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NHK朝ドラ『おかえりモネ』第29話ネタバレ感想 迷うための時間

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これまでの『おかえりモネ』感想レポ

おかえりモネ
おかえりモネ
2021年度前期NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の感想レビュー

サヤカの家の大きなテーブルを見た百音は、田中が別れた家族ともう一度一緒に食卓を囲みたいという気持ちがあったからではないかと気づきました。どこかでトムさんに家族が昔いたっていう話聞いたのかな。

後日、田中の喫茶店を訪ねて「もう一度考えてみませんか?」と提案してみた百音でしたが、その時思いもかけないトムさんの過去の黒い武勇伝を聞いてしまうことにw。なんと、結婚していた当初、奥さんと子供がいる身でありながら目移りした複数の女性をとっかえひっかえしていたらしい(爆)。そのエピソードにドン引きしまくる百音に対して飛び出した言葉というのが…

「わりとよくある話だったんだよ。昭和の倫理観だよ」

いやぁ、「昭和の倫理観」っていうすごいパワーワードが飛び出しましたなww。えっと、これって・・・某タレントが「○○は文化」と言って総スカン食らった時期と重なりますかね(爆)。トムさん、気のいいおじさんだと思ってたら…

実はゲスだった

という事実がここで発覚してしまいました(苦笑)。百音じゃなくてもドン引きだよ(苦笑)。でもあまりチャラチャラしてたようにも見えない気がするし…どこか憎みきれないような…(いや、騙されちゃいかんwww)。
とにかく、それが原因で奥さんと子供に愛想をつかされ身ぐるみはがされて出て行かれたと。まぁ、自業自得ってやつですな。重い病にかかってしまったのも因果応報ってやつだったのかもしれません。

元の奧さんや子供さんにはそんな過去があるが故に会っていないと話すトムさん。でも、風の噂で居場所だけは知っているとのことで…、夏ごろには娘さんに子供が誕生するという話も聞いたらしい。

百音が勘付いたとおり、田中が大きめの机と椅子を注文したのは心のどこかで「元の家族に会いたい」という気持ちがあったからでした。特に、夏に生まれてくる孫に会いたいという想いは強い。夏に「蓮」の写真を撮りに行きたいと語っていた裏にはそういう事情があったのか…。でもその反面、病に侵されてしまった情けない今の姿を見られたくないという気持ちもある。そのことがトムさんの”生きたい”という気持ちを削いでしまっているのかもしれません…。

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菅波が登米を離れ東京へ帰る準備をしていた時、百音は「田中さん、本当はもう少し頑張れたらと思っているのでは」と声をかける。積極的治療を望まないトムさんに自分ができることはない、という彼の言葉が彼女の中で引っかかっていたからでしょうね。だから、トムさんの本心は違うところにあると思うから何とか助けられる道を模索できないかと迫ってしまう。でも、菅波は百音の言葉をスルーし逃げるようにその場を立ち去ろうとしました。
そんな彼の態度に腹が立った百音は思わず「知識や技術や資格もある先生だったら田中さんを助けてあげられるのに…!」と自分の想いをぶつけてしまった。

その言葉に振り返った菅波は「助けられるものならやってます!!」と珍しく激高してしまいます。

どうあがいてもトムさんの命を救うことは今の技術では極めてゼロに近いし、本人もそれを理解している。だから、助からない命だと理解している人の内面にズカズカと踏み込んでいくことができずにいた。怖くもあったと思う…。医療の限界という壁にぶち当たり、救えない命と向き合うことで菅波先生は苦しんでいたんじゃないかな…。

「僕が挫折したことない…って言いましたよね…」

と百音に突き付けた言葉に、菅波先生の心の痛みを見た気がしてとても辛かった(涙)。その後ふと我に返り、大きな声を出してしまったことを謝罪したところが彼らしくもあったけど…。

この時初めて、百音は自分が発してしまった言葉が菅波の心を大きく傷つけてしまったことを悟り涙を流しました。でもそのことに気づくことができたのは良かったと思う。

菅波が帰宅した後、いつもの誰もいなくなった喫茶コーナーで気象予報士試験のための勉強を始めた百音でしたが、あの後では何も頭に入らないよなぁ(汗)。そんな時、「喧嘩でもしたの?」とサヤカが少し笑いながら入ってきました。二人のやり取りを偶然聞いてしまったのかな(もしくは進展あるかもと偵察してたとかww)?

 百音は、何も分かっていなかったのに菅波に無神経な言葉を言って彼の心を傷つけてしまったとサヤカに打ち明けました。罪悪感からかすっかり意気消沈してしまった百音を見たサヤカは語りかける。

「余裕しゃくしゃくで生きているように見える立派な大人も、本当はジタバタもがきながら生きてんの。案外傷ついてるし、必死なのよ」

優しく寄り添うように諭すサヤカさんの言葉がとてもよかった。落ち込んでいた百音の心にこの言葉の意味が自然に染み込んでいったんじゃないかな。こうして少しずつ大人に成長していくんだろうね。

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次の日の朝、百音は日曜日でヘルパーさんがつかまらなかったというトムさんのために身の回りの手伝いをするべくジャズ喫茶を訪れていました。
すると、東京へ戻るはずだった菅波が突然やってきてビックリ仰天w。昨日の今日ってこともあるし、今ここで顔を合わせてしまうのはやはりちょっと気まずい。ということで、トムさんには自分はいないことにしてもらい身をひそめることになってしまいましたw。もう少し時間置いたらちゃんと謝ろうね。

百音が来ていることを露知らぬ菅波は、少し戸惑い気味に「高速バスが事故渋滞で遅れているみたいだから、少しの間ここで待たせてもらってもいいですか」と切り出しました。でもこれっておそらく、取ってつけた”方便”だったんじゃないかな。
「田中さんを助けられないのか」という百音の言葉に思わず激高してしまったけれど、心の中ではやはりそう簡単にトムさんに命を諦めてほしくないと思っていたのでは。つまり痛いところを突かれたっていうのもあったんじゃないかと。だから、もう一度トムさんの命としっかり向き合うために彼の元を思い切って訪ねてきたんだと思いました。

田中はコーヒーを出し、「東京と行ったり来たり大変だね」と話しかける。それに対して「時々うんざりするけれど、無性にこっちに来たくなる時もある」と答える菅波。たしか最初の頃は登米にイヤイヤ来てる感満載だったよねw。それがいつの間にかそんな心境に変化していたとは…トムさんと同じく少し驚きました。
でも、東京か登米かどちらがいいのかというのは自分でも未だによく分からないと語る菅波。そのうえで「本心なんてあってないようなものだし、人間なんてそんなものだと思うから、毎日言ってることが変わってもいい」と告げる。これを聞いたトムさんは、それが自分に向けた言葉であることを悟ります。

「長く生きたいと思う日もあれば、終わりにしてしまいたいと思う日もある。そんな風に考えが変わるのは当然です」という、患者の心に繊細に寄り添おうとする言葉に思わず目頭が熱くなってしまった…。そのうえで、”自分がそうしたい思う方向をいつでも変えられるための治療”をしていかないかと提案しました。

「積極治療っていうのは…、明確な目標を掲げた前向きな治療のことばかりを言うんじゃないと僕は思うんです。迷う時間を作るための治療だと思いたいです」

一つ一つ言葉を選びながら、真摯にまっすぐトムさんに届くよう思いを込めた菅波先生のセリフに思わず涙があふれてしまいました(涙)。「生きるために前を向いて頑張れ」というのではなく、「どちらの選択も尊重するから、一緒に迷いながら向き合っていきましょう」という言葉の温かい優しさが沁みて沁みて仕方なかった…。こんな先生だったら、自分の命を預けてもいいと思ってしまうよ。

でもさすがにその後飛び出したトムさんの女癖が悪かったエピソードには、さすがの菅波先生もササーっと引いちゃいましたね(笑)。
まぁ、トムさんの女性遍歴はダメダメですけど…、どの人が自分に合った女性なのか探してたっていう節はあるみたいだし、遊びまくりのゲスっていうのとはちょっと違うのかもしれないと思ったりw。いやいや、でも、結婚して子供までいましたからね、やっぱり許される行為ではありません(汗)。

「迷うための時間」という菅波の言葉は田中に再び”生きてみよう”という気持ちを思い起こさせたようでした。そんな彼に「やめたくなったらいつでも言ってください。また考えましょう」とちゃんと逃げ道も示してくれる菅波先生はどこまで優しい人なんだろう…。ホント、涙が出るよ(泣)。
最後まで笑顔を見せなかったと苦笑いしていたトムさんでしたが、菅波の不器用な優しさはこれでもかというほど沁みていたはずです。

「やっぱり作ってもらってもいいかな、テーブルと椅子。諦めたくないって思ってるのかもしれないな。だから頼むよ」

再び生きる気力を取り戻したトムさんを見た百音は嬉しそうに笑顔を向けるのでした。二人の会話をこっそり聞いていた百音にもきっと、菅波先生の温かい優しさが伝わっていたはず…。少しずつでも関係が進展するといいな。

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