどうなろうと、かまわない…!!!速水さん…!!速水さん…!!!」
いいよーーいいよーーー、盛り上がりまくってるよーーーー!!!マヤちゃん、頑張って!!!
一方の真澄も車を走らせマヤへの想いを静かに…それでも熱く盛り上げています。
でもこれ、お互いに同じタイミングに飛び出してるから…会えないまますれ違っちゃうんじゃないの!?と危惧したその瞬間、ある地点で走るマヤと真澄の車が交差する。
いやーーー、もうこの絶妙すぎるタイミングは神のお導きというか、必然でしょう!!天は二人を見捨ててなかったんだよ!
マヤに気が付いた真澄は急ぎ車を止める。今回もかなり危ない運転っぽいんだけど、ここはもう目をつぶるしかない(笑)。急ブレーキで止まった車にマヤも気が付き足を止めて振り返る。
そこには、マヤを見つめながら紫のバラの花束を抱え車を降りてくる真澄の姿がありました。速水さん、いつの間に花屋に寄ってたんだ!??そんな時間あったのか!???等々のツッコミをしたくなるところですがwww、ここはドラマ版『ガラスの仮面』の最重要局面なので「仕込みは完璧だね」という目線で見るのが正しい所かとww。
真澄の姿を確認したマヤは、一瞬緊張した表情をしましたが意を決して自分の想いを叫びます。
「あなたが好きです!!紫のバラの人としてじゃなく・・・速水さん、あなたが好きです!!!・・・好きです!!!」
おおおおーーーー!!!!マヤちゃん、原作でも成しえなかったことを、とうとうドラマで実現させてくれましたよぉぉーーーー(涙)!!!
なんてストレートな想いの伝わる告白・・・!!しかも、「紫のバラのひととしてじゃなく」って言ってくれたのが涙が出るほど嬉しかったよ(私が感極まってどうするww)。北島マヤ、よくぞ言ってくれました!!
思い詰めたような表情をしながらも、まっすぐに熱い想いを告白してくれたマヤを目の当たりにした速水さん・・・感激のあまり言葉が出てこなくて「マヤ・・・!!」と呼ぶだけで精いっぱいだったよね。
ここに至るまで「もしかしてマヤが自分に想いを寄せてくれているのかも?」と思える瞬間がちょいちょい積み重なっていたこともあり、彼女の告白を受け入れやすい展開になっていたと思います。何の前振りもなく「憎まれてるに違いない」って状態だったらおそらく速水さん、衝撃受けすぎて俄かには信じられないか泣いて動けなくなってたかも(汗)。
そういう大きなリアクションを取る速水さんもちょっと見てみたかったけど、ドラマ版はこれでよかったと思います。本編では一世一代の大告白してますからね。マヤの想いをハッキリと知ることができて「もしかして」が「本当だった」に変わったことへの感動で胸がいっぱいになってる速水さんの表情は、見ている者の心を大きく打ちました。田辺さんの繊細な表情のお芝居が最高に素晴らしいです。
マヤは告白を終えた後、泣きそうな顔でじっと真澄の顔を見つめていました。速水さん、感動のあまり言葉が出てきませんでしたからw、何も反応が返ってこないことに不安でいっぱいになっていたんでしょう。
早く何か言ってあげてーーー!と思っていたとき、真澄は嬉しさがダダ洩れしまくった優しい笑顔を浮かべたままバラの花束を渡そうとゆっくりマヤの元へ歩いていきました。
あーー、これで紫のバラの花束渡して抱きしめて、超ハッピーエンドになるんじゃないの!?とめっちゃテンション上げながら心臓バクバクさせながら見ていたその時でした・・・。B'zの「Calling」が途中でブチっと切れた瞬間、鈍い音が響き渡り突然速水さんの表情が苦しみに歪んでいきました。え・・・なにが起こった!????と次のシーンを見て衝撃!!!
紫織さん、とうとう、行きつくところへ行ってしまったのかーーーー!!!
いやぁ~~、真澄に振り切られた後フェードアウトするかと思ってた私の考えが甘すぎたわww。本編の最終回でス〇ーカー宣言してた時からこの瞬間が訪れるような悪寒はしてましたが(汗)、ついに真澄が手に入らないことに耐え切れなくなった彼女は刃物でグッサリやっちまうという、今度こそ本当の「犯罪行為」に走ってしまいました。
それにしてもサイコパス紫織…どうやってこの現場を嗅ぎつけたのだろうか!?そういえば彼女、運転できてたからな。おそらくこっそりと後ろから車走らせてス〇ーキ〇グしていたに違いない(汗)。速水さんはもうマヤのこととなると周りが見えなくなりますから、後ろのことは気にする余裕なかったと思われます(苦笑)。
後ろから紫織さんにグッサリやられてしまった真澄を目の当たりにしたマヤは衝撃のあまり全く動くことができない。まるで時が止まったようにあたりが静寂に包まれる…。
刺された直後は鈍い痛みと何が起こっているのか理解できていなかった真澄でしたが、背後の気配を感じて恐る恐る振り返った時にようやく紫織の存在を確認。なんか引き留めてたとき以上にイケイケ度が増しているように見えたのは気のせいだろうかww。
そして、徐々に体の力が抜けると同時にマヤに渡すはずの紫のバラの花束が彼の手から滑り落ちてしまう…。この、バラの花束が落ちるシーンがものすごく哀しかった(涙)。
その場に崩れ落ち苦悶の表情を浮かべる真澄に対し、紫織は泣きながら「愛してるの…!愛してるのよ…!!」と訴える。もう完全に自分を見失ってしまった彼女に対し、苦しい息のなかで「行ってくれ…。俺を憎んでいる人間は、大勢いる…。早く…!」と必死に彼女を逃がそうとしていました。
おそらく速水さんの中では紫織に対して申し訳ないことをしてしまったという気持ちがあったと思うんですよね…優しい人だから。本編での仕打ちを考えたら哀れみ無用とも思えるんですけど(苦笑)「そうさせてしまったのはすべて自分の責任」っていう罪悪感は残ってたんじゃないかと。それゆえに、ここまで酷い目に遭わされても彼女をその場から逃がそうと必死になってたんだろうね…。
でも、私はこのシーンの時に「行ってくれ!!」のセリフの前に「警察へ」という言葉をどうしても入れたくなってしまうww。いやだってこれ、もう逃れようのない”犯罪”ですから!!本編もいつ警察が出てきてもおかしくないことやりまくってたけどw、今回のは完全にアウトでしょう(汗)。
速水さん、いくら罪悪感あったとしても逃がしたら彼女のためになりませんぜ!?と今でも思いますw。
真澄から早くこの場を立ち去るようにと言われていた紫織でしたが、取り乱しまくっているためなかなか彼の傍から離れようとしない。しかし、そんな彼女に対して最後の力を振り絞るように強い口調で「行ってくれ!!!」と叫ぶ真澄(個人的にはやっぱり「警察へ」と入れたいww)。
その声に圧倒された紫織は、ようやくふらふらと立ち上がり彼の元を離れ呆然自失状態でどこぞへと姿を消していきました。今度こそ自首するんだろうな!?と思いました、この時はww。
真澄が紫織に後ろから突然グッサリやられて倒れこむまでの一部始終を目の当たりにしてしまったマヤは、ショックのあまりしばらくその場を動くことができませんでした。が、紫織が立ち去ると弾かれたように駆け寄り彼の傷ついた体を抱き「死なないで…、死なないで、速水さん…!!」とぼろぼろ泣きながら必死に声をかける(涙)。
せっかく想いを伝えて、そして嬉しそうな顔で近づいてきてくれる彼の姿も見えて気持ちが盛り上がってたのに、本当…残酷すぎるよねぇ…。
泣きながら「死なないで!!」と何度も訴えるマヤの姿を見た真澄は、痛みをこらえながらも必死に自分の片方の手を動かしてマヤの手を握り返します。ちょっとした振舞いでしたが、速水さんのマヤに対する深い愛情が垣間見える気がしてものすごく泣けた…。
そして真澄も伝えたい言葉をマヤに告げます。
「マヤ…、大丈夫だよ。俺も…、君が好きだよ。マヤ、好きだよ…。愛してる…愛してる…!!」
ああああーーーーー(涙)、これは涙なくしては見れないシーンだーーーー(涙)!!
本編では「好きだ!」って言葉で想いを伝えたけど、完結編ではついに「愛してる」とさらに一歩進んだ表現でマヤに愛を伝えた速水さん・・・。苦しい息のなか、必死に…何度も自分の想いの全てを伝えようとする彼の姿には本当に涙が出ました。
あと、気持ちを伝える前に「大丈夫だよ」って伝えるのも速水さんらしい優しさが滲み出てると思うんですよね。自分に「好きだ」と伝えてくれたマヤが応えを待ってる間に不安な気持ちでいたことをちゃんと察してくれてたんじゃないでしょうか。
「心配しなくてもいいよ、俺も君と同じ気持ちだよ、出会った時からずっとずっと君だけを愛してたよ、俺には君しかいないよ」
きっとあんな事件が起こらなければ、速水さんはこんな言葉をマヤに伝えたんじゃないかな…。「大丈夫だよ」にはその後につづく「愛してる」の気持ちをさらに高める意味が含まれていたように思えてなりません。そんな脚本を書いてくれた野依さんに感謝だし、マヤへの溢れんばかりの想いをあのシーンで表現してくれた田辺さんにも本当に感謝です。
こんなことなら紫織と婚約なんかするなよーーー!!!という野暮なツッコミはもうしないでおきましょう(←しとるやんww)。
そして、意識が遠ざかりそうになりながらも真澄は最後の力を振り絞ってさらに伝えたかった言葉を告げる…。
「君の阿古夜が、紅天女が見えるよ…。マヤ…、虹の世界で…君は輝いている…。輝い…」
「輝いている」ともう一度告げようとした瞬間、真澄はマヤの腕のなかで意識を失ってしまいました(涙)。
速水さんは舞台の上のマヤを誰よりも愛してました。今回告白を決断したのも、彼女が気持ちを乱して舞台の稽古に集中できないことを知っての行動でした。彼女に舞台への情熱をもう一度思い起こしてもらいたい。マヤが何よりも大事にしている舞台への想いを知っているからこそ、速水さんは意識が途切れる寸前まで「虹の世界で君が輝いてる」と必死に伝えようとしていたんじゃないかな…。
ここまで深くマヤのことを愛してくれる人なんて、世界中探しても速水さんしかいないんじゃないかと思います、ほんとに(月影先生は恩師なので別枠)。
マヤは号泣しながら「速水さん、速水さん、起きて!!起きてよ、速水さん…!!」と何度も何度も愛する人の名を呼び続ける…。でも、何度呼んでも真澄の目が開くことはなくぐったりしたままです…(涙)。
マヤちゃん、携帯電話…持ってなかっただろうからなぁ…。すぐに救急車読んでほしいところだったんだけど、気が動転しまくってるから周りに助けを呼びに行くことすら考えられない状況。っていうか、周りに人がいないし!!このままじゃ本当に速水さん死んでしまう…!!!
と、見ているこちらも気が気ではなくなったわけですが…CMが明けてみるとちゃんと病院に運ばれていたので安堵しました(汗)。しかし、生命維持装置のようなものを付けられ、ときどき不規則に刻む心電図の音が鳴り響いていて・・・決して予断を許さない状況だというのが伝わってきます。その痛々しすぎる姿がまた泣けてくる…。
傍についていた水城さんはマヤに「そろそろ、舞台が始まる時間よ」と告げますが彼女はその場を動こうとしない。とうとう月影先生が提示していた『阿古夜の恋』を披露する日を迎えてしまったようですが、「阿古夜の恋を演じなければ紅天女はやれないのよ!」と水城に諭されても「速水さんと一緒にここにいる…!」と眠り続けている真澄の傍を離れようとしないマヤ…。
彼女はこれまで大切な人をあっけなく失ってしまったという哀しい記憶があります。「母さんも、お兄ちゃんも、死んだ時、私何もできなかった…。二人ともあっという間に行っちゃった…」というセリフがとても切なかった(涙)。
「速水さんは死なせない!!私が死なせない!!連れて行かれそうになったら、私が引き戻してあげるの。ねぇ…速水さん…!紫のバラの人…!」
あーーー、そのセリフ、速水さんにぜひとも聞いてほしかったよーー!!マヤちゃんはこんなにも速水さんのことを深く深く愛してくれてるんだよーーー。マヤにとっては身内と同じように大切な人って想われてるんだよーーー!!「連れて行かれそうになったら私が引き戻してあげる」っていうセリフは特に泣けます(涙)。しかし、そんな彼女に向かって水城さんは
「でも、誰よりも紅天女をあなたに演じてもらいたいと思っていたのは、この人よ。紫のバラの人として、あなたの初めての舞台から、バラを送り続けてきた、この人なのよ…!」
と再度マヤを説得します。水城さんはかなり早い時期から速水さんのマヤへの想いを知っていましたからね…。彼が誰よりもマヤの『紅天女』に賭ける想いを理解し応援したことも、嫌われ者に徹してまで彼女をサポートしようとしていたことも知っていた。それだけに、この言葉は非常に心に響きました…。
水城さんの言葉に気持ちを揺さぶられたマヤがふと真澄の手元に目を向けると…一枚の紫のバラの花びらが握られていることに気が付きます。現実的には非常にあり得ない光景ではありましたがww、このドラマの演出的にはこれでいいんですっっ!!もしかしたら水城さんがそっとその手に紫のバラの花びらを握らせてくれていたかもしれないしね。
マヤはそっと真澄の手から紫のバラの花びらを取り、涙ながらに彼の自分に対する深い深い愛情を受け止めます。
このシーンもすごく良い場面で…見てるこちらもウルウルしてたのですが、その瞬間、またもや「〇×▼の事故の影響で予定されていた組閣は延期」というニュース速報がマヤちゃんの顔にかぶってしまったーーー(涙)。事故は仕方ないとしても、組閣延期はこのタイミングで伝えなくてもいいじゃないかーー!!!
ということで、結局完結編放送中に3度(2回ずつ流れてるので計6回)画面にニュース速報が流れたのでした…(苦笑)。組閣のやつが一番腹立ったわーー(苦笑)。
「速水さん、私行ってきます。いつかあなたに、紅天女を見てもらうために…!!」
真澄の想いをしかと受け取ったように、マヤは涙ながらに彼の元を離れ会場へと向かうのでした。ひたすら切なかったよ…マヤちゃん…。やっと両想いになったのに、意思の疎通ができない状態になっちゃうなんてね(涙)。だけど、心では繋がってるって思えて…そういう目で見るとさらに泣けるよ。
マヤが飛び出していくのと同時に、英介が病室に見舞いに訪れる。
「親子揃って、紅天女という幻に恋するとはのう…」
たしかに二人とも『紅天女』に人生を動かされていますが・・・英介さんが月影先生に寄せていた想いと速水さんがマヤに寄せていた想いとはちょっと種類が違うような気がするんですよね。
英介さんは月影先生の『紅天女』を手に入れるために周囲を不幸にすることばかりしてきたし、今でもその強引な考えはあまり変わっていない。欲だけで月影千草の『紅天女』を手に入れようとしてきた節が大きい。
それに対し、速水さんもはじめは『紅天女』を手に入れるために周囲を不幸にした経緯はあったけど、彼の行動の裏には常に北島マヤに対する優しさと気遣いもあったと思うんです。力づくで手に入れようとしていたのではなく、不器用ながらもいつも寄り添い支える気持ちは失っていなかった。彼が愛したのは「幻」ではなく、「北島マヤ」という一人の女性なのです。
私は、速水さんのマヤへの愛情は『紅天女』というフィルターを越えたとても深いものだと思ってます。たくさん傷ついてきた分、彼女への愛情は誰よりも深く温かいよ、ドラマ版の速水真澄は。こう思えるのは、きっと、田辺誠一さんが演じたからじゃないかな。
病院から全力で会場まで走りギリギリで到着したマヤを、黒沼先生と桜小路くんは温かく迎えてくれました。おそらく事件があった時点で二人ともマヤと速水さんの関係のことは察してただろうね。
そしていよいよマヤと亜弓による『阿古夜の恋』の試演が始まります。ということで次のページへ。