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NHK朝ドラ『おかえりモネ』第15話ネタバレ感想 海風

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覚悟はしてたけど、やっぱり3.11の描写が出てくると胸がぎゅっと締め付けられるような感覚がありますね…。でも今日の回は、辛いとか、哀しいとか、そういう感情ではない心のどこかの部分が激しく揺さぶられて、終わった後も涙が止まりませんでした…。

これまでの『おかえりモネ』感想レポ

おかえりモネ
おかえりモネ
2021年度前期NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の感想レビュー

震災当日の夜、百音と耕治は急ぎ自宅のある気仙沼の亀島へと急ぎますが、町が混乱していてなかなか車が動かない。カーラジオから聞こえてくるのは不穏なニュースばかりで百音の胸に不安な想いがどんどん募ってしまいます。
そしてようやく海の近くの高台までたどり着いた二人は、気仙沼の町のところどころから火事の煙が上がっているという衝撃的な光景を目の当たりにしてしまう…。

自宅のある亀島からも火の手が上がっていて、百音も耕治もショックのあまり言葉を失ってしまいました…。第1週で百音が北上川の移流霧を見つめていた時に脳裏によみがえってきた光景はこの時のものだったんだね(涙)。

気仙沼というと、当時ロケ中に震災に遭遇したというお笑いコンビのサンドウィッチマンのことを思い出します。彼らもおそらくこれと同じ光景を目の当たりにしてしまったのではないでしょうか…。土曜日に放送される1週間振り返りの後、どのようなコメントを発するのか注目したいです。

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数日後、ようやく亀島に戻れた百音と耕治。耕治は自宅の様子を見に走り、百音は避難所となっている学校へ急ぎました。頭上には支援物資を運ぶための自衛隊のヘリコプターが飛び交っている…。

今回の撮影のために、実際に海上自衛隊がヘリを出したようですね。

余談ですが、自衛隊と震災を関連付けたドラマではもう一つ綾野剛君と新垣結衣さん主演の『空飛ぶ広報室』があったなぁと思い出しました。あれも泣けたんだよなぁ…。

妹の未知の居場所を聞いた百音が給食室へ飛び込むと、そこには呆然とした表情で炊き出しの手伝いをしていた同級生たちの姿がありました。このシーンは見ていて本当にキツかったですねぇ…。

お互いほぼ無言のまま向き合う百音と仲間たちの間に、見えない大きな壁が立ちはだかっているように見えました…。
震災に直面したあの日、百音は聞こえてくるジャズの音楽に心奪われその場にとどまり、コンサートの練習のために集まっていた仲間の元へ帰る時間を遅らせていました。そのことの負い目を、あの瞬間に彼女は痛感してしまったのではないだろうか…。そして亮をはじめとする仲間たちも、自分たちと一緒にいなかった百音に対してどのように接していいか戸惑う気持ちが大きかったのではないかと…。あんなに仲良しだったのに、そこに生まれてしまったリアルで複雑な感情が浮き彫りになっていたような気がして…、あの無言の時間が見ていてとても辛かった。

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うつろな表情の仲間たちに何も声を掛けられず立ち尽くしていると、後ろから未知の声が聞こえてきた。思わず駆け寄り妹を強く抱きしめる百音…。未知は緊張の糸が切れたように泣きじゃくっている。百音の姿を見て安心した気持ちもあっただろうけど、それと同時に震災の瞬間のことが走馬灯のように蘇ってきて恐怖と不安に押しつぶされそうになったんだと思うと本当にやりきれない…。

何も言葉を発することができず涙に暮れる妹のことを、百音はただ強く抱きしめてやることしかできませんでした…。彼女のなかでこの時さらに「一緒にいられなかった」ことへの罪悪感が増幅してしまったに違いない…。その気持ちが痛いほど伝わってくるだけに、見ていてホント辛かった(涙)。

その記憶と共に目が覚めた百音は、隣で気持ちよさそうに眠っている未知の姿を見て少し安堵した様子でした。っていうか、みーちゃん、ちょっと寝相が悪いといった弱点がw。でも、そんな無防備な姿で眠っている未知を見るとなんだかとてもホッとしてしまいます。あの日の泣きじゃくってる姿を見た直後なのでなおさらね…。

それと同時に百音の記憶にもう一つの出来事が浮かんできた。

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震災から約半年経ったある夏の日、どこか虚ろな表情で勉強机に向かっていた百音のもとに父の耕治がやってきて少し遠慮気味に話しかけました。

「また、吹いてみないか?…これからなんじゃないかな、音楽とかが大事になってくるのは…」

耕治は震災当日からずっと百音の傍にいたので、彼女の心の中に巣くっている暗い”罪悪感”を感じていたと思う。だからこそ、あの日以来ずっとどこか虚ろな表情の続く娘のことが心配でたまらなかったはずです。
そんな彼女が元気になるきっかけになるのは、やはり大好きだった音楽に触れることなんじゃないか…。音楽がもう一度娘に生気を与えてくれるんじゃないかと考えたんだと思う。

しかし、百音の気持ちはそんな単純なものではありませんでした。

「違うよ、お父さん。音楽なんて、何の役にも立たないよ…」

無表情のまま父に放ったこの言葉がとても重い…。あんなに大好きだった音楽のことを、こんな冷たく拒絶する気持ちへと変わってしまったことが何よりも哀しかった。もしも自分があの日ジャズの音楽に心を躍らせていなければ、そして、もしも自分が音楽学校の受験をしていなければ…、そんな気持ちに支配されてしまったのではないだろうか。

そんなこと、全然ないのに。百音はなに一つ罪悪感を感じるようなことはないのに。それでもあの日、無言のまま向き合った虚ろな表情の仲間たちや泣きじゃくっていた妹のことが脳裏から離れず…、心の中で自分を責め続けずにはいられなかった百音が切ない(涙)。

耕治はそれ以上百音に何も語り掛けることはできませんでした。思っていた以上に娘が抱えている心の闇が深いことをこの時初めて痛感したのかもしれない。自分が一番傍にいたのに何も娘を救えないというジレンマを抱えて耕治さんも生きてきたんじゃないかな…。
そう考えると、「家を出たい」と言った百音を引き留めることができずに送り出してしまったことへの不安から、娘の職場まで押しかけて連れ戻そうとした気持ちも分かる気がしてしまいます…。

百音が「人の役に立つ仕事」を一日も早く見つけたいという焦る気持ちは、こんな辛く哀しい経験からきているんだなぁと思うと本当に心が痛くなりました…。

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あの日のことを思い出したことで眠れなくなった百音は一人縁側でぼんやりと外を眺めていました。百音の心の中にはまだあの日抱えた闇が残ったままなんだろうなぁ…。

すると、同じく目が覚めた亮が百音の隣にやってくる。りょーちんは、百音が抱えている暗い部分に勘付いているような気がするな…。

どこか虚ろな表情を浮かべて座っている百音を見た亮は「じゃあ、浜行かない?」と優しく誘いました。彼なりの気遣いだよね~。ほんと、りょーちんはイイ男だよ。これでスーちゃんの気持ちも分かってあげられればねぇw。

そして明け方の海へと足を向ける二人…かと思ったら、他の友達もみんな起きちゃった(もしくは起こしたかな?)らしくあとから駆けつけてましたね。あの映し方はニクいですなぁww。百音と亮のちょっと良いシーン、みたいなの想像させて「あれ?」みたいな(笑)。

 それにしても…あの明け方の海の景色は本当に息を飲むほど美しかったですね…!!画面で見てこれだけ感動するんだから、実際に目の当りにしたら感動して涙が出てしまうかも。

浜辺で海を眺めながら他愛もない学生時代の思い出を語り合い笑顔を浮かべる仲間たち(三生くんが溺れかけて亮を巻き込んだっていうエピソードは本人たちにとっては笑えない話かもしれないけどw)。

思い出話をしていると、三生が砂浜で「亀」を作るといって波打ち際まで駆け出していく。そんな後姿を「無邪気だねぇ」と苦笑いしながら見送る明日美たちでしたが、寺を継がないと言い出した彼の真意を測りかねていました。

すると亮が「生半可じゃないってわかったからじゃないの?」と答える。三生は震災当時の大変だったお寺の状況を一番近くで見ていただろうからと…。まるで童心に返ったように砂浜で「亀」を作ることに夢中になっている三生が亮の言葉でなんだか違う姿に見えてきてしまった…。彼は彼なりに葛藤を抱えているんだろうなと。そんな心理まで読めてしまうりょーちん、心もイケメンだね!

その後亮たちは波打ち際で「亀」を作る三生のもとに駆け出していきましたが、百音はすぐにその輪に加わることができず見送っていました。でも、未知が振り返り「お姉ちゃん」と声をかけ一緒に行こうと誘ってきた。
百音はもしかしたらあの日以来、海に近づくことをずっと避けていたのかもしれないね…。たぶん、色んな感情が溢れて怖かったのかも。でも、妹の未知の声に導かれるように一緒に海に向かって駆け出していった百音。その姿にちょっとホッとしました。

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砂の「亀」が完成した時、明日美の帽子が風に飛ばされ慌ててみんながそれを追いかけて駆け出していきました。

それにしても、あさイチでも触れられてたけど…ほんと、「亀」のクオリティ高かったですね(笑)。

明日美たちが帽子を追いかけに行くなか、亮と百音はその場に残っていました。すると、ふいに亮が「海風が回ってきたなぁ」と呟きます。空の状況を見て今日は一日雨が降らないと予想する彼に百音はハッとさせられる。
気象予報士の試験勉強のために買った参考書に「海風」についての記述があったことを思い出した様子。字面だけ読んだ時にはチンプンカンプンで何もわからなかったけど、今浜で「海風」を体感したことで初めてその意味が百音の中に溶け込んできたようでした。

百音がなぜ「雨が降らない」と予想したのかと尋ねると「漁師は風向きと天気、必須だから」と涼しい顔で答える亮。たしかに、漁師さんにとっては天気大事だよね。そんなことをサラっと言っちゃうりょーちん、オトコマエやなぁw。

亮が仲間たちの元へ走って行くなか、百音は一人残って島に吹く「海風」を感じていました。

彼女の心のなかで、なにかが動き出すような予感を感じさせる爽やかなシーンでした。あの日牙をむいてきた自然ですが、今はこんなにも穏やかで美しい光景を百音に見せてくれている。

”海も風も、こんな朝日も、大好きだったんだよね”

天国から語り掛けるような祖母の言葉が、このシーンの全てだったなぁと思います。そのあまりにも優しく温かい響きに涙が止まらなかった(泣)。愛すべき故郷の美しい自然が、きっと百音の背中を押してくれると信じたい。そして”気象予報士”という夢へと繋げてほしいです。
サヤカさんが最初に言っていたように、ゆっくりとでいいから、百音の心が癒され本当の明るさを取り戻す日が来てほしい。

次週は未知のエピソードになるようです。みーちゃんの成長のドラマにも期待したい。

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