共演者たちからの冷たい視線をビシビシ浴びながらも稽古は続行されている。それにしても、あんなこれ見よがしに大声で誹謗中傷するって・・・そりゃちょっと酷すぎやしませんかねぇ。仮にも稽古の真っ最中でっせ!?黒沼さんも注意しなよーー!!
こんな環境の中では、どんなにマヤがオオカミになり切ろうとしても無理でしょ。考えないようにしようとしても、どうしても心の動揺は抑えきれず体が動かなくなってしまう。
さらに今度は大量のマスコミが稽古場にマヤの話を聞こうとなだれ込んでくるえげつなさ!!っていうか、この押しかけてる人たちの質問内容が無神経極まりなくて・・・ほんと、マスゴミ!!マヤは何も悪くないのにねぇ…。こんな時速水さんがあの場にいたらなぁ…。
最初は桜小路くん一人で抑え込もうとしてましたが、さすがの黒沼さんもついに「稽古の邪魔だ!」と彼らを追い出そうとする。騒然とする稽古場のなかで、マヤは居たたまれなくなり…場を収拾させるために自分の想いをカメラの前で話す決意をします。
マヤは「私のことはどう書かれても構いません」と答えながらも、拓矢については「前科があるというだけで兄のことを悪く言うのはやめてください!」と強く訴える。以前は問題を起こしたかもしれないけれど、ついこの前までちゃんと真面目に働いていたことを知ってるから…たった一人の血の繋がった兄だから…信じてるんだよね。
「過去に問題を起こしたら、もうやり直せないんですか?取り返しがつかないんですか?兄のチャンスを奪わないでください…!やり直そうとする兄のチャンスを奪わないでください!!」
そのあとも「兄を信じています、兄はそんなことする人じゃありません!」と必死に拓矢を庇い訴え続けるマヤが泣けます(涙)。あの状況下でよくそこまで言えたと思うよ。兄のことを守ろうと必死になってる姿がいじらしすぎて胸が痛い。
この会見の様子を偶然通りかかった電気屋の街頭テレビで見た拓矢は、マヤの言葉に言いようのない想いがこみ上げてくる。と、そこへ例のゴミみたいな週刊誌記者が再び接近。さんざん嫌味を浴びせた後、立ち去る背中に「お前みたいな兄貴がいる限り北島マヤはもう二度と芸能界に戻ってこれないだろうな!」と叫ぶ。
最低だな、この週刊誌記者!!〇春以下じゃないの、これ!?こんなやつがいる週刊誌なんか買いたくないわw!
自分の存在のせいで大切な妹の経歴に傷をつけてしまったと思い込み、拓矢は自暴自棄に陥っていく。マヤが芸能界から追放されてしまうかもしれないという言葉が彼の頭から離れない。これはちょっと、危険な方向へ行っちゃう予感しかしないな…。
一方のマヤも報道されて以降街中で冷たい視線を浴びまくることになってしまう。あの会見はむしろイメージアップに繋がるように思えたんだけど…おそらくマスゴミの報道の仕方が悪意に満ちた形になっていたんだろうね。この時代は人権に関してもまだまだ甘いところがあったし、こういうことも実際まかり通ってたかもしれないなぁと。
ただマヤの場合、ドラマの撮影に穴をあけて一度芸能界追放されてますから…そこがイメージダウンの要素に繋がってしまっていたというのがある。うーーん、厳しい世界!
週刊誌の記事でマヤが窮地に陥っているという情報は真澄のもとにも届いていた。記事を書かせた記者について水城探偵wが必死の捜索を開始しているようですが、いまだにしっぽをつかめない様子。
報告を聞いた真澄は「いったい誰なんだ!?」と苛立ちを募らせていきますが…あーーー、教えてやりたい!!っていうか、気づいてほしい!!あなたのすぐ、ほんとにすぐ間近に黒幕がいることをーーーwww!!!
マヤのことは水城さんもかなり心配しているようで「やっと芸能界復帰できたというのに…。このままだとマヤさん、また芸能界失脚ということに」と口に出してしまう。すると、これを聞いてさらに気が気じゃなくなってしまう真澄は
「そんなことは俺がさせん!!!記事の出所を徹底的に洗え!!!なんとしても突き止めるんだ!!」
と厳しい口調で再度水城にハッパをかける。大切なマヤが生きがいを失ってしまいかねない事態になって、速水さんも生きた心地がしてないでしょう。必死に窓際に立って自分にできる救済方法を模索しているようでした。
ところが、マヤを取り巻く環境はさらに悪化。興行会社も手を引いてしまい、桜小路くん以外の共演者たちはいっせいに稽古場を去っていった。ま、あの共演者たちはただ雰囲気悪くするだけの存在だと思うのでこっちから願い下げって言いたいくらいですけどね(苦笑)。どうせ大した芝居できなかったと思うよ。
しかし、これで『忘れられた荒野』の上演はますます厳しくなってしまった…。マヤは泣きそうな顔になって黒沼に謝罪しますが、それを見た彼はけだるい顔でタバコを吸いながら「帰れ!」と一喝する。
「お前の目は、今死んでる!そんな役者に、用はない!」
と冷たく言い放ち顔をそむけた黒沼。彼的には、どんなに窮地に陥ってもギラギラした役への情熱を持ち続けたマヤと芝居をしたいという想いが強いゆえ、こういう言葉が出たんだと思うんだけど…今のマヤには残酷すぎるよなぁ。
マヤが肩を落としてアパートに戻ってくると、扉の前に真澄が立っていた。やっぱり動いてくれましたねw!
ここまで色んなことがありすぎて不安だらけだったマヤは思わず「やっぱりお兄ちゃんが強請ったって本当のことなんですか!?」と問いただしてしまう。すると、ため息交じりに「テレビで言ったことは嘘か?」と彼女に問いかける真澄。「一度口にしたことは最後まで信じろ!信じてやれ!」と力強くマヤを説得するわけで・・・あ~、こういう時はやっぱり速水さんだなぁと感動w。ところが、それでもまだちょっと不安そうな表情で彼を見つめているマヤ。すると・・・
「俺が強請られるような男に見えるか?」
と虚勢を張って見せる真澄ww。いや、ごめん、速水さん・・・わたし、ちょっと、そう見えてた(笑)。いやだって、一億の小切手を見せられたときめっちゃ動揺してたの見ちゃってるもんでw。
でもマヤはその言葉に安心感を覚えた様子。ということは、速水真澄は強請られるような軟な男じゃないんだって思ってるってことだよね。これは喜んでいいべきかどうなのか…難しいな(笑)。ともあれ、マヤが少し元気を取り戻せたことに安堵した真澄。
「何があっても、虹の世界だけは捨てるな!」
と笑顔でマヤを励まします。優しいよね~、ほんと。すごく愛されてるよ、マヤは。早く分かってあげてよ、その想いをーーと思っちゃうw。
しかし…あの金銭授受の写真の真実はマヤが思っていたのとは違うものだからなぁ…。それを知られたときのことを考えると複雑だ(苦笑)。
一方、連日の悪意ある報道でいまだ闇の中をさまよい続けている拓矢。マヤの芝居への熱い想いを聞いていただけに、自分が存在していることでその道が立たれてしまうのかもしれないとかなり思い詰めている。
そしてとうとう、「俺さえいなければこんなことに…!」という思考に辿り着いてしまう拓矢。もうこれは嫌な予感しかしません!
兄の行方が掴めないまま悶々として母の墓参りをしたマヤは、墓石の脇に置かれてある一枚の写真に気付く。それは、拓矢が離み離さず持っていた若き日の母と赤ん坊の頃のマヤの写真で…その裏には一言だけ「すまない、マヤ」と書かれてあった。それって、まるで遺書・・・!!!
イヤな予感がしたマヤは必死に拓矢の行方を捜しに走る。そして辿り着いたのが、崖!!このシチュエーション・・・サスペンスドラマかよっww!!!
吸い込まれるように海の方向に向かってふらふらと歩いていく拓矢を目撃したマヤは必死に止めに走る。そんな妹に「来るな!!」と一喝した拓矢は暗い顔で「俺がいればお前が傷つくだけだ」と告げてしまう。そして最後に「テレビ、嬉しかったよ…」とうっすら微笑み再び海のほうへジリジリ下がり…ついに飛び降りようとしたその瞬間、間一髪のところでマヤは拓矢を食い止める。
これってほんとに、サスペンスドラマでかつてよく見た光景とよく似てたw。
暗い顔で見つめてくる拓矢に、マヤは必死で「生きて…お願いだから生きて!生きることを諦めないで!」と呼びかける。
「わたし、お兄ちゃんと一緒なら傷ついたってかまわない。傷ついたりなんかしない。人が、お兄ちゃんのことどう言ったって、私はかまわない!そのことでどんなに追い込まれたって、私は平気だよ!!」
拓矢はマヤにとって大切な血の繋がった「家族」と呼べる唯一の存在。それゆえに、必死に「自分は大丈夫だから」と訴え続けてる姿があまりにも健気で泣けます…。たとえどんなに傷つけられても、1パーセントでも可能性がある限り芝居をやめたりしないと強く訴え続けるマヤ。
「だからお兄ちゃんも諦めないで!!生きることを諦めないで!!自分のために生きて!私のために生きて!諦めたりなんかしないで!!お願いだから・・・ね、お兄ちゃん・・・!」
目にたくさん涙をためて必死に説得する妹の姿を目の当たりにした拓矢は、ついに心を動かされる。
「約束したもんな…。次の舞台、必ず観に行くって…」
マヤの心からの兄への想いが通じた瞬間だった。拓矢は立ち上がりもう一度生きる気持ちを取り戻しました。
この場面、本放送で見たとき思わずちょっと涙が出たんですよね。拓矢の存在については色々言われてきたけど(今現在もですがw)、お互いがお互いを唯一の「家族」としてとても大切に想ってる気持ちが切々と伝わってきて・・・個人的にはすごく良いシーンだったと今でも思います。
マヤの言う「生きて」って言葉は、拓矢に対して「自分の人生を生きてほしい」という切なる気持ちも込められてるんじゃないかな。マヤが芝居に人生の生きがいを見つけたように、拓矢にも何かそういう熱いものを見つけてほしいと…。きっと生きてれば見つかるはずだって、それをマヤは拓矢に伝えたかったんじゃないかなと、今見るとそう感じてしまい胸が熱くなります。
今回の一件で、改めて芝居への情熱を取り戻したマヤはすぐさま稽古場へ向かい黒沼に稽古をつけてほしいと頼み込む。その目を見た黒沼は
「やっと目に強さが出てきたな!何かを求めるときの目の光だ。俺はずっとその時を待ってた。お前はきっと、ジェーンの野生の光を見出すことができるだろう!」
とマヤに大きな期待をかける。ただただ、マヤが芝居に対する情熱を取り戻すのを待っててくれたんですよね。まだ会って間もないのにそこまで信じてくれるとは、黒沼さんはやっぱり先見の明のあるすごい演出家なんだと思う。
彼は芝居を打つことを全く諦めていなかった。なんと4年間も温め続けていた企画らしい!ジェーンを演じられる女優と出会うのをひたすら待ってたということか。それは何が何でもやらなきゃね。役者も自分が見つけてくるとやる気満々ですw。
再び生きる気力を取り戻した拓矢は、マヤとの食事の約束を取り付けたらしくいそいそと買い出しをしていました。ところがその帰り道、衝撃的な光景を目にしてしまう。
銀座のウェディングドレス店から紫織と出てきたのは…なんと速水真澄だった。
(ん!?拓矢くん、どこの商店街から銀座に出てきたw!?←ツッコんじゃダメww)
…っていうか、ヲイーーー!!!結局紫織のウェディングドレスの仮縫いに付き合わされたんかいwww!!!
日程伸ばして断れないように仕組んだな!?おそるべし、サイコパス紫織w!
それにまだ彼女の本性に気が付いてないからなぁ、速水さんは(苦笑)。白々しく「心配しましたのよ」なんて言っちゃってる彼女に「根も葉もない記事です、人の噂もすぐに消えるでしょう」とまじめに答えてしまってる(苦笑)。
拓矢は真澄が紫織の婚約者であることをこの時初めて知り大きな衝撃を受けます。彼の中で色んな事が繋がっただろうね。マヤに犯罪まがいの仕打ちをしてた原因が彼女の異常な独占欲からきていたってこれで気づいたと思う。
仮縫いからの帰り道、真澄のもとに拓矢から電話がかかってくる。切羽詰まった声で「会ってくれ、大事な話がある」と伝える拓矢。この時にその理由も話しておけば…いや、せめて、紫織の名前だけでも出していてくれたら…!!
しかし、会ってから理由を話すとして待ち合わせ場所と時間だけ指定して電話は切れました。その様子を隣でうかがう紫織でしたが、真澄は誰からの電話かは話さなかった。ここはナイス判断!!ところがそのあとニヤリとしながら…
「仮縫いに付き合っていただけたということは、あなたの心にある人はもう忘れると思ってよろしいのかしら?」
と嫌なことを訪ねてくる紫織(苦笑)。それに対して何も答えられずただ目を泳がせるだけの速水さんwを見ると「まだそこまでは、割り切れてないみたいですわね」とほくそ笑む。蛇みたいな女だな、ほんとにww。完全に主導権握られちゃってるじゃないのーーw。
そのころ、ルンルン気分で拓矢と一緒に食べるスキヤキの準備に取り掛かっているマヤ。どうやらお料理は苦手分野のようだねww。でも、一人暮らしの間に自炊もしたと思うんだけど…彼女の食生活は大丈夫だったのか!?ちょっと心配になった一コマw。
すると一本の電話が鳴り響く。この時代はまだ携帯電話は広く普及されてませんでしたから、マヤのところは家電なんですよね。しかも懐かしの黒電話!!何もかもがレトロなお部屋w。
電話をかけていたのは拓矢。おそらく、真澄と8時に会う約束をしていたので遅れると連絡をするためにかけたのでしょう。しかし、料理の準備に四苦八苦していたマヤは手間取っていてすぐに電話に出ることができなかった…。
拓矢も携帯を持っていないので公衆電話が主な連絡手段だったわけですが、待ってる間にふと外を見ると一匹の子犬が車道に飛び出していくのが目に入ってしまう。急いで子犬を抱きかかえたその瞬間、拓矢は走ってきたトラックに撥ねられてしまいました…。
子犬は無事だったものの、拓矢は全身を強く打ったからか意識がもうろうとしている。そして途切れる前に「生きろ…」と手を伸ばす。これは自分自身を鼓舞しようとしていたものなのか、それともマヤを意識したのか…。
そのタイミングで電話にようやく出れたマヤの声が空しく響き渡っている…。
マヤは結局その電話が誰からのものか分からないまま、再びスキヤキの準備に取り掛かってしまった。
この場面、もうなんか設定が色々ベタすぎだな~と思った。幸せの一歩手前で、動物を助けようとして車にはねられて重体になる(=ほぼ死)っていうパターン、90年代のドラマではけっこう多く見かける光景だったので(汗)まんまその方程式が出てきて逆にびっくりしましたw。
なんとかスキヤキの準備も完成し、あとは兄と肉を待つばかりの状態になっているマヤ。するとそこへ一本の電話が入る。それは兄からのものではなく、警察からのものでした…。その電話で兄が事故に遭ったことを知ったマヤは激しい衝撃を受け急いで病院に向かう。
同じころ、待ち合わせの場所で拓矢が来るのを待っていた真澄でしたが、なかなか時間になっても現れないことを不審に思っていました。それにしても指定した場所が横浜ベイブリッジの真下だったとはね。
そこへ水城がタクシーで駆けつけてくる。どうやって知ったんでしょうか、その場所を!?水城探偵のサーチ能力がすごすぎるw。慌てた様子の水城から拓矢の一件を聞いた真澄も急いで病院に向かいます。
マヤが病室に駆け込むと、そこには変わり果てた姿の拓矢が酸素吸入をされながら眠っていました…。医者は「最善の手は打ったのですが…」と言葉を濁し、もうどうしようもない状態であることをマヤは悟ってしまう。
必死に拓矢に声をかけ続けるマヤ…。しかし答えはなかなか返ってこない。駆けつけた真澄や水城はその光景を目の当たりにして言葉を失う。
すると、一時的に拓矢の意識が回復。気が付いた兄にマヤは「生きるって約束したでしょう!?」と泣きそうになりながら訴える。何度も何度も「生きて!!!」と強く訴え奮い立たせようとしますが…「生きろ…」という言葉を最後に残し拓矢は永遠の眠りについてしまった(涙)。
「逝っちゃいや!!!!」
マヤの悲痛な叫び声が病室にこだまするなか、真澄はただ黙ってそれを見守ることしかできませんでした…。
拓矢の末路については、個人的には紫織の手下に抹殺されるんじゃないかって思っていたのでw、子犬を助けて車に轢かれるという展開はすごく意外であっけないなと当時感じてました。
でも、この最後のマヤとの別れの場面は…泣けました。最後の「生きろ」のセリフはとても印象的で、あれはマヤへの「芝居頑張れ」っていうラストメッセージだったんじゃないかなと私は思って見てました。
賛否両論のオリジナルキャラとしてw色々と波紋を起こしまくってた問題児のお兄ちゃんだったけど、彼がいたおかげでマヤへの恋愛感情の迷宮に迷い込んだ速水さんを刺激する効果はかなりあったんじゃないかなと思ってます。ま、紫織に操られてっていうのがありますけどねww。
それを引き出してくれたという意味で、やっぱり最後は居てくれてありがとうって思えるかな。マヤの芝居への情熱を再確認させるシーンもあったし。ドラマならではのスパイスとして面白い存在だったと私は肯定的に捉えてます。
たぶん、見方によって彼の評価は違うのかもしれません。マヤと亜弓の紅天女をめぐる女優対決に比重を置いて見ている人にとっては拓矢は何のためにいたのか不明の存在だと思うし、マヤと速水さんの恋愛面に比重を置いて見ている人(私とかww)にとってはいくつかアシストしてくれた存在って見れるんじゃないかなと。
パート2って、どちらかというとマヤと真澄の関係に進展を持たせようとする印象が強かったので、どこに感情移入するかによって印象は変わるんじゃないかなというのが個人的感想です。
ちなみに、拓矢役の河相我聞くんのオールアップは夜の線路脇の道を歩く場面だったようです(ビデオの特典にあったオールアップ集より)。
拓矢くんが退場したことで、いよいよ本格的にマヤを支えるバトンが速水さんへと受け継がれていくことになります。ここから先の彼の行動は色々と目が離せません。再放送ながらドキドキしますw。