渋沢家に戻った栄一は、市郎右衛門に成一郎の後を追って箱館に行くつもりはないことをハッキリと告げます。パリの知識があるならば新政府に来ないかという話も来ていたようでしたがそれも断ったらしい。今はとりあえず、昭武から頼まれていた文を届けるために駿府で謹慎中の慶喜の元へ行くつもりであることを告げる篤太夫。その先のことは、慶喜と話したうえで決めたいとのこと。
その話を聞いた市郎右衛門は「それでこそ、俺の栄一だ」と誇らしげに微笑みます。これまで何度も息子の無謀な行動を受け止め続けてきてくれたとっさま、本当に心が広い。道理を踏み外すことなく誠を貫いてくれたことだけで父親としては満足だと告げました。
そんな父の言葉に胸を熱くし感謝の気持ちを告げた篤太夫は、家を出る時に預かった軍資金と同じ額の金を差し出しました。まだまだ故郷に錦を飾る身ではないけれども、せめてもの気持ちだとお金を渡そうとする篤太夫は孝行息子だなぁ。まぁ、あの時預かったお金は飲み食いの為にも使っちゃったけどねw。
市郎衛門はそのお金を受け取ると、「こうなったからにはこの金子は俺のものだ」というと…そっくりそのまま千代に差し出します。篤太夫が不在だった6年間の彼女の労をねぎらい感謝の気持ちを伝える市郎右衛門。夫と離れ離れとなり心細いだろうなかずっと渋沢家に尽くしてくれた千代を、まるで娘のように温かい眼差しで見守ってくれていた市郎右衛門とゑい。温かい二人の言葉に感極まる千代さんの姿にまた目が潤んでしまった(涙)。なんて温かい渋沢家中の家…。
篤太夫は束の間のささやかな家族の時間を楽しんでいました。千代は娘と楽しそうに話す篤太夫の笑顔に微笑みながら夫の旅支度を整えていく。幸せな家族の時間噛みしめた篤太夫は、自らの道が定まったら、今度こそ一緒に暮らしたいと告げました。先のことはまだ不透明だけど、何があってももう千代やうたと長く離れた生活は送りたくないだろうね。千代は、その言葉が何よりも嬉しくて感極まってしまいました。その気持ちはよっくわかる…!
うたも父親と一緒に暮らせることに胸を躍らせています。そんな娘に篤太夫は得意技を披露してやる。
お手玉のみならず、うたのためにパリから土産で買ってきた人形まで一緒に回すとは…すごすぎるぞ篤太夫!!どうやら、ジャグリングは吉沢亮くんの得意技みたいですね。まさか大河でそれが役に立つとはw。
数日後、駿府に辿り着いた篤太夫。この当時、幕府の直轄地だった駿府は慶喜や江戸を追われてしまった旧幕臣たちの受け皿になっていたらしい。
篤太夫は、謹慎中の慶喜の側近となっていた大久保一翁にパリでの収支をまとめた報告書を提出。1万両の余り金があることを告げられるとかなり驚いた様子でした。パリでは金欠生活送ってたと思っていただろうから、大金が余ったという話はビックリしただろうねw。
篤太夫は一翁に昭武から慶喜宛ての手紙を預かっていて、返事を必ず持ち帰るよう命を受けたことを告げました。
『青天を衝け』“篤太夫”吉沢亮と“慶喜”草なぎ剛の再会に反響「心に響く名場面」 #青天を衝け #吉沢亮 #草彅剛 #橋本愛 #満島真之介 #田辺誠一 #板垣李光人 https://t.co/Oz3NDvPJkI
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慶喜は誰にも会いたくないと面会を断り続けていたようですが、篤太夫が駿府へ入った数日後に宝台院という寺で会うことを了承します。
暗く粗末な小さな部屋に案内された篤太夫の前に、質素な着物の人物がゆらゆらと近づいてきた。てっきり寺の関係者だと思い込んだ篤太夫は、体が冷えたので炭を足してほしいと声をかける。しかし、目の前に現れた人物を見てビックリ仰天!それは、かつて将軍として輝きを放っていた徳川慶喜、その人だったのです。
あまりの予想外の光景に慌てた篤太夫は座布団を用意しようとアタフタしてしまいますが、慶喜はそんな様子をぼんやりと見つめながら「そのままでよい」と力なく告げるのでした。まるで生気を失ってしまったかのような慶喜の姿に篤太夫は大きなショックを受けてしまう。
「なぜ…なぜ、こうなってしまわれたのか…」
上様と慕った人がその見る影もない姿となってしまったのを目の当たりにして、これまでずっと胸に秘めてきた”違和感”を口にせずにはいられなくなった篤太夫。政の返上までは理解できても、鳥羽伏見の戦いの時に兵を置き去りにして江戸へ戻ってしまった行動はどうしても納得がいかなかった。「他に何かやりようがあったのでは」と口にせずにはいられなくなったその気持ちはよく分かります…。違う道を選んでいれば、このような惨めな姿の慶喜に会うこともなかったのに…という気持ちは拭えなかったんじゃないかな。
しかし慶喜は「過ぎてしまったことを今更とやかく言われても詮方ないことではないか」と篤太夫の言葉を遮ってしまう。鳥羽伏見の時の行動についてはおそらく誰にも話してないだろうし、話したくないんだと思う。私は慶喜の中に父・斉昭の「天子様に決して逆らうな」という教えが大きく影響したのではと想像しますが、果たして本心を語る日は来るのでしょうか…。
慶喜から「そなたが昭武のフランスでの様子を告げ知らせに来たから会おうと思ったのだ」と告げられた篤太夫は、自らの想いをすべて呑み込みこれ以上の詮索はしないことを心に決めました。あの瞬間、謹慎生活が長引いて疲れ切っている慶喜の心中を察してしまったのだろうな…。
気を取り直し、昭武とのパリでの出来事について滔々と語りだす篤太夫。
吉沢亮:草なぎ剛は「スター」 “尊敬”の思い、「青天を衝け」栄一と慶喜の関係性に「リンクしている」 https://t.co/vJ2vyyxd4v
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船に乗り込んだ時の昭武の様子から事細かに語り聞かせる篤太夫。パリに到着してから間もなく、”カフェ”という異国の飲み物を口にしたときの様子も詳細に報告。「慣れぬ味に顔をしかめる共の者をよそに・・・」という言葉がありましたが、それはおそらく・・・
わざわざ毒見をして「うぅっ」となってしまった菊池平八郎さんのことだろうな(笑)。あんな不味そうなリアクションされたのに、昭武はよく涼しい顔して飲んだよねぇww。平八郎、帰国後どうしているのだろうか。いつの間にか推しキャラになっているので、できればもう一度会いたい。
さらに篤太夫は、製鉄所や反射炉の迫力について力説。
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体全体を使って臨場感たっぷりに語り聞かせる篤太夫の姿を見つめていた慶喜の表情に、少しずつ笑みが浮かんでくる。ヴィレットが大男だったという話のくだりの時には、まるでその人物がやってきたかのような感覚になったのかちょっとビクッとなってしまったり(笑)。
ヴィレットとは最初の頃「武器」についてかなり意見が対立していたらしいw。フランスの剣と日本の刀についての自慢対決みたいなこともあったのねww。一触即発になった時には昭武が止めに入ったという話も初耳だったよw。でも最後はあんなに親しい関係になって…そう思うとなんだかとても感慨深い。
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ふと気が付くと、いつの間にか慶喜の表情に楽しそうな笑みが浮かんでいた…。最初はまるで世捨て人のような心境となり魂を置いてきたかのような様子だった慶喜でしたが、目の前で繰り広げられた篤太夫の全身を使った痛快なパリ滞在記の語り口調に魅せられ、ようやく人間らしい感情を取り戻すことができたのではないだろうか。
おそらく、篤太夫の語りはあの時沈みきっていた慶喜の心を救ったんじゃないかと。そう思ったらなんだかやたら泣けてきてしまって思わず落涙してしまった(涙)。
この場面は、次第に生気を取り戻していった繊細な表情の芝居をした草彅くんも素晴らしかったし、慶喜の表情に生気を取り戻させた吉沢亮くんの臨場感あふれる語りっぷりも素晴らしかった!!二人の芝居の呼吸が見事に噛み合った奇跡のようなシーンだったと思います。
特に吉沢くんのセリフ回しは実に聞いていて気持ちがいいし、慶喜やていが心動かされて思わず笑顔を浮かべてしまうのがすごく納得できてしまうのがすごい。なかなかあんな人の心をリアルに動かすような芝居をできる若手の役者さんっていないと思う。篤太夫が吉沢くんで本当に良かったと改めて思った瞬間でもありました。
ひとしきり語り終えた篤太夫は、パリに行って色んなことを経験したことで何も知らなかった自分がちっぽけな人間に思えたと苦笑い。その言葉を聞いてフっと笑みを浮かべた慶喜は、異国での苦労を慮る言葉をかける。
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「このたび、昭武が障りなく帰国できたのもひとえにそなたのおかげだ。礼を申す」
篤太夫に対し、頭を下げながら万感の想いを込めて感謝の気持ちを伝えた慶喜。篤太夫も恐縮して頭を下げる。そのまましばし流れた空白の時間がとても美しく気高い景色に見えて心打たれるものがありました。
慶喜はそのまま静かに立ち去ろうとしましたが、篤太夫は必死の形相で呼び止める。
「上様!!いや、もう何も申し上げますまい…。しかし、しかし…、どんなにご無念だったことでございましょう…!」
涙を浮かべながらその背中に語り掛ける篤太夫でしたが、慶喜は振り返ることなく、でも篤太夫の想いを噛みしめるようにその場を立ち去っていきました。
最初は混乱期における慶喜の行動を問いただそうとした篤太夫でしたが、時間が経つにつれて慶喜が自分には想像もつかないような様々な心労を背負っていたことに気が付いたんだろうね。篤太夫が慶喜の言葉にできない無念の想いを察することができただけでも、対面したかいはあったと思います。
あ~~…、本当に今回も大いに泣かされました(涙)。
でも、次回は何やら活気あふれる展開がありそう。おでぃーん様の五代や、いっくんの伊藤などの活躍が本格的に見れそうで楽しみです。それから、ついに箱館戦争の終焉も描かれるようで…。町田君の土方がこれで最後になってしまうのは非常に寂しい。スピンオフ、作ってほしいな。
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