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NHK大河ドラマ『青天を衝け』第30回ネタバレ感想 渋沢栄一の父

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今回は見る前にサブタイトル見たときから泣けて泣けて仕方なかったのですが、それ以上に情報過多気味で色々と感情が忙しい回だったと思います(汗)。特に、栄一の大阪での展開は「ついに来たか」って感じでしたね(苦笑)。とっさまの大事なシーンの前にこれがあったので、最初に予想したよりは哀しすぎる感情には押しつぶされなかったかなと。

お上の世に人一倍思い入れが深い岩倉は、渋り気味だった大久保を引き連れて鹿児島に向かい西郷を東京に呼ぶため久光を口説き落とそうとしていました。

久光は「我々もお上と心を同じくするつもり」とは言うのですが…突然「ふゎあっ…!!!」と謎の苦悶のうめき声を上げたかと思ったら「胃の腑の痛みが…」とうずくまってしまったww。何が起こったのかビックリしたぞ(笑)。しかし岩倉はそれには全く動じませんでしたねw。
「せめて代わりの要の者を差し出してもらわないと」と人材要求する岩倉に対して「おいの代わりなどいない!」と突っぱねようとした久光でしたが、だったらお前が来いと返されると口ごもってしまうww。久光としては自分の理想と違う方向に走る新政府に批判的立場をとっていたようなので、言いなりにはなりたくないという意地があったのかもしれません。

で、結局岩倉の圧力に負けた久光は…西郷を東京へ送ることを了承するのでした。求心力低下にあえぐ新政府としては、西郷の軍事力はどうしても必要だったようです。

と、このタイミングで家康さんがタブレット端末を見つめながら「あぁ!ダメだダメだ!!それじゃぁ、何も変わらん」と新政府にダメ出ししまくりながら登場w。

まさかタブレットを手にする徳川家康の姿にお目に書かれる日が来るとは思わなかったよ(笑)。カメラに気づくと我に返り「あ、失礼」と冷静さを取り戻す演出とか、めちゃめちゃ可愛かったw。よもや幕末をテーマにした大河ドラマで徳川家康に対して親愛の情が湧くことになるとはw。

家康さんによれば、栄一は郵便事業だけでなく度量衡の統一、貨幣の改正、鉄道事業などに着手して様々な変革を実行していたようです。ところが、未だに各地の元藩主たちに権力が集中していたこともあり新しい意見は受け入れられない状況も多かった。そこで徳川家康さんから問いかけが。

「徳川幕府を倒してまで君たちが作りたかった新しい世は、いったい何なんだ?」

こう言いたくなってしまうほど、世の中は停滞していてなかなか前に進まなかったということなのでしょう。その違和感は栄一も感じているようでした。

以下、第30回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

これまでの『青天を衝け』感想レポ

青天を衝け
青天を衝け
2021年度NHK大河ドラマ『青天を衝け』の感想レビュー

『青天を衝け』第30回 渋沢栄一の父

2021年10月10日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45 ほか

出演:吉沢亮、橋本愛、志尊淳、博多華丸、山崎育三郎、石丸幹二、ディーン・フジオカ、和久井映見、小林薫、ほか

あらすじ

大阪の造幣局に出張した栄一(吉沢 亮)は、五代友厚(ディーン・フジオカ)と出会う。栄一は、これまでの恨み言をぶつけるが、カンパニーを立ち上げて日本の商業を魂から作り変えたいという五代の話に共感する。一方、新政府の首脳会議では、突然、西郷隆盛(博多華丸)が“まだ戦がたらん”と声を上げる。井上 馨(福士誠治)は、“廃藩置県を断行せよ”との意思表示と理解し、栄一たちに極秘の任務を託す。残された時間はわずか4日…。そして、冬のある日、帰宅した栄一のもとに、父・市郎右衛門(小林 薫)の危篤の知らせが届く…。

<公式HPより引用>

ある日、久しぶりに廊下で西郷とすれ違った栄一は懐かしそうに笑いかけました。

いまだに栄一が改名したことに気づかない様子の西郷は「篤太夫どんか~、生きちょったか」と親しげに返してきた。ここで改名したこと教えてあげればいいのになぁって思っちゃったのですがw、栄一にはそんな余裕はなかった様子。国を守ろうと新政府に協力することを決めたものの、実際は政争に明け暮れていて威信を失くしてしまっていると愚痴を漏らしてしまいます。

「この先は西郷様に国を一つにまとめていただきたい」と希望を託す栄一でしたが、西郷は「おいが来たところでどげんなる?」とつれない返事。しかも「かえってぶっ壊すことになるかもしれんぞ」と物騒なことまで言ってくる(汗)。期待していた答えと全く違う言葉を返された栄一は、妙な胸騒ぎを感じてしまったようでした。まさか「ぶっ壊すかも」なんて言われるとは思ってなかっただろうからね(苦笑)。西郷さんもお人が悪いw。

ところが、自宅に戻った栄一は「この国はもう一遍ぶっ壊すべきなのかもしれない」と西郷の言葉に賛同しちゃってるw。どんなに自分が頑張って新しい国造りのための基礎を作っても、新政府のお偉いさんたちは政争ばかりでなかなか前に進もうとしてくれない。そのことにほとほと嫌気がさしていた栄一が「いっそ全部壊してしまえば」と思ってしまう気持ちは分かる気がします。
さらに、幼い日に父親から教えられた「人の上に立つ者は下の者への責任がある」という言葉が浮かんできた。今の新政府には、下々の生活する人たちのことを守ろうという気概がないと栄一は感じていたようです。千代はそんな難しい栄一の愚痴を黙って受け止めて聞いていました。余計な言葉は挟まず、あえて吐き出させてやってるのかなと。ほんと、出来た奥さん…いや、出来すぎです。

すると、目が覚めてしまった娘のうたが起きてきて「じい様はお元気なんかなぁ」と不吉なことを口にする。ここでそういうセリフを挟んでくるとは…、フラグだと察してしまっていても心配で仕方なくなってしまうではないか(涙)。

数日後、栄一は新しく流通させる予定の硬貨の品質を確かめるために大隈、伊藤、井上らと共に大阪造幣局を訪れました(大阪造幣局は今では桜の通り抜けができるところで有名ですね)。

ピッカピカの美しい一圓玉に、栄一たちも感激した様子。するとそこへ五代才助改め五代友厚が伊藤と共にやって来ました。五代は栄一に対面できたことを喜んでいた様子でしたが、栄一としてはパリでの恨みが未だ忘れられないようでつれない態度をとってしまう。っていうか五代さん、市場で栄一と会ったことを忘れてしまっているようでしたな(汗)。

そんな栄一に伊藤は五代が大坂で様々な商いを始めているのだと告げる。それに対して大隈は「商いをやらせるにはもったいない」と渋い顔。どうやら大久保から大蔵省への誘いもあったものの、五代はそれを断っていたようです。大隈さんとしては五代さんと一緒に仕事をしたいと思っていた節がありますが、そんな彼に対して「おいが入ればおはんが要らなくなるぞ」と切り返して大笑いww。五代さんもお人が悪い(笑)。

国を想うならば大きな目を養い色んな所と仲良くしていかなければならないと語る五代。そんな彼の言葉に栄一は苛立ちを募らせてしまうのでした。自分と出会ったことも覚えてないし、大きな顔して商いのことについて知ったような口をきいていたことが許せなかったのかもしれない。栄一の中では、五代はとんでもない策士で気を許してはいけない男っていう認識が強いんだろうな。

すると今度は三井の利左衛門がやってくる。大坂造幣局にクセ者が勢揃い(笑)。以前会った時には上から目線で栄一をバカにした態度をとっていた利左衛門でしたが、今回はそれとは打って変わって「かねてよりお招きせねばと思っておりました」と手のひら返ししたように頭を下げてくるw。あまりにも態度が違う利左衛門にビビッてしまう栄一が面白かったぞ(笑)。
宴の準備ができたと聞くや否や一番テンション上げて大喜びしていたのが井上馨www。仕事よりも遊びのほうが楽しみだって、顔に書いてあるぞ(笑)。利左衛門は渋々その後をついて行こうとする栄一に対し「一目お会いした時からあなた様は新政府にお入用な方だと思っておりました」と調子のいいことを言ってくる。あそこまであからさまにやられたら、もう怒るに怒れないわなぁw。

最初は宴会に出席することにちょっと後ろ向きな様子だった栄一でしたが、結局のところは「食べ過ぎたかも」というくらいけっこう楽しんでしまったようですな。まぁ、大坂は美味しいものたくさんありますから。と、その時…、栄一は一人の女中と廊下でぶつかってしまう。

慌てて汚れてしまった栄一の服を拭こうとしたその女中は、ふと驚いたように彼の顔に見入ってしまった。栄一も何故か彼女の視線から逃れることができない。これは、めちゃめちゃ危険な香りがプンプンするシーンでしたなぁ(汗)。見つめ合ってた時間が思いのほか長くてハラハラさせられたよ~。五代さんが「邪魔かのぅ」と声をかけなければ危うかったやもしれん(汗汗)。

五代に誘われて差しで話し合うことになった栄一はようやく視線をそらしたわけですが…、明らかに動揺していたのがとても気になる。このぶつかった女中さんこそ、後に栄一の妾となる運命の大内くにでした。

実際の栄一は素晴らしい事業をたくさんやってきたけれども女にも目がなかった、みたいな逸話があるらしいのでドラマでどう描かれるのか以前から注目されてきました。この終盤に差し掛かって来たタイミングで、ついにそのエピソードの片鱗が見えることになりましたねw。

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栄一と二人きりになった五代がまず最初に切り出したのは「日本の女子は優しくて懐が深い。ヨーロッパでは日本の女子が恋しくてたまらなかった」という意外な話題でした。今の栄一にその話を聞かせたらマズいんでない!?とますますハラハラしちゃったぞw。

五代友厚は最初の奧さんと死別した後に豊子さんと再婚していましたが、ほかにも数人お妾さんがいたとのこと。正妻の豊子との間には子供ができなかったことから、最初に妾が子供を産んだ時にはけっこう険悪なムードになってしまったようです(汗)。

栄一は五代の女性論には大いに同意すると語りながらもw、「某はあなたが好きではない」と拒絶の意思を示す。パリで五代の策にまんまとやられた経験を語り悔しそうに酒を飲む栄一でしたが、それを聞いた五代は逆に「それは嬉しい褒め言葉」と喜んでいたw。故郷ではあまり自分の働きを評価されなかったこともあり、「あなたの暗躍のせいで」と告げられたことは認めてもらえたという認識に繋がり嬉しかったようですね。

五代は、西洋を見てきたからこそ日本も変わらなければならないと思ったと熱い気持ちを語る。しかし、明治維新から数年経った今になっても変わる様子がないことに苛立ちを覚えているようでした。栄一は自分と同じ考えを持っている五代の話に初めて興味を抱いた様子。
さらに五代は三井の利左衛門に対しても「商人がお上の代わりに財布代わりとなる古いシステムは何も変わっていない。上が徳川から新政府に代わっただけじゃ」ととため息をつく。

「金は政府や大商人の間だけで回るもんじゃなか。もっと広く民を豊かにせねばならん」

五代はそう語った後「おはんは今は政府の側だったな」と苦笑いしていましたが、栄一は自分と同じ考えを持っている彼の言葉に心を揺さぶられていたようでした。自分はやむを得ず役人になったとバツが悪そうに答えた栄一に対し、五代は生き生きとした表情で大阪に多くの”カンパニー”を作って「日本の商業の魂から作り替えたい」と夢を語る。
すると栄一もかつての恨みがどこかへ飛んだかのように目を輝かせながら府県に”カンパニー”を作りたいと打ち明けました。ようやく話に乗ってくれた栄一に五代も嬉しそうに微笑む。志を同じくした者同士が共鳴する姿はなんだか見ていて胸が熱くなります。まぁ、栄一くんはまだちょっと割り切れない気持ちが残っているようでしたけどね(笑)。

するとこのタイミングでくにが「井上さんが早く戻れと怒鳴っています」と催促にやってくる。あ~、井上さん、めっちゃハメ外してる姿が目に浮かぶわ(笑)。しぶしぶ宴席に戻ろうとした栄一でしたが、五代はそんな彼に問いかける。

「おはんがおる場所も、そこでよかとか?」

新政府への違和感を感じていた栄一にとって、この言葉はずしりと重くのしかかったように見えたなぁ…。今後の展開のきっかけになるシーンだったかもしれない。

宴席に戻る途中、後ろから只ならぬくにの視線を感じた栄一は「俺の顔に何かついているか?」と尋ねる。するとくには恐縮したように、鳥羽伏見の戦いに出兵した大工の夫と顔がよく似ていると答える。でもそのすぐあと笑顔を浮かべながら「よく見たら全然違っていた」として見つめてしまったことを謝罪。そのまま彼女が通り過ぎようとした瞬間、栄一は無意識にその腕を掴んでしまった(汗)。

うわっ!!!この展開、めちゃめちゃ危険じゃないのーーー(汗)!!すぐ我に返って冷静さを取り戻そうとしてましたが…、あれは明らかにくにの不思議な魅力にとり憑かれ始めている。

さらにその気持ちを揺さぶるかのようにくには足袋に穴が空いていることに気づき「繕いましょうか?」と言ってくる。このシーンを見た時、「栄一、断るんだーーー!!」という心の叫びを上げていたのは私だけでしょうか(笑)。しかしその念もむなしく、栄一はかつてお針子だったという彼女の言葉にまんまと乗せられてしまった(苦笑)。

さらにさらに、その次のシーンでは布団が敷いてある栄一の夜の部屋が出てくるでないのww。完全に危険なシーンへ真っ逆さまな状況に見ているこちらとしては気が気じゃない(笑)。
そこへ足袋を縫い終わったくにがそれを届けに部屋を訪れました。一度は足袋を置いて部屋を後にしたくに。よし、栄一、よく誘惑を断ち切った!!とおそらく多くの視聴者が思ったはずなのですが、その気持ちを打ち砕くように栄一は彼女を呼び止めてしまう(苦笑)。こうなったらもう、あとは流れでよろしく状態(笑)。それにしても、戸惑い気味だった彼女の手を強く引いて部屋に招き入れる行動はちょっとビックリしたぞ!?

まぁこれまでも、栄一が美女を見るたびに気持ちが持っていかれそうになるシーンがいくつかありましたからねw。そういう片鱗は見せていたってことで(苦笑)。ただねぇ、ドラマでは千代さんが本当に良妻すぎるキャラなので…こういう風になってしまう展開は辛い。この裏切りの代償は高くつくのではないだろうか…。

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明治4年(1871年)7月、新政府のトップ会談にはいつの間にか江藤新平が加わり、大蔵省の権限を削るよう進言していました。江藤を演じているのは『西郷どん』の時に有馬新七を演じていた増田修一朗さんではないですか!ちなみに『どん』の時には薩摩言葉指導のスタッフとして活躍してた迫田孝也さんが江藤を演じたんですよね。懐かしい。また見たくなっちゃった。

佐賀藩出身の江藤は脱藩して謹慎処分を受けましたが、幕府が消滅した後復帰。明治4年の頃には文部大輔に就任し教育行政に力を注いでいました。明治5年には初代司法卿に抜擢され”公平な裁判”のため奮闘。しかし、それについて行けない人からの反発も多かったようです。

西郷を新政府に呼びよせたはいいものの、3か月経っても誰が主導権を握るかの論争ばかりで一向に改革案についての話し合いにまで進まない。その様子を目の当たりにした栄一と杉浦は「まるで小田原評定のようだ」と筆談を交わしながらため息をついていましたw。後ろで若い二人が呆れていることなど、主導権についての議論に熱中していた皆さんは全く気付いてなかったけどね(苦笑)。なんだか、今の日本の政治と重なるところがあるようなないような…。いつの時代もこういうことは変わらないものなんですかねぇ。

「小田原評定」とは、豊臣秀吉に小田原城を攻目られていた時にも拘らず小田原城主の北条氏直は延々と評定(会議)に時間を費やし何の対策もできないまま滅ぼされてしまったことに由来しています。長い時間を費やした会議にも拘らず、結論を出せずに埒が明かないことの例えとして「小田原評定」という言葉が用いられるようになりました。

すると、今まで黙っていた西郷が突然「こんな話し合いに何の意味があるのか」と口を挟んできた。ここで空気が一変し会議に緊張感が走る。みんな西郷さんには一目置いてたって感じですかね。そしてさらに「まだ戦が足りん」と言ったかと思うと、みんなが引き留める声に耳を貸すことなく「戦じゃ!戦じゃ!!」と連呼しながらその場を立ち去ってしまいました(汗)。
なんかすごい緊迫したムードではあったんですが、華丸さんのセリフの言い方が迫力あるのにどこか面白くてちょっとクスっとしてしまったw。

西郷の言う「戦」の意味を測りかねている一同。しかし、栄一はもしかしたら西郷が今の停滞した空気を打開してくれるかもしれないという期待を抱いていたようでした。すると後ろから「あれは廃藩をやれということだ」と井上がやってくる。つまりは、廃藩置県の断行です。
栄一と杉浦を秘密裏に別室に呼んだ井上は、「藩を失くして県にしてこそ真の御一新だ」と告げる。彼も議論が進まない間に日本の国力が弱っていると感じていたようで、西郷の「戦」という言葉の意味にピーンとくるものがあったみたいですね。なんかやらかしそうな雰囲気の強い井上さんでしたがw、こういう嗅覚は優れていたんだなと思いました。

すっかり廃藩置県の策に乗る気満々になった井上は「木戸さんに相談してくる」と飛びだしていこうとしましたが、栄一は慌ててそれを止めました。ちなみに、木戸さんっていうのは木戸孝允(かつての桂小五郎)のことですな。栄一とは関わりがあまりなかったからか、今回は名前しか登場しないのかな。幕末ドラマには欠かせない人なんですけどね(汗)。

栄一は井上に「藩を失い禄を失った士族たちはどうなるのですか?」と問い詰める。もしその部分を疎かにしたら、不満を持った元武士たちが暴動を起こしても不思議ではない。 それに対して井上は「戦は覚悟の上じゃ」と強行突破しようとしましたが、栄一は断固それを阻止しようと必死。上の者の命を受ける民の気持ちを考えるようにと説得を試みる。とっさまの教えを聞いて育った栄一ならではの反論でしたよね。現代のトップにもこういう気持ちを持ってもらいたいもの。

さらに各藩の負債についても指摘。すぐに太政官札に入れ替えようとあくまでも楽観論を唱える井上でしたが、栄一は藩札が国ごとに違っていてその価値にも大きな差があることを知っていました。財力に力のない藩の藩札にはほとんど価値がないと言われていたようです。そこで、価値によって交換の割合を定める必要性が出てくる。井上さん、もう少しそのあたりリサーチしてから動かないと(苦笑)。

サクサクと対策を立てていく栄一の話について行けてない感じの井上さんww。そんな彼に栄一は争いの本質についてズバリと突きつける。

「古今東西、争いの大きな原因となるのは金だ」

たしかにその通り!!今でもお金が原因でトラブルになる事件多いからなぁ…。ということで、無駄な争いを起こさせないために士族の不満を取り除いていかなければと熱弁を振るう栄一。ようやく井上さんもそれに納得してくれたようでしたが、自分にはそんな細かい仕事はできないとばかりに「あとは改正掛で内密にやってくれ」丸投げしてあっさりと立ち去ってしまいましたww。オイーーー!!井上馨、このままじゃ宴会男のイメージばっかり強くなっちゃうぞ(笑)。

井上馨の顔には幕府時代に刺客に襲われた時の傷がこの時点でもうっすら残っています。第一次長州征伐の頃、井上は”武備恭順”つまり「とりあえずは幕府に恭順する姿勢をとりつつ、いざという時には戦止む無し」という考えを主張していました。それに異を唱える者による数人の刺客に襲われた井上は命からがら逃げきることができましたが、瀕死の重傷レベルだったと言われています。
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井上から「廃藩置県」のための準備を秘密裏に行うよう命じられた改正掛は予定外の大仕事にテンヤワンヤとなってしまいました(汗)。しかも、それを実行する日まであと4日しかないという(ドラマには登場しないけどw木戸孝允さんの邸宅で計画が練られていたらしい)。栄一はさすがにやることが多すぎて不可能だと嘆きますが、それを見た井上は「やはり無理かぁ!!」と叫んで机に突っ伏してしまった。いやいや、あなたがもっと頑張らないといけないところですよww!?改正掛の苦労をもう少し考えてあげようよ~。

ところが、井上が諦めの境地に至ったことで逆に栄一のやる気に火が付く結果にw。前回途中まで栄一には向かっていた玉乃さんたちも「やるっきゃないっしょ!!」と全集中体制に。井上さん、まさかこれを狙っての「ダメかぁ」だったのか!?と思ってしまうほど事が上手くいっちゃいましたね(笑)。

ということで、栄一たちは約4日不眠不休で「廃藩置県」断行準備に取り組むことになりました。そして、ついにそれをやり遂げた。改正掛の皆さん、もうホント、最大級のお疲れ様を伝えたいです。よく栄一も倒れずにやり遂げたよなぁ。相当なアドレナリンが出ていたに違いないけど、体調とか心配になってしまう(汗)。

「廃藩置県」とは殿様制度の「藩」を完全に失くしすべてを政府直轄の「府県」のみとするシステムのこと。そのトップには中央政府が決めた優れた人材(府知事・県令)を据えることになりました。元藩主(知藩事)たちはその任を解かれ東京居住を義務付けられた後、”華族”という位が与えられることに。

実際は、財政が厳しいところが多かったことから廃藩が断行される前からいくつかが藩を放棄する申し出を行っていたようです。また、万一反乱が起こった場合に備えて薩摩・土佐・長州の兵たちによる「御親兵」も結成されていました。

明治4年(1871年)7月14日、ついに「廃藩置県」が施行される。反発も予想されていた為ごく一部の人にしか知らされなかったとのこと。岩倉具視さんも知らされてなかった一人だったらしく「さすがのわしも狼狽えるで」と動揺しまくってました(笑)。このことはアメリカでも大きく取り上げられ話題になったようですね。

実際、この計画は大きな反乱もなくスムーズに実行することができたとのこと。新政府が藩の借金を肩代わりしてくれたことや、華族という特権階級が与えられたことが大きな要因だったようです。

驚いたのはこの後の演出。突然ピロロ~~ンという音が鳴ったと思ったら次々と画面に様々な人が映し出され、気が付けば260の藩主さんたちがずら~~り勢揃い(笑)。

リモート会議で「廃藩置県」断行したんかい!!みたいな(笑)。ここはかなり遊んだ演出になりましたねw。それにしてもよくここまで人を集めたなw。

ちなみに、島津久光さんは突然の「廃藩置県」にかなり御立腹だったようで、抗議の意味を込めた花火をぶっ放しまくったという逸話があります(『西郷どん』41話でも描かれてました 笑)。

それからほどなくして西郷と再会した栄一。この時もまだ「篤太夫」呼びだった西郷さんw。そろそろ本当の名前教えてあげたほうがいい気がするぞ。この時西郷は「無事に終わってしまったのぅ…」とちょっと残念そうな表情でつぶやいていました。その言葉に少し違和感を覚えた栄一でしたが、そのまますれ違って別れてしまう。

「廃藩置県」の準備のために陣頭指揮を執った栄一はその活躍が認められて大蔵大丞(大蔵省ナンバー4)に出世していました。ところがそんなある日、改正掛に大久保利通がやってきて「陸海軍の運用費について会議した結果、陸軍に800万、海軍に250万を計上することになった」と報告。この件についてどう思うか尋ねられた栄一はあまりの高額に驚き「承服できません」ときっぱり否定する。

いまだに財政が不安定な国がそこまでの巨額の支出をするのは危険だと反論する栄一。入ってくる額(税金)も不透明ななかで勝手に金額を定める行為を見過ごすことはできなかった。ところが大久保は「廃藩置県で税が入ってくるからそこから必要経費を充てればいい」と楽観的なことを言ってくる。栄一からすれば、お金の流れのシステムをよく理解しないまま勝手に大きな金額を提示するような大久保の考えはとても浅はかだと思えたに違いありません(実際、そう思っていたらしいし)。

「民の税を、降れば出てくる打ち出の小槌と同じにされては困る!!」

栄一、よく言った!!その通りです。この言葉を某政治家や役人にぶつけてほしいくらい(苦笑)。せめて全国の歳入額が見えてくる1年後まで待つべきだと必死に説得を試みる栄一でしたが、「軍事の金はなんとしてでも必要だ」と全く聞く耳を持ってもらえない。決めたことはもう変えられないの一点張りで二人の意見は平行線のまま…。

「某の意見に賛成かどうかは大蔵卿ご自身がお考えになることでしょう!!」とヒートアップする栄一。全くその通りなのですが…、大久保は逆に「よう分かった」と不気味に告げた後、改正掛をこの日限りで解散すると告げてしまう。いや~~、大久保さん、それは横暴だったと思うぞ(汗)。石丸さんが演じてるからあまり悪く思いたくないんだけどね(苦笑)。ただ、大久保にとって栄一という存在は脅威に映っていたのかもしれません…。それゆえにここまで目の敵にしてしまったのかなぁ。

大久保は金の流れ云々よりも、一刻も早く国を強くすることに心血を注ぎたかったのだと思います。彼は彼なりに国のことを考えて動いている。でも、お金のこともちゃんと考えてほしかった…。栄一から見た大久保は「嫌いな人」っていう印象が強かったようですからこのような描き方になってるのかとは思うんですがね(苦笑)。この周りが見えてない感じが、後々の悲劇に繋がっていくような気がしてなりません。

その後、大久保は岩倉に「西洋を直接見てくる必要がある」と直談判。それに対して「え~~…異国ぅ?」と明らかに乗り気ではない岩倉様(笑)。しかし、まるで生き急ぐかのように鬼気迫った大久保の表情を目の当たりにすると、それを了承せざるを得なくなってしまいました。えぇ、こんな感じで岩倉使節団が実現しちゃったのか(笑)。
このシーンで突然烏帽子を脱ぎだした岩倉さんに「どうした?」と思ったのですが、その次の映像で実際の岩倉使節団の写真が出てきて納得ww・・・っていうか、思わず吹いたw。今回岩倉様、けっこう遊ばれてますね(笑)。

明治4年11月12日(1871年12月23日)から明治6年(1873年)9月13日まで、日本からアメリカ合衆国、ヨーロッパ諸国に派遣された使節団である。岩倉具視を全権とし、政府首脳陣や留学生を含む総勢107名で構成された。

特命全権大使:岩倉具視
副使:木戸孝允、大久保利通、伊藤博文、山口尚芳

引用/出典:wikipedia

たしかに、烏帽子をとった姿が岩倉を演じている山内さんとよく似ておりましたw。あと、カミナリの二人も似てるって以前話題になってましたね(インスタの写真見てビックリしましたw)。
主要な派遣メンバーの中には、パリ万博に同行していた田辺太一や、栄一と懇意にしていた福地源一郎、パリで栄一から雷を落とされてビビっていた林董三郎、後の西南戦争で命を落としてしまう村田新八の姿もありました。また、アメリカ留学生として後に女子大学(津田塾)を創立する津田梅子、大山巌の妻となった山川捨松も参加。この当時はまだ数えで10代前半、またはそれ以下の少女たちでした。

今回の大河では大久保と西郷の関係についてあまり触れられていませんが、ここで大久保が海外へ出発してしまったことで二人の関係が大きくズレてしまう悲劇につながるんですよね…。「西郷どん」を思い出してちょっと切なくなってしまいました。

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それから数日後のある大雨の日、栄一が濡れながら帰ってくると千代が玄関で優しく出迎えてくれました。ところが、栄一が脱いだ靴下を見て大きな不安に襲われてしまう千代…。

うわぁ…、破れたところの縫い針の色が「赤」だったのかぁ…。これは千代の女の勘が嫌でもピーーンと反応するよなぁ(汗)。明らかに自分が繕ったものではない。くにさん、なんでわざわざ赤い色の糸で縫っちゃうかなぁ(苦笑)。もしかして、栄一の妻に対する宣戦布告的な気持ちが最初からあったとか!??そうなると昼ドラ展開になっちゃうw。

しかし、千代が大きな不安に襲われたのと同時に伝蔵が血相を変えて市郎右衛門が危篤になっていると知らせにやって来た。あぁ…ついに、来るべき時が…。と気持ちは切ない方向に向かうんだけど、この赤い縫い目の靴下の一件がどうしても過ってちょっと感情が忙しい(汗)。

大雨の中、慌てて血洗島に駆けつけた栄一でしたが、予想に反して家族たちはなぜか落ち着いて出迎えてくれている。とっさまが危篤だというのにそんなことをしている場合なのかと思わず怒鳴ってしまう栄一。そんな息子にゑいやなかは市郎右衛門の指示なのだと事情を説明する。たとえどんな時でも天子様に仕える国の重要な役人に対してきちんと出迎えなければいけないという意思を家族はちゃんと守っていたのです。こんな時でも律義なとっさま…。
黙り込んでしまった家族を前に、栄一は取り乱してしまったことを謝罪する。みんな心の中では市郎右衛門のことが心配で仕方ないんだよね。だけど、その気持ちを隠してちゃんと言いつけを守っていた。市郎右衛門がそう望んでいたから…。

一度は危篤状態になったものの、朝になってから少し持ち直したという話を聞き少し安堵する栄一は、急ぎ父の部屋へ向かう。「とっさま」という息子の声に気が付いた市郎右衛門は目を開けて少し嬉しそうに「帰って来たのか」と呟きました。栄一としては、突然体調を崩してしまった父にショックを隠し切れない。
そんな息子に心配させまいとしたからか、「バカ、お前、俺をいくつだと思っているんだ」とおどけてみせるとっさま。こんな時までチャーミングなところがなんだかすごく泣ける(涙)。

その後、支えられながら起き上がった市郎右衛門はていが婿養子を取ることが決まったと告げる。平九郎とのあまりにも哀しすぎる別れを経験してふさぎこんでいたていをとても心配していましたが、無事にお婿さんをもらえることになって本当によかったです(ていは伝蔵の弟を婿に迎えたとのこと)。
それゆえ、中の家も安泰だと胸をなでおろす市郎右衛門。栄一に実家のことは気にかけなくても大丈夫だと安心してほしかったんだろうね…。しかし、その言葉を聞いた栄一は「困る。俺はまだ何も孝行できてない」と告げる。いつも世話ばかりかけてしまっていることを心苦しく思っていると…。それに対し、市郎右衛門は気力を振り絞るように自らの息子への想いを伝える。

「俺はもう心残りはない。俺はこの・・・、渋沢栄一の父だ!こんな田舎で生まれ育った己の息子が天子様の朝臣になると誰が思うものか。お前を誇りに思っている」

「お前を誇りに思う」という父の想いを初めて聞いた栄一の目から自然にほろほろと涙がこぼれ落ちる…(涙)。 もうこのシーンは栄一と一緒に泣いてしまった…。以前土スタで吉沢亮くんが芝居を越えた涙が出たっていうエピソード聞いていたので、それを思い出したらなおさら…!!

父の愛情あふれる言葉を聞いて涙が止まらない栄一…。そんな息子に向かって市郎右衛門は「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるのでした。こんなんもう…、さらに号泣しちゃうじゃないの(涙涙)。とっさまの、最後のその言葉は涙なしには見れない…!!どんなに深く息子を愛していたのか、不器用だった市郎右衛門の真実があの言葉にたくさんたくさん詰まっていた。とっさまのありったけの愛情を受け止めた栄一はそれ以上何も言葉を告げることができませんでした(涙涙涙)。

とっさま…逝っちゃいやだよ…!!!もっともっと長生きしてほしいよ…。そう思っても、お迎えはそれからほどなくして来てしまった…(涙)。栄一が帰宅した2日後、市郎右衛門は後から駆けつけた千代や孫たち、そして家族みんなに囲まれながら静かにこの世を去りました。愛した人たちに送ってもらえて、とっさまも幸せだったと思います。

菜の花畑の中を厳かに進む市郎右衛門の葬列。亡骸が納められた棺には彼が心血を注いできた藍の織物がかけられていました…。畦道では数人の村人が手を合わせて偲んでいて…、多くの人から愛されていた人なんだなぁと改めて思いました。

なかを演じている村川さんのSNSに涙が出てしまったよ…(泣)。

葬儀が終わり渋沢家に戻った栄一は、千代と共に市郎右衛門に想いを馳せる。栄一はいつも父が座っていた場所に静かに腰を下ろし、机の上に置いてある分厚い藍玉帳を開きました。そこには、市郎右衛門がこれまで懸命に生きてきた歴史がびっしりと書き込まれてある。

最初のページの記録を目にしたとき、栄一の脳裏に幼い頃初めて一緒に商売の旅に出た日のことが蘇ってきた。第2話の冒頭のシーンが流れてきただけでもう…私の涙腺決壊(号泣)。お喋りな栄一に困惑させられながらも、嬉しそうに楽しそうに笑っていたとっさま…。そしてさらに、本格的に手伝い始めた頃のこと、初めての子供が生まれる時に一緒に全力疾走した時のこと、次から次へと父との愛しい思い出が溢れてくる(涙)。

いつも、どんな時も、厳しくも懐深く、優しく温かく見守り続けてくれたとっさま…。几帳面に記された文字にはそんな父の姿が色濃く刻まれているようだった。栄一は懐かしそうに笑みを浮かべながら「何と美しい生き方だ!」と感嘆の声を上げる。千代はそんな夫の姿を少し複雑そうな表情で見守っていました…。

栄一、君は「美しい生き方」ができているか?とっさまに恥じない人生を歩んでほしいよ…。

今回の放送を見ていたら、市郎右衛門さんのお墓にお参りに行きたくなってしまいました…。遠くてなかなか行けないのが残念ですが、いつか必ず訪れたいです。

『おんな城主直虎』の時には主人公よりも長生きして最後まで生き残っていた小林薫さんでしたが、今回は途中退場ということになってしまいましたね…。でも、本当に最高に素敵なとっさまでした!!素晴らしいお芝居、ありがとうございました。

来週も色々な展開がありそうですが、修羅場のようなシーンが最後に出てきたのが気がかりです(汗)。千代は誘惑に負けた栄一を許すことができるのだろうか…。心配(汗汗)。

完全版ディスク発売中!

【吉沢亮 (出演), 高良健吾 (出演) 形式 Blu-ray】
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