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『西郷どん』第35回感想 戦の鬼

徳川慶喜が大政奉還に踏み切った背景のひとつに、龍馬の政治的工作がありました。しかし、吉之助は慶喜排除の想いが強いため龍馬のやったことに納得することはできなかった…。

きっと、吉之助も一緒に将来の日本に明るい未来を描いてくれたに違いない、と嬉々として会いに来たであろう龍馬は、あまりにも予想に反した吉之助の態度に衝撃を受けてしまいます。
なんとか共に同じ方向を向いてもらいたい一心の龍馬は、持ってきたカステラを二つに割って吉之助に差し出すものの、吉之助はそれを受け取ろうとはしなかった。この場面は何だかとても切なかったよ…。あんなに気の合っていたように見えた二人の想いが完全にすれ違ってしまったことを象徴してましたからね…

 

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第35回 戦の鬼

2018年9月16日放送 NHK総合 20:00~20:45

鈴木亮平・瑛太・小栗旬・水川あさみ・錦戸亮・青木崇高・松田翔太・笑福亭釣瓶 ほか

あらすじ

「大政奉還」を断行した慶喜(松田翔太)の裏側に龍馬(小栗旬)の手引きがあった。吉之助(鈴木亮平)は龍馬と討幕をめぐり決裂。そんな時、龍馬が惨殺される。薩摩藩邸に現れたお龍(水川あさみ)は、吉之助に「あんたが殺した!」と怒りをぶつける。弟・信吾(錦戸亮)も戦の鬼と化していく兄に戸惑い反発する。それでも吉之助は大久保(瑛太)とともに慶喜を排除するため「王政復古」のクーデターを決行する。

公式HPより引用

 

吉之助は龍馬に、いかに慶喜が日本のトップにふさわしい人物ではないかを静かに…それでも力を込めて話し始める。まぁ、ヒー様も時代の波に飲まれて最初の頃とは変わってしまった部分もあるからねぇ…。
慶喜との付き合いが長かった分、彼の考えることも分かってしまっていた吉之助。現に彼の読み通り

「大政奉還したところで公家たちには政治なんか何もできないだろうから、いずれ権力は自分のところに戻ってくる」

と言っっちゃってましたからね。吉之助の予想的中しちゃってるわけです。龍馬は慶喜と面識がなかったからそこまでのことは読むことができなかった。
吉之助の慶喜討伐への気持ちが揺らぎないものだと悟った龍馬は、無念の想いを残しつつ彼と袂を分かつことを決断する。

「西郷さん、おまんとは…乗る船が違うようじゃ…」

このセリフを投げかけた龍馬の表情が本当に落胆したようで…めっちゃ切なかった。彼の中では「こいつとなら一緒に将来の日本を作っていける」といった確信みたいなものがあったと思うから、こんな別れ方だけはしたくなかっただろうね…。

京の町に「ええじゃないか」の大合唱が響き渡るなか、龍馬は吉之助の元を静かに去っていきました。その背中がなんだかとても寂しげで印象的だったな…。小栗君の龍馬の芝居、すごく良かった!

この「ええじゃないか」と龍馬との映像は確か以前も見たことがあった気がする。と思って検索してみたら、テレビ東京系の正月時代劇『白虎隊』で中村雅俊さんが坂本龍馬を演じた時のことだった。たしか、龍馬暗殺の場面と「ええじゃないか」の大合唱が重なってて凄い印象に残ってた。
今回は、吉之助との別れの場面と重ねてきたんだなぁ…となんかジンとくるものがありました。

坂本龍馬と西郷吉之助、二人の別れはあまりに突然で呆気ない結末でした。これが、今生の別れになってしまったんですよね…。

 

何があっても慶喜討伐の想いは変わらない吉之助は、薩摩に戻り久光や茂久に「討幕のための出兵」を促します。

最初は「大政奉還されたから武力討伐の必要はないのでは?」と及び腰だった二人でしたが、吉之助が差し出した”密勅”を目にしてビックリ仰天。天子様は武力で慶喜を討つ考えであると最大限の圧をかけて説得にかかる吉之助。

あの圧倒的な静かなる圧で迫られたら・・・もうこれは国父様たちも覚悟決めるしかなくなるよなぁ。あの密勅も本物だって信じたみたいだし。
もしもあれが岩倉が仕込んだ偽物だって知ったら絶対OKしなかったと思うよ(苦笑)。

そのすぐ後に西郷家のなんとも平和な映像が…(笑)。あまりにも落差が激しいシーンだったからビックリしてしまったではないかww
吉之助の二面性がすごく良く表れていた気がする。長男・寅太郎も誕生していたのでお父さんの顔になってたわけですが、とても「慶喜ぶっ殺してやる!」みたいな物騒なことに邁進してる人と同一とは思えません(汗)。おそらく家族も吉之助がそんな恐ろしいことになっているとは思いもしないでしょうなぁ。

ただ、糸だけは吉之助が何か恐ろしいことを考えているのではないかと察知していた様子…。その嫌な予感っていうのはだいたい当たるんだよな(苦笑)。

ちなみに、「寅太郎」の名前の『寅』とは、生まれ年にちなんでつけられたそうですね。つまり、寅年生まれってことです。

 

吉之助が薩摩で家族団らんの時を過ごしていた頃…、ついにあの事件が…!!!

慶応3年11月15日(1867年12月10日)、おりしもその日は坂本龍馬の誕生日でもありました。場所は京都の近江屋

風邪を引いてしまった龍馬の元を陸援隊の中岡新太郎が訪ねてきていた。武力を主張する中岡に対して龍馬はあくまでも戦を起さずに日本を変える術を模索しているようでした。二人の意見は対立関係にありましたが、人間関係としては吉之助とは違って良好だったようですよね。

しかし、その直後に二人は何者かに襲われてしまう。龍馬は頭をバッサリやられていたためその場で絶命、中岡は瀕死の重傷を負い襲われた3日後に亡くなってしまいました。

世に言う、『近江屋事件』です。

龍馬は絶命の間際に「頭をやられたからもうダメだ」と言残したと伝わっていますが、今回のドラマでは小栗君の強い想いもあり「死ぬのは今じゃない」といった無念の気持ちを呟いて絶命ということになっていました。
ほんと、「今じゃない」っていうのが当てはまるよなぁ・・・龍馬の死に関しては。この人がもっと生きていたら、その後の戊辰戦争での悲劇も変わってきたのかもしれないって思ってしまうので。

で、ここの場面で「あれ?」と思ったのが、中岡の台詞です。

龍馬は殺害される前に「シャモ鍋が食べたい」とリクエストしていて、下男の峰吉に軍鶏を買いに行かせていたというのが定説だったのですが、今回のドラマでは中岡が龍馬を気遣って峰吉に軍鶏を買いに行かせたということになってました。
さらに、峰吉が下でなにやら騒いでいるようだと思って声をかける場面。ここも通説では龍馬が「ほたえな!!(うるさいぞ)と襖の外に向かって叫んでいたはずでしたが、これも中岡に言わせてましたね。

まぁ、龍馬の暗殺当日のことに関しては龍馬と中岡の二人しかいない空間があったわけで、どちらが言ったか言わないかというのは彼ら以外は知らないはずだからこういう描き方もあるのかなと思いました。
ただ、暗殺当日の証言は中岡がその後2日間生きていたなかでのものもあるって聞いたことあるので…そのあたりはどうなんだろう?

坂本龍馬と中岡新太郎の墓

近江屋のあった場所は現在は石碑のみで当時の面影を感じることはできませんが、龍馬と中岡は京都の霊山護国神社の墓地で今も静かに眠っています。巻き添えになってしまった峰吉のお墓も彼らの隣にひっそりと佇んでいます。

小栗旬くん、山口翔悟くん、お疲れ様でした!
っていうか、このクランクアップ写真、ちょっとホラーwww。

 

京に戻った吉之助の耳にも龍馬が暗殺されたニュースは届いていました。複雑な想いでその事実を受け止める吉之助…。

とその時、龍馬の妻のお龍が激しい剣幕で吉之助の元に詰め寄ってくる。彼女は龍馬からの手紙を読んで、吉之助との仲違いが今回の事件の原因になったのだと思い込んでいる様子。
彼女もまた、吉之助のことを好意的に見ていたし龍馬と同じ未来を見つめてほしいと思っていただろうから、裏切られたという気持ちが強かったんだと思う。

泣き崩れるお龍に吉之助は「自分は暗殺にはかかわりがない」としか言葉をかけることができなかった。龍馬を殺したのは幕府だ!!と騒ぎ立てる他の薩摩藩士たちがなんかねぇ…、お龍の気持ち的に「お前たちも龍馬を殺したんだろ!」って感じだっただろうなぁと。彼女のやるせない気持ちはきっと彼らには、そして吉之助にすら分からないと思う。

龍馬が吉之助の元を去る時と同じように、お龍も一人「ええじゃないか」の大狂乱の渦に紛れて去っていきました…。

龍馬暗殺事件に関しては今も「謎」とされていていろいろな説が飛び交っていますが、その中に「薩摩黒幕説」というのもあります。
今回のドラマではその可能性をちょっと感じさせるような流れがあったなと思いました。吉之助は龍馬の起こした行動に対して「邪魔しやがって」っていう気持ちが湧いてきたようなところが見えたのでね。

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その後も吉之助のブラック化はどんどん加速。何やら恐ろしい計画を思いついたようで、薩摩隼人の猛者を集めて何やら恐ろしい会談を行っています。普段とは様子の違う兄に弟の信吾は大きな不安を感じてしまう。

さらに、岩倉を呼び出して「天子様に幕府の廃絶を宣言していただくよう工作してほしい」と頼み込む吉之助と一蔵。禁裏を警備で囲んでいる幕府方(会津や桑名)や、幕府贔屓の公家、そして慶喜本人とその周辺を一切近づけないように手配すると語る二人の形相はまさに『鬼』
あんな鬼気迫る感じで頼まれたら、さすがの岩倉もNOとは言えないよな(苦笑)。

御所が薩摩・越前・芸州・土佐・尾張に囲まれたというニュースはすぐに慶喜の耳にも入る。特に越前の春嶽も西郷側に回ったっていうのは、慶喜にしてはショックだっただろうなぁ。やはり演じているのが津田寛治さんだけあって、油断のならない男だった

それを知らせに来た松平容保と松平定敬兄弟がなんだかえらくカッコいい

容保は会津藩で、定敬は桑名藩ですね。

幕府に味方する者を完全に追い払ったうえで禁裏を取り囲むことにまんまと成功した吉之助たち。いやぁ・・・当時のその光景を想うとなんだかゾッとするものがありますな。吉之助の表情も険しく、気合いの入り方が半端ない。

「我らに向かって弓引くものは容赦なく成敗するっとじゃ!!!」

ひぃぃ!!!おそろしや、吉之助!!慶喜討伐の想いが強すぎてダークサイドに一気に行ってしまいましたよ。

そんななか、禁裏では天皇を中心に今後の在り方についての話し合いが行われようとしていました。岩倉は久しぶりに公家の衣装に身を包みその場に加われたことを感慨深く思っていた様子でしたが・・・今までが今までだったから、あの装束姿は違和感しかない(鶴瓶さん、ごめんなさいww)

 

そしてついに、慶応3年12月9日(1868年1月3日)、徳川幕府を完全に廃絶し、天皇を中心として有力な藩を集めた新しい政治を行うという宣言が出されます。

世に言う、『王政復古の大号令』です。つまりはクーデター

この号令が成されたことで、徳川幕府は完全に終わりを迎え、新政府が樹立することが容認されました。

その翌日に、今後の政治体制について話し合う「小御所会議」が行われましたが・・・徳川の処遇に対しては意見が対立してなかなか薩摩の思惑通りに事が進もうとしない状況。

特に息巻いていたのが土佐の山内容堂です。「徳川も一大名になったわけだし、政治の場に参加させないというのはおかしいじゃないか!」というのがこの方の言い分。龍馬も危惧してたけど、容堂さんはどちらかというと幕府寄りなところが強かったからなぁ。
それに対して西郷たちの息のかかった岩倉wは「一大名になったんなら官位や領地を天子様に返上するのが先ちゃいますのか!?」と応戦。

天皇の御前にも拘らず岩倉と容堂は一触触発状態に(汗)。そこへ割り込んできたのが越前の油断のならない男・春嶽さんw。どうなだめるかと思ったら、「私も容堂殿と同じ意見でございます」と徳川より発言してきましたがな!読めないわ~~この人w
思わぬ味方を得た容堂さん、一気に形勢逆転の雰囲気に持ち込むことに成功。徳川家に対しては寛大な処置をするようにという意見が大勢を占めることになり、岩倉や反徳川派の勢いは萎んでしまうことになりました。いやぁ、春嶽の影響力、おそるべしww!

その頃、慶喜の元には容保たちが「今なら西郷を狙い撃ちできる絶好のチャンス!!」と勢いよくやってくる。物騒なこと言ってますが、やらねばやられるの世界ですからね。

それにしても・・・戦闘モードに入った柏原収史くんの演じる松平容保はホントにカッコいいな!!綾野くんに次ぐ逸材容保かも

容保たちは必死に「今こそ西郷を討ち取る絶好のチャンス!!」と説得しますが、慶喜は「今西郷に銃を向けることは朝敵になるということだ!!俺は、朝敵だけにはならん…!!」と頑なに拒絶。天皇に弓引く立場だけは何としても避けたかったわけだよなぁ。孝明天皇とは密な関係を結んでいたわけだし、政治的にも心情的にも、その気持ちはよく分かる。
おそらく吉之助はそこまで読んでいたのでしょうな。慶喜の隙をうまく突いたというところか。こうなってくると・・・ヒー様が気の毒になってきたよ

 

議論は一時中断したようで、一蔵がその様子を吉之助に報告している。容堂が「慶喜を新政府に加えろ」と吠えまくっててなかなか話し合いが上手くいかないとお手上げの様子。ちょうどそのタイミングで彼らの後ろを容堂や春嶽など「慶喜擁護派」ご一同様が通りがかる。それを目にした吉之助は…

「岩倉様にこれを渡してくいやい」と一本の小刀を一蔵に託す。これ、完全に確信犯ですな。容堂たちが見ている目の前で、

「そげなこつ、短刀一本あれば事足りるこって。国家に仇成す逆心を討つとじゃ」

なんて恐ろしい形相で短刀を手渡してるのを見せつけられたら、そりゃさすがの容堂さんたちも「こいつ、本気だ、ヤバい!!」とビビっちゃうよな(汗)。

吉之助が短刀を一蔵に託したというエピソードは現在も語り継がれていることですが、事の真意としてははっきりしたことは分からないようですね。

その後会議が再開されると、あんなに勢いよくまくし立てていた容堂さんがダンマリ状態に(苦笑)。誰も「慶喜に寛大な処遇を!」と言い出すものはいなくなり・・・結局、慶喜の辞官と領地返納の沙汰が決定することになりました。これで完全に慶喜は権力のすべてを失ってしまうことになります…。

全てをもぎ取られる形となった慶喜は吉之助に襲われる悪夢を見るようになり・・・精神的に追い詰められていきました・・・。こうなってくると本当にヒー様が気の毒すぎて胸が痛い

薩摩陣営は希望通りの展開に勝鬨を挙げて大いに盛り上がっていましたが、信吾だけはともに喜ぶ気持ちにはなれませんでした。あの優しかった兄が恐ろしいことを考えているのではないかと不安で仕方がないんですね…。

その後京を脱出して大阪へ逃げた慶喜でしたが、それすらも吉之助の予想の範囲内の出来事でした。さらに慶喜を追いつめるための対策もできているとのことで、傍で聞いていた信吾に戦慄が走る。

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大阪城に着いた慶喜は、江戸城で火の手が上がって大変なことになっているという知らせを受ける。その火付けの黒幕が薩摩だと聞いた慶喜たちは衝撃を隠せない。
これは由々しきことと容保たちは大いに憤り、江戸に兵を送り薩摩を叩こうと進言。しかし、これにも慶喜は頑として首を縦に振らない。薩摩は慶喜たちが自分たちを攻撃させるのを待っているのだと読んでいたからです。つまりは吉之助が仕掛けた罠。これに乗ってしまったら最後、徳川は薩摩に「戦の大義名分」を与えてしまうことになります。

ここまで読み切っている聡明な慶喜なのですが、罠に乗るなと強く釘を刺すことしかできない。これが周知徹底されていればいいのですが・・・弱体化した徳川にはもうそんな力はないわけで。

ついに、薩摩の度重なる挑発行動に耐えかねてしまった庄内藩が江戸の薩摩藩邸を攻撃する行動に出てしまいました。吉之助が屈強な猛者を集めてひそひそ相談していたのはこうなるように仕向けろっていうことだったんだな…。ダークサイドまっしぐらだな、吉之助よ

年が明けてからすぐ、吉之助たちは兵を集めて「江戸の薩摩屋敷を襲った旧幕府軍、許すまじ!!」の大演説を行う。今こそ旧幕府を徹底的に潰す時!と兵たちのテンションも過熱。まさか吉之助が裏で糸引いてわざと薩摩藩邸を襲わせるように仕向けたとは誰も思ってはいない。
そんな中で、ただ一人、今回の事件に不信感を持って複雑な想いに駆られていたのが信吾です。彼はとても幕府軍と「死力を尽くして戦う」という気持ちにはなれないでいました。

 

同じころ、旧幕府軍も対抗すべく兵を整え京に向かっていた。会津の松平容保も薩摩憎しの想いを募らせ周りを鼓舞しています。柏原君の演じる戦闘モード容保…カッコいいわ、やっぱりどうしてもそこ見ちゃうww。しかし、先頭に立つべき慶喜の姿はそこにはありませんでした…。

どうやら疲労が重なり大阪で休息を取っていたらしい慶喜。口では強気なことを言っていますが、本心では吉之助の執念に怯えていました…。

「どこまで追いかけてくるのだ・・・あいつは・・・!!!」

孤独と恐れと苦悩と・・・慶喜の追い詰められた様子を松田翔太くんは非常に繊細に表現していてグッとくるものがありました。この先はやっぱり徳川方に肩入れして見ちゃうかもなぁ…。

 

一方、吉之助の大演説を聞いた後、信吾は思い切って兄の元を訪れて「あれだけ戦を嫌っちょった兄さぁが、大戦を前に喜んでおるようにおいには見えます」と伝える。信吾はそんなはずはない!という希望を持ってその言葉を兄にぶつけたわけですが・・・それに対しての兄の答えは「慶喜を生かしておけば民が苦しむことになる」と恐ろしいものだった。

この時に吉之助は「慶喜は日本を異国に売り渡そうとする大悪人」みたいなことを言っていましたが、実際のところはそういうことではない・・・と私も思います(苦笑)。そもそも、慶喜がフランスに援助の見返りとして薩摩を割譲しようとしていた・・・っていう事じたいが存在していないような気がするんですよね。
おそらく、明確に慶喜を吉之助の「敵役」に仕立て上げるため分かりやすくするためのフィクションだと思われますが、ここの部分はあまりにも不確かなことなのであまり強調しない方がよかったんじゃないかなと思いました。歴史ファンの反感を増幅させるだけだし(苦笑)。

最初は慶喜を持ち上げていた吉之助がなぜ「討伐」への強い想いに傾いたのかというのは、実際のところは彼が権力を独り占めするような行動に出たことが要因ではないかと思ってます。このまま放っておいたら慶喜の独裁政治でかえって世の中が混乱してしまうという強い思い込みが「討伐」という過激思想へと向かったんじゃないかと。
ドラマでは、このあたりのドラマの描き方が少しボンヤリしているようにも感じたので、吉之助がなんであんなダークに墜ちるほど慶喜を憎むのかがちょっとよく分からないというのが少し残念です。

禁門の変の時、吉之助は戦の惨状を目の当たりにして嘆いていました。その姿をすぐそばで見ていた信吾としては、兄が戦を進んで起そうとしている兄のことが信じられないし、信じたくない。しかし、「おいはどげな手段でも使う」と冷たく言い放ってくる吉之助…。
気持ちが通い合わないことに虚しさを感じた信吾は、思い切ってずっと心に引っかかっていたことを兄に問いただします。

「江戸の薩摩屋敷を襲わせたのも、兄さぁの考えたこってごわすか!?」

それに対する返答は・・・

「そん通りじゃ…!みんなおいがやらせたこっちゃ…!ほどほどじゃいかん。おいはあの男を地の果てまで追い詰める」

あまりにも冷酷な答えに信吾は大きなショックを受けてしまう。あの無表情ながらも殺意を秘めたまなざしが恐ろしすぎるよ…吉之助!!

「鬼じゃ・・・!!兄さぁは、鬼になってしもうた…!戦の鬼じゃ!!!」

ダークサイドに足を踏み入れてしまった兄に絶望した弟は、「鬼」と吉之助を呼び恐れからか後ずさりをしてしまう。まるで違う人と会話をしているようだ…とこの時信吾は感じていただろうね。

「戦の鬼」と弟から告げられても、まるでそれを否定することなく肯定し、「おはんも死力を尽くして戦え…!」とだけ冷酷に言い放った兄。この二人の間にはかつての兄弟の絆を感じることはできませんでした。
優しくて懐の大きな兄が大好きだった信吾にとって、こんなに哀しくショックなことってないよね。でも、時代の流れは容赦なく二人の絆さえもあやふやにしていくのです。

そして次回、遂に戊辰戦争が始まるようです。信吾が大変なことになっていたようですが、どうなってしまうのでしょうか!?

 

👉今週の鈴木亮平くんのブログ

鈴木亮平『さらば龍馬(西郷どんこぼれ話35)』
こんにちは。鈴木亮平です。今日は、何よりもまず、樹木希林さんのご冥福をお祈りしたいと思います。いつかしっかりとご一緒し、勉強させていただきたいと願っていた大先&

龍馬が残していったカステラの裏話が非常に興味深いです。

 

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