ドラマパート2は1の時に比べてマヤと真澄の関係に比重をかけているイメージがあるのですが、その第一の山場がこの第四章だったかと思います。二人の関係に微妙な変化の兆しが生まれるきっかけのエピソードがここ。野依さんの脚本もよかったし、個人的にはけっこうお気に入りだったりします。
いつの間にか入院着を黒から白に着替えてる月影先生wから「劇団つきかげは次の公演で解散します」という衝撃内容を聞いてしまったマヤ。こういう悪しき事例が起こると真っ先に彼女から犯人扱いされてしまうのが速水さんですw。
まぁ、最初にオンディーヌへの誘いをかけたのは彼なのであながち間違ってもいないのですが(笑)こうもすぐに疑いをかけられるとちょっと気の毒ではありますな。
さすがに月影先生は「自分で決めたことだ」と真澄の関与を否定してくれましたが、マヤはそれでも解散に納得がいかず決死の説得にかかる。しかし月影先生の決意は固く「これからは私を頼ってはいけません」と突き放す。これも親心ではあるんだけど…今のマヤにはちょっと酷だよな。
以下の感想・ツッコミは基本的にネタバレありです。ご注意を。
ドラマ『ガラスの仮面2』第四章
2020年02月23日(日)23:00~23:54 BS朝日にて再放送
<本放送は1998年05月04日(月)>
サブタイトル:さよなら劇団つきかげ! 紅天女の後継者は!? (脚本:野依美幸)
マヤが去った後、再び心臓の痛みに襲われる月影先生(汗)。だいたい2回に1回のペースで「ウゥっ」ってなるからお約束みたいに思えちゃうよw。
自分にだけは解散の理由を教えてほしいという源造さんに「私には時間がないのよ」と紅天女への執念をのぞかせていますが…先生、まだまだイケるでしょとツッコミ入れたくなってしまったw。
それにしても、一番気の毒なのは麗たちほかの劇団員ですよねぇ。なにせ月影先生の世界はマヤ中心に回ってますからw、そのとばっちりを受けたような形になってしまった。みんな、もっと文句言っていいと思うぞ。
マヤはマヤで、月影先生が紅天女を亜弓に決めてしまったのではないかと言われショックを受けてる。オンディーヌへ移動するってことはそういうことって受け止めるのも無理はない。
月影先生がオンディーヌに来ることを知って亜弓はワクワクが止まらない様子。ハスキー小野寺も余裕の表情ですw。しかし、表向きでは亜弓に「よかったな」と言っている真澄はかなり複雑な心境だろうね。マヤがどうなってしまうのか心がざわついているはず。
亜弓は月影先生の指導を受けられることには喜びを感じているようですが、やはりライバルのマヤの存在も常に気になってる。ハスキー小野寺がどんなに彼女を馬鹿にしていてもw亜弓だけは同じ土俵で戦うことを望んでいるんじゃないかなと。
ちなみに、この時点ではまだ速水さんの髪型はウェーブのままww。
そのころ、真澄から「前科者がそばにいてはマヤにとってよくないから近づくな」と忠告されていたものの、やっぱり妹が気になる拓矢は連絡をくれたマヤのもとへ足を踏み入れてしまう。それにしてもこの待ち合わせ場所のラーメン屋さん、夜のかき入れ時と思わしき時間帯にほかにお客さんがいないのが気がかりw。他人事ながら心配してしまうw。
劇団解散のことで心が弱っていたマヤは、唯一の肉親でもある兄に「先生に見捨てられちゃったのかな」と弱音を吐く。こういう時頼りたくなる気持ちはわかる。ほんとはこういう役目は違う人物にやってほしいところですが・・・そういう関係になるにはまだまだ先が遠いw。
そんな気落ちしているマヤに拓矢は「芝居はお前の支えなんだろう?」と言って励ます。その言葉に自分の原点を振り返ったマヤは「何のとりえもない私だけどお芝居してるときだけは頑張っていられるの!生きてるって気がするの」と元気を取り戻す。
拓矢は自分の素性から会ってはいけないって思ってるんだろうけど、あんな屈託ない妹の笑顔目の当りにしたら…やっぱりもっと会いたくなっちゃうだろうね。
やる気を取り戻したマヤは劇団メンバーと一緒に舞台準備を始める。お金がない貧乏劇団のため、衣装やセットなどはすべて自分たちで作ることに。
そしてようやく出てきましたよ、月影先生が声をかけていたというほかのメンバーがw。この人ら、いつから合流したんだろうか?けっこう公演間際じゃない!?まぁ、登場してきただけよかったけど(笑)。
野外ステージは決まっているものの、お客さんが来てくれなければ話にならないということでマヤたちは町に出て必死に呼び込みをしますが、正攻法で訴えても誰も振り向いてくれない。…っていうか、助っ人の役者さんたちはこういうのはノータッチかいなww。協力してやってよ~~とツッコミ入れたくなる。
すると、どこからともなくチラシを手にした速水真澄が登場。美容室にでも行ったのか、髪型もスッキリしましたww。ここから先はずっとこのヘアスタイルだったので、なおさら第3話のウェーブが謎だったりする(笑)。
それにしてもこのベストタイミングからして…どこかで張って様子をハラハラしながら様子をうかがっていたに違いないw。でも、マヤの救世主としてやってきたつもりの真澄ではありますが「まるで大道芸だな」とイヤミ虫の顔しか出すことができないのが彼の非常に不器用なところでありますw。こうなると、当然ながらマヤは敵対心しか向けてこない。そんな彼女の反応を見越したように
「このままでは真夏の夜の夢は失敗だ。客の入らない舞台など何の価値もない」
と言いながらマヤの目の前でチラシをグシャグシャにして捨ててみせる(汗)。
「観客のいない芝居かぁ。見物だなぁ。どんな舞台になるか楽しみにしてるよ」
と、これでもかってくらい超嫌味をぶつける真澄。これ、わざとマヤの闘争心を煽る目的でやってるんだけど、これが行き過ぎるとどんどん自分の首を絞めちゃうことになるんだけどねぇ(苦笑)。
真澄に闘争心を煽られたマヤは新しい呼び込み方法を考え出す。
妖精パックに扮して、劇団のみんなを巻き込み即興劇を始めます。これは妙案、たしかに何をやってるか気になって人が集まるよね。さらには少年のスケボーが突然空から降ってきて(現実的にあり得ないww)テニスボール特訓の成果(??w)でひらりとそれをかわしてみせるマヤ。この咄嗟のアクロバティックな動きも功を奏し多くの人がチラシを手に取ってくれるようになりました。
マヤたちの周りに人だかりができたことを後ろから見守っていた真澄はそのまま立ち去ります。超グッジョブ!だったわけですが、その本当の想いにこの時点ではまだマヤは気づくことができません。本心を抑え込んで憎まれ役を自ら引き受けてるだけに切ないところだねぇ…速水さん。
マヤたちの呼び込みの成果もあって、野外会場はほぼ満席に。えっと…つきかげ以外のメンバーもどこかで呼び込みしてくれてたんだろうか(汗)。なにせ一緒に練習してるシーンが1つしかなかったから気になっちゃうよww。
そして、マヤにキツイ言葉を浴びせた後のタイミングで届くのが「紫のバラ」です。
「あなたを見ています。あなたのファンより」
紫のバラを贈るときだけは素直な自分の気持ちをマヤに伝えることができるわけで…、こうすることで自分の精神状態のバランスをとってるんだろうね、速水さん。そうとは知らないマヤは無邪気に「紫のバラのひとが私を見てくれているんだ」と心を弾ませる。
そして、真澄は素知らぬ顔で客席に座るのですが…その隣には目をぎらつかせてるお嬢様・紫織の姿が(汗)。なんかやらかしそうな顔してるのが怖いよww。
いつの間にか退院した月影先生の励ましの言葉を受け、いよいよ『真夏の夜の夢』の幕が上がろうとしている。これまでほとんど姿を見せてなかったけど(汗)ちゃんとほかのメンバーもそろってて良かったよ~。
マヤは紫のバラのひとへの感謝の気持ちを込めて一輪の紫のバラをくわえて登場。その姿に思わず息をのむ真澄。あれは嬉しかったと思うよーー!原作読んだ時も感動した名場面でしたが、ドラマでも田辺さんの芝居から胸いっぱいになってる様子が伝わってきてグッとくるものがあった。でもその姿を察知して横から睨んでる紫織の目線が怖いぜww。
ただ飛んでいくバラの映像クオリティがちょっと・・・ねwww。
それにしてもマヤちゃん、バク転やバク宙をマスターした時ほどの身軽さはどこへ行ったw。ジャンプしてる姿とかがけっこう重々しいぞ。まぁ、ここはスタント使うの難しかったかもしれないからしかたないけどね。
さらに高いところから宙を飛んで降りるという人間離れした技を披露するシーンwww。
あんなふわりと吊り道具なしで飛べるわけないだろうwww!マヤは宇宙人かっww。
と、ツッコミ入れてたら降りたときにグキっとやっちまいました。まぁ、あんな無謀なことしたら、特別な訓練積んでる人じゃなかったらそうなるよ(汗)。逆に良かったよ、マヤが人間でw。真澄は心配のあまり思わず身を乗り出してしまう。マヤのことになると自分を抑えられないんだよね。
しかしながら・・・けっこうな時間その場にうずくまってたけどあれ実際の舞台だったら途中で幕を下ろしてしまうレベルじゃないか!?まぁ、ドラマなので「どうしよう」って考えてる時間は実際より短いという設定なんだろうけどw。
ふと舞台袖に目を移した時、ライトを使ってうまくごまかす方法を思いついたマヤはその場をうまく切り抜けることができました。その一瞬のアイコンタクトだけでマヤの動きや考えを察知した月影千草、さすがでございますな。
しかし、足は捻挫してしまいパックの動きをするにはかなり無理がある。それでも「どうしますか」という月影先生の問いに「何があってもやり遂げる」と固い決意を告げるマヤ。そのままパックとして再び表舞台へと駆け出していく。
パックの仮面をかぶったマヤは捻挫しているとは思えない動きで舞台を駆け巡り、さすがの紫織さんをも驚かれたご様子w。「なんて子だ…!」と速水さんもますますマヤの情熱に引き寄せられてましたな。マヤの舞台姿は彼の想いをどんどん加速させる。
ところが、またしても高い場所から飛び降りたときに足の痛みに襲われてしまうマヤ。そりゃあんな高いところから飛び降りたらそうなるっしょ!!もっと工夫した登場の仕方あっただろうに~。
さすがのマヤも今回の痛みには諦めの気持ちも湧き上がってきたようですが「これが最後のつきかげ公演」と気持ちを切り替えなんとかその場を乗り切った。あの痛み加減のなかでバク転とかヒラリジャンプとかあり得ないだろう!!とツッコミ入れたくなりますがww、そもそもこの作品はツッコミ入れてこそ楽しめる的なところもあるので(笑)結果オーライでしょう。
ラストシーンの後、拍手がちょっとためらいがちに起こってたのは気になったけど(客の気持ちはなんとなくわかるw)次第にその音も大きくなり、劇団つきかげ最後の公演は成功のうちに幕を閉じました。結局1日1回きりの公演だったみたいですね。
亜弓は「あの子にだけは絶対負けたくない」と闘志を燃やし、拓矢は兄として妹の芝居に感動した様子。そして速水さんは愛しい者を見るような優しい笑顔を舞台に向けていました。もう「好き」があの表情にダダ洩れしちゃっててw…横でそれを目の当たりにしてた紫織の目が怖いのなんのww。
そして帰り時に紫織は「なんだか嬉しそうですね」と真澄にカマをかけてみる。これに対して否定するのかなと思いきや…
「実は、もともと予約していたこの舞台をやる劇場が、誰かの手によってキャンセルされまして」
と素直に内情を告白ww。そんな回答が来るとは思ってなかった紫織は動揺のあまり思わず目を背け「そんなことがありましたの」とすっとぼけ(笑)。真澄を追い込むどころか自分が追い込まれてるよww。っていうか、速水さん、すぐ横にその張本人がいることに気づいてーーー(笑)。
しかし紫織の魔の手がかかってるとは露知らぬ真澄は「真夏の夜の夢はかえってこういう野外ステージでやったほうが雰囲気に合ってて良かったと思いませんか」とご満悦の様子。やっぱり紫のバラのメッセージでマヤにヒントを与えていたんだね。
とその時、ふと拓矢の姿が目に入った真澄。紫織を置いて彼のもとへ向かいますが…これが後々彼女の暴走の種になるとは予想もしてなかっただろうねw。
お客さんの見送りをしていたキャスト一同。マヤはその時、「紫のバラのひと」が自分に声をかけてくれることを期待して紫のバラを一輪手に取り待っていました。たった一言「がんばったな」って声をかけてくれたら、その人だと分かると念じ続けていると・・・思った通りの言葉が後ろから聞こえてきた。
その相手は・・・イギリス留学から戻ってきた桜小路くんでしたw。あからさまに残念そうな表情を浮かべるマヤ(笑)。パート1ではあんなに情熱的に恋した相手だったのにねぇ…っていうか、事情を知らない桜小路くん哀れw。
結局声をかけてもらえなかったと気落ちするマヤでしたが、そんな彼女に「きっと喜んでると思うよ、紫のバラのひとも」と励ましの言葉をかける桜小路。がっかりされたのにこんな励ましてくれるなんて良いやつだね。
二人は「いつかまた必ず共演しよう」と約束して別れる。芝居さえ続けてれば必ず共演できる、とマヤも晴れやかな表情をしていました。
そのころ、拓矢を待ち伏せしていた真澄は「君のような前科のある人間がそばにいたら世間はどうなるかな」と冷たく言い放つ。まぁ、たしかにね。成功者には文春砲みたいなのがネタを狙ってついてくるだろうし(苦笑)そういう意味では拓矢はマヤのためにも消えてもらわなければならないという考えは理解できる。
「彼女から離れろ!離れてやれ」
最初に会った時よりも拓矢にちょっと情が入るようになったね、速水さん。命令というより懇願みたいになってた。彼の心の内も複雑だとは思うよ、なにせ拓矢はマヤにとって唯一の血の繋がった家族だからね。過去にマヤの母親を死に至らしめるような原因を作った負い目もあるから、なおさらじゃないかな。
しかし拓矢はこの時点で真澄に心を開けていないのでその言葉に従おうとはしない。すると…
「だったら…!前科のことは、誰にもばれないようにしろ…!」
と温情をかける真澄。マヤのため…って思ったら、やっぱり無理に引き離せなかったんだろうね。彼の背中を見送る視線が切なくてグッとくるよ、田辺さん!こういう繊細な芝居に当時も大いに魅了されたんだよねぇ。
しかし!!その様子の一部始終を・・・紫織は見ていた・・・ww!!!
一番質の悪い人物に見られてしまいました(笑)。あのニヤリ顔は何か企んでるよ、絶対w。このドラマの紫織さんは原作とは別人格なのでこれからどんどんギアが上がっていきますww。
誰もいなくなった舞台の上で、劇団つきかげの日々を回想するマヤ。今後のことはまだ分からない状況ではあるけれど、芝居への情熱は消えてません。「きっと私の道があるはず」と気持ちを新たにしていました。
後日、真澄は病院で月影先生からある衝撃の言葉を聞くわけですが…ちょっとまて!?
月影先生、退院したんじゃなかったのか…www!!!
え、あれって、一時退院みたいな感じだったの!?それかもしくは無断で…っていうのもあり得そうで怖い(笑)。とても病人とは思えないような回復っぷりだったから、病室シーンが再び出てきてビックリしたよw。
「本当にそんなことをしてよろしいんですか!?あなたは一体何を考えているのですか!?」
と困惑する真澄に対して、「私はあの子が自分の手で役を掴み取るところが見たいのです」と語る月影先生。掴み取った時に「命の理由」を見つけ「本物の女優」になるマヤの姿を見たいがために真澄にある頼みごとをしたようです。
自分の想いをこんなに語るってことは…月影先生の中で速水真澄への評価が変わってるってことも考えられますね。この人になら言える、みたいな空気を感じてるのかもしれない。
それは良かったと思うんだけど…月影先生の提案はおそらく、ライオンが子供を崖から突き落とすようなことなんだろうなと推測(汗)。で、その役目を負ってもらうことになるのが・・・速水さん(汗)。
月影先生のマヤへの尋常でない親心は、結果的に真澄を追い詰めることにもつながるんだろうなと察しました(苦笑)。月影先生はまだ速水さんのマヤへの想いを知らないからねぇ。
病室を出たとき、偶然見舞いに訪れたマヤと遭遇する真澄。マヤを目の前にすると素直になれないので、月影先生が退院した後オンディーヌの寮へ移ることになると冷たく言い放ってしまう。その言葉に気落ちしてしまうマヤでしたが、気を取り直して真澄に「月影先生のこと、お願いします」と頭を下げる。
病み上がりの月影先生の体調を気にするマヤは、真澄にその見守り役を願い出てきた。まさかマヤが自分を頼りにしてくれるなんて思ってなかった真澄は驚きのあまり少し動揺。いつも攻撃的な態度でしか接してくれなかったマヤが泣きそうな顔して懇願してきたからね。速水さんとしては予想外の嬉しい出来事だったに違いない。
いつもと違う様子のマヤを目の当たりにした真澄は「少し俺に付き合わないか?おチビちゃん」とマヤを外に誘います。思いがけない真澄の優しい声にマヤも素直についていくことに。
ということで、ここで第一の二人の関係における山場シーンが訪れました!!原作にも出てきてドラマでも取り上げてほしいとの声も高かったボートでデート(マヤはデートと思ってないけどw)!!
「あなたでもこういうことするんですね」と皮肉るマヤに「俺だって機械でできてるわけじゃない。たまには自然の中で遊んでみたくもなるさ」と返す真澄。ま、彼の場合は”マヤと一緒に”が大前提だと思いますがww、そこの重要な部分はグッと抑え込んでるんだよね。
それでもマヤと一緒にいられることが嬉しくてついつい頬が緩んでしまう真澄。ところがマヤは何かを勘繰るように彼のことを観察している。それに気づいた真澄が「やっぱり意外か?」と問いかけると「仕事のためなら冷酷なことも平気でやる人ですから」とムっとしながら答える。
やっぱりそうくるか、と諦めたような笑みを浮かべましたが…でも「正直な子だ。君といると安心するよ」とやっぱりどこか嬉しそうだったりするのが可愛いよ、速水さん(笑)。マヤと二人きりになれたことが今の彼にとっては重大なことだからねw。
ついつい本音が出ちゃった「君といると安心するよ」という言葉にマヤは意外性を感じる。でもここで本心を悟られたらいかんということで、真澄は思わず「上達したな、妖精パック。紫のバラのひともきっと喜んでることだろう」と話題を逸らす。”紫のバラのひと”は自分自身だからね、遠回しに「君のパックがとても好きだ」って言ってるようなもの(笑)。
しかし、”紫のバラのひと”に声をかけてもらいたくて待ってたものの空振りに終わってしまったマヤは素直に喜ぶことができない。その様子に気づいた真澄が”紫のバラのひと”に会ってみたいかと聞くと、マヤは「いつか会ってみたい」と笑顔でまだ見ぬその人を思い浮かべている。そんな彼女を見てふと不安に似た感情が沸き上がった真澄はある可能性を尋ねてみる。
「会って…どうする…?もしその人が、君にとってとても嫌な奴だったら…、君の大嫌いな人間だったらどうする…?」
もうこれって、半分「自分が紫のバラのひとだ」ってバラしちゃってるような言葉にも聞こえるんだけどwwマヤは1ミリたりともそうは思っていないので全く気付いていないw。でも速水さんとしてはここが一番ネックになってる部分だからね。マヤとの唯一の素直に繋がれる接点だから。
真澄の問いに対して、マヤは
「たとえその人がどんな人でも、私は好きになれる!きっと、とっても好きになれる!!世界中の人がその人のことを憎んでいても、私はきっと、好きになれるっ!!」
と断言する。この言葉がどんなに真澄の心を揺り動かしてることかなんて露知らないマヤ…。こんなこと言われたら…そりゃ速水さん的には希望の光が…!みたいに思っちゃうよねぇ。激しい動揺の末、紫のバラの真実を告白したい気持ちが溢れてしまう真澄…。
「・・・じゃあ、その人が例えば・・・もしも・・・・・」
しかし、じっと見つめてくるマヤの顔を目の当たりにしたらその先を続けることができなかった。その先の言葉を飲み込んだ時に「やっぱり言えない」って感じで思わず顔をそむけ小さくため息をついた田辺さんの表情がめちゃめちゃ切なくて絶品!!こういう繊細な心情表現がとても魅力的。だからドラマ版の速水真澄にどんどん感情移入しちゃうんだよなぁ。
「紫のバラのひとが今の言葉を聞いたら嬉しく思うだろうな。がっかりさせないよう、これからもしっかり頑張れ」
と励ますのが今の彼の精一杯。心の中では嬉しいなんてもんじゃなかっただろうけど、それを表に出すことができないのが切ないところです。
そんな彼を不思議そうに見つめているマヤ。この時が、彼女のなかでの”速水真澄”のイメージが微妙に変化していくきっかけになっていたと思います。そういう意味ではけっこうボートシーンは重要だったなと。
こんな感じで甘い予感漂うシーンがあったわけですが、その直後に英介さんのお部屋場面がww。
親子二人そろって焦げた紅天女の打掛を眺めながら月影千草がオンディーヌ入りを決めたことで「やっと紅天女が手に入りそうだ」と感慨に浸ってるわけですが、その心情は実は違っていたりする。
英介は月影千草の紅天女そのものを欲しているのに対し、真澄は英介が手に入れたものを奪おうと思っている。真澄にとって英介は「父」ではなくて「母の仇」の存在ですからね。でもそんな「息子」の気持ちに英介は気が付いていない。この親子関係もけっこう複雑です。
それにしてもこの場面、原作を知っていれば彼らのバックボーンみたいなものが見えてくると思うんですが、知らない人はなんのこっちゃじゃないのかなという危惧も(汗)。いやだって、焦げた打掛に炎のCGがかぶさって少年時代の真澄の「母さんを助けて」って声だけが響いてる状態なので…再現VTRないとちょっと分かりづらいかもしれない。
まぁ、のちのち真澄の口からその事件について語られるときは来ますが…そこはやはり映像で見てみたかった気もする。
後日、マヤが学校から戻ってくるとアパートから麗が出ていこうとしていた。オンディーヌの寮に入ることになったという麗は後ろ髪惹かれる思いで一緒に部屋から出てきた水城に伴われてアパートから去ってしまいました。突然の出来事に混乱するマヤ…。
麗を追いかけようとするマヤの手を真澄は強く掴んでとどまらせる。ちょっと和やかな雰囲気になりかかってたボートシーンがなかったことになるかのように険悪な雰囲気が二人の間に流れる。鋭い視線を向けて真澄を責めるマヤでしたが、「彼女たちはオンディーヌで月影先生の指導を受けられるし、これはまたとないチャンスだ」と告げられてしまう。
マヤは自分も大都芸能に取り込まれてしまうと思ったのか、激しい口調でそのやり口を詰る。
「母さんを殺したあなたのところになんか行かないわ!!!」
この一言はキツイ~~~~~!!!速水さんの一番のウィークポイントだからねぇ。これ言われた時のダメージはけっこう大きい。でも、さらに彼はマヤに向かって非情なことを告げなければならないわけで…
「うぬぼれるな!!!君はいらない…」
と冷たく言い放ってしまう。まさか自分が一人ぽっちにさせられると思ってなかったマヤは大きな衝撃を受けてしまう。真澄はそんな彼女の顔を直視することができず思わず顔を背けてしまいましたが「大都芸能のもとで芝居したくないんじゃないのか?」とさらに憎まれ口を続けてしまう。ほんとはこんな非情なこと告げたくなかっただろうにねぇ。いつも心とは裏腹なことばかり言ってしまうわけで(苦笑)。
すると、マヤはぽつりと「私、馬鹿だったわ…」と呟く。そして・・・
「ちらっとでも速水さんのこと良い人かもしれないって…、本当は良い人なのかもしれないって…。私、馬鹿だったわ…」
と寂しげに告げて立ち去ろうとする。これは速水さんにとって思っても見なかった反応でしょう。あのボートデートの時にマヤの心が少し自分に開いていたなんて想像もつかなかっただろうから。まさか「良い人かもしれない」なんてマヤから評価されるなんてねぇ。それが、こんな険悪な雰囲気の中で知らされるんだから、本当に残念過ぎるというか。
マヤの意外過ぎる言葉に我を失った真澄は思わず部屋に戻ろうとするマヤの腕を強く掴んで引き留める。しかし、すでに真澄への気持ちを完全に閉ざしてしまったマヤは強烈なビンタと、「あなたなんか大っ嫌い!!!!」という強い拒絶の言葉を突きつける。
すっごい音したよねぇ、あのビンタw。マヤのビンタを食らった直後の速水さんの表情…目がものすごく悲しげだよ…。これは相当激しいダメージ受けたね。
「どうして私を独りぽっちにするの!???」
というマヤの悲痛な叫び声も真澄にとっては心を抉られるほど辛いはず。あまりのしんどさに耐えかねた彼はついに「月影先生の意向だ」と明かしてしまった。病室で言ってたのはこのことだったんだよね。ほんと、月影先生も罪なことするよ~(苦笑)。
マヤを傷つけるようなことを言うたびに自分はその何倍もの心の傷を増やしてる速水さん。切ないよねぇ。
マヤは「月影先生の意向だ」という真澄の言葉を信じようとはしない。これは言うより実際に行って確かめたほうがいいと判断した彼はマヤを月影先生のいる場所へと連れていくことにする。
そこに到着するまでの二人は描かれてないけど、さぞかし重苦しい空気が流れていたのでは(汗)。
到着したのはアカデミー芸術大賞授賞式会場。ジュリエット役で大賞をとった亜弓の祝いに月影先生が駆けつけているという。
華やかなドレスを身にまとい、多くの記者に囲まれフラッシュを浴びている亜弓は自信に満ちて輝いていた。その姿に圧倒されて上手く言葉が出てこないマヤ。二人の環境の差は歴然だからね…。
と、そこへ本当に月影先生が登場。とても病み上がりとは思えないほどシャンとしてるのがすごいw。
亜弓とマヤが揃ったところで、月影先生は「紅天女の後継者を発表するために来た」と重大発言。え!?もうここで発表するの!?とざわめく会場w。
「紅天女の後継者は・・・姫川亜弓さんに決めたいと思います」
突然の発表に亜弓は驚き、マヤはショックを受け、歌子やハスキー小野寺は喜んでいる。そんななか、月影先生の本当の胸の内を探ろうと硬い表情をする真澄。会社的には亜弓が紅天女候補に選ばれたのは喜ばしいけれど、速水さん本人としてはマヤに紅天女を演じてほしいという気持ちも強い。それに月影先生がこうもあっさり亜弓に決めると発表するのには何か裏があると思っちゃうよな。
すると、月影先生は付け足すかのように「もう一人の候補・北島マヤにも最後のチャンスを与えようと思います」と告げる。思った通りだとニヤリ顔の真澄ww。
その条件とは、マヤが1年以内に亜弓と同等の賞を受賞すること。それがクリアされれば、亜弓と戦うチャンスをマヤに与え、競わせたうえでどちらか一方を決めるというもの。そうなることを真澄も望んでいる様子。
ところが、さらに続きがあって…「北島マヤが受賞する前に私の身に何かあった場合、紅天女は姫川亜弓のものとし、その上演権も彼女に譲ります」と衝撃発言!!
いや、月影先生じゅうぶんまだまだお元気そうだから大丈夫でしょってツッコミ入れたくなったけどw、そうは言ってっていられない心境になったのが速水さん。狙いを定めていた上演権が亜弓に行ってしまうとなると…そこから奪うというのはかなり道が険しそうだからね。マヤも賞を受賞する以前に芝居をする機会すら分からない状態。こちらの紅天女への道はあまりにも険しい。
さらに、拓矢のもとにも黒い魔の手が近づいていた…!!
ついに、鷹宮紫織、エンジン始動(笑)。「兄であるあなたの気持ちわかるわ」と同情を寄せながらも、その話に乗ってこないと見るや「あなた、前科があるんですってね!」と脅しにかかる。このお嬢さん、ほんと恐ろしいよww。これからさらに暴走していくので、原作のか弱いお嬢様キャラはこのドラマでは忘れたほうがいいと思います(笑)。