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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第88回感想 焦り

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これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

「一秒でも長く文ちゃんと一緒にいたい、文ちゃんと暮らしたい」と訴えたひなた。付き合い始めて7年経ったのでそう思ってしまう気持ちはよく分かる。でも、文四郎は今自分の置かれている境遇に焦りと苛立ちを抱えてしまっていて、ひなたの想いを受け止めるだけの余裕がない。

「大部屋のままじゃダメなんだ」 と苦しそうに呻く文四郎にひなたは思わず「あの時の言葉は嘘だったの?」と問い詰めてしまった。夏祭りの日、彼はひなたに「まだ見入りは少ないけれどついてきてほしい」と告げていましたよね…。これを突かれた方としては辛いよなぁ(汗)。

さらにひなたは「お金がなくても、仕事なんかなくても、文ちゃんといられたらそれだけで私は幸せ」と笑顔で言ってしまう(汗汗)。これを彼女がサラリと言えてしまうのは、仕事をしない父親と働いている母親がお金があまりなくても幸せそうにしている姿を見て育ってきたからだと思います。
錠一郎はもう20年以上無職のままですが、るいはそれを受け入れていて何の不服もなく夫婦生活を送っている。父親が働いていなくても家にお金があまりなくても、大月家はこれまで平和で幸せな日々を送っている。それが当たり前の日常として子供たちも受け入れてきた。

ひなたはきっと、自分の両親と同じように仕事がなくお金もほとんど稼げない文四郎と一緒になっても上手くやって行けると安易に考えているような気がしてならない(汗)。るいは辛抱強く何があっても錠一郎を信じて愛していたからここまでやってこれたと思うんだけど、苦労知らずで育った大らかなひなたにそれと同じことができるとは…ちょっと考えづらいんだよね。

文四郎はひなたを諭すように「俺は侍でいたいんだ」と訴える。

彼女のことを好きだという気持ちに揺るぎはないけれど、自身が追い求めてきた時代劇俳優としての地位を安定させるためには今はどうしても想いを受け入れることができない。”仕事もお金もない”まま立ち止まることは彼のプライドが許さなかったのでしょう。
その志はとても立派だと思うけど、そのためにはやはり停滞期を迎えている時代劇にしがみつかずに 新しい分野にも挑戦することが大事だと思うんだよなぁ。文四郎は自分で自分の首を絞めているように見えてとても痛々しい…。時代劇俳優にこだわりたい気持ちも分かるんだけどね…。

ひなたはそんな彼の気持ちを理解することができない様子…。文四郎はひなたを好きだからこそ、彼女の不安な気持ちを聞いてますます自分を追い詰めてしまったかもしれない。一刻も早く時代劇俳優として成果を上げひなたを幸せにしたいと…。うーーん、なかなかうまくいかないものですね(涙)。

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大月家のブラウン管テレビ、以前はるいがバシっと一発叩いたら機嫌が直りましたがw…今回はどうもそれだけでは立ち直らなかったようです(笑)。っていうか、1992年の時点でダイヤル式チャンネルのブラウン管テレビを使っていることがすごい!テレビを買い替えるお金までは大月家には余裕がないんだろうけど、かなり物持ちは良いと思います。

桃太郎は夏の甲子園の試合が砂嵐で見れなくなったことでいら立ちを募らせてしまう。ということで、ついに修理に来てもらうことになりました。やって来たのは、「あかにし」の吉之丞くん。ちゃっちゃとテレビの修理をこなす姿はなんだかとても様になっていてカッコいい。
そんな彼に盆休み中に来てくれたことの感謝を伝えるるいと錠一郎。本当は父の吉右衛門がやってくるはずだったようですが、とある理由で来れなくなったらしい。それは…

「昔いい年してチャンバラして腰痛めてから癖になってしまった」www。

京都に越してきて回転焼きを始めたばかりの時に錠一郎が吉右衛門と「妖術七変化」の再現をしてた時の、あれね(笑)。この時傷めた吉右衛門さんの腰、未だにクセになってうずいているのか(汗)。

吉右衛門さんの腰事情を聞いたるいと錠一郎は思わず言葉を失い(笑)、るいは罪滅ぼしとばかりに訳も言わず大量の回転焼きを見舞いにと吉之丞に渡すのでしたww。吉之丞くんとしては、なんで急にそんなたくさんの回転焼きを押し付けられるのかチンプンカンプンな様子でしたねwww。

そこへ小夜子があんこをもらいにやって来た。「おばあちゃんのお供え」という彼女のさりげないセリフがちょっと気になったな…。「あんこ」をお供えするって…もしや…。そういえば、小夜ちゃんって英語喋れてたよね…??もしや…??

大好きな小夜子がやってきたと言うのに、桃太郎は治ったばかりのテレビに映る甲子園の試合中継に夢中になっていて気が付かない。その間、小夜子は吉之丞と会話を交わしている。それによると…吉之丞くんは一度は就職したものの、結局は家業を継ぐことを決めたようです。なんだかんだで親孝行な良い子じゃないか。
小夜子が自宅のクーラーが調子悪いと言うと、吉之丞は快く直しに行くと告げる。この他愛のない言葉のやり取りが、今後桃太郎に暗い影を差しそうな気がしてならん(苦笑)。

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桃太郎が必死にテレビの前でかじりついて見ていたのは、”星稜高校”vs"明徳義塾高校”の試合でした。当時高校三年生だった松井秀喜選手が5打席連続敬遠されたやつですね。

あれって1992年だったかぁ。ずいぶんと騒動になった試合ですから今でもはっきり覚えてますよ。もう30年も経ってしまったとは…私も年を取るはずだ(苦笑)。

どうしたのかと尋ねられてようやく小夜子の存在に気が付いた桃太郎はビックリ仰天。この時ばかりは試合のことから意識が離れたようww。
高校3年最後の夏の大会で敬遠されまともに野球をさせてもらえない松井選手を見て、あの当時思っていた多くの人と同じく大月家も彼に同情を寄せていました。

ところが、小夜子だけは「明徳の子かて可哀そうやわ」と相手のチームの選手たちを気遣う発言をします。とっさにそちらに意識が良く小夜ちゃんはとても優しい女の子ですよね。そして、「ピッチャーだって勝負したいよなぁ」と自然にそれに同調したのは吉之丞くん。二人は同じ感性を持ってるように見えたな…。
当時、明徳の選手たちへの心無い言葉も多く聞かれていたのでこのシーンでちょっと救われたような気持になりました。

で、ひなたはというと…甲子園とは全く違うところに意識が行っていましたw。バッターボックスに立つひなたに対するのはピッチャー・五十嵐文四郎。彼女の妄想のなかで、文四郎はいっこうにストライクの球を投げようとしない。
星稜高校の松井選手が敬遠される姿を自分に重ねてしまったんだねぇ。なぜ一緒になりたいという気持ちに文四郎が応えてくれないのか、ひなたも心に大きな不安を抱えていました。

その日の晩、ひなたは自分の部屋で貯金通帳を見ながら「私だって、ちょっとずつ貯めてるのに…」と呟いている。でもそこじゃないんだよねぇ…。ひなたのお金に頼ることを文四郎は受け入れられないと思う。それを理解できないと、堂々巡りになりそうな気が…。

それよりも驚いたのが、あのズボラだったひなたがちゃんと文四郎との結婚生活のために貯金をしていたということです。それくらい彼のことが好きだし一緒に暮らしたいという気持ちが強かったんだよね。その願い、かなえてあげたいんだけど…このままだと難しいよなぁ。

同じころ、レギュラー目指してバットを振り続ける桃太郎は…小夜子の明徳の選手を気遣う言葉にテンション上げ上げな様子でした(笑)。この日は彼にとって「あ~~~!小夜ちゃん、好きやぁーー!記念日」 らしいです(←途中で切られる演出は『エール』のミュージックティ…を思い出したww)。

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数日後、映画村で一恵と遭遇。今はすみれの茶道指導のほかに、養成所の講師まで担当しているという。すごいなぁ。もうすっかりお茶の先生として頼られる存在になってる。

そこへ休憩室から榊原がボンヤリしながら出てきた。心ここにあらずで呆然自失状態のようになっていた彼の様子を不思議に思っていると、部屋の中から盛り上がってる声が聞こえてきました。何かと思い中に入ってみると…そこには衝撃の光景が!!

破天荒将軍こと星川凛太朗と、美咲すみれの「アツアツ結婚会見」の中継が放送されているではないですかwww!!!テロップの文字が当時のワイドショーでよく見たフォント使ってて、懐かしさすら感じてしまったよ(笑)。

ネタバレのあらすじですみれが「ある男性」と結婚するというのは察知していたのですが、まさかそれがあの破天荒将軍だったとは予想できませんでしたわ(笑)。こういうことがあるから、徳重くんがキャスティングされてたのか。納得ww。
何でも、二人の馴れ初めは初共演したあの日ではなくww、すみれの主演ドラマに凛太朗がゲスト出演したのがご縁だったらしい。ということは、けっこう長く秘密裏に愛をはぐくんでいたということなのか!?

それにしても榊原…心配した通りの結果になったな。すみれが一恵からお茶の稽古を受けて機嫌悪くしてたあの時、彼女のお守りをひなたにほぼ丸投げしてたからね。彼だってすみれに接近するチャンスはいくらでもあったはずなんだけど、見守るだけで行動しなかったっぽいし…。これはもう、凛太朗さんに取られてしまっても仕方ないなと思ってしまいました。

しかし、すみれの結婚ショックですっかり落ち込んでしまった榊原を一恵が意味ありげな視線で見つめていたのは気になります。お茶のお稽古ですみれがキレたときに咄嗟に榊原君のこと庇うような発言もしてたしね。これはいっちゃん、接近のチャンスかも!?

一方のひなたは、すみれの結婚報道を見て羨ましさを感じずにはいられなかった。そんな彼女の後姿を文四郎は少し苦しそうな表情で見つめていましたが、ひなたの視線に気づくとすぐに立ち去ってしまいました。
が…、お化け屋敷に行く途中の文四郎君、あのメイクで見つめられたらちょっと怖い(笑)。

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鬱々とした気持ちでお化け屋敷現場に落ち武者姿でスタンバイする文四郎。するとその目の前にいつの間にか虚無蔵さんが立っていてビックリ仰天ww。

思わず腰を抜かしてしまった彼を皮肉る虚無さんでしたが…あれは誰でもそうなっちゃうと思うぞ(笑)。

ちなみに、虚無さんは扮装しないでも「暗闇に潜んで現れるだけでいい」ということになっているらしい(笑)。それに対して「そのままでも怖いからですかね…」とありのままの感想を述べる文ちゃんが可愛いww。

虚無蔵は最近道場に現れない文四郎に対し「日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えよ」と忠告しますが、文四郎は「永遠にその時は来ないかもしれない」と胸の内に抱えるモヤモヤを打ち明けてしまう。
「妖術七変化」から7年、その時から一度も名前の付いた役柄をもらえず望まない仕事しか与えられない。いくら努力を重ねても、なかなか日の目を見る兆しがないことに文四郎は焦りと苛立ちを隠し切れなくなっていました。

しかし、「こんなのいつまで続くんですか?」と問いかける文四郎に虚無蔵は「拙者は40年斬られ続けておる」とドヤ顔で答える。そうなんだよなぁ…、虚無さん。時代劇俳優としてもっとスポットライトを浴びたいと願ったこともあっただろうに…、それでも心折れずに黙々と主役を輝かせる役を演じ続けている。本当に凄いことだよ。
文四郎には、一度映画で抜擢されて大きなスポットライトを当てられたにもかかわらずそこから30年間腐らずに大部屋俳優として演じ続ける虚無蔵の気持ちを理解することができなかった。

「どうして耐えられるんですか?こんな屈辱に」と苛立ちを露にする文四郎に、虚無蔵は「傘張り浪人とて刀を携えておる限りは侍だ」と説く。
彼はどんな小さな役も、たとえ名前がなかったとしても誇りをもって演じ続けてきたのだと思います。だからこそ、「侍」という言葉も重みをもって響いてくる。虚無さんに比べれば、文四郎の「侍」は理想ばかりを追い続けている虚像のようにも感じられちゃうよなぁ…。だけど、文四郎が焦る気持ちも分かるしすごく人間っぽいとも思う。虚無さんがすごすぎるんだよ。

さらに虚無蔵は、文四郎とひなたの関係も察知していたようで「おひなを泣かすな。泣かせたらその時は…」と釘を刺し去っていきました。虚無さんにとってひなたは娘のような存在なのかもね。うーーん、これで文四郎はますます自分自身を追い詰めてしまうことになっちゃったのではないだろうか。とても心配です。

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それからさらに数日後、酒屋の森岡さんが桃太郎の誕生日会に文四郎も招かれていることを知って「弟の誕生日祝いに来るなんて、これはもう、いよいよ、近々やなぁ!!」と我が事のように大興奮ww。今日も声を張っていらっしゃる(笑)。
でもねぇ…森岡さん、今二人は非常に微妙な関係になっちゃってるところだから…あまりそれを本人たちの前では言わないほうがいいかもしれない(汗)。そっと見守っててほしいんですが…、無理っぽいよなぁ。なんか問題大きくならなきゃいいけどw。

だけど、るいと錠一郎も二人の関係についてはあまりノータッチなのかな。ひなたも親にはこの件についてはあまり語っていないだろうし。ただ親として、なんとなく察してはいるかもしれない。

その頃仕事を終えた文四郎は、休憩室で無造作に置かれていた新聞を目にしてしまいます。そこには、さらに彼の心を追い詰めるような記事が大きく掲載されていた。

7年前のモモケンとのリバイバル映画「妖術七変化」で左近役に抜擢された大型新人・武藤蘭丸さんが年末時代劇の主演に決定したという。あぁ、そういえばこの時期テレ東系で12時間時代劇とか放送されてたっけ。私けっこう毎年楽しみにしてたんだけど、いつの間にかなくなってしまって寂しく思ってたんですよねぇ。

っていうか、蘭丸さん、すごいじゃないですか!さすがはモモケンが見込んだ役者というだけのことはあったわけですね。”確かな実力と確かな人気”なんて書かれてて、7年の間に彼がどれだけ注目されていったのかが伺えます。あの映画に出た後も努力したのでしょう(事務所の売り方もあるかもだけどw)。

しかし、文四郎としてはこんなにもショッキングな出来事はなかっただろうなぁ。「妖術七変化」で小さいながらも名前のある役をもらった彼と、黍之丞の敵役として大きなスポットライトが当たった蘭丸。その当時二人は同じような無名の新人という立場だったけれど、蘭丸だけがあの作品をきっかけにしてどんどん先に役者として駆け上がっていってしまった。
文四郎も地道に努力は続けていたけれど、どうあがいても蘭丸に追いつくことができない。このシビアな現実についに彼の心は折れてしまったのではないだろうか…。

ひなたが文四郎との待ち合わせ場所にやって来た時、そこにはもう彼の姿はありませんでした。これはもう、嫌な予感しかしない。

一方の榊原も、すみれと凛太朗のラブラブな新婚姿を目の当たりにしながら必死に笑顔を作って感づかれないように涙ぐましい努力をしている。報われなかった恋に落ち込む彼を、一恵は複雑な心境で見つめていました。この二人の今後も気になります。

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