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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第89回感想 傷つきたくない

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これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

前回ラストにラジオから流れていた流行曲はKANの『愛は勝つ』でしたが、とてもそんな雰囲気に辿り着けそうにないので不安に思っていました(苦笑)。
で、今回武藤蘭丸の出世ニュースを見てさらにどん底まっしぐらとなってしまった文四郎が辿り着いた居酒屋で流れていた曲というのが…サザンオールスターズの名曲『涙のキッス』。冬彦さんブームを巻き起こしたあのドラマの主題歌でしたw。この歌の歌詞は二人が幸せになる未来を描いているわけではないので…やっぱり不安な幕開けとなりました。

桃太郎君の誕生日会に行けるような精神状態ではなくなってしまった文四郎。一人でやけ酒を飲みまくりさらに自分を追い詰めている。この時彼が持っていたおちょこに描かれていた文字が「大根役者」だったらしく(テレビではあまり確認できなかったけど)…スタッフも酷なことをするなぁと思ってしまった(苦笑)。

居酒屋には、破天荒将軍…もとい、星川凛太朗さんと美咲すみれさんの超ラブラブな新婚さんカップルの姿も。この時けっこう有名人だったはずなのに、堂々と庶民的な居酒屋で一般人に交じって食事するなんてカッコよすぎだろう(←あさイチでもツッコまれてたけど 笑)。この二人にはぜひ、朝日放送の『新婚さんいらっしゃい』に出演してもらいたいww。
そして、そんな二人に気づいた一般のお客さんの中に吉右衛門さんご夫妻もいらっしゃる。そもそも一番最初に目ざとく二人に気づいてサインもらおうとテンション上がったのは奥さんの初美さんだった(←みんな気づくの遅くないか?笑)。

すると、すみれが文四郎の存在に気が付いて気軽に声をかけてきた。「悩んでることがあったら凛太朗に話してみたら?」と彼を気遣うような言葉をかけるすみれさん。結婚してからずいぶんと人格丸くなったように見えますね。それだけ凛太朗さんと一緒になれたことが幸せだということでしょう。
でも、文四郎にとってはその幸せオーラが逆効果というか…さらにどん底へと突き落とされる気分になるだけだったと思う(汗)。すみれさん…、タイミングが悪すぎたわ…。

凛太朗の前で『破天荒将軍』の決め台詞とポーズを泥酔しながら再現する文四郎。

”ふぁさぁ~~”っていう効果音まで入れる徹底っぷりw。ここの言い方が可愛かったww。彼の後ろで何度も斬られまくっていましたから、もう細かいとこまで完璧に覚えちゃったんだろうね。だけどそこには全くリスペクトはなくて…むしろ軽蔑した想いがダダ洩れてしまっている(汗)。

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そして、見下したように凛太朗に向かって「いつもどういう気持ちで誰に向かってあのセリフ言ってるの?」とうすら笑いを浮かべながら挑発する文四郎。サインを求めに集まっていた居酒屋のお客さんも一気に酔いが醒めて場が凍り付いてしまう。
本郷奏多くん、こういう捻くれて人を見下すような芝居が本当に上手いですよね~。普段はあんなに謙虚で朗らかでかわいい子なのに、一切それを感じさせない。演技派だなぁと思ってしまう。

文四郎の挑発に対し、凛太朗は心の中に苛立ちを押し込めてグッと耐えてるように見えました。そんな彼にさらに「何も新しいことやらなくてもそこに安住していれば手に入る、金だって、女だって」と暴走しまくる文四郎。それを遠目から見ている吉右衛門も初美さんも気が気ではない様子。

しかし、凛太朗を攻撃する言葉の流れですみれのことまで侮辱してしまった文四郎(汗汗)。この時初めて凛太朗の顔から笑みが消え怒りに満ちた目つきに変わりました。大切な奧さんであるすみれのことを言われるのは、彼には耐えがたいことだったはず。おそらくこの後掴み合いになったんじゃないかと想像できますが(画面には出なかったけど)、凛太朗さんの一途なすみれさんへの愛情が伺えたという意味ではよかったなと思いました。

ひなたは、文四郎が大月家に来ず居酒屋で破天荒将軍とドンパチ状態みたいになってるなど夢にも思っていませんでした。彼女としては、桃太郎の誕生日会に文四郎を呼ぶことで少しでも明るい気持ちを取り戻してほしいと思ってたのかもしれないよね…。だけど、たとえ彼がそこに居たとしても…楽しい誕生日会にはならなかったような気がするよ。

次の日、文四郎はお化け屋敷の仕事に顔を出すことはありませんでした…。

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同じころ、錠一郎は「あかにし」を訪れ単三電池を購入。その時ふと目に入ったのが、CDラジカセでした。

おおお!!!懐かしい!!我が家にもこれと似たやつありましたよ。カセットテープ、左から右にダビングできるんですよね。CDもよく聴いたし、ラジオもつけてたわ~w。「あかにし」のポップは裏返しにしか写ってなかったけど、「オニー製」ってなってたような(←元ネタは「ソニー」かなww)。

清子さんによると、2年前の売れ残りらしい。みんな大きな電器店で購入するので、町の小さな電器屋さんはそれに太刀打ちできずなかなか高額なものを売るのは難しかったかと。だからといって、錠一郎に安く値切って売ろうとする清子さんが面白かったww。さすがにこの時は購入する気配がなかったけど、後々彼は買うことになるのかな?
でも、吉右衛門さんが「大月さんがCD購入して聴くわけないだろう」とツッコミ入れてたのはちょっと気になるな。無職になる前プロのトランぺッターを目指したこともある錠一郎のことを彼は知りませんからねぇ。もしかしたら、これをきっかけにまた音楽に目覚めていくのだろうか。

しばらくして初美さんが電池を持ってやって来ますが、その時「五十嵐くん、大丈夫なの?」と思わず切り出してしまう。吉右衛門さんは「いらんこと言うな」とツッコミ入れてましたが、我慢できなかった様子。初美さんは秘密を黙っていられないタイプの方と見た(笑)。

一方の映画村では、ひなたがお化け屋敷の仕事に現れない文四郎を心配して探し回っている。そんな彼女を見たすみれは、文四郎が轟監督たちに呼び出しを食らっていることを告げました。ひなたはこの時初めて彼が居酒屋でやけ酒煽って凛太朗たちに絡んでしまったことを知る…。

でも、すみれさんは文四郎のことをあまり悪く思っていないようでしたね。もしかしたら、文四郎が思うような仕事ができず悩み苦しんでいる気持ちが理解できてしまったのかもしれない。かつてはすみれも同じような境遇で苦しんだ時期ありましたからね…。そんな思いやりを持てるようになったとは。凛太朗と結婚してからイイ女っぷりが爆上がりですな、すみれさん。

呼び出された文四郎は神妙な顔をして轟監督たちに頭を下げる。そんな彼に、「ああいう気分の夜もあるだろう」と凛太朗が受け止めてくれていることを告げる。ただ、妻のことを侮辱されたことだけは許せなかったのだと。凛太朗の気持ちを聞かされて文四郎は申し訳なさで頭を上げることができない…。

それでも凛太朗は、今回のことは水に流すと言ってくれたらしい。”将軍”の名にふさわしい寛大なご処置!!彼は文四郎の殺陣のことも買ってくれていたのです。だけど文四郎としては、こうして情けをかけてもらったことがかえって心苦しく居たたまれない気持ちにさせられる一方だったかもしれない。

しかし、轟監督たちは『破天荒将軍』に関わる者として、条映の会社として、文四郎を無罪放免にするわけにはいかないのだと告げます。そして、『破天荒~』への出演1年間禁止の処置が下される。これによっておそらく、他の仕事も文四郎に回ってこなくなる可能性が高いというシビアな現実も告げました。
これはもう、仕方がないし当然の処置としか言いようがないよなぁ。ネットが発達していた時代だったら炎上案件だと思うし…それがない時代だったことは不幸中の幸いか。

こうしてついに、文四郎は条映でのほぼすべての仕事を失う結果になってしまった。彼は自らの手でかすかに残っていた役者の可能性を断ち切ってしまった。このことにより、文四郎の精神状態は限界点に達してしまった気がする…。

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その頃、一恵は落ち込む榊原を気遣って「お茶」に誘っていました。彼としては「喫茶店」に行く感覚でいたようでしたが…

一恵ちゃんとしては「茶室」へGOの選択肢しかなかったようです(笑)。さすがですっ!

一恵は榊原のことを「立派だと思う」と称賛。彼がすみれのためにあれやこれや尽くしている姿を彼女はずっと見つめてきました。そこに恋心が潜んでいたことも見抜いていて、榊原はバツが悪そうに「バレてた言うこと??」とタジタジw。一恵ちゃんだけじゃなくて、視聴者もみんなだいたい気づいてたと思うわ(笑)。

お茶を飲んだ後、榊原は一恵に「すみれさんが機嫌よく笑っていてくれたらそれで満足なんだ」と告げる。たとえ自分の想いが届かなくても、大好きな人が笑顔で幸せであることが一番なんだと…。最初はショックで落ち込んじゃったけど、この心境に辿り着けたんだね。彼にとってすみれさんは”推し”へと変わったということか。

そんな彼に一恵は「あほですね」と笑顔を見せる。

「人を好きになるなんてあほやと思います。人を傷つけたり傷ついたりしながら…、それでも…、人を好きになるんやから」

関西で言うところの”あほ”は愛情がこもった意味で使うことが多いと聞いていますから、きっと彼女もそうだったんじゃないかなと思います。どこまでもすみれに愛情を注ごうとする榊原くんを見て、ますます彼を愛しく思う気持ちが増したんじゃないかな…。あほだけど、人を想うことは止められない。それが”好き”という気持ち。

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夕暮れ時、誰もいなくなった休憩室で二人きりになったひなたと文四郎。

すっかりどん底まで落ちて暗闇に沈んでいた文四郎は、役者を諦めて東京へ帰る決意を語る。彼の父親は小さいながらも会社を経営しているのだという。文四郎くんはええとこのお坊ちゃまだったのか。一番上の兄が副社長をしている…ということは、さらに何人かお兄さんがいる可能性もあるよね。もしかしたら文四郎は家庭の中で居場所を見つけることができない孤独を抱えていたのかも…。そんな時に時代劇と出会って、役者になる道に活路を見出したいと家を飛び出したのだろうか。

しかし今はもう役者に対する情熱を見出すことができない。八方塞となり足掻いた末に辿り着いたのは、成功するまでは帰らないと宣言していた実家に戻りそこで働くという選択肢しかなかった。それゆえ、ひなたと一緒になるためには彼女に東京まで来てもらうほか方法が見つからない。
だけど、こんな形で文四郎からプロポーズされることにひなたは大きなショックを受けてしまう。彼女は夢に向かって懸命に真っすぐ頑張る文四郎が好きだった。そのためなら、自分はどんな苦労をしてもいいとまで思っていた。ひなたとしては、そんな自分の想いを踏みにじられた気持ちにさせられてしまったのかもね…。

でも、文四郎の気持ちは変わることがなかった。わずかに残っていた仕事も失った今、条映に残っていても全く希望を見出すことができない。そんなシビアな現実のなかで、一番大切だと思えるのはひなたの存在だけ。
まるで縋るように「ひなたと一緒にいることだけが俺にとっての…」と想いを伝えようとした文四郎でしたが、ひなたはそれを拒絶してしまう。彼女には今の文四郎の言葉が全て、追い求めてきた夢から逃げる口実にしか聞こえなかった。

ひなたが逃げるための口実として自分の存在を語られたと思い込んでしまったのは仕方がなかったかもしれないんだけど、文四郎のあの時のひなたへの気持ちはそれだけじゃなくて素直で純粋なものでもあったように見えたんだよなぁ。辛い現実から脱出するため自分を守りたい気持ちももちろんあったと思うけど、ひなたへの想いも本物だったと思う。

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ひなたは文四郎が役者として行き詰まり苦しんでいる姿をずっと見つめてきました。それでも、彼ならきっとこの苦境を乗り越えられると信じていた。その想いが強いうえに、彼女は必死に文四郎の気持ちを奮い立たせようと真っ直ぐな瞳で励まします。

「文ちゃんはすごい時代劇スターになれる!そうなる人や!そのためやったら私、なんでもする。どんな苦労かて耐えてみせる!文ちゃんと一緒やったら、どんなことかて乗り越えられる」

このひなたの真っ直ぐな熱い言葉を聞いている時、文四郎の目からは涙がハラハラと止めどもなく流れていました…。この涙が本当に美しくて切なくて儚くて…見ていて思わずウルウルっときてしまった(涙)。いかに文四郎がひなたのことを愛しく思っているのか、あの涙が全てを物語っているような気がしたよ…。

「一緒に頑張ろう、文ちゃん」というひなたの優しい温かい笑顔が文四郎の心に突き刺さる。そして、彼女への愛しさがこらえきれなくなりきつくその体を抱きしめました。

「どうしてお前はそんなばかなんだよ…。ひなた…。俺…、ばかで明るいおまえが大好きだ…」

文四郎にとって、ひなたは自分を照らしてくれる温かくて明るい太陽のような唯一無二の存在。何よりも大切で、いつまでも一緒に居たい愛しくて愛しくてたまらない大切な人。彼は東京の人間なので「ばか」という言葉を言ってしまいますが、ひなたはそこに彼の自分に対する愛情がたくさん詰まっていることを分かっていました(関西の人に「バカ」という言葉はあまり使ってはいけないと聞いたことあるんですが、この場合は特別でしょう)。

ただ泣くんじゃなくて、嗚咽するほど泣き崩れひなたに縋る文四郎を見て、切なくて苦しくてたまらなかった(涙)。こんなにも大切に想って心からの愛情を伝えているのに、その言葉の端々からはどうしても別れの予感を感じずにはいられなかった…。
こんなにも繊細で胸が締め付けられるような本郷くんの愛情表現の芝居を見られるとは思わなかったよ!もっとラブストーリー系のドラマ出てほしいわ~~(切実)。

ちなみに・・・いつも気になっていた休憩室にある”月刊「マー」”。元ネタは「ムー」ですよね(笑)。この場面では、その雑誌を見ないように心掛けましたwww。

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号泣しながらひなたを抱きしめ愛する気持ちを伝えた文四郎でしたが、意を決して涙をこらえひなたを体からそっと離すと静かに本心を打ち明けました。

「一緒にはいられない…。 ひなた。もう、傷つけたくない…。傷つきたくない…。ひなたの明るさが、ひなたの放つ光が…、俺には眩しすぎるんだ」

うぁあーーーーー、これは、お互いに辛すぎる(涙)!!!

文四郎はついに、最後の心の拠り所でもあるひなたの存在をも手放してしまった…。真っ暗闇の中を彷徨う彼には、ひなたとの幸せな未来を思い描くことがどうしてもできなかったんだろうね。彼女が明るく真っ直ぐな笑顔で励ませば励ますほど、その想いに応えなければというプレッシャーが文四郎を襲っていた。
でも、どんなに努力しても…どんなに稽古を重ねても、いっこうに自分の理想とする場所に辿り着くことができない。同じ出発点にいたはずの新人俳優にも先を越されてしまった。足掻けば足掻くほど沼に足を取られたようで身動きが取れなくなり、ついには自分の進むべき道を見失ってしまった文四郎。彼にはもう再び立ち上がる気力は残っていませんでした…。

ひなたは文四郎が今の苦境から必ず立ち直ると信じていたし、そのためならどんな犠牲も厭わないとすら思っていました。でも、その想いはいつの間にか文四郎の気持ちを追い詰めるものへと変わっていってしまった…。そしてひなたはそれに気づくことができなかったという悲劇…。
「傷つきたくない」という最後の言葉は、大きなショックとして彼女にのしかかっていたに違いない。あの時初めて、ひなたは文四郎の本当の心の底にある気持ちを知ってしまった。もっと早く気づいていたとしても、きっとどうすることもできなかっただろうし…難しい。

ひなたも文四郎も、あんなにも深く互いのことを想い合っているのに…結局哀しい結末を迎えてしまうとは(涙)。文四郎はひなたを想いつつも自分を守るために別れるという選択肢を選んでしまった。今の彼にはあれしかなかったか…。だけどみんなそんなに強くいられないよね。文四郎の弱さはすごく人間くさいし、愛しくて哀しく思いました。

大好きな文四郎から別れを告げられたひなたは、呆然自失のまま帰宅。

 何も言わずに部屋に籠り一人涙するひなたが切なすぎて泣ける…。

そんな娘を心配するるいと錠一郎。るいは錠一郎からなんとなく事情を聞いてひなたの部屋の前へ向かいますが、声をかけるのもああいった場合難しいですよね…。一方の錠一郎は、おそらく文四郎の元へ向かうのではないでしょうか。何か救いの言葉をかけてあげてほしいよ…。

サウンドトラック発売中

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