宮城編もいよいよ大詰め、今回は第1部完結ということでオープニングはラストに入るという演出方法でした。
これまでの『おかえりモネ』感想レポ
自分の心の内を打ち明けるために実家へ戻りましたが、いざ皆を目の前にするとなかなか言い出せず…誤魔化すために飲み続けた日本酒でべろんべろんに酔っぱらってしまいましたw。モネちゃん、けっこうお酒弱い質かもね(酒癖もちょっと心配ww)。
暫くしてようやく我に返った百音は、心配する家族を前に意を決してポツリポツリと語り始めました。まだ家族に話していなかったことを告げるときが来たと覚悟を決めた様子。
まず最初に、「私、東京に行きます」と結論から告げる百音。予想通りここは耕治さんが一番ビビってましたw。登米でも心配してたのにさらに東京ともなるともっと遠くなっちゃいますからね(汗)。でも、「気象に関わる仕事をやってみたい、それが東京にあって…」と説明すると止めたい気持ちをグッと抑えたようでした。
そして、今まで言葉にすることをずっと避けてきたことを話し始める百音。
『おかえりモネ』第45話では、百音(#清原果耶)が島を離れた理由を家族に明かす#おかえりモネ
https://t.co/2QZ5DwE9wH— リアルサウンド映画部 (@realsound_m) July 14, 2021
「私が…、どうして島を離れたいと思ったのか…」
高校を卒業するタイミングで「島を出たい」と突然告白したあの日の真実を家族に告げるのはすごく勇気がいることだったと思います。でも、新しい旅立ちを前に少しでも心の重荷は軽くしていたほうがいい。それに、なぜ百音が島を出ると言い出したのか、気になりつつも深くは追及しなかった家族の優しさ(耕治はけっこう粘ってたけどw)に応えるためにも、ちゃんと理由を説明しておく必要があると思う。
震災のあったあの日、百音は「みんながとても大変な想いをしている時一緒にいられなかった」ことをずっと悔やんでいたと告げる。母は島にはいなかったものの職場の小学校で生徒を守るべく奮闘していたし、祖父は漁に出ていて島に近づけないという理由があった。家に残っていた妹は、必死に祖母を避難所まで連れて行ってくれていた。
だけど、百音はあの日、あの瞬間、何も頑張れることをしていなかったという負い目がある。ジャズの音色に心が踊りそこに留まる決意をしてしまったことの後悔がずっと心に住み着いて離れない…。
数日後にようやく島に戻れた時、皆が無事であることを確認できて嬉しかった。でもそれと同時に…、友達の空虚な眼差しを目の前にして体が動かなくなってしまった。
「何かが、もう違った」
島に残った友達や妹たちと、島を離れていた自分との間に立ち塞がる心の厚い壁をあの時感じてしまった百音…。あの時は誰も百音を責めなかったけど、数か月後に妹の未知は「お姉ちゃん、津波見てないもんね」と冷たく言い放った。この言葉がいつまでも百音の心に大きな棘となって突き刺さっているのは、未知と同じ気持ちを周りの皆も抱いていたと感じたからじゃないだろうか…。
そこからどんどん罪悪感が膨らみ続け…「私、何してたの?」と心の中で自分を責め続けるようになった。
「あの時何も出来なかったていう想いが、島にいるとその想いから抜け出せなくて…、それでとにかく島を出たいって…」
涙をポロポロ流しながら、それでも一生懸命家族にあの時の気持ちを伝え続ける百音の姿に、見ているこちらも切なくて涙が止まりませんでした(泣)。高校を卒業するまでそんな罪悪感に苛まれ続けていたなんて…どれだけ苦しかっただろうね…。島に居続ける限り、ずっとそんな気持ちに追い詰められてしまう。彼女の心はもう限界を迎えてしまっていたのです(涙)。
あの時、突然の「島を出たい」宣言に家族は驚きを隠せませんでしたが強くはそれを引き留めようとしなかった。おそらくみんな、百音の心に抱える闇に気づいていたからじゃないのかな…。
特に姉にキツイ本音をぶつけてしまった未知は確信めいたものがあったと思います。あの時、姉を追い詰めてしまったと彼女も自分自身を責めたかもしれない…。
だけど、気象予報士という夢を見つけてからは「自分にもできることがあるかもしれない」と一筋の希望の光を見出すことができた。未来が予測できる気象を学ぶことによって、危ない目に遭うかもしれない誰かを救うことができるのではないか。百音の苦しかった心の内を救ってくれたのは、気象予報士という夢を持てたことだったのです。
「そんなの無理かも知れないけれど…、でもこの仕事で誰かを守ることができるのなら、私は全力でやってみたい。大切な者を亡くして傷つく人はもう見たくない」
出来るかどうかわからないけれど、そこにチャレンジしていくことにかけてみたいと熱意を語る百音。自分にできるかもしれない「何か」を見つけられたことが彼女の心を救ったのだとしたら、それを止めることなんて誰にもできないと思います。
仏壇の雅代の遺影と確かめ合うように目線を合わせた亜哉子が「わかりました」と笑顔で答えたシーンはとても印象的でグッときました。娘の気持ちをすべて呑み込めたことに母としてホッとする想いもあったんじゃないかな。
涙ぐみながら聞いていた耕治や、穏やかな笑みを浮かべた龍己、いろんな気持ちが沸き起こっていたであろう未知の姿も泣けました(涙)。家族がそれぞれ、ちゃんと百音の気持ちを受け止めたんだと思う。ずっと心に閉じ込めてきた重い気持ちを告白できて、本当によかった。
その日の夜、耕治は百音に楽器ケースを「これも持っていくか?」と渡そうとしましたが、すぐに娘の気持ちを察して「持って行かねぇか…」と苦笑いしてしまう。百音もやはりまだ楽器に触れあうには時間がかかると思う。でも父としては、いつかもう一度娘に大好きだった音楽と向き合ってほしいという気持ちはあるだろうなぁ。
そんな想いを察したからか、百音は父が登米で作った”木の笛”を代わりに持っていくと告げました。それがきっと彼女の音楽に触れる精一杯・・・。
「なんか吹きたくなったら、これ吹く」とぶっきらぼうに告げる娘に
「モネの気持ちはお父さんが一番わかる」
と告げる耕治。最初の頃にこのセリフを聞いた時には「それがウザいんだよなぁ」なんて苦笑いしちゃったけど、今ならこの言葉の重みが伝わってくる。あの日、百音と行動を共にしていた耕治には痛いほど娘の苦しい気持ちが理解できたと思います。もしかしたら、あの時自分がジャズ喫茶に誘ってしまったことを悔やんでいたかもしれない。
それに、耕治自身も「何もなくしてない自分は何をしてやれるんだ」と苦悩したこともありましたからね…。色んな意味で、百音と一番気持ちが近いのは彼だと思います。
だけど「娘の気持ちを一番わかってるっていう父親ほど、愚かなものはないけどな」と苦笑いしてその想いを誤魔化した耕治さん。それもきっと、父としての彼の優しさ…。百音にもそれは確かに伝わっているようでした。
翌朝早く、百音は登米に戻っていきました。「あの子はもう島には帰ってこないかもしれないな…。それはそれで、いいな…」と呟いた耕治と、笑顔で頷いた亜哉子。二人とも百音が遠くへ旅立つことを寂しいと思いながらも、希望を見出し一歩前に踏み出した娘のことのほうが嬉しかったんじゃないかな。とても優しい良い両親だなって思えてここもちょっと泣けました(涙)。
引っ越しの準備も済ませ、いよいよ百音が東京へ旅立つ日がやって来ます。その前に菅波にこれまでの感謝の気持ちを伝えた百音。
明日のおかえりモネ:第9週「雨のち旅立ち」振り返り 百音は東京行きを決意 家族に告白、サヤカとの別れ https://t.co/8TLBwQT0EQ
— MANTANWEB (まんたんウェブ) (@mantanweb) July 16, 2021
そのうえで、「東京で先生とはバッタリ会えるかも」とニッコリ笑う百音でしたが、「会いたい人に会いたい時会えるほど生ぬるい世界ではありません」とピシャリとそれを否定してしまう相変わらずな菅波先生に思わず苦笑いしてしまったww。これも照れ隠しなんだろうけどねぇ、最後まで本心を彼女に見せようとしなかったなぁ、全くww。
だけど、菅波先生には東京で会えると思うよ。っていうか、そういう機会がきっと訪れるはずだと信じてる(笑)。
「じゃあ、また」とあっさりお別れの挨拶を終えようとしたその時、森林組合事務所から川久保さんが
「最後までそれだけかよーー!!」
と言いながら飛び出してきた(笑)。すると後からわらわらと色んな人も雪崩れ込んでくる。皆またこっそり二人の進展を期待して覗き込んでいた模様ww。でも川久保さんの雄叫びは、見ている私とほぼ同じ気持ちでもあったのでちょっとスッキリww。やっぱり百音と菅波の関係にヤキモキしてたのね、皆(笑)。
盛大な送別セレモニーにビビる二人。特に菅波先生のビビりっぷりが可愛すぎた(笑)。皆に温かく送り出してもらえて、百音は幸せ者だね。
その後、サヤカに会うためヒバの木が切り落とされた現場に足を向ける百音。よくその場所にサヤカがいるってが分かったね。誰かに居場所を聞いたのかな。切り落とされたヒバは未だに持ち出されることなくその場に横たわっていました。
旅立ちを告げる百音に「送らないよ」と告げたサヤカ。たぶん、見送りに行ったら泣いてしまうと分かるからあえて行かない決断をしていたのでしょう。百音にはそんな姿、見られたくなかっただろうしね。
でも、どことなく寂しそうなサヤカの表情が気になった百音は「10分後にあそこの空見て下さい」と指さして笑顔でその場を立ち去っていきました。
そして約10分後、切り株の上に座っていたサヤカに一筋の太陽の光が注ぎ込む。ふと足元に目をやると、ヒバの根っこから小さな新しい新芽が顔を出していました。その新しい命と新たな一歩を踏み出した百音の姿が重なって見えたであろうサヤカさん。熱い思いが沸き起こり涙がこみ上げてしまうシーンは涙なしに見られなかった(泣)。
そして百音が言っていた方向の空を見上げると、そこには美しい「彩雲」が浮かんでいました。
「山の神様!…海の神様でも空の神様でもいい。どうかあの子に、良い未来を…!」
色とりどりの美しい雲は、心に抱えた震災のトラウマを乗り越え新しく旅立っていった百音の新しい姿に重なって見えたのかもしれない。その雲に、彼女の明るい未来を願わずにはいられなかったサヤカさんの母心にまた泣きました(涙)。
たくさんの人の「愛」を一身に受け、百音は東京へと一人旅立っていきました。
でも、就職の件はどうなっているのかは気になるぞ!???決まってないのに東京へ向かっていたとしたら…、感動する前に不安のほうが大きくなっちゃうんだけどw。とりあえず、頑張れモネ!!