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【過去ドラマ振り返り】連続ドラマ『らせん』

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これまでずっと事件に協力し、助けてくれていた織田恭助先生は…実は冷酷非道な「看守」の東健一だったことが判明。正体がバレた・・・というよりかは、明らかになるのをずっと待っていたという印象のほうが強かったですね。やっと気づいてもらえたっていう感じだったし。それだけ自己顕示欲が強い男ってことでしょう。

東はこれまで自分が行ってきたことをすべて告白していきます。それゆえ、それまでドラマを見ていなくても、この回だけ見れば何となく概要が見える…ような気がします(笑)。

東は、科捜研の陸田に近づくために法医学教授の道を選んだという。つまりは、かつて自分をもてあそんだ陸田を今度は自分が操ってやるという意思が強かったのではないかと思われます。一番早くに正体を見破ってほしいと思っていたのも陸田だったと語る東。
よくよく振り返ってみると、彼は爽やかな織田先生の顔をして様々な有益な情報を提供しまくってましたからね~。正体をバラすヒントを自分自身で出しまくってたことになる。かなり屈折しとります。

まず、「囚人役」だった悪徳外科医で逮捕された小山に精神科医として接近した東。実験の時に警棒を鳴らすことで「囚人」役の子供たちを操っていた東は、この時も警棒をガンガン鳴らして小山の心理を操り老化を促進させるウィルスを拘置所内に拡散させる指示を出していた。拘置所の人間が抹殺されていたあのシーンは東が操った小山の仕業だったのです。

無言で脅してる時の、田辺さんの「目」の芝居がすごすぎる!!優しい織田先生と同一人物とは思えないような、獣を捕らえる鋭い眼光をしている。あんな表情されたら、そりゃ、一緒に仕事してみたいって制作者の人は思うだろうなと。

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東は陸田に実験の時に自分は誰よりも忠実にその役割を果たしたと迫る。問題を起こしたのは「囚人」役だったほうで、自分は悪い者に罰を与えただけだと言い放つところが恐ろしい。
でもよくよく考えれば、すべての元凶は陸田の実験なんですよね。あの実験が、そこに参加した子供たちの心に大きな悪影響をもたらし、不幸のどん底へと陥れていったと言っても過言ではない。東もその犠牲者の一人なのです。

さらに陸田に脅しをかけてくる東。陸田は「囚人」役だった子供たちが罪を犯していることを知り、”山村貞子”の予知能力を手に入れ未然に防ごうとしたことを告白する。貞子が蘇るきっかけも、陸田だったのです!
ところが、貞子の遺伝子を制御できなくなった陸田は恐れおののき、慌ててそのデータをパソコンから削除しました。が、東はそれを見越してこっそり貞子の遺伝子データを手に入れ地下のパソコンに保存していたというのです。貞子はバーチャルな世界から誕生してたってことです。

東は、罪を犯している「囚人」たちを抹殺するために”貞子”の予知能力を手に入れたかったのです。そしてまんまとそれを手に入れ、自らが手を下すことなく、安藤たちを駒として動かし次々と「囚人」たちを消していった。

そして、インチキ預言者の河合に電話で指示を送っていたのも東でした。群集心理をどれだけ操作できるかの実験のためだったという。しかし、図に乗って正体を暴こうと動き出したことを察知したことで彼を始末したという。
まるで人を人と思わない東の行動はいちいちゾッとさせられます。その異常さと冷たさが、東を演じる田辺さんのセリフからひしひしと伝わってくる。

しかし東は高野舞が貞子を感じられる能力があることに気づかなかったという。舞は貞子のデータを消すために地下のパソコンに辿り着きましたが、その途中で呪いの画像を目にしたため貞子に体を乗っ取られてしまったのです。
ということで、”山村貞子”は魂の部分は木村多江さんが、体の部分は矢田亜希子さんが演じることになっていました。木村さんはこの時まだ無名の女優さんでしたが、貞子役はめちゃめちゃハマってました。

舞の体を乗っ取った貞子は一度は老化ウィルスによって生命を失いかけましたが、よみがえらせるために東が治療を行ったのだという。第10話でその謎を解く手伝いをしてオロオロしていた織田先生でしたが、実はその陰でそんな恐ろしいことをしていたわけです。
そう考えると・・・東健一の演技力ってものすごい高かったんだなと改めて(笑)。

 

織田先生と東健一が同一人物とは思えないほど表情の違いを見事に演じている約21年前の田辺誠一、おそるべし!!!

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貞子を生き返らせたことで彼女を支配下に置いたとほくそ笑む東は「僕は世界の看守になる」と宣言する。彼は未だにあの実験の時の少年の心のまま生きているようにしか思えません…。

話を聞いた陸田は「もうやめてくれ!!」と悲痛な声を上げますが、東はそんな彼を乱暴にもてあそび、攻撃を試みた安藤をも制圧する。
ここで一つ印象的だったのが、人の心を失っているはずの東が、夏美を警棒で殴りつけようとした瞬間に思い留まったシーンです。悪魔のような顔をしていたのに、彼女の怯える顔を見て警棒を振り下ろすことを躊躇ってしまったように見えました。ということは、織田恭助として彼女の助けとなっていた時間が彼に人間らしい心を芽生えさせていたとも考えられるんですよね。それがなおさら哀しくもあるわけですが…。

東は貞子の遺伝子から未来を予見する力を手に入れたと語り「僕には未来が見えた、そして、自分のやるべきことが分かったんです」と告げると不気味な笑いを浮かべながら地下室から走り去ってしまいました。この時の田辺さんの表情も鬼気迫るすごさがありました。

陸田は「織田をあのようにしたのは自分の責任だ」としながらも、「私があいつに負けるはずがない」とギラギラした野心をのぞかせる。結局はこういう人なんだよ、陸田は…。
一方の安藤は、舞の体の貞子と遭遇し「私は織田に未来を見せてあげただけです」と告げられる。彼女は彼に操られているという意識はなく、むしろ自分が彼を操っているといったニュアンスを出してくる。その言葉に安藤は嫌な予感を覚えるのでした。そして最後に貞子は安藤に「あなたはもうすぐこの世から消える、織田があなたに死をもたらす」と予言を残します。

その後、織田(東)はマスコミ各社に「恐怖の大王」と称した手紙とウィルスを送りつける。この時すでに正体は知られており織田は指名手配されています。陸田は研究員に指示しウィルスを徹底的に調査、ワクチン開発に躍起になる。
織田の事務所には捜査員の手が入り、証拠品が押収されていく。そのさなか、彼を慕っていた助手・陽子の前にある人物が立ちはだかる。この助手を演じていた梓真悠子さんは加山雄三さんの娘さんということで、当時大きな話題となっていました。

調査の結果、ウィルスは空気感染はしないことが判明したものの、飲み水に混入される恐れがあるということで徹底的に警備が敷かれます。しかし、織田からの要求が全くなかったことから安藤は「何か見落としがあるのではないか」と不安を募らせていました。ウィルスはその後大学敷地内から発見されることに…。
それと同時に、勝ち誇った陸田のもとに織田から電話が入る。

「あなたは最後まで見破れなかった。ウィルスの意味も、僕が何に乗せてそれを広げようとしているのかも。ルールを知ってるのは僕だけだ。明日、世界は破滅する。明日僕はそれを実行する。あなたの負けだ」

そう言い残し、織田は電話を切る。陸田は混乱のあまり部屋で暴れまくるのですが、このシーンはちょっと面白くて少し笑ってしまいますww。陸田さんが分かりやすいキャラすぎる(笑)。

電話を切った織田は、ビルの屋上の上でどこか寂しい表情をしていました。この時彼には見えていたのです、未来の自分の姿が…。地下室ではギラギラした凶暴性を見せていた織田ですが、哀しげな一面をふとのぞかせていた。このあたりの演じ分けも実に魅力的です。

織田は持っていた携帯をビルの屋上に置いたままその場を立ち去りました…。

余談ですがw、この当時田辺さんが三菱の携帯電話CMに出ていて…同じ機種を持ちたかった私はしばらくずっとJ-PHONE使ってましたww。三菱はもう携帯から撤退してるんですけど(汗)当時の宣伝チラシは大切に保管してあります。

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貞子から「織田があなたに死をもたらす」と予言された言葉がずっと引っかかっていた安藤は、夏美と共に陸田の部屋で録音された織田からのメッセージを聞く。そのなかで彼が「僕が何に乗せて広げようとしているのか」「ウィルスの意味」という言葉にピンときた夏美はその媒介が「コンピューター」だということに気が付きます。

織田の本当の目的は、コンピューターウィルスに「呪いの映像」を乗せてばら撒こうとしていたことだと気が付いた二人。呪いの映像は見ただけで人の命を奪う恐ろしいもの。織田が目指していた「世界の破滅」とはそういうことだったのかと。
この役、芸能人の中ではいち早くパソコンを使いこなしてHPを作っていた田辺さんにはピッタリだなと当時思ったものです(笑)。もちろん、多くの人に幸運しかもたらさないものでしたが。

彼がばら撒くとしたら、地下室のコンピューターからに違いない。そう睨んだ二人は地下室へ向かおうとするのですが、織田の助手の陽子に足を刺されてしまう。その瞬間、安藤はすべてを悟ったうえで夏美を振り切り一人地下室へと向かうのでした。

地下に辿り着くと、すでに織田がコンピューターの前に座っていてウィルスを拡散する準備を行っていました。なんとかそれを阻止しようとする安藤でしたが、織田はそんな彼をあざ笑いENTERキーを押してしまう。100パーセントに到達した時、彼の目的が達成される。

しかし、安藤は苦しい息のなかで織田が見た「未来」が分かったと告げます。織田は、世界を見通す力を手に入れた時、自分が死ぬ日も見えてしまっていたのです。それがまさにこの日だった。だから彼は、自分の携帯電話を”もう必要がない”として屋上に置き去りにしたんですよね…。
うっすら笑いながら「そうですよ」と答えた後…

「だから僕はその前に世界中の人間を殺してしまうことにしたんです。だって、看守のいない世界なんて考えられますか?僕がいなくなった後でもこの世界が続いていくなんて考えられない」

と告げる織田。しかし安藤はそんな彼に「それこそが貞子の狙いだったんだ」と反論します。貞子は、自分が死ぬ日を悟った織田がやることを見通していた。彼女は操られていたのではなく、織田を利用して世の中の人間への復讐を果たそうとしていたのです。

「嘘だ、僕は間違っていない。未来を知り、そして最善の選択をしたんだ!」

と、あくまでも自分主体であることを主張する織田ですが、その表情には余裕がなく動揺が広がっていました。そんな彼を否定した安藤はコンピューターにアルコールランプを投げつけ、そこに火を放とうとする。
織田は彼が持っていたライターを警棒で払落しますが、安藤は必死に手を伸ばしてそれを拾えてしまうんですよね(汗)。あの時、もっと攻撃を加えてたり遠くへライターを蹴とばすこともできただろうにそれをしなかった織田。そのあたり詰めが甘いなと。彼はコンピューターのメモリが100に近づいていく過程を見ることにしか興味持ってなかったからね(苦笑)。

安藤はなんとかライターを手にしますが、織田はそれと同時にガスの管を抜いてしまう。ライターの火をつけた瞬間にパソコンだけではなく全てが失われることを見越しての行動。こうすれば安藤も火をつけるのを諦めるだろうと踏んでいた織田。
この、ガスを抜いてる時の織田の表情が…美しい悪魔のようでゾクっとします。

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さすがの安藤も、すぐに点火することができませんでした。ただ茫然とコンピューターのメモリが進んでいくのを見守るしかない状況。すると、織田はそんな彼の横に座りながら実験に参加した幼い日のことを回想し語り始めます。

「20年前、ここに集められた僕たちはみんな無邪気な子供だった。少しの間楽しいゲームをして、仲良く友達になって帰れると思ってた。でも、いつの間にか僕はこのゲームをちゃんとやり遂げなければと思うようになっていた。誰よりもちゃんとやり遂げた…!」

このセリフが一番哀かった…。特に「仲良く友達になって帰れると思ってた」っていう言葉は本当に切ない。そんな子供心を踏みにじり、崩壊させていった陸田の実験こそが「悪」だったと思わずにはいられません。

そんな彼に、安藤は「20年前にゲームは終わったんだよ」と諭すように語り掛ける。その言葉を聞いた瞬間の織田の表情がこれまた切なくて泣ける…。もっと前に、そう言ってほしかったのかもしれない。

それでもあくまでも「今日でゲームオーバーだ」とコンピューターを止めようとしない織田。安藤は必死説得を試みますが、警棒で殴られてしまい万事休す…。織田は「止めることなんてできないんだよ!」とパソコンの前でメモリが100パーセントに達するのを見守っている。
倒れていた安藤はその時ふと、妻から渡されていたお守りが落ちていたのを目にします。その時、彼の心は決まりました。「俺には大事なものがたくさんある、生きていてほしい人がいる」と語りながら再びライターに手を添える安藤。

織田は「やめろ!!本当に死ぬぞ!」と脅しますが、安藤は大切な人を守るためにライターの火をつけました。その瞬間、地下室全体が激しい炎に包まれ大爆発を起こす。織田が見た自分が炎に包まれる未来は、哀しくも現実のものとなってしまいました。

安藤には大切な人がいましたが、織田にはそういう人がいなかった。それゆえに世界中の人たちを破滅に導くことに抵抗感がなかった。もし彼があの実験に参加していなかったら…おそらく違う未来が待っていたに違いない。大切な人もできていたでしょう。そう思うと、本当にものすごく切ないシーンでもありました。

田辺さんのヒール役は『ガラスの仮面』前に放送されていた『サイコメトラーEIJI』でとても評判がよかったのですが、私は残念ながらこのドラマをほとんど見たことがなかったんですよね。真っ白なシャツを着た田辺さん演じる沢木が狂気の表情を浮かべていたシーンだけは覚えているんですが、ストーリーは全然わからずじまいw。

それだけに、『らせん』での田辺さんの美しきヒール役をがっつり見ることができたのはとても嬉しかったです。とにかく後半の加速していく悪役っぷりが素晴らしかった。それに、ただの「悪」ではなくそこに潜む「哀しみ」といった心情も滲ませていたのが本当に魅力的でしたね。今回久しぶりに見ましたが、改めて最高だったなと思った次第です。

田辺さん演じる織田恭助(東健一)の出番はここまでですが、ストーリーはまだ続きがあって。第13話では、なぜか安藤がきれいな姿で生存しています。なぜ彼は生き延びることができたのか。そして陸田との本当の戦い、さらには”山村貞子”の顛末など、けっこう盛りだくさんな内容が展開されています。
ホラー的要素はほとんどなく、人間ドラマで締めくくられているので見やすいのではないかと。ぜひ[PR]【フジテレビオンデマンド】で最後まで見てください。

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