PR

NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第9回感想レビュー 告白

スポンサーリンク

夜遅い時間になってもなかなか家に戻らない安子が心配でたまらない小しず。しかも、稔のところに会いに行ったことを知ってしまっている手前、もしかしたら帰ってこないのではないかという不安も過っていたのではないでしょうか。でも、そのことは同じく遅い帰りを心配する金太さんには言えないわけで…、お母さんとしては苦しいところです。

すると、ようやく安子が思い詰めたような表情で帰って来た。ところがホッとしたのも束の間、その後ろから若い男性も一緒に入ってきて金太さんは呆然として口あんぐり状態w。まさか嫁入り前の娘が男性と一緒に帰ってくるなんて予想もしてなかっただろうからなぁ(汗)。

小しずさんはそんな夫の後ろでめちゃめちゃ気まずそうな表情をしているし、安子も何も言わずにその場に佇むだけ。そんな状況の中踏み込んでしまった稔くんでしたが、動揺する様子もなく安子の両親にキチンと頭を下げていました。すごい度胸でビックリする。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

とりあえず居間に通してもらえた稔は安子の隣に座り、凛とした態度で自己紹介をしている。金太はそんな彼に臨戦態勢で挑むかのように厳しい表情で睨みつけていて、その場の空気はもうピリピリの極致(汗)

そんな状況のなか、目が覚めてしまった杵太郎とひさが顔を出してきた。稔が「雉真繊維」の長男だと知ると目を細めて稔の父・千吉について「あれはイイ男です」と褒め称え始めるひささん。
さらに杵太郎さんは「大事なお客さんがきた時にはいつも”たちばな”の和菓子を出すことにしている」という稔の話に大喜び。すっかり稔が気に入ったようでお菓子では何が好きか?など根掘り葉掘り聞こうと身を乗り出してきた(笑)。

 まるで立つ瀬がなくなってしまった金太は両親の登場にタジタジ状態w。でも、ピリピリムードだったその場を少し和ませてくれる杵太郎&ひさ夫婦は橘家にはなくてはならない存在ですよね。まぁ、金太さんはちょっと気の毒ではありましたがw。

スポンサーリンク

なんとか話を本題に戻した金太は、単刀直入に「安子とはどのような付き合いなのか」と稔を問いただす。それに対して、まっすぐと金太の方に目線を向けながら出会った経緯を話す稔。そして、これまで口にしなかった素直な安子への想いを告げます。

「僕は、正式に安子さんとのお付き合いを認めていただきたいと思っています」

初めて稔の自分への気持ちを聞いた安子は驚いて思わず彼の方を見つめてしまう。釣り合わない相手だし、そもそも自分の片想いだって気持ちが強かっただろうからビックリするよね。

さらに稔は、大阪まで来てくれた安子と一日一緒に過ごしたときに彼女の様子がおかしいと感じたと告げる。で、汽車についてですが…やはりガイドブック通り後から急行で追いかけて追いついたっていうことだったようですね。しかし、すれ違うリスクもあったと思うし…よくあそこで会えたなと思ってしまう(←そこはあまり深く考えるなw)。

泣いている安子に事情を聞いた時に、彼女が砂糖の生産会社の息子との縁談話があることを知った稔。その話を受けるために最後にもう一度だけと安子が思い詰めた気持ちで会いに来てくれたことも知ったという。彼の気持ちが高まったのは、もしかしたらその話を聞いた瞬間だったのかもしれない。
稔は金太の方を見据えながら「無礼を承知で言います」と切り出し、砂糖の会社と手を組んだとしても、たちばなの店の経営が上向くとは思えないと告げる。大阪に住んだことで世の中の動きを肌で感じていた稔は、今後”菓子そのもの”が贅沢品とみなされて製造が規制される日が遠からずやってくるであろうことを予測していたのです。そういう動きは、やはり都会の方にいないと見えてこないものだったかもしれません。
金太も薄々はそういう未来を覚悟している部分はあったようで、「差し出がましいことを言ってしまった」と謝る稔を責めることはできませんでした。

少し空白の時間が流れるなか、今度は小しずが稔に安子と付き合いしたいというのは本当なのかと問いかける。稔ははっきりと肯定しましたが、小しずは「本当にそんなことができるんですか?」と表情を曇らせました。
雉真繊維の息子ならば縁談も引く手あまただろうし、そもそも稔だけの一存で付き合う相手を決められるのかと鋭いところを突いてくる小しず。娘を想うが故に、あえて厳しいことをぶつけたんだと思う…。本当は好き同士一緒になってほしい気持ちもあっただろうけど、親としてはやはり生半可な気持ちで結婚したいと思っているのではという疑念も拭えなかったのではないかと。

しかし、その質問も覚悟していたかのようにまったく動揺する様子を見せない稔は、自分のこれまでの生き方について語りだす。雉真繊維の跡取り息子として育てられることや、決められた相手と結婚する運命にあることもこれまで一度も疑問を抱いたことはなかったという。
そんなさなかに安子と出会ったことで、「自分の目に映る景色が一変した」のだと告げる稔。かつて安子から「甘くておいしいお菓子を怖い顔をして食べる人はいない。どんなマイナスな感情を抱いていたとしても自然と明るい顔になる」と告げられたことが、彼の心に大きな影響を与えていたのです。そうか、もうそんな前から稔は安子に惹かれる気持ちがあったんだね…。

「親の決めた相手じゃなくて、安子さんと共にいたい。安子さんと共に生きたい。安子さんに傍にいてほしい。それが嘘偽りのない僕の気持ちです」

こんなにもまっすぐで誠実なプロポーズはないよねぇ。ひしひしと稔の安子に対する想いの深さが伝わってきたよ。松村北斗君、良い表情をしてたなぁ。まさかこんなにも彼女に心惹かれていたなんて…。きっと素直で優しい自然体な安子は、跡取り息子としてのプレッシャーを背負っている稔にとって救いでもあったのかもしれない。こんなに想われてたなんて、安子は幸せ者だよ。ちゃんと両想いだったじゃないの!

スポンサーリンク

その場にいたみんな(隠れて聞いていた従業員のみんなも含めて)、稔の真っ直ぐな安子への気持ちを聞いて胸を打たれていたようでした。が、すぐに小しずは複雑な表情となり…、金太も難しい顔を浮かべている。
稔の誠実さは確実に伝わっていました。が、それでも、安子を雉真家に嫁に出すことだけはできない事情がある。

「うちには、安子しかおらんのんじゃ…」

長男の算太が借金取りから追われ方々に迷惑をかけていると知ったあの日から、”たちばな”の店を任せられるのは安子しかいないと考えていたであろう金太。安子には婿を取ってもらい店を支えてほしいと期待をかけていた。本当は好きな者同士一緒にさせてやりたいという親心はあったと思うけれど、それよりもやはり、店を守ることの方が一番の重要事項だったのです。
稔も跡取り息子として育てられていたことから、金太が安子を店から出すわけにはいかないと反対する気持ちを理解できてしまったのだろうなぁ。何も反論することなく、その日は帰ることになりました。

安子は耐え切れず帰ろうとする稔の背中を追いかけ呼び止めました。「勝手なことをしてごめん」と謝る稔に、勇気を出して自分の素直な気持ちを伝える。

「私も、稔さんと生きていきたい。あなたと日向の道を歩いていきたい…!」

これは、安子が喫茶店で初めて稔と聴いたルイ・アームストロングの歌♪On the Sunny Side of the Street♪からとった言葉ですよね。二人にとってとても大切な思い出の歌…。彼女の稔に対する愛情の深さが伺える告白だったと思います。

その夜、稔は実家で一泊することにする。母の美都里は突然帰ってきた稔に大喜び…っていうか、あれは”溺愛”レベルでちょっと怖い(汗)。勇は「兄さんがおったらこれじゃ」と苦笑いを浮かべている。弟として稔のことは大好きな兄として尊敬していると思うんだけど、母の接し方には格差を感じているようでちょっと複雑な気持ちがあるみたいだね…。
そこへやって来た父の千吉も久しぶりに稔の顔が見れて嬉しい様子。美都里はなんとかもう少し実家に留まれないか説得してほしいと迫っていましたが(汗)、「学校があるから仕方ないだろう」とそこはちゃんと諫めてくれていて一安心w。

千吉は、いつか一緒に対面した神田中佐が稔のことをほめていたと嬉しそうに語る。雉真繊維では今度国民服を作ろうかと思っているという話も出ているらしい。それはいい考えだと稔も肯定的に考えている様子。

神田中佐を演じてたのは武井壮さんでしたよね。

なかなか堂々とした存在感で印象に残りました。軍服関連のことでまた登場する機会が出てくるかな?

千吉は今後のことを語るうえで、砂糖はこれからますます手に入らなくなり小さい菓子屋は立ち行かなくなるだろうと告げる。稔は”たちばな”の先行きに大きな不安を感じてしまう。そんな兄の様子を勇は隣で複雑な表情をしながら見つめていました…。

スポンサーリンク

結局、安子の見合いの話は白紙に戻すことができたようです。きぬちゃんもそれを聞いてほっと一安心の様子。そのことに少し罪悪感を感じていた安子でしたが、きぬは達観したような表情で「好きになったんだから我儘になるのは当然」と彼女を励ましていました。それよりも、友達として安子と稔が相思相愛だったことが嬉しいきぬ。彼女は最初に気を利かせて夏祭りを二人で行けるように仕組んでくれたりしましたからね。

しかし、安子に稔が婿入りするという話はあまりにも非現実的すぎる。まだまだ二人の恋は前途多難です。するときぬはボソッと「勇ちゃんだったら丸く収まったのにな」と少しいたずらっぽく笑う。子供の頃から勇が安子にやたらチョッカイ出す理由を理解してた節があるからなぁww。だけど当の安子本人は全くきぬの言葉の意味が分かっていない(苦笑)。哀れ、勇の片想い…。

いやぁ…、きぬちゃん、ほんと、『ちりとてちん』の順ちゃんを彷彿とさせるキャラだわ~(笑)。なんだか懐かしくなってしまう。

その頃、稔は勇と旭川のほとりでキャッチボールをしていました。もうすぐ大阪へ帰らなくてはいけない稔に対し、勇は「長男いうのは大変なものじゃのぅ」とボールを投げながら告げる。次男である自分は親から何も期待されていないから気楽なものだと少し諦め顔をしている勇でしたが、そこにはあまり構ってもらえない複雑な気持ちが見え隠れしているように思えたかも…。

※旭川キャッチボールロケ地レポはこちら

「わしには野球さえさせておけばええと思うてる」と投げた勇のボールは鋭い荒れ球になっていた。親の期待が兄に集中していることに対してやはり嫉妬のような気持があるんだろうな…。稔は優秀な兄でもあったからなおさら親の期待がそこへ集中してしまっている現状がある。

でも、稔はそんな寂しい弟の気持ちを察していない様子。「勇が野球がうまいから」と深刻には受け止めていない。勇はその時は笑顔を見せていましたが、自分の気持ちを理解してくれようとしない兄に落胆しているようにも思えて切なかった…。すると勇は、ずっと心の内だけにしまっていた真実を打ち明ける。

「兄さん、兄さんは気づいてないと思うけど…、わし…、あんこ(安子)のことが好きなんじゃ」

全く予想もしていなかった言葉をボールと一緒に投げられた稔は、衝撃のあまり弟のボールを受け取ることができず立ち尽くしてしまった。

勇は稔と安子が惹かれ合っていく様をずっと見てきたし感じてきた。だけど、最初に安子のことを好きになったのは自分なのに…といった悔しい気持ちもあったはずです。安子が自分の気持ちに全く気付く気配がないことも分かっている。きっと、告白したとしても受け入れられないことも悟ってる。それでも、せめて兄には自分の安子への本当の気持ちだけは知っていてほしいと、あのタイミングで言う決意をしたのかもしれない。

初めて弟が自分と同じ人に想いを寄せていたことを知った稔。今後どう接していくのだろうか…。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました