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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第90回感想 ひなたの道を

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これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

「もう、傷つけたくない…、傷つきたくない。ひなたの放つ光が、俺には眩しすぎるんだ…」

文四郎から思いもよらぬ告白を聞いてしまったひなたは、その日はショックのあまり眠れなかったようです。目も腫れてるし…だいぶ泣いただろうね。別れを告げられたことよりも、励ますつもりでかけていた自分の言葉や行動が大好きな文ちゃんを傷つけていたという事実の方が精神的打撃が大きかったと思います。

その頃、役者を辞める決意をした文四郎は鍛錬を重ねた道場の掃除をしていました。その床にはこれまで文四郎が積み重ねてきた様々な思い出が染み込んでいる。せめて最後に感謝の気持ちを込めてきれいに掃除をしようと思い立ったのでしょう。こういうところ、本当に武士らしくてカッコいいと思うよ。
そこへ師匠でもある虚無蔵がやってきた。最初は目を合わせるのも辛そうな文四郎でしたが、意を決して虚無蔵の前に立ちこれまでの感謝の気持ちを告げ頭を下げる。彼の頭の中には、師匠を裏切ってしまったという申し訳なさや、「おひな」を泣かせてしまったことへの罪悪感みたいなものが渦巻いていたに違いない…。必死に涙堪えてる文ちゃんを見るのが切なすぎてホント胸が痛かったよ(涙)。

そんな文四郎に虚無蔵は持っていた木刀を「餞だ」と言って差し出しました。それに対し「もう殺陣は…」と受け取るのを躊躇う文四郎でしたが、虚無蔵はまっすぐ彼を見つめながら弟子への想いを語ります。

「どこで何をして生きようと、お前が鍛錬し、培い、身につけたものはお前のもの。決して奪われることのないもの。一生の宝とせよ」

虚無さんは、文四郎が苦しみながらも懸命に努力して必死に這い上がろうとしてきた姿をずっと見てきました。彼の焦る気持ちや苛立つ気持ちも分かっていたはずです。それでも、自分と同じように今の仕事に向き合えとは言わなかった。苦しみ抜いて役者を止める決断をした文四郎の気持ちを受け入れ、違う道へ進むことを応援してくれた。そこに虚無さんの度量の大きさを感じました。
いつどこで何をしていても、これまで頑張ってきた出来事は決して無駄にはならないとエールを送ってくれた虚無さんの温かさにグッとくるものがありました(涙)。文四郎は師匠の深い愛情を感じ、静かに差し出された木刀を手に取るのでした…。

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文四郎が虚無蔵と別れ休憩室に戻ってくると、突然錠一郎が彼を訪ねてやって来た。

・・・と、その前に。

あんなにいつも人がわらわらいた映画村の休憩室だったのに、なぜここにきて全く人の気配がなくなってしまったのだろうかww。あの時間帯だったら、誰かしら居てもおかしくないと思うんだけど、まさかの0人とは(笑)。入口に出入り禁止の札でも貼ってあるのか!?と思うレベルだぞ、あれは。

でも、それ、大人の事情だから…見て見ぬ振りしなきゃねw。

それから、錠一郎は映画村のあんなプライベート空間にどうやって一人で潜入できたのだろうかww。門の入口で手続きを踏めば入れてもらえるかもしれないけど…休憩室まではなかなか入らせてもらえないと思うんだが(笑)。映画村のセキュリティ、大丈夫か!?まぁ、錠一郎なら飄々としながら関係者の顔して中まで入れそうな気もするけどねww。

これもまた、大人の事情ってやつで(笑)これ以上ツッコミは入れないようにしますw。

本編に戻りますw。

錠一郎の姿を見た文四郎は、彼が自分のことを諫めにやって来たと思い込んでビクビクした様子でしたねw。しかめっ面しながら怯えた表情を見せたの、すごい繊細で印象深かった。やっぱり本郷くんは魅せる演技をしてくれる。
でも、当の錠一郎は…どちらかと言えば文四郎が思っているのとは正反対の、とても柔和な表情で微笑んでいた。癒されるな~~、オダジョー君のあの笑顔。

同じころ大月家では、るいがひなたのために朝食を作って持ってきてくれていました。食べる気力がないだろうと予測しておかゆにしてくれてるところに母親の愛情を感じますね…。それでもベッドの上で涙が止まらないひなたは壁の方を向いたまま。そんな娘の隣にるいはそっと寄り添いました。

するとひなたは涙ながらに「私の気持ちが文ちゃんを傷つけてたなんて…、苦しめてただなんて…、全く気付かなかった」と後悔の念を打ち明ける。るいは傷ついた娘を優しく癒すようにそっとさすってやるのでした…。深津さんの慈愛に満ちた表情のお芝居が沁みて泣けます(涙)。本当に素敵なお母さんだよね~。

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文四郎はノホホンとした雰囲気でやって来た錠一郎が、いつ「うちの娘を傷つけやがって!」みたいに豹変するのではとびくびくしていた様子w。「一発殴らせろ…とか」なんて怯えてるのはドラマの見過ぎって感じもしてちょっと面白かったw。
そんな言葉にちょっと苦笑いしてしまう錠一郎でしたが、文四郎は「すみません…こんなことになってしまって…すみません」と悲壮感溢れる表情で頭を下げつづけている。大月家にはいつも夕食に招いてもらったりと本当に良くしてもらってたからね。なおさらひなたを傷つけてしまった自分の罪を痛感してしまっていたのかもしれない。

しかし、そんな彼に錠一郎は温和な表情で「僕もなぁ、夢があったんだ。若い頃…。でも叶わなかった」過去の自分について静かに語りだしました。一度は手が届いたように思えたけれど、予期せぬ異変に襲われついにその夢を実現することができなかったプロのトランぺッターになる夢…。文四郎は意外なエピソードが気になり隣に座って話を聞くことにする。

すると錠一郎は持ってきた袋からある1枚のCDを取り出して文四郎に手渡しました。それは…

トミー北沢の新しいCDアルバムだった!!

ジャケットだけだけど、久しぶりにトミーの存在が確認できて嬉しかったよ!!音楽のことをよく知らない文四郎でさえ名前だけは知っていると言わしめるほど有名になっていたとは…!!やっぱり彼には才能があったんだよね。

錠一郎は少し笑いながらトミーが友達であることを告げる。
失意の帰郷をしたとき、錠一郎は自分の代わりに東京へ行って頑張ってきてほしいとトミーの背中を押しましていました。あの時トミーは友達を見捨てたレコード会社の世話になることに葛藤を抱いていましたが、やはりかねてよりの夢は捨てられず東京へ向かったのでしょう。そして見事にデビューを果たし、レコード、CDと次々に発売。ついには憧れていたアメリカにまで進出して今では著名なトランぺッターとして大成功を収めているらしい。

「僕の叶えられなかった夢、全部叶えてる」と寂し気に語る姿に胸が痛みましたが、さらに切なかったのは、錠一郎がトミーの出した新譜をこれまですべて購入しながらも一度もそれを聴けていなかったことです(涙)。
あかにしでCDラジカセを見つめていた時、吉右衛門さんが「この人がCDなんか買うわけがない」なんて笑ってたけど、実はトミーの発売した音楽はこれまで全部買っていたのですね…。プロになる夢を実現させた友達の成功は嬉しく思っていたのでしょう。だけど、本当の心の内ではそのことが悔しくて苦しくてどうしても音楽を聴く気持ちになれない。錠一郎も本気でプロのトランぺッターを目指していたから…。あの時、そんな葛藤を抱えながらCDラジカセ見つめていたのかと思うと本当に切ない(涙)。まだトラウマから抜け切れていないんだね…。

「だから、僕には分かるんだ。五十嵐くんはひなたのことを大事に想っている。 だからこそ、ひなたの前から消えるんだって…。僕がるいの前から消えようとしたように」

ひなたに別れを告げる決意をした文四郎のことを知った時、錠一郎はかつての自分と重ね合わせていたのです(涙)。彼も、るいを不幸にしたくないという想いから海の向こうへと消えてしまおうとした過去がある。だからこそなおさら文四郎の引き裂かれるように辛い気持ちが理解できてしまうのだと思います…。

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同じころ、るいもひなたに寄り添いながら消えていこうとした錠一郎を必死に思い止まらせ抱きしめた時のことが過っていました。そして、二人の思い出の曲♪On the Sunny Side of the Street♪を口ずさむ。

初めて聴く母の英語の歌に、ひなたは思わず起き上がり耳を傾けていく…。

キョトンとした顔で何の歌かを尋ねる娘に、るいは曲名を丁寧に告げる。日本語訳は「ひなたの道を」だと。この時ひなたは初めて自分の名前の由来を知りました。「てっきりお父ちゃんが縁側で日向ぼっこしながら思いついた名前だと思った」というのはちょっと笑ったww。今の錠一郎の姿を見たら、そう思ってしまうのも納得かな(笑)。

一方映画村を訪れていた錠一郎は、るいの歌声が聞こえているかのように穏やかで優しい表情を浮かべながら文四郎への言葉を紡いでいきました。

暗闇でもがく自分を引き戻してくれたるいとの穏やかな生活のなかで、彼は少しずつを見出すことができた。 お金はなかったけれど、楽しくて穏やかで幸せな新婚生活…。るいの存在は錠一郎にとってかけがえのない希望そのものだった。心が満たされていくのを感じた時、”眩しい光の塊”のようなひなたが誕生した。
そして、「ひなた」という名前は♪On the Sunny Side of the Street♪をるいと歌いながら「この子がひなたの道を歩いていけますように」と願いを込めてつけた名前だと明かします。ちなみに、弟の桃太郎君はるいが産気づいた時に助けてくれたモモケンこと桃山剣之介から取った名前でしたよね。

プロのトランぺッターになる夢は挫折してしまったけれど、るいと共に歩む道を選んだ時に新しい希望の光を見つけることができた錠一郎。穏やかな言葉の端々から、彼にとってるいやひなたや桃太郎との生活がどれだけ救いとなっているのかがひしひしと伝わってきて泣けてしまった(涙)。

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錠一郎には、苦しみ抜いて役者の夢を諦め新たな道へ進む決意をした文四郎の気持ちが痛いほど分かっていた。だけど、彼がこれから歩む道にもきっと新しい幸せが待っていることを願わずにはいられない。

「これから色んなことがあると思うけど、それが、五十嵐くんの選んだ道だったら、きっとそれが…、それは、五十嵐くんの”ひなたの道”になるから」

これはホント…泣いた(涙)。夢を諦める辛さや苦しみを知っている錠一郎だからこそ響く言葉で、すごく胸に迫るものを感じました。文四郎も思わず泣いてしまいそうになるのを必死に俯いて耐えてたよね…。君の選んだ道は間違ってなんかいないよ、きっと進んだその先には希望の光があるはずだから。そう語りかけているようにも聞こえたな。

錠一郎は優しく手を差し出し文四郎と握手を交わします。

同じころ、るいもひなたの傍らで彼女を優しく励ましている。

そして錠一郎とるいは、まるで魂が重なったかのようにそれぞれに同じ言葉を伝えていた。

「”Life can be so sweet. On the Sunny Side of the Street. ” ひなたの道歩けば、きっと人生は輝くよ」

ここのシーンも涙涙…!!!るいと錠一郎の語る♪On the Sunny Side of the Street♪の一節が本当に癒しというか…、あまりにも優しくて温かくて涙なしには聞けなかったよ(泣)。この言葉がどんなにか傷ついた二人の救いとなったかと思うとなおさら…。
安子と稔が愛した曲がるいと錠一郎にも愛され、そして今、ひなたと文四郎へと語り継がれている。みんな繋がってるんだなぁと改めて感じました。

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ひなたは食事をする元気を取り戻し、文四郎からもらった風鈴に向かって思いを断ち切るようにおもちゃの刀を振り下ろす。彼と過ごした時間はひなたにとっては宝物であることに変わりはないと思うけど、一度そこからリセットしてまた前を向くべく気持ちを切り替えたように見えました。

文四郎は優しく自分を励ましてくれた錠一郎に感謝の気持ちを込めて深く頭を下げる。役者の夢を諦めて実家に戻る決意をしたことに罪悪感を感じていたと思うけれど、「新しい道にもきっと希望があるはず」という錠一郎の言葉でだいぶ心が救われたかもしれないね。今はまだ暗闇を彷徨う気持ちから抜けられないだろうけど、前を向いていればきっと文ちゃんにとっての”ひなたの道”が見つかると思うよ。その先の未来に幸あれ!!と願わずにはいられません。

こうして、ひなたと文四郎の恋は残念な結末を迎えてしまいました。本当は一緒になってほしかったけどね…。

るいはすべてを失った錠一郎を受け入れ、彼がそれ以降無職の状態でも変わらぬ愛情を注いでいます。でもひなたは時代劇スターを目指して頑張っている文四郎のことが好きでも、その道を諦めた彼を受け止める気持ちになることはできなかった。そこが親子の恋愛の違いだったかも。

ここでしばらく文四郎くんの出番はなくなってしまうようで寂しいのですが、ドラマのクライマックス近くあたりにまた必ず復活すると信じてます。待ってるよ、文ちゃん!!その時は今回よりも幸せな展開になることを切に祈る!!

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