吹雪の翌朝、天陽が柴田家にやってきてなつが来ていなかったことを告げると真っ青になる一同。この時、一番冷静さを失ったのが照男でした…。
我を忘れて牛舎を飛び出し、「俺が行けって言ったんだ!!!」と必死になつの行方を探そうと行こうとする姿がなんだか胸を突かれるものがあった…。天陽と幸せになってほしいって想いからなつを行かせたわけだけど、結果的に危険にさらしてしまったことを悔やんで自分を見失うほど動揺してしまったんだよね(涙)。
あの取り乱しようは、兄としてか…それ以上の感情か…どちらとも取れる感じだったけど、個人的には「なつの兄」としての感情というように捉えられたかな。泰樹の前で「兄としか思えなかった」と発言したことで自分の中で揺れてた気持ちを清算できていたようにも見えたから。
照男が飛び出していこうとしたその時、なつが森の向こうから戻ってくる姿が見える。
私は、なつよかったね…っていう想いよりも、照男兄ちゃんよかったね…!って気持ちの方が強かったよ。菊介さんが照男の肩を叩いて「よかった!!」って言ってくれてたのも嬉しかった。
柴田家に戻ったなつに開口一番「どこに行ってたんだ!?」と珍しく強い調子で問いただす照男。胸が張り裂けそうになるくらい心配したもんね…。でも、そんな兄の心を妹は知らず(苦笑)。にっこりと「森の彫刻家の家に助けてもらった」と事情を説明するなつ。その言葉に理解が追いつかない様子の照男の表情は可愛かったw。
剛男はどうやらなつを助けてくれた彫刻家の阿川家を知っているようでした。
なつが戻ってきたことを確認した天陽は安心して山田家に戻ることに。その帰り道を途中まで見送りに来たなつは天陽が何を話そうとしていたのかを聞き出そうとしますが「それは今度でいいや」とはぐらかされてしまう。けっこう大切な話だったはずなんだけど…なつの行方不明事件できっかけを失っちゃったのかもしれないねぇ。
一方なつは、天陽にだけ本心を打ち明けます。
「日本でこれからアニメーション作る人…アニメーターっていうのになりたい」
ついにここで決断したか、なつよ。今朝決めたということは、阿川家からの帰り道に朝焼けの美しい景色を目にした時なのかな。一度きりの人生、自分のために生きてみようっていう気持ちになったということか。
ただ、なつはアニメ映画を見て感動している描写しかないから…「作りたい」と決断する要素はちょっと弱い気がするんだよねぇ。もう少しアニメーターの現場に触れるシーンがほしかった気がするんだけど…時間配分の関係で仕方ないのかな。
そんななつの決断を、天陽は受け止め「なっちゃんの決意が聞けて良かった。俺は良いと思うよ、頑張れ!」とエールを送ります。そのまま別れた二人でしたが…天陽の心の中は実は複雑だった模様。
なつの本当の夢を知ってしまったことで告白の機会をさらに失ってしまったんだろうね。なつの夢の邪魔になりたくないって思ってるだろうからなぁ…。天陽くんの気持ちも切ない。
その日の柴田家の夕食の席はいつものように平和な食卓となったようです。泰樹との関係も完全に…とは言えないまでもほぼ普段通りかな。
なつは、助けてくれた阿川家についてちょっと興奮気味に報告。その中で「なまら美人の娘の砂良さんが」という発言が飛び出した時…
照男くん、食べてた箸を思わず止めてピキーーーンと反応www。どうやら「なまら美人の娘」というワードがやたら気になった様子(笑)。可愛いっ、可愛すぎるぞ、照男ーーーーww。
しかし、平和だった夕食のあと…事態は急変することに。
皆が揃ったところで、なつは思い切って「東京へ行きたい」と切り出します。最初はみんな短期間訪れることを想定していましたが、なつの話を聞くと…本格的に柴田家を出て東京で暮らしたいという内容だったためその場に緊張感が走る。
「東京へ行ってどうしたいのさ?」という剛男の問いに、なつは躊躇った挙句「お兄ちゃんを支えたいと思っている」と言ってしまう。兄の側に行きその支えとなり、行方不明になっている妹の千遥も探したいと…。今すぐではなく、何年かしたら自分を東京へ行かせてほしいという発言は柴田家の間にも不安が走るものでしかない。それを一番恐れているのが泰樹だったということに、なつは気が付いていないのです…。
農業高校へ行かせてもらいながら何の恩返しもできず、その状態でアニメーターになるために上京したい…っていうことは言えなかったんだろうけど、これはこれでけっこうな問題発言になっちゃうんだよなぁ(苦笑)。
なつの発言は泰樹の気持ちを刺激してしまい、ついには
「これ以上わしの勝手に付き合うことはない。牛飼いとおまえは何も関係がない。この家とも関係がない。お前の顔はもう二度と見たくない!!勝手に出て行け!!!」
と怒鳴られる結果に…。泰樹さん的には、なつに本当の家族としてずっと柴田家にいてほしいって想いが強かったわけで。それが暴走して照男との結婚話を出すことになって修羅場となった経緯がある。なつは照男に「じいちゃんの気持ちもわかってやれ」と諭されて一度は謝っていたけど、結局は芯の部分までは理解できていなかったってことなんだろうね…。
東京にいる兄弟はイコールなつの本当の家族。今回の彼女の発言は、柴田家を出て本当の家族と暮らしたいと言っていることと同じ意味に取られても仕方がないのです。
でも、今のなつにはそんな泰樹の気持ちを慮ることができなくて逆ギレしてしまう結果に…。あーーー、これは、なつの言い方が悪かったよなぁ、完全に。そういうところがどうも鈍い(苦笑)。
泰樹に「出て行け!」と怒鳴られたなつは勢いでそのまま荷物をまとめて柴田家を出て行こうとする。そこへ富士子がやってきてなつを落ち着かせようとするのですが…
「ここにはもう、申し訳なくて居らんない…」
と思わずネガティブな遠慮をした発言をしてしまう。この「申し訳ない」という他人行儀な言葉は富士子の気持ちを激しく刺激してしまい…思い切りなつを叩いてしまう。この時の富士子さんの鬼の形相は決行迫力があった(汗)。
だけど、なつと本当の家族だという気持ちが強い富士子さんからしたら、いまさら遠慮なんかしてほしくないわけで…あの愛の鉄拳は致し方なかったかもなと。
「出て行くあんたに申し訳ないなんて言われるくらいなら、憎まれる方がよっぽどマシだわ!!」
このセリフの時の松嶋さんの迫真の芝居は、ここ最近の中で一番響いたかもしれない。なつの「母」としての想いが感じられた。
「一人で苦しみたいなら、家族いらないっしょ!」という富士子の言葉に、なつは思わず抱きついて泣いてしまいました。なつはどうしても未だに自分の中だけで解決させてしまうところがあるからなぁ…。生い立ちからすると致し方ないのかもしれないんだけど、なんだかもどかしさもある。
その頃、泰樹と二人きりになっていた照男は「あそこまで言わなくても…」と言葉をかけていましたが、それは決して責めるわけではなくて、ジイちゃんの気持ちもわかるけどっていう前提の気持ちが滲み出ているものだったのが印象的だった。不器用であまり感情を出さないタイプだけど、照男の優しさは今のところ日本一のレベルだと思うよ、ほんとに…。
「もしかしたらなつは、やっと言い出せたことかもしれんべ」
泰樹の気持ちを思いやりながら、なつの気持ちも配慮して諭すように言うなんて…優しすぎて泣けるよ~。なかなかこんな出来た兄はいないんじゃないだろうか。
そんな照男に、泰樹はようやく「すまんかったな・・・おまえまで巻き込んでしもうて・・・」と謝罪します。やっと照男に謝ってくれたわ・・・。だけど、今のじいちゃんの気持ちも切ないからなぁ・・・なんか複雑だよ。照男も心配してたしね・・・。
泰樹が仔牛に寄り添って激しく凹んでいる頃、剛男、富士子、夕見子、明美はなつ囲んで今後の話し合いを行っていました。剛男は「学校だけはちゃんと出てくれ」と説得。渋るなつに対して「途中でやめる方が勿体ない」ともっともな発言をしてくる夕見子。彼女はいつも的確な意見を出してくれるよね。
それに対して剛男は「そんなけち臭いことは言わなくていい」ってツッコミ入れてたけどww実際のところはそうじゃないかね。「親の言うことは聞くものだ」と剛男と富士子はなんとかなつを説得しようとしますが、未だに心に迷いがある様子…。
そりゃそうだよねぇ、本当は農業じゃなくて「アニメーター」方面に進みたいって思ってしまってるわけだから。
そんななつの気持ちなど露知らぬ柴田家の家族。すると明美が咲太郎も北海道に来て暮らせばいいのにと提案してくる。そうすればみんな一緒にいられるからね。でも、咲太郎が借金抱えていることを知ってる富士子や剛男からすれば、それをすぐに受け入れることはやはりできなくて「それができたらね」とはぐらかす。
明美はたぶんこの中で一番事情が分かってないだろうから不思議に思ってるだろうなぁ(苦笑)。
会話が膠着状態となるなか、剛男は
「なつが本当にしたいことがあるなら誰も反対はしない。ジイちゃんだって、本当はそうなんだ」
となつを励ます。たまにKYな地雷踏んじゃうこともあるけど、剛男さんはやっぱり優しい人だよね。照男の父親って思うよ、こういうところは。
さらに夕見子は「なつが自分で自分に納得してればいいだけよ」と告げる。今すぐ出て行ったところで何も納得できていないのでは、と話す夕見子ちゃん、的確な指摘だよね。すごい説得力がある。
家族みんながなつのことを思いやっている。それを肌で改めて感じたなつは感謝し、「私は自分勝手で恥ずかしい…」と反省モードに。そんな姿を見てすかさず「今頃気づいた!?」ってツッコミ入れてくれる夕見子、本当に優しいよ!!
受験の大変な時に振り回してしまったことをなつが詫びても「誰があんたなんかに振り回されるもんですか!」と強気の発言でなつに負担をかけないようにしてる。柴田家の子供たちは本当にみんな優しくて温かい…。
なつよ、そんな人たちを傷つけてはいけないよ。自分の本当にやりたいことを、正直にみんなに言うべきだと思うぞ。「肝心なこと」を・・・アニメーターになりたい夢を告げなければね。
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