第3週は「1942-1943」ということで、日本がどんどん暗い時代へと突入していく時代における安子と稔の関係が描かれていくようです。出征する兵士も増えてくる時期ですし…色々と辛い展開も多そうなのですが、その中で二人がどのような関係を築いていくのか注目したいところ。
1941年12月8日を最後に放送が中止になってしまったラジオの「基礎英語講座」。それに代わり連日流れてきたのは、日本軍の快進撃による戦果を告げるアナウンサーの勇ましい声だった。橘家ではそれを淡々と聞きながら朝の食事をしていましたが、職人の菊井さんが出征してしまったこともあり皆どこか重苦しい心境の様子。他の職人さんたちも内心、次は自分たちの番になるかもしれないという悲愴な想いを抱いていたかもしれないと思うとなんだかやりきれない気持ちになってしまいます…。
食事が終わった後小しずが町へ出かけてみると、ケチベエこと吉兵衛の店の前に多くの人が押し寄せている光景と出くわしました。皆口々に「これは高すぎるぞ!!」だの「さすがケチベエの面目躍如だな」だの非難囂々(特に豆腐屋の水田夫婦w)。
どうしたのかと事情を尋ねてみると…、もうすぐ衣料品が切符制になってしまう(つまり、自由に買えなくなる)と聞いた吉兵衛が急いでそれを買い占めて値段を吊り上げ販売しているという。相当な高額提示をしているらしく…そりゃ責められても仕方ないわ(苦笑)。いくら”ケチ”と呼ばれてる吉兵衛とはいえ、やりすぎでしょう。
吉兵衛は「吉右衛門にひもじい想いをさせたくないんじゃ」という親バカ精神で必死になっているようでしたがw、当の吉右衛門くんや奧さんの清子さんは相当肩身の狭い想いをしているようでお気の毒です…。
きっと、反対したけど聞き入れてもらえなかったんだろうなぁ(苦笑)。まさに「子の心、父親知らず」といったところか。吉兵衛さん子離れできるのか心配になっちゃうよw。
これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ
町の人たちが自由に衣料品を買えなくなるということは、衣料品を扱っている会社にとっても大きなダメージがくることを意味していました。雉真繊維も例外ではない。学生服の増産を見込んでいた千吉でしたが、そのための繊維を手に入れる認可が下りなくなってしまったと頭を抱えている。仕方なく、軍服製造に力を入れざるを得なくなりました。
一方勇は岡山から東京へ旅立とうとしていました。野球の成績を買われて東京の大学が声をかけてくれたらしい。一度は甲子園出場の夢を奪われて絶望してしまったけど、大好きな野球ができる環境がまた見つかってよかった(いつまでそれができるのかは不安しかないけど…)。
母の美都里は「岡山でも野球はできるのに」と息子が遠くへ行ってしまうことを嘆いていましたが、勇としては辛い思い出が多い岡山を離れたいという気持ちの方が強い。
稔が不在の時には父も母も気にかけてくれていましたが、きっと兄が帰ってきたらまたそちらの方に親の意識を持っていかれてしまうだろうと勇は察してたんだろうなぁ。それに、しばらく安子から離れたところで暮らしたいという想いも強かったはず…。見ているこちらとしては、新天地で勇が少しでも充実した日を過ごせるよう祈るしかない。ただ…、時代的に彼がさらに過酷な状況に流されていってしまいそうな予感もあって心穏やかではいられないんだよなぁ…。
ケチベエのところの衣料品はあまりに高額すぎて手を出せるレベルのものが少なかったようですが、小しずはなんとか杵太郎のための足袋だけは購入することができたようでした。少しくらいは値切ることができたのだろうか?「お母さんが頑張ってくれたぞ」って嬉しそうに安子に報告してる杵太郎おじいちゃんの笑顔がチャーミングで可愛い。
しかし他の衣類を買うだけの余裕はなかったようで、小しずは自分で家族の衣類を作ることに。最初に赤い毛糸で縫っていたのは、安子のためのチョッキでした。きっと、娘への愛情がたっぷり詰まった素敵なものが出来上がるだろうな…。
そしてあっという間に季節はもうすぐ春(時代の流れ早っw)、安子は小しずが作ってくれた赤いチョッキを着て稔からの手紙を読みニヤついていました。そこには、春休みに帰省する予定だから一日だけでも二人ででかけたいということが書かれてある。そりゃ、顔がにやけるのも仕方ないな(笑)。
そんな時、稔の手紙に「久しぶりに二人で行きたい場所」として書かれてあったジャズ喫茶”ディッパーマウスブルース”への配達を頼まれた安子。この配達は願ってもないタイミングでテンション上がっちゃうよねww。
マスターの定一は美味しそうに”たちばな”のおはぎを頬張りながらも、まともなコーヒーを入れられない現状に溜息をついていました。前々から厳しかったコーヒー豆の輸入がついに完全に途絶えることになってしまったらしい…。
定一の息子・健一を演じているのは岡山県出身の前野朋哉くんですね。定一役の世良公則さんとの親子関係がなんだかすごくシックリきていて見ていて癒されます。
しばらくは代用コーヒーでしのぐしかないと父を励ます健一でしたが、定一は「あんな不味いものが飲めるか!」と苦い顔。おそらく”コーヒー”と呼ぶにはあまりにも違いすぎる薄い水のようなものしか手に入らなかったんだろうなぁ…。
腹いせ紛れに定一はルイ・アームストロングの♪On The Sunny Side Of The Street♪のレコードを流し始める。安子にとっては稔との大事な思い出の曲で嬉しくてテンションが上がってしまいます。一瞬その場には温かい雰囲気が漂うのですが…、この時期に英語のレコード音楽を堂々とかけるってちょっと危険じゃないか!?とハラハラしてしまった(汗)。
とその瞬間、店のガラスが割れる音が鳴り響く。慌てて健一は外へ出るものの意志を投げ入れた人影はもうそこにはなかった。定一はため息をつきながら、以前から”敵性音楽ヲカケルナ!!”という紙を貼られる被害に遭っていることを告げる。やっぱりなぁ・・・。看板にも英語がまだ堂々と掲げられているし、目の敵にされるには目立ちすぎてると心配だったんだよ(汗)。
それでも、これまでのスタイルのまま営業を続けている定一と健一。それは、窮屈な世の中に対する精一杯の抵抗だったのかもしれない。
安子は改めて戦争の時代に対する恐怖心を肌身に感じていたようでした。
春休みに入り、稔が大阪から岡山の実家に戻ってきていました。
松村北斗「僕には心に決めた人がいます」 『カムカム』安子と稔に立ちはだかる壁#カムカム #上白石萌音 #松村北斗
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松村北斗くん、相変わらず学生服+マントコート姿が様になっておりますな。
その日の夜、千吉は勇が東京の大学に入学を果たし学生寮に入ったことを告げる。稔は直接会ってお祝いできなかったことを悔やんでいましたが、勇としては安子のこともありますし…あえて稔と会うことを避けたような気がします。それにしても、行けることになった東京の大学って…早稲田か慶應だったんだね!どっちにしてもすごいじゃないか。
いっぽう、美都里さんは久しぶりに溺愛する稔が帰ってきたということで夕食にめちゃめちゃ力を入れていた様子。実際に料理をしたのはお手伝いさんだと思いますけどw…それにしても、物資が手に入りにくいとされているこの時期にあんな立派な鯛を手に入れるとは!!
千吉によれば朝から大騒ぎをしていたとのことですが…いったいどんな裏の手を使ったのか気になってしまう(笑)。
雉真繊維はこの時期、日本軍の占領地が増えていったことにより軍服の需要が増えてかなり儲けていたらしい。「軍服の生産が追い付かない」と千吉はテンションが上がっているようでしたが、稔は自分と同じ年頃の若者たちが戦地で戦っていることを考えてしまい申し訳ないという気持ちの方が大きい。きっと、大学に通いながら戦争の恐怖というものを身近に肌で感じていたからかもしれない。
それに対して母の美都里は「お前みたいな優秀な子はそんな危ない場所に行かないでもいい」とかなり楽観的なことを考えている様子。もうすぐそうでなくなることを知っているこちらとしては、その甘い考えが覆った時のことを考えると恐ろしいよ…。
軍服生産が順調な雉真繊維としては、さらに工場を拡張させようと考えていると告げる千吉。
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軍服以外にも戦争中に必要となる服の種類は今後増えていくはずだと予測しているらしく、それらを雉真繊維で一手に引き受けてさらに儲けようということのようでした。
その話を聞いた稔は、父の時節を読む勘や行動力は素晴らしいとしたうえで「それには大変な資金が必要です。大勢の従業員を抱えてそんな危険な賭けにでることには賛同できません」と難色を示す。稔くんは冷静に物事を判断する能力があるよね。彼に経営を任せればきっと堅実な会社として長く続けられるのではと思ってしまう。
しかし、千吉は工場を拡散させることはもうほぼ決めてしまっているようで、そのための資金のために大東亜銀行と話までつけているらしい。銀行側はなんと「無利子無担保」で用立てる案を出してくれているということですが、この時期にそんな良い話持ち出してくるかなぁと逆に心配になってしまった(苦笑)。
と思っていたら、やはりその話には”条件”がついていました。それは、雉真繊維と大東亜銀行が末永く共に繫栄するため、稔と銀行の頭取の娘を結婚させるというものだった。つまり、政略結婚のお誘いということ。それによって両家ともウィンウィンな関係が見込めると目論んだのでしょう。
千吉としては生産工場を拡張するために何とかこの縁談話を稔に受けてほしいようでしたが、美都里は溺愛する息子が自分の手から離れてしまうことが耐えられないようで「学業に専念させるべき」と反対する。それでも千吉は押し切ろうとしましたが、そんなやりとりを見ていた稔は思い詰めたような表情で「お断りします」とキッパリ拒絶の意志を示しました。
驚いた様子の千吉でしたが、今すぐ結婚するわけではないから話だけでも進めるのはどうかと提案。しかし、稔はその話にも一切興味を示そうとしない。その様子を見て何か言えないことでもあるのかと感づいた千吉は「ちゃんと話しなさい」と問いただしました。
覚悟を決めた稔は、自らの想いをついに両親に告白する。
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「ぼくには、 心に決めた人がいます。だから、父さんの決めた相手とは結婚することはできません」
その言葉に父親よりもさらに激しい衝撃を受けてしまった美都里さん(汗)。大阪で出会った人か、カフェーの女給にそそのかされたのかとか、色々根掘り葉掘り聞いてきた(あ、そういえばYOUさんは”ぱほりん”だったなwww)。
ここで稔は覚悟を決め、想い人が和菓子屋”たちばな”の娘・安子であることを告げる。それまでの”間”が稔の緊張感を際立たせていてすごく印象的でした。松村北斗君、いいお芝居をしますね。あと、土スタで千吉を演じる段田さんが言ってた通り本当に”鼻筋”がきれい。思わず注目しちゃったよww。
稔の想い人の相手を知った千吉も驚きを隠せません。美都里にいたっては雉真の家と釣り合わない相手であることに大きな衝撃を受けていました。稔ママ、息子を溺愛しているうえにプライドも高そうだものなぁ(汗)。
このように親に大反対されることは覚悟していた稔でしたが、実際にそれを体験するとかなり精神的にダメージを受けているようにも見える…。それでも、安子への想いは変えることはできない。「僕の人生には必要な人なんです」と彼女に対する気持ちが本気であることを必死に伝える稔がいじらしくて応援したくなってしまった。
でも、それで納得するような両親ではない。特に美都里は「あんたは騙されてるのよ!」と必死に思い直すように説得を図ってくる。それにイラついた稔は「母さんは黙っていてください!!」と声を荒げて静止してしまった。
おそらくこれまで面と向かって息子から拒絶されたことがなかったであろう美都里のショックの大きさはいかばかりだっただろうか(汗)。溺愛する息子から遮断されてしまったことに大きく傷ついた美都里は、うつむいたまま動くことができなくなってしまった…。その反動を考えるとちょっと恐ろしい(汗)。
千吉は顔をこわばらせながら、菓子屋の娘を雉真家に迎えることなど何の得にもならないと厳しい口調で言い放つ。稔が安子に想いを寄せたのは、一人暮らしが続いたことによる気の迷いだと考えているらしい。そう思うことで稔の告白をなかったことにしたいんだろうなぁ…。
どんなに説明しようとしても、稔の想いは父と母に伝わることはなかった。きっと、鯛の刺身にも手を付けないままその日の夕食は終わってしまったのではないかと思うと…勿体ないーーー!!!と歯がゆい気持ちになってしまった(苦笑)。あさイチでも触れてたけど、この話は刺身を食べた後にしてほしかったよw。
一方雉真家で自分のことに関する修羅場があったことなど露知らぬ安子は、帰ってきているはずなのに稔からの連絡がいっこうに来ないことに大きく落胆していました。
明日のカムカムエヴリバディ:11月15日 第11回 稔が帰ってくる! 安子は再会を心待ちにし… https://t.co/OtW50XJYer
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相談に乗ってくれているきぬちゃんは、安子の父が反対しているからどうやって呼び出すか考えているところじゃないかと励ましてくれている。相変わらずナイスな機転を発揮してますねw。それでも安子は「うーーーん」と納得できていない様子。
とその時、タイミングよく雉真家から和菓子の注文の電話がかかってきた!注文を受けながらテンション上がって興奮気味の安子。そんな彼女に「こ・う・じ・つ(口実)」だろうと傍から同じく興奮して伝えようとしてるきぬちゃんww。二人とも、稔が安子と会う約束をするためあえて家の人に和菓子の注文の電話をするうに仕組んだんだろうと楽観的に捉えていました。
急いで自転車を飛ばし雉真家へ和菓子を届けに行く安子。今回も岡山城の石垣が映りこんでてちょっと嬉しかったw。
※ロケ先レポ↓
雉真家に到着した安子はドキドキしながら家の扉から稔が出てくるのを心待ちにしている。しかし、目の前に現れたのは…、母親の美都里だった。あの修羅場を経てからの安子の前に登場ですから…これはもう、嫌な予感しかいたしません(汗)。しかも、稔が自分を拒絶するきっかけになったのが安子に関する話題でしたから…なおさら恨みがこもっていそうで恐ろしい(汗汗)。安子はその圧力に耐えきれることができるのだろうか!?
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