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NHK大河ドラマ『青天を衝け』第16回ネタバレ感想 恩人暗殺

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これまでほぼタイトルに「栄一」または「篤太夫」の名前がついていましたが、今回は2度目の名前抜きタイトルとなりました。ついにこの日がきてしまったということか…。徳川家康さんも登場を控えられたようでお休みでした。

篤太夫と成一郎は一橋家に仕える優秀な人材をスカウトするという”人材御用”の命を受け、関東への旅に出立しました。そのついでに故郷へ立ち寄ることを考え胸を躍らせていた二人でしたが…、この時はまだ、岡部藩が「栄一と喜作は血洗島への立ち入り禁止」と厳しい掟を出していたことを知らなかったわけで(汗)なんだかちょっと胸がざわついてしまった。

しばらく歩いていくと、後ろから馬に乗った平岡円四郎がやってきて驚く二人。「天気がいいからふらついていただけだ」と笑う円四郎でしたが、それは口実で…本当は二人のことが気になって追いかけてきたのではないかなと思っちゃった。篤太夫たちのことは弟のように可愛がってたからねぇ。
しかし、一緒に来ていた家臣の一人の川村は顔をこわばらせ周囲に目配せを欠かしません。屋敷前に怪しい人物がうろついてる現場を見てますから、本当ならこんな風に気軽に外出してほしくなかったというのが本音でしょう。

茶屋に二人を招待した円四郎は、本当は二人を見送りに来たという本音を押し隠し、江戸にいる妻のやすに自分が息災であることを伝えてほしいと頼みます。

「なんかおかしれぇことがなければ、掛軸の小鳥にでも話しかけろってな」

あ…、あの時の掛軸…。円四郎は京へ出立前にこの掛軸の後ろにひっそりと手紙を隠してたんだよな…。もうなんか、あのシーン思い出しちゃってこの時点でウルウルって来ちゃったよ(涙)。

円四郎は改めて篤太夫たちに「攘夷とかそういうのはどうでもいいから、一途に国のことを考え正直に生きている人材を見つけてきてほしい」と注文を付けます。それさえ念頭に置いておけば、あとは自由に人材を選んで良しとの言葉を受け、篤太夫と成一郎はそれを噛みしめるように頷きました。

そんな時、成一郎にだけ「黒川様からの言伝がある」という呼び出しがかかる。篤太夫よりも成一郎のほうが武士らしい面構えになってきましたねw。でも円四郎は篤太夫に「元々は百姓だということを忘れるな、無理に死ぬことを生業にすることはない」と釘を刺します。
その言葉に違和感を覚えた篤太夫に対し、円四郎はその昔「江戸の町は商いでできている!」と嬉々として叫んでた小童がいたことを話します。円四郎さん、その時のガキンチョが今目の前にいる篤太夫くん本人ですよ(笑)。でも二人とも全くそのことに勘付いてないっていうねww。あの時はそれを聞いて腹が立ったけど、今にして思えばその言葉は正しかったのかもしれないと円四郎は苦笑いを浮かべていました。

そして円四郎は、篤太夫に自らの想いを伝える。

「お前は、お前のまま生き抜け。必ずだ!いいな?」

篤太夫はその言葉を噛みしめるように笑顔を浮かべて頷きました。円四郎は、感性豊かでまっすぐで正直な篤太夫を特に可愛がっていましたからね。自分を信じて感じるまま生きろと伝えたかったんだと思います。

まさかこの時の再会が今生の別れになってしまうとは…、篤太夫への言葉が遺言になってしまうとは…(涙)。円四郎の顛末を知っているうえでこのシーンを見ると本当に切なくてたまりませんでした…。

ちなみに、平岡円四郎が人選御用の命を受け旅立つ二人に途中茶屋でもてなしをしたというエピソードは実際にあった話だそうです。これが最後になるかもしれないという虫の知らせみたいなものがあったのかもしれませんね…。

以下、さらに第16回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

これまでの『青天を衝け』感想レポ

青天を衝け
青天を衝け
2021年度NHK大河ドラマ『青天を衝け』の感想レビュー

『青天を衝け』第16回 恩人暗殺

2021年05月30日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45 ほか

出演:吉沢亮、高良健吾、田辺誠一、町田啓太、岡田健史、藤原季節、草彅剛、堤真一、ほか

あらすじ

篤太夫(吉沢 亮)と成一郎(高良健吾)は、円四郎(堤 真一)に命ぜられ、一橋家の兵と家臣を募るべく関東に出向く。二人はかつての同志・真田範之助(板橋駿谷)に会い、一緒に働くことを勧めるが一蹴されショックを受ける。血洗島村では惇忠(田辺誠一)と平九郎(岡田健史)が水戸騒動に関わった嫌疑で連行され、惇忠は牢(ろう)に入れられる。一方京都では土方歳三(町田啓太)ら新選組が池田屋を襲撃。攘夷(じょうい)派志士の怒りは、禁裏御守衛総督(きんりごしゅえいそうとく)の慶喜(草彅 剛)と側近・円四郎に向かっていく。

<公式HPより引用>

その頃、血洗島には篤太夫たちの近況を知らせる文が届き千代をはじめ家族は安堵の胸をなでおろしていました。かなり長い間連絡がなかったようですから、生き死にも分からない状態はさぞかし心配だったかと思います。
しかし、二人が一橋家の家臣になったというくだりを読むと「幕府に逆らうつもりじゃなかったのか?」と疑問符が浮かんでしまう面々(笑)。特に伯父さんと伯母さんは「手のひら返しじゃないか」と顔をしかめていましたが、母親のゑいさんからしたらそんなのはどうでもよくてw。ただただ息子が無事でいることが嬉しいって感じでしたね。

千代はもしかしたら故郷に寄ってくれるのかもと期待に胸を膨らませました。その言葉に市郎右衛門もゑいもていも待ちきれないといった感じで胸昂らせています。でも、そう簡単に事が運ぶようには思えないんだよなぁ…。たしか二人は血洗島へは出禁状態になってるはずですからねぇ…。

その頃水戸藩では、藤田小四郎らが挙兵した「天狗党」の存在に頭を悩ませていました。さらにそこへ天狗党とは対極の立場をとる諸生党市川三左衛門がやってきて、「我々が天狗党を始末いたしましょう」と鼻息荒く藩主・慶篤に訴える。幕府のほうからも水戸の内乱に対して苦言を呈されていたこともあり、慶篤はそれを了承してしまいました。
武田耕雲斎はその決断に慌て反論しようとしましたが、「家中が先じゃ!」と一喝され何も言えなくなってしまう…。

慶篤にとって天狗党は目の上のタンコブみたいな存在だったんでしょうね。元々藩主向きな性格ではないというのもあって、こういったトラブルへの対処は巧く対応できなかったのかもしれない。狼狽えるように泳ぐ目が「この人に水戸を任せて大丈夫なんだろうか」という不安を抱かせますね(汗)。中島歩さんはそんな慶篤をうまく好演してるなと思いました。

一方筑波山で陣を張る天狗党の小四郎のもとには参陣を断ったり軍用金を拒否されたりといったよくない知らせが舞い込んでいて、皆一様に苛立ちを募らせていました。挙兵するにあたっての人材や兵糧、軍資金にはかなり苦慮していたようで、どんな強引な手を使ってでもそれらを確保するよう部下を焚きつける小四郎…。焦りからなんだろうけど、なんだかもう大義名分はどこかに置いてきたテロリストのようで危なっかしくて見ていられない(汗)。

そんなある日、惇忠の元に天狗党への参戦を呼び掛ける使者・金井国之丞がやって来る。
小四郎の使者は惇忠に「今は参加が無理でも、とりあえず軍用金を!」と訴えます。傍にいた平九郎は700もの人員が集結しているという話を聞いて「さすが水戸だ!」とかなり天狗党へ心が動いたようでしたが、惇忠は彼らが水戸の主君の許しをもらったうえで兵を挙げていないと察すると「大義名分がないのではただの争乱だ」と非難し誘いを断ってしまう。

惇忠兄ぃのなかでは常に「大義名分」というのが心の中の大前提にあるんですよね。それがない戦に参加しても全く意味を持たないという確固たる想いがあったからこそあの誘いを断った。過激な思想も持ってるけど、芯はしっかり通った真っ直ぐな人物だなと思いました。

さらに惇忠は天狗党を名乗る者が深谷で金を強奪していたことを知ったと冷たく言い放つ。そんな連中と一緒に戦いたくはないという想いが強かったのでしょう。まだ若い平九郎にはそんな兄の気持ちがまだ分かっていないようでしたが…。

それでも軍資金だけは少し都合してやるところが惇忠の優しいところ…。ここはただ突っ返してもOKみたいな空気あったのに。
そんな惇忠の態度を見た金井は「賊扱いしやがって!!」と怒りをあらわにしますが、しっかりもらうもんはもらっていくというチャッカリっぷり(苦笑)。そういうところがダメなんだっていうの、彼らには分からないんだろうなぁ。志よりも目先のことに捉われてしまってるっていう、ね…。

この一連の場面、個人的にけっこう胸アツなシーンでした。
というのも、98年大河『徳川慶喜』で藤田小四郎を演じていたのは惇忠を演じている田辺誠一さんだったからです。まさか田辺さんを介して惇忠と天狗党が繋がるシーンが出てくるとは!!なんかちょっと運命的なものも感じて思わず「おお!」と声が出てしまいましたw。

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それから数日後、岡部藩から呼び出された惇忠がなかなか戻ってこず家族は心配を募らせていきました。母親のやへさんは息子の無事が気がかりで仏壇の前で一心不乱に経を唱え続けている…。おそらく飲まず食わずで祈っていたに違いない(涙)。

その時、岡部藩の役人たちが突然尾高家に乱入してきて有無を言わさず家宅捜索を始めてしまう。屋へはこの時、惇忠が水戸の争乱…つまり、天狗党に関わっている疑いをかけられ囚われてしまったことを初めて知らされます。
これまで多くの攘夷派の志士を集めて会合を開きまくってたから何かと目を付けられやすかったのも災いしてしまったのかもしれないよなぁ…。今回の一件は濡れ衣なんだけど、それまでがそれまでだっただけに天狗党との関係を疑われてしまったのでしょう(汗)。

さらに平九郎も争乱の疑いありとされ強引に連行されてしまうことに…。泣きながら追いかけようとした母のやへでしたが、千代はそれを引き留め「何もやましいことがないのでしたら、きちんとお話していらっしゃい!そして兄さまと一緒にきっと帰っておいで!!」と力強く平九郎を励ましました。あの時の千代の強い眼差しがとても印象的だったな。弟を信じてるからこそのあの言葉だったよね。

平九郎が連行された後、やへは呆然と荒らされた惇忠の部屋に座り込んでいました。やへさんはこれまでも何度も惇忠たちのただならぬ様子に不安を募らせてきましたが、その内容については全く知らされていなかったので事が納まるのをただただ祈って待つことしかできなかったと思います。
しかし、息子たちが次々と自分の傍から引き離されるような事態が重なり…今まで耐えに耐えていた心の糸が限界を迎えプツリと切れてしまった。

狂ったように泣き叫びながら惇忠の部屋にある書を次々と引きはがし、破り捨てていくやへさん…。目に入るものすべてが、息子たちを奪おうとする邪悪なものに見えたに違いありません。そんな母を千代は必死に後ろから抱きしめる。するとやへはこれまで言えなかった恨み言を口にする…。

「水戸が憎い…!!憎いよ…!!!」

慟哭するやへさんの気持ちが分かりすぎて、本当に辛いシーンだった(涙)。

1864年5月、京ではある大きな事件が起こります。

その日、肥後勤皇党の宮部鼎蔵を中心とする攘夷派の志士が旅籠の池田屋に秘密裏に集結し密談を交わしていました。

宮部たちは御所に火を放ち、その混乱に乗じて八月十八日の政変を企てた中川宮を幽閉したうえで一橋慶喜・松平容保らを暗殺し、孝明天皇を長州へ連れて行くといった過激な計画を話し合っていました。

新選組はその動きを察知(古高俊太郎を土方が拷問して聞き出した話が有名です)し、志士たちが集まる旅籠をピックアップし狙いを定めます。そのうちの一つ、池田屋に近藤勇・沖田総司・永倉新八・藤堂平助といった剣豪たちが最初に乗り込み斬り合いへと発展していきました。世に言う「池田屋事件」の勃発です。
戦いは2時間にも及んだといわれており、尊攘派の志士の多くは戦死または捕縛されます。新選組も沖田総司が戦いの最中に体調を崩し、藤堂平助が額に重傷を負うなどの痛手を受けました。

だいたい新選組が登場する時代劇は近藤勇と沖田総司だけはフィーチャーしてくるのですが、今回は名前のテロップもつかないような端役扱いでちょっとビックリしました(汗)。でも、姿形でなんとなくわかりましたけどねw。

ちなみに土方歳三・斎藤一・井上源三郎ら別動隊は違う旅籠(四国屋)を捜索していたため最初に乗り込んだメンバーの中にはいませんでした。池田屋がビンゴだと知った土方たちは急ぎ池田屋へ向かいます。そして近藤たちと合流して激しい乱戦となるわけです。

町田圭太くん演じる土方歳三の殺陣はとてもシャープで美しかったですねぇ。町田君は体育系の大学出身ですから動きも良いし見栄えもするし、今後の土方の活躍がますます楽しみになりました。

池田屋の主人は尊攘派志士を匿っていた罪で捕縛され獄死してしまったようです。池田屋はその後細々と開業したようでしたが結局は廃業に追い込まれたとのこと。現在その地には居酒屋が建っていて池田屋の痕跡は見られません(碑があるのみ)。

池田屋事件後、町の壁には「池田屋事件で新選組を仕向けたのは一橋慶喜である」という落書きが書かれあり、人々が不安を募らせている。それを目撃した水戸藩士の林忠五郎と江幡広光は「一橋様がそんなことをするはずがない!!」と怒りに震え集まっていた人たちを追い払います。
そして彼らの脳裏には「平岡が慶喜を唆している」といったとんでもない誤解が浮かんでいく…。次第に募っていく平岡への憎悪。やがて二人は「水戸の手で平岡を始末しなければ」という恐ろしい考えに支配されてしまうのでした…。

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そんな不穏な京の出来事など知る由もない篤太夫と誠一郎は無事に江戸まで到着し、円四郎の妻・やすのもとを尋ね近況を報告していました。篤太夫の円四郎のモノマネがけっこう面白かったww。
その話を聞いて「忙しそうだからなかなか江戸には帰ってこれないかもねぇ」と残念そうにするやす。そんな彼女に篤太夫は円四郎が「おかしろいことがない時は掛軸の小鳥に話しかけろ」と言っていたことを伝えます。それに対してやすはバカにしたように「こっちは面白おかしくやってんだから!」と強がってみせるのですが…、彼女がその掛軸の真実を知った時のことを思うと胸が痛くなってしまった(涙)。

篤太夫と成一郎はやすに別れを告げその場を後にします。そんな彼らの背中に「約束通りあの人のために尽くしてくれてありがとう」と頭を下げるやす…。彼女には篤太夫と成一郎が円四郎のことを心から慕っていることが伝わって嬉しかったんだろうね…。まさかその円四郎に危機が迫っていることなど、誰も気づいていないところがなんとも切ない。

さっそく人材探しに動き出す二人。腰が引けてる農民まで「おかしれぇことになるぜ!」とけっこう強引に誘ってるシーンはちょっと笑っちゃったww。無理やり仲間に入れちゃダメでしょ~~。でも、なんだかんだでけっこう順調に人材は集まってきているようでした。
そしてもう一人、どうしても声をかけておきたい人物がいました。血洗島で切磋琢磨し酒を酌み交わした仲間の真田範之助です。彼ならきっと一橋のいい戦力になると確信めいたものが二人にはありました。

ところが、範之助の元を尋ねるとなにやら物々しい空気が漂っている。範之助は懐かしい二人の姿を見て最初は大いに喜び歓迎しますが、「共に筑波山へ向かおう!!」という思いがけない言葉を聞いた篤太夫と成一郎はキョトンとしてしまう。彼らは天狗党の挙兵のことをこの時初めて知ることになりました。
範之助は未だに二人がゴリゴリの攘夷論者だと信じて当然天狗党に一緒に加わるものだと思っていた様子。横濱焼き討ち計画の時一緒にいましたからねぇ…。その時から変わってしまったなんて夢にも思っていない。

そんな範之助を目の当たりにした二人は一瞬言葉を失ってしまいます。それでも成一郎は意を決したように自分たちが一橋家に仕官することになったと伝える。範之助にとってはまさに寝耳に水な出来事だっただろうなぁ…。時間が止まったように固まってしまう気持ちはよく分かる。
それでも篤太夫は「俺たちと一緒に一橋家で働かないか」と言葉を掛けますが、範之助は「ふざけるな!!」と烈火のごとく怒り、少し前まで幕府を批判しておきながら今ではその庇護を受ける形となっている二人のことを激しく罵倒してしまう。

篤太夫と成一郎は「攘夷は半端な挙兵では成り立たない」と説得しようとする。「挙兵するよりも一橋のもとで働いたほうがよほど国のために見込みがある」と必死に訴えますが、その言葉は範之助たちの耳には全く届く気配がない…。
範之助は篤太夫に刀を向け「今すぐ失せろ!!死にたいか!!」と叫ぶ。そんな彼に「お前にむざむざ死んでほしくねぇ!!」と思いをぶつける篤太夫。その目には友を失いたくないのだという強い気持ちが込められているような気がしてグッとくるものがありました。

しかし、範之助は悔し涙を浮かべながら「俺はお前らを心底見損なったぞ!!!」と叫び道場へとこもってしまいました。分かり合えた友だったからこそ、道を違えてしまった篤太夫と成一郎のことが理解できず悔しくて哀しくてたまらなかったんだろうな…。あんなに意気投合して酒を酌み交わした仲間だったのに、こんな形で袂を分かってしまうのは哀しすぎる(涙)。
でも、もうお互いの道が交わり合うことはない。そう悟った篤太夫と成一郎は断腸の思いで範之助と別れる決意をするのでした…。

真田範之助はその後天狗党に合流したものの水戸の抗争に巻き込まれて離脱。攘夷決行の情熱は消えず鹿島で挙兵しますが幕軍に敗北してしまい、潜伏中に新徴組と斬り合いとなり命を落としたそうです。<公式SNSより>

真田範之助の顛末まで描かれると思っていたのですが、今回で出番終了とのこと。板橋駿谷くんの熱い芝居がとても魅力的だったので残念です。

撮影、お疲れ様でした!!またいつか大河で活躍する姿も見たいです。

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平九郎は宿預かりということになり家に戻されたようでしたが、手にはごっつい手錠がつけられたままで自由が利かない身となっていました。そこへていがやってきて桑の実を平九郎に食べさせてやる。

ここはちょっとした胸キュンシーンみたいになりましたね(笑)。目が合った瞬間に二人でドキっとしてしまうあたり、この二人は脈ありなんじゃないか?と思ってしまったよw。

一方篤太夫たちはほぼスカウトも終えて一息ついたようでした。全部で40人以上集まったようで成一郎の表情も明るい。しかし篤太夫は範之助との辛い別れが影響しているからか、うわの空で表情が冴えません。そんな彼を元気づけようと「そろそろ血洗島へ行って道場の仲間たちを加えよう」と誘います。いい奴だよねぇ、成一郎。その言葉を聞いてようやく故郷を懐かしむ気持ちが芽生える篤太夫なのでした。

ところが、そんな二人に市郎右衛門からの文が届く。そこには「一橋家の家臣となった二人の雄姿を一目見たい気持ちはあるが、今はそれどころではなくなっている」と不穏な言葉が書き綴られていました。この時初めて篤太夫たちは惇忠が天狗党との関連を疑われ投獄されたことや、岡部藩が勝手に範を抜け出したとして二人を血洗島出禁にしていることを知るのでした。

平九郎は手錠つきながらなんとか解放されたけど、惇忠は未だに牢獄に入れられたままなのね…。それでも凛としてその場に座り続けている姿はとても美しく気高く見えました。

手紙の最後には「故郷に帰ることは今回は見合わせてほしい」と綴られていて、二人は忸怩たる想いを募らせてしまう。故郷までの距離は近いのに愛しい家族には会いに行けない…。篤太夫が思わず「一目だけでも会いに行けないか」と口走ってしまう気持ちもわかります。しかし、成一郎は「自分たちが帰って混乱を起こすのはよくない」と冷静に告げ篤太夫もそれに納得せざるを得ませんでした。

その頃水戸城では天狗党討伐のための兵が挙兵準備にかかっており、彼らを統率する市川三左衛門が「水戸の恥は水戸の手で注がねばならん!」と鼻息荒くしていました。
しかし水戸藩では「市川ら諸生党が藩を乗っ取るつもりだ」と重臣たちが慶篤に詰め寄っていました。彼らは斉昭イズムの継承を是としていたため、市川たちの幕府寄りな考え方を容認することはできませんでした。完全に内乱状態に陥ってしまってたんだなぁ(汗)。しかし、慶篤は何も策が浮かばないようでうるさそうに彼らから逃げようとする有様(苦笑)。

そこへ母の貞芳院がやってきて厳しい口調で慶篤を諫めます。「主君のそなたが勢いに押されていては家中が納まりましょうか!」と手厳しい。慶喜にも迷惑が掛かると告げられた慶篤は渋い顔をしましたが、ここは母に従うしかない状況。
慶篤的には弟中心に地球が回っていることに対して多少なりともコンプレックスはあったかもしれないよなぁ(汗)。政治にも向いてなさそうだし、一番大変な時期に彼が藩主になってしまったことは悲劇でもあったような気がします。母の言葉を受け、慶篤は遠ざけていた武田耕雲斎を呼び戻し話を聞くことを決意しました。

水戸内乱の件は慶喜たちの耳にも届くところとなり、耕雲斎を頼って人材を確保するのが難しくなったとため息をついていました。

慶喜は円四郎に篤太夫たちは本当に人を集めてこられるのかと尋ねると、「私は人を見る目だけはあるから大丈夫です」と自信満々な回答が返ってくる。慶喜は少し半信半疑な様子でしたが、「あなた様だって一目お会いしたその日から只者ではないと睨んでいました!」と得意げな円四郎。それ以来惚れ込みすぎて奥さんにまで疑われるくらいだったしね(笑)。

そんな円四郎に慶喜は不意に

「私は、輝きが過ぎるのだ」

とちょっとビックリするようなことを言ってくる。あまりにも自然にシレっと言い放つところが草彅@慶喜の面白いところですねw。でもその言葉の裏には、あまりにも皆が自分のことを崇め持ち上げてくることへの苦悩が滲んでいました。

「誰も彼も幻を見ている。その幻の輝きは実に多くの者の命運を狂わせた」

自分はただの凡庸な人間であり、ただ実直に公方様や徳川をお守りしたいだけだと力なく告げる慶喜。あくまでも自分への評価は地味であるが故に、多くの人が多大なる期待を寄せてくることに対して生きづらさを感じてしまっているんだろうなぁ…。そんな自分のせいで周りの人が翻弄されていく姿を見るのも辛かったと思う。

しかし円四郎はため息をつきながらも「その輝きはこの先も決して消えることはありません」と励まします。さらには慶喜のことを「東照大権現様の再来」とまで評価。これにはさすがの慶喜も「何と大それたことを」と呆れ顔でしたが、円四郎は真面目に「緩んだこの世をまとめ上げられるのは殿しかいない」と信じて疑わなかったんですよね。まるで、徳川家康が天下統一した時のように…。

それでも慶喜はヨイショしまくる円四郎の言葉を受け入れようとせず、「権現様とは夢でも会ったことはないが、会っても決して似ていない」と頑なですw。ちなみに視聴者はほぼ毎週のようにその権現様とお会いしてるので、ちょっと申し訳ない気持ちになってしまった(笑)。
しかし、家康に恥ずかしくない世の中を作らなければという想いだけは芽生えてきたと伝える慶喜。それだけでもかなりの進歩ではないでしょうか。その言葉を聞いた円四郎は嬉しそうにある言葉を伝えます。

「この平岡円四郎、尽未来際、どこまでもお供仕ります」

円四郎の熱い忠誠心に触れた慶喜は「そなたには敵わぬ」と言いながらも嬉しそうな笑みを浮かべるのでした。そんな慶喜を見つめる円四郎も嬉しくて顔がほころんでいる。まるで仲の良い兄弟のような間柄の二人…。この先に起こる悲劇の影などどこにもなくて、ただただ、その時間が永遠に続けばいいのにとさえ思ってしまいました(涙)。

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それからしばらくして、武田耕雲斎らが兵を率いて藤田小四郎ら天狗党の説得に当たるべく出立していきました。しかし、それが成功する見込みは薄いため彼らの表情は暗い。耕雲斎はここからさらに大きな悲劇へと巻き込まれていくことになってしまいます…。それを知ってるが故に、この出立シーンはとても切なく苦しかった(涙)。

この行列を目の当たりにしたやすは、ふと言い知れぬ不安が心の中に過ったようでしたね…。外は大雨…。まるでこの後の悲劇を予感させるような土砂降りだった…。

同じころ、円四郎は川村と共に京都町奉行所の与力長屋から帰ろうとしていました。しかし、雨が強く降っていたため川村に傘を取ってくるように頼みその場で一人待つことに。慶喜と語り合った時のことを思い出し頬が緩んでしまう円四郎。その瞬間、何者かが突然激しい勢いで飛び出してきて斬りかかってくる。あまりにも突然の出来事すぎて、刀を抜く間もないままその刃をまともに受けてしまった円四郎…。

傘を取りに行っていた川村は衝撃を受け、円四郎を襲った下手人を追いかけ激しい斬り合いを展開し制圧。円四郎を襲ったのは、池田屋事件後の落書きを見て円四郎への恨みを募らせていた水戸藩士の林忠五郎江幡広光でした…。

林忠五郎は川村恵十郎と激しい斬り合いの末に討ち取られ死亡。江幡広光は同じく川村と激しい戦闘を繰り広げましたが重傷を負い自害したと伝わっています。

しかし、額に大きな切り傷を負ってしまったが故に瀕死の状態の円四郎の元へ駆けつけることができない…。川村の必死の叫びが空しく響くなか円四郎は最後の力を振り絞り「俺はまだ死ねんからな、まだ、見たいものが山ほどある…」と立ち上がろうとしましたがついにはその場に倒れてしまいました…。

仰向けになり土砂降りの雨を一身に受けながら「まだ死にたくない」と呻いていた円四郎。しかし命の期限は刻一刻と迫ってくる。そんな中で思い浮かんだのは慶喜の姿だった。誰よりも慶喜の作る世を見たいと願っていたのは円四郎でしたからね…。その無念の心境は察して余りある。
そして今際の際に浮かんだ顔は…、愛する妻・やすの顔でした(涙)。最後の力を振り絞り雨空に指を差し出した円四郎…、それはまるで、妻の姿を探しているようにも見えて…切なすぎて涙が止まりませんでした(泣)。本当に心から愛してたんだよな、やすさんのことを…。

もっと周囲を警戒していれば…。もっと慎重に行動していれば…。そう思わずにはいられなかった。

円四郎が暗殺されたとの知らせは慶喜の耳にも入ってくる…。そして、襲った相手が水戸藩の者だったということも…。その言葉を聞き、呆然としながらも弾かれたように飛び出していく慶喜。すると、屋敷の入り口に円四郎の亡骸を運んでくる一行が目に留まる。

言葉を失い、呆然としながらも雨の中フラフラと円四郎の亡骸の傍へ歩み寄っていく慶喜。そこに横たわる円四郎はもう何も語りかけてはこない。いつも笑いながら自分を叱咤激励し鼓舞してくれていた円四郎は、もう手の届かない場所へと旅立ってしまった…。時には友のように、時には兄のように寄り添ってくれていた、一番心を寄せていた平岡円四郎はもう、そこにはいなかった…。

この現実を慶喜がすぐに受け入れることは到底できるはずもありません(涙)。

「円四郎よ…、尽未来際と、申したではないか…!!尽未来際…共に…!!どうして、どうして…どうして…!!!」

あまりのショックに泣き崩れ慟哭する慶喜の姿は、涙なしには見られませんでした(号泣)。
自分に自信がなかった慶喜にとって、そんな彼の背中をいつも明るく前向きに励まし押し続けてくれた円四郎は決して欠かしてはいけない存在だったのだということをこのシーンを見て思い知らされました。その姿はまるで、キルヒアイスを失ったラインハルトの姿にも重なったなぁ…(「銀河英雄伝説」の話ですが)。

そして、傍についていながらも円四郎を死なせてしまったことで自責の念に駆られ泣き崩れる川村恵十郎の姿も切なすぎて涙が出ました…。川村さんは、悪くないよ…。精一杯守ったよ…。この時の戦闘で受けた額の傷は生涯消えることはなかったそうです。

98年大河ドラマの時も慶喜は円四郎の死に直面して涙を流し嘆き悲しむシーンがあったのですが、あの時は今回ほど親密に二人の関係を描いていなかったのでいまひとつピンとくるものがなかったんですよね。でも今回の『青天~』ではそのあたりとても深く描かれていたので、慶喜の気持ちが手に取るように伝わってきて思わず涙がこぼれてしまいました。

多くの仲間を引き連れ京への帰路についた篤太夫たちは、未だこの事件を知りません。彼の頭上を一匹の鳥がスッと横切っていく姿がありましたが、もしかしたらあれは、円四郎の魂だったのかもしれないなぁ…。おそらく次回、彼らはそれを知るところとなるでしょう。また切ない展開になりそうです…。

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