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大河ドラマ『麒麟がくる』第8回感想 同盟のゆくえ

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朝日の向こう側から小舟に揺られてやってくる信長の映像、なかなかにインパクトありましたね。

冗談抜きでブッダが日輪の向こうから現れるかのような錯覚すらありましたよww。それにしても、御宿の明け方の海の光景は美しかったな。天気がいい撮影日でよかったですね。

大きな魚を背負って小舟から降りてくる信長の後を大勢の庶民たちがついていく。その光景をじっと見守る光秀と菊丸…。一瞬だけふたりの視線が絡まった瞬間がなんだかとても刺激的でした。

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以下、第8回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

『麒麟がくる』第8回 同盟のゆくえ

2020年03月08日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45

長谷川博己、本木雅弘、染谷将太、川口春奈、門脇麦、伊藤英明、石川さゆり、片岡愛之助 ほか

あらすじ

尾張の海辺で、漁師たちから慕われている奇妙な出で立ちの織田信長(染谷将太)を目の当たりにした光秀(長谷川博己)。この男に帰蝶(川口春奈)を嫁がせていいものかと葛藤する光秀だが、母・牧(石川さゆり)は美濃国の行く末のことを一番に考えることが大事だと告げる。光秀が自分の気持ちにこたえることがないと分かった帰蝶は、光秀の口から「尾張に行って美濃にない海を見るべきだと、背中を押してほしい」と条件をつける。

<公式HPより引用>

獲ってきた魚をさばいて商売をする信長はピュアな少年のよう。最後に残った光秀を不思議そうに見つめながらかけた言葉は・・・

「おまえはいらぬのか」

それが二人のファーストコンタクトになるドラマなんて、初めて見たよ!なかなかに斬新だった。

光秀は無言でそれを断り、信長はしばらく様子を見極めようとしていましたが、しばらくしてから何事もなかったかのように刀を差してどこかへ立ち去ってしまいました。でもこれだけではどうにもこうにも信長の人となりなんて分からないよね(汗)。

ということで、「奇妙な男」という以外はあまり収穫がないまま光秀は美濃へ帰ることに。

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そのころ帰蝶は駒に幼き日の光秀との思い出を楽しそうに語っている。そんな彼女に駒は「帰蝶様は今でも十兵衛さまをお好きでございましょ?」と問いかけますが、「そなたはどうじゃ?」と逆に聞き返され思わずうなずいてしまう。二人とも同じ人に想いを寄せてることを悟ってたんだね。

帰蝶は「十兵衛に信長の人となりを探るように言ったけど、こんな短期間でそんなこと分かるはずがない」と語る。つまり彼女は、十兵衛の気持ちを試していたということか!もしもその頼みを断ってきたら脈ありで、素直に従ったら脈なしって思ってたのか~。
しかも、光秀は後者だろうってことを分かったうえであえて試したんだろうね。切ないなぁ。そんな帰蝶の気持ちに自分を重ねる駒も切ない…。

尾張から戻った光秀はすぐには館に戻らず田んぼを眺めながら一人考え事をしていた。このシーンの時のハセヒロ@光秀の佇まいがとてもカッコよかった。色々と様になるので見飽きることのない光秀で個人的に嬉しい。

そんな息子を気にかけて牧がやってくる。光秀は母に信長が奇妙な人物だったゆえに「あの男に嫁ぎなされとは言いづらい」と語りながらも「この国のことを思えば言わなければいけないのか…」と悩みを告白。

すると牧は光秀の父が亡くなった時のことを語ったうえで「人は消えても、あの山や畑は変わらずそこにある。そのことが大事なことじゃと。」と告げる。

「変わらずあるものを守っていくのが、残された者の務めかもしれぬ。大事なのはこの国ぞ!」

いやぁ・・・いいですねぇ、石川さゆりさんのお芝居!静かながらも確かな説得力がセリフに込められていてグッとくるものがありました。

意を決した光秀は帰蝶のもとへ向かう。尾張の印象を「海が美しい国だった」と報告する光秀。その言葉に「行って見てみるか…」と呟く帰蝶。この時彼女は織田家に嫁がなければならない宿命を受け入れたんだと思います。

それでも、一縷の望みを捨てきれない帰蝶は「十兵衛の口から聞きたい…行ってみるべしと」と呟く。想い人である光秀から直接「行くべし」と言われなければ気持ちに区切りができないって思ったんじゃないかな…。すると光秀は意を決して

「尾張へ、お行きなされませ…!」

と、織田へ嫁いでほしいことを告げる。光秀自身も迷いに迷った末のこの言葉でしたから…お互い辛いものがあったと思います。

「十兵衛が申すのじゃ…。是非もなかろう…」

と泣くのをこらえるように答えた帰蝶と、なかなか頭を挙げて彼女の顔を見れない光秀がとても切なくてウルっと来ました(涙)。本当は別れたくなかった二人…。想い合ってても結ばれないことが普通だった乱世の時代の無情さに胸が痛みました。

稲葉山城へ戻っていく帰蝶を、ついに光秀は見送ることができませんでした…。切ない(涙)。

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めちゃめちゃウルウルな光秀と帰蝶のシーンが静かに終わったわけですが、その直後の利政さんのテンションにビックリ仰天ww!!

「でかした十兵衛!!!そうかっ!!帰蝶は行くと申したかっ!!!」

まさかあのシンミリムードのあとに、異常なテンションで喜びを表現する利政のシーンが飛び込んでくるとは思わなかったから一瞬何が起こったのか分からず呆気に取られてしまった(笑)。なんだこの展開の落差www、超面白いんですが(笑)。

よっぽど嬉しかったのか、光秀の両肩をバシバシ掴んで奇妙な笑い方をしながらww大いに褒め讃える利政ww。まったく、どんな想いで二人が辛い決断を下したと思ってるんだよ~~(苦笑)とツッコミ入れたくなるけど、ここまで大胆なキャラを見せられちゃうとなんだかもう憎めないわww

しかも、利政のご機嫌がいいことに光安叔父さんがさりげなーーく自分もその一翼を担ったことをアピールwww。ヘタレなのにこういうところは抜け目ないなww。それを横目で見ながら「こっちの気持ちも知らないで…」みたいな顔してる光秀がちょっと気の毒だったけど。

利政は信秀の具合が悪いことを言いことに、家督を継いだばかりの信長だったら後からどうにでもできると高をくくっている様子。まだ得体のしれない人物として認識されてましたから信長も随分なめられているわけですが…この考えが後々凶と出なければいいなと思ってしまった。
それにしても、利政、笑いすぎwww。カットがかかった後のモックンを見てみたかったよ(笑)。

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ところが、これでめでたしとならないのが光秀の立ち位置。
帰蝶を尾張へ行かせることに断固反対していた息子の高政は当然面白くない。前回、彼らの会合に強引に参加させられた光秀は高政たちの味方だと認識されちゃいましたから、自分たちに逆らった裏切り者として疑惑の目を向けられてしまう。

そして有無を言わさず、土岐頼芸のもとへ連行されてしまった光秀。
頼芸は相変わらず掴みどころのない人物で、「2-3歳の頃にわしの鷹を見に来たことがあったのだぞ」と語りながら光秀を探っている様子。でもそれに対して光秀は毅然と

「2-3歳の頃では、どなたの顔も覚えてはおりません!!お許しくださいませ!」

とハッキリ回答ww。そりゃそうだ(笑)。ご主人筋にあたる土岐に対しても怯まないのがカッコいい。これには頼芸も「それもそうか」と納得するしかありませんでしたw。

ところが、鷹狩りをするのかと聞かれた光秀が「時折、叔父の光安に連れられて参るくらいにございます」と答えると頼芸の顔色が変わる。突然集まった者たちに「光安を好きなものはいるか」と多数決を取ると誰も手を挙げない(苦笑)。光秀、そこは手を挙げるところでしょwww。

頼芸は「斎藤利政に媚びへつらうものだからだ!」と険しい顔で光安のことを罵る。…ま、まぁね、そこは私も否定しないかな(笑)。でも生き残っていくためには仕方がないのよ~。頼芸的には最初は「気骨のある者」と高政からの評判を聞いて光秀に良い印象を持っていたようですが、今回の帰蝶の一件でそれも180度変わってしまったようです。

「わしは、利政の横暴を許さぬ!!」

まぁ、飼い犬に腕を噛まれるようなことされてますから、そのお怒りはごもっともと推察しますw。だけど、本人を目の前にしては言えないのがこの人のちょっと情けないところでもある。

高政は再度光秀に帰蝶を織田に行かせないようにするべきだと必死に説得しますが、今回ばかりはそれは譲れない。自分以外はみんな「反・利政」で一致団結してる空気の中、光秀は自分が見てきた尾張の国の豊かさについて静かに語り始める。
尾張と手を組むことで美濃が栄えることになるのなら、それは正しいことなのだと思うとキッパリ意見する光秀はひたすらカッコいい。

さらに光秀は、今川は戦で尾張を手に入れようとして苦戦しているところを、自分たちは戦をせずに尾張を手に入れることができるのだと熱弁をふるう。その説得力たるや、ハンパない。
その言葉に高政は「美濃は土岐家が治める筋目正しい国だ!」と叫んで真っ向から反論。あぁ、けっこう古い考え方に固執するタイプだったんだね…(汗)。でもそれじゃあ国が滅んでしまうのではないかなとふと思った。

意地でも尾張と手を結ぶことに反対し自分の意見をぶつける高政でしたが…、頼芸は退屈そうにあくびをして「わしは寝る」と言い残し立ち去ってしまった。しかしその陰でしたたかに今後の情勢について稲葉とひそひそと相談。やはり侮れない男です、頼芸。

奇しくも大嫌いな利政と同じく、信秀の嫡男はうつけだからすぐにつぶれるに違いないと高をくくっている様子。この判断がのちに彼にどう降りかかってくるか注目したいところです。

光秀は誰もいなくなった部屋で、高政に詫びを入れる。自分の意見が間違っていたとは思わないけれど、やはり親友を裏切ってしまったという苦い想いは彼の中で大きな重しとなっていたようです。しかし、今の高政には光秀の言葉を聞く心の余裕がなかった…。

夕日の差し込む殺風景な部屋のなかで二人の育んできた友情が軋んでいく場面はとても痛々しく切なかったです。

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高政はその夜母である深芳野のもとを訪ね、大勢の前で恥をかかされてしまったと悔しさを吐露します。しかし、貝遊びの片手間で話を聞いていた母はまじめに息子に向き合おうとしない。これじゃあ息子はグレますぜ(苦笑)。

のらりくらりする深芳野に業を煮やした高政は、改めて自分が頼芸の息子なのではないかと母を問い詰める。それに対し「そう思いたいのなら思えばいい」と否定も肯定もしなかった深芳野。本当はどうなんだろう?
そのうえで、彼女は高政に「それを糧として殿に立ち向かうのはよしなされ!」と厳しく律する。利政の恐ろしさをよく知っているからこその忠告でしょう。

「いずれは、そなたに家督は譲られるのじゃ。すべてはそれからぞ。母もその時を心待ちにしておる。今はじっと我慢じゃ…」

怖い女ですねぇ、深芳野さん。利政のことを本当に愛しているのかすら疑問に思えるこのセリフ。まるで女狐のようなキャラだな(汗)。南果歩さんがその不気味さをうまく表現してるなと思いました。

大変な一日をなんとかクリアした光秀もようやく帰宅することができました。すると、部屋の奥からは翌日に京へ帰るという駒の送別会が賑やかに行われている声が聞こえてくる。さっそく行ってみると、駒が華やかに舞を披露していました。かつて旅芸人の元で育てられた経験があるって語ってたから、その時に習得したんだろうね。

舞を終えた駒のもとを訪ねた光秀は、彼女が牧から光秀の父の形見である桔梗の紋が入った扇子を贈られたことを聞く。
これってもしかして…、牧さんはある確信を以てそれを託したのではなかろうか!?つまり、最初に駒を救った「謎のお侍」が実は夫ではないかと思っているのではと…。勘が鋭そうですしね。

駒は「一生の宝にいたします」と大事そうにその扇子を眺め、そして光秀を嬉しそうに見上げる。その顔を光秀も見つめるのですが…もしもあの時、伝吾の声がかからなかったら…、光秀は何か彼女にアクションを起こしていたかもしれない!?なんか、そんな雰囲気が漂ってたので(汗)。

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翌日、京へ帰る駒を見送るために光秀は途中までついていくことにする。まるで、帰蝶にできなかったことの穴埋めをするように…。ある地点まで来た時、駒は「ここから先はひとりで行ける」と告げますが、光秀は「向こうの峠道まで」とさらに彼女と歩くことを主張。
しかし、供に歩く時間が長引くほど駒の心は切なさであふれてしまうことになるわけで…。

そしてついに「峠道」の場所までたどり着く二人。それでも進もうとする光秀に、駒は「帰蝶様が稲葉山に帰って行かれたときは十兵衛様はお見送りなさいませんでした」と告げる。彼女は気づいていたんだね、光秀も帰蝶のことを想っていたことを…。

「本当は、私よりも帰蝶様をこうしてお見送りしたかったのではございませんか?」

という駒の言葉がとてつもなく切なかった(涙)。
彼女の言葉の一つ一つが、光秀の胸の奥にしまい込んだ想いに沁みわたっていく…。「お気持ちをおっしゃってください」とまっすぐ見つめる駒に導かれるように、光秀は自分の正直な気持ちが湧きあがってくるのを感じたのではないだろうか。「本当は行かせたくなかったのでは」という言葉に、

「・・・・そうやもしれぬ・・・・」

と・・・、ついに帰蝶への想いを口にしてしまった光秀が切ない(涙)。そしてさらに、本人の口から帰蝶への想いを聞いてしまった駒も切ない(涙)。でも彼女は、それを覚悟のうえで聞いていたし、自分の気持ちにちゃんと決着をつけたかったから悔いはないだろうね。

必死に涙をこらえながら、笑顔で挨拶して去っていく駒の後ろ姿をただ黙って見送ることしかできない光秀。彼はこの時、駒の自分への想いを痛感したのかもしれません…。恋に破れた者同士の気持ちをお互いに共有しているようにも見えて…なんだかとても切なくてちょっと泣きました。

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天文18年の2月、帰蝶はついに織田信長のもとへ輿入れする。

この場面、川口春奈さんの初日に撮影されたそうですね。あの騒動のなか勇気をもって手を挙げて帰蝶役を引き受けた春奈ちゃんのファーストシーンだったかと思うと…なんだかちょっと胸熱です。

ところが、当の信長は帰蝶が到着している時間にもかかわらず行方不明らしくw、信長の守役である平手政秀さんが顔面蒼白で謝罪にやってくる始末。まぁ、あのつかみどころのない信長ですから…「あ、婚礼今日だったっけ?」くらいのテンションなのかもw。

待ちぼうけを食らわされてる帰蝶ですが、笑みさえ浮かべる余裕がなんだかカッコいい。もともと気が強い女子でしたから、かえって「これから面白くなりそう」って思ってたかもしれません。

一方駿河では、今川義元が尾張と美濃が手を結んだと知り岡崎城主の松平弘忠を呼び出し動き出そうとしていました。この松平弘忠は後の徳川家康のお父さんですね。なんか、いまだに浅利陽介くんの侍姿を見ると小早川俊秋が思い浮かんじゃうw。

三河の弘忠はさっそく備えを固めると宣言しますが、雪斎と義元は「攻め時は今でしょっ!」と守りよりも攻めるべしと鼻息が荒い。

っていうか、愛之助@義元と、格さん…じゃなかったw…伊吹@雪斎の圧がハンパないんですけどwww!!これまで色んな作品で今川を見てきましたが、この盤石さは過去最高じゃないですかね。

義元は三河が長年織田から切り崩しでひどい目に遭わされているだろうと囁き、弘忠の織田への敵対心をさらに煽り立てる。さらに息子の竹千代も織田に人質に出されてしまってますから、色々と恨みつらみもたまっているわけで…その心理をうまく突いていくところがなんともニクイ。

「わしが手を貸す!松平家の汚辱を晴らすのは今ぞ!!織田と戦じゃっっ!!!」

ひゃ~~!!愛之助@義元、めっちゃカッコイイ!!!ピッタリですなぁ、愛之助さん。こんなにも貫禄ある芝居を魅せてくれるとは。ファン続けてきてよかったと思いましたw。

そんな嵐の前の静けさのなか、駒が残していったお手玉を手に取る光秀は何を想うのか。物語が大きく動いていきそうで楽しみです。…って、え!?岡村さんはどういう役回り!?やっぱりスッパか?気になる~w。

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