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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第13回 戦争の足音

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安子と稔が分かれてから数か月後…、季節は梅雨の時期を迎えていました。相変わらずラジオからは勇ましい日本軍の戦果についての放送が流れている…。小しずが複雑な想いでそれに耳を傾けていたその時、配達人が玄関にやって来た。

「このたびは、おめでとうございます」

そう告げられ手渡されたのは、長男の算太への赤紙…召集令状だった(涙)。安子は、赤紙を手に立ち尽くし顔をこわばらせる母の姿を見て大きな不安に駆られてしまう。
算太は借金取りに追われて姿をくらませて以来一度も帰ってきていないらしい。金太が息子のふがいなさに失望し勘当してからもうどのくらいの月日が経っただろうか…。

数日後、入隊するために算太が岡山へ戻ってきました。ということは、小しずさんあたりは算太がいる場所を知っていたということなのかな。今回の朝ドラは時代の流れがめちゃめちゃ早いので、そのあたりの事情はスルーのようです(汗)。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー
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岡山駅に到着した算太は迎えに来てくれていた安子に「おやじ、まだ怒ってるのか」と尋ねますが、それに対して彼女は言葉をかけることができませんでした。

その頃家では小しずが金太に必死に算太を家に入れてあげてほしいと訴えている。もしかしたら遠い南方へと派遣されてしまうことになるかもしれないし、それ以上に…無事に帰って来る保証はどこにもない。考えたくはなくても、やはりどうしても最悪のことも過ってしまっていたと思います。

しかし、金太は頑として算太を家に入れる許可を出そうとはしませんでした…。それくらい息子に裏切られてしまったショックは大きいものだったんだろうけど…。せめて晩御飯くらい一緒に食べたいと懇願する小しずでしたが、金太はそれに背を向けたまま「赤の他人がどうなろうと知ったことではない」と冷たく言い放つのでした。

結局算太は家に入ることを許されないままだったようですね…。まぁ、チャッカリ者の彼のことだから立ち寄れる先はどこかに確保していそうな気はするけど。小しずは夜遅い時間に息子のために弁当をこしらえてやりました。涙をこらえて大きなおにぎりを握る姿が切なくて泣ける…(涙)。母としてせめてものことはしてやりたいという気持ちがひしひしと伝わってきた。
翌朝、算太は日本の旗を持って送り出しに来てくれた近所の人たちの前で出征の挨拶をする。その中で思わず「踊って」という言葉を織り交ぜるのは彼らしい。少し緊張気味だったようには見えましたが…ただ、悲壮感があまりなかった気がします。なんか、呆気ない感じ。だからもしかしたら算太は無事に帰ってくるかもしれないなと思ったかも…。

その頃金太は表に出ず厨房で生地をこねていました。それでも、外から聞こえてくる「万歳」の声を耳にして切ない気持ちがこみ上げてきたようでしたよね…。たとえ勘当したとはいえ、大事な息子であることには変わりないと思う。出征していく息子の姿に想いを馳せながら必死に感情を抑えようとしている金太さんの姿がまた泣けました…(涙)。

しかし悲しみの連鎖は続くもので、”たちばな”に残っていた二人の職人さんたちにも次々と召集され店を去っていってしまいました…。まるで家族のように接していたと思うから、橘家の人たちも身を斬られるほど辛かったと思う。どうかどうか、無事に戻ってきてほしい…。

人手もなく材料も乏しくなってしまい、たちばなは止む無く商いを縮小せざるを得なくなりました。

夕暮れ時、元気のない父の背中を見た安子は「私にできることはない?」とそっと気遣います。しかし金太はかすかに首を振り肩を落としながら娘に謝罪の言葉をかける。

「安子、すまなかったな。こんなことになるんだったら、あの時お前と雉真さんの坊ちゃんのこと認めてやればよかった」

稔との付き合いを認めてやれていたら、安子に店のことで辛い思いをさせることはなかったかもしれないとずっと後悔していた父…。その言葉を安子は遮り「こうなることに最初から決まっていたのだ」と、まるで自分に言い聞かせるように答えていました。
稔への想いはあの日からずっと変わらなかっただろうけど、「これは運命だ」と思わなければ正常ではいられなかったのかもしれないよね…。だけど別れることは自分自身が決めたこと。父に心配をかけまいと気遣う安子の想いが伝わってくるようで切なかった(涙)。

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その頃雉真繊維は軍から様々な衣料品の注文が入るようになり、工場を拡張するほど忙しくなっていました。たちばなとの落差がなんとも言えん…。

そんな時、東京の大学へ通っていた勇が冬休みを迎え岡山の実家に戻ってきていました。「わしみたいに野球しに大学入った者は肩身が狭いんじゃ」という言葉に胸が痛んだ…。戦争中ということもあり、周囲の目はさぞ厳しく突き刺さったのではなかろうか。それでも勇は野球ができるということに感謝していただろうね。

同じころ、千吉は以前会っていた神田中佐を招いて仕事の話をしていました。どうやら工場拡張に当たって神田さんがかなり尽力してくれたらしい。

おおっと、武井壮さん、再びの登場ですね!なかなか余裕のある立ち居振る舞いではないですか。自然にそこにいる感じもとても良いと思います。

神田から稔はどうしているのかと聞かれた千吉は、大きくなった工場を見に帰ってくるよう催促をしているもののなかなか口実をつけられて戻ってこないと苦笑いしていました。ちょうどそのタイミングで部屋の前を通りかかった勇は、稔と大東亜銀行の令嬢との縁談話が進められていることを知ってしまう(汗)。雉真繊維が業務拡張できたのも、その話が前提で頭取が支援してくれているかららしい。

勇は寝耳に水な会話に衝撃を受け、思わず障子を開き父と神田との会話に割って入ってしまった。そんな息子を千吉は一喝。改めて神田に紹介されるとハッとしたように頭を下げ挨拶をしたところは勇、偉かったよね。でも、気持ちとしては居てもたってもいられなくなったようですぐにその場を立ち去ってしまいました。

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同じ日の夜、大阪の寮にいた稔は部屋が暗くなっているにも拘らず電気もつけずに机の前でぼんやりしていました。まだ、安子と別れることになったショックから立ち直れていないようですね…。しかも、別れの言葉を彼女から言わせてしまったことへの罪悪感もずっと抱えているような気がする。

と、突然乱暴に扉を叩く音が聞こえてきた。そこでようやく暗いことに気づき電気をつけた稔が扉を開けると…なんとそこには勇が立っているではないですか!!え!?勇ちゃん、テレポーテーション!?とちょっとビックリしちゃったよ(笑)。
縁談話を聞いたショックで部屋を立ち去った後、そのまま汽車に乗って大阪まで行ってしまったのか。でも彼にとってはそうしなければいられないほど大きな衝撃だったのかもしれないよね。

突然の弟の来訪に驚く稔に、勇は開口一番「嘘じゃろう?あんこのこと、捨てたりせんよな!?」と迫る。しかし稔はそれには答えようとせず煩わしそうに帰ってくれと告げるだけ…。その言葉に怒りが湧いた勇は兄の胸ぐらをつかんで激しい憤りをぶつける。

「見損なったよ!!兄さんを信じてたのに…!あんこのこと、傷つけたりしないって信じてたのに!!」

勇は稔がどういう経緯で安子と別れなければならなくなったのかという経緯を知らないわけですが、たとえ事情を知ったとしてもこの時は「許せない」という感情のほうが大きかったかもしれません。ただただ兄に裏切られたという気持ちがこみ上げてきて怒りをぶつけるしかない彼の心境を想うと本当に辛いです…。安子のことも、稔のことも、勇にとっては大好きで大切な存在だったからなおさら気持ちの整理がつかなかったと思うよ(涙)。

でも、稔も自分の力の無力さを痛感して自己嫌悪の真っただ中にいる。

どんなに責められてもどうすることもできないもどかしさから、「お前が慰めてやればいい」という投げやりな言葉しか出てこない。この言葉に怒りの感情が爆発した勇は兄を殴らずにはいられなかった。

「ふざけんなよ!!兄さんだから諦めたんじゃ!!兄さんだから…」

切なすぎるよ、勇ーーーー(涙)!!!それだけ安子のことすごく大事に想っていたんだよね。稔だったら彼女を幸せにしてくれると信じていた。「兄さんだから」諦めようと自分を無理やり納得させた彼に、兄のあの言葉は残酷だったと思うわ…。悔しくて哀しくてたまらなかっただろうね…。

いっぽう稔は無抵抗のまま勇に殴られ続けていました。もしかしたら、もっと自分のことを殴ってくれと思っていたかもしれない。すすり泣きながら「もうどうなったっていいんだ」と自暴自棄になってる稔を見るのも辛いよ(涙)。
この時勇は初めて兄の絶望と哀しみを肌で感じたようで、それ以上何も言葉をぶつけることができなくなってしまいました。どうにかこの二人が幸せになれる道はない者だろうかと思ってしまう。

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大阪で自分のことで雉真兄弟が激しく言い争っていたことなど露知らぬ安子。日々の暮らしを生きていくことが精いっぱいになってきたこの時期、橘家の庭には自給自足を見越してかができていました。小しずは安子と一緒に里の方へ自分の着物を売りに行き、小豆を手に入れて帰ってきた。金太は申し訳なさそうにしていましたが、せめてその小豆で近所のお祝い事の時に何かを作ろうと前を向こうとしていました。

ところが今度は、畑仕事をしていた杵太郎が腰を痛めて寝込んでしまう事態に(汗)。でも案外本人はケロっとしているようで一安心。安子は祖父を元気づけるために手に入れたばかりの小豆でお汁粉を作ると微笑んでいました。そんな孫の顔を見て嬉しそうな杵太郎さん、早く元気になってほしいけど…。

東京の大学に戻った勇は再び野球に打ち込む日々。早稲田か慶應かなと思ってたけど、ユニフォームを見ると「早明」と書いてある。これって、早稲田と明治の融合??架空の大学ということかな??
世の中からは英語がなくなり、大学野球のコールもすべて日本語に変換されていました。『ストライク』は『正球』だったり『ボール』は『悪球』だったり…、これ、慣れるまで大変だっただろうな(苦笑)。『バッターアウト』に至っては『打者、引け』ですからねぇ。

しかし、勇たちの憧れだった甲子園は解体されてしまったらしく…ますます野球に打ち込める環境は確実に狭まっている。勇から野球を取り上げてほしくないけど、時代がそれを許さなくなるんだろうなと思うとホント辛いです。

一方、ジャズ喫茶『ディッパーマウスブルース』もついに改名することになってしまい…

「出っ歯口の憂鬱」というとんでもない日本語名に(笑)。厳しい時代背景だったとは思うんだけど、このシーンだけはちょっと笑いましたw。

だけど、そのすぐ後のシーンで定一さんの愛息子だった健一くんが出征してしまったことが判明(涙)。これはかなりショック大きかった…。必ず無事に戻ってきてほしいよ!!

そして季節は秋。安子は配給の帰りに清子から千人針を塗ってほしいと頼まれる。それに応じ赤い糸を白い布に縫い付けていたその時、ラジオから衝撃のニュース内容が流れてきた。

”全国の20歳以上の理系・医学以外の学生の徴兵猶予は停止”

学徒出陣、ですよね…。すなわちそれは、稔の出征を意味していました。

安子は衝撃のあまり手を動かすことができなくなってしまう。ついにこの時が来てしまったのか…。

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