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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第83回感想 20年前の因縁

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これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

先週は1週間入院していたのでカムカム感想を書けなかったのですが(詳しい経緯はこちら)、毎朝病室でしっかりと見ておりました。ただ、BSが映らない部屋だったので地上波タイムまで待たないといけなかったんですけどねw。川栄さんのひなた編になってガラリとドラマの雰囲気も変わりましたが、私は嫌いじゃないです。むしろ楽しんで見てる派ww

17週も色々と書きたいネタがてんこ盛りだったのですが、体調が安定しなくて断念せざるを得ませんでした。でも、退院してようやく体力も回復してきたのでまた18週からできるだけ書いていきたいなと思います。

そうそう、ついに「カムカムエヴリバディ」のドラマ撮影がオールアップしたそうですね。

ネタバレ防止からか現場の様子の写真は掲載されていませんが、皆さん長丁場の撮影本当にお疲れ様でした。あと1か月ちょっと…じっくりとドラマの展開を見守っていきたいと思っています。

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二代目・桃山剣之介が主演するリバイバル映画『妖術七変化!隠れ里の決闘』敵役・左近を選出するためのオーディションがいよいよ始まりました。轟監督やモモケンが見守るなか順調に審査は続き、いよいよ文四郎と虚無蔵の二人の順番が回ってきました。

張り詰めた空気のなか、最初は虚無蔵が”黍之丞”、文四郎が”左近”の殺陣を披露することに。虚無蔵が「暗闇でしか見えぬものがある、暗闇でしか聴こえぬ歌がある」とセリフから役に入ってくると、モモケンたちは思わずその方向に視線を向ける。
ただ、台詞の言い方としてはちょっと微妙だったよなぁw。いや、雰囲気は十分渋くて斬新なんだけど…ボソッとした棒読み状態…みたいな(汗)。虚無さんは日常会話も武士言葉で鍛錬されてるようですが、やっぱりまだそちらの方は修行が足りないのかもって思っちゃった(笑)。

これに合わせて文四郎の気合も乗ってくる。虚無蔵相手に互角に近い殺陣を披露する姿に外から見守っていたひなたも「あんなに上手かったっけ?」とビックリ。すると後ろからサンタ・黒須(まぁ、算太なんだけどw)が「相手役が上手いんだ」と語り掛けてきた。

算太によれば、文四郎は虚無蔵と当たることでつられて技術が向上しているのだという。「時代劇は、一流の斬られ役がいてこその主役だ」という彼の言葉はなるほどなと思いました。斬られ役の魅力的な殺陣があって初めて主役の存在が輝く。大部屋さんの努力あってこその時代劇ということでしょう。

文四郎は見事な殺陣を披露。死に様のお芝居もバッチリです。常日頃から真面目にコツコツと鍛錬してきた成果が出ましたね。モモケンも轟監督も満足そうな表情を浮かべていたし、彼には良い結果が訪れてほしい。

そして次は役柄をチェンジして虚無蔵が左近、文四郎が黍之丞を演じることに。するとここで突然モモケンが”待った”をかけてきた。彼自身が黍之丞を演じ虚無蔵の殺陣を受けるのだという。
えーー!!文四郎君、これからまたさらに頑張るって時になんでここでモモケンが取って代わっちゃうのよーー(汗)と少し思っちゃった。だけど、とてもそんな反論できるような空気ではないということをみんな悟ってしまうくらい緊張感バリバリだったからなぁ。

事情を知らないひなたは「なんで?」と呆気に取られていましたが、算太だけは「長かったのぅ…20年…」と感無量な表情を浮かべている。

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いよいよモモケンと虚無蔵による殺陣が始まる。時代劇の格好をしていなくても、色気ダダ洩れで全ての動きの型が完璧に美しい菊之助くんのモモケン、素晴らしい!!あんなオーラを醸し出せる人、なかなかいないよなぁ。立ち役も女方もこなせる歌舞伎役者だからこそでしょう。本当にナイスキャスティング!って思っちゃいます。

それを受けて立つ虚無蔵。その眼には、20年前に初代モモケン演じる黍之丞の姿が映し出されているようだった。彼にとっても、二代目と真剣勝負をすることは特別な意味があるのだろうなと思いました。

すると場面は20年前のとある映画館へ。

ほとんど人のいない映画館で、算太は楽しそうに初代モモケンと虚無蔵の迫力の殺陣シーンを見つめていました。しかし、そのすぐ後ろからはなぜかすすり泣く声が聞こえてくる。しまいには声を上げた泣き声まで聞こえてきて、算太としては気が散ってたまらない(笑)。

映画が終わってもずっと泣き続けている青年に対し、算太は不思議そうに「この映画のどこにそんな感激するようなことがあるんだ??」と素朴な疑問をぶつける(笑)。たしかに殺陣はすごいけど、映画の内容としては意味不明な点も多く到底泣くようなものじゃなかったらしいからねw。

それに答えずグズりまくってる青年の横に立った算太は、彼がモモケンの息子の団五郎であることに気が付いた。二人にどういう経緯があって知り合ったのか不思議だったんだけど、なるほどそういう展開があったのね。

算太に気づかれてしまい慌ててサングラスをかけたものの、涙が止まらない団五郎くんがなんだかめちゃめちゃ可愛くて萌えました(笑)。

さらに「親父さんが無名の俳優とあんな見事な殺陣をやったものだから焼きもちやいてるんだろう」と図星を突かれると感情を抑えきれず号泣www。
二代目を継いでからは凛として堂々と構えてるスター・モモケンに、こんな情けないエピソードが隠されていたなんてねぇ。なんだか逆に親近感が沸くというか、可愛く思えて好感度上がっちゃったよ(笑)。菊之助君の泣き方がこれまたマンガちっくでめっちゃ最高だった。

ひとしきり泣いて落ち着いた団五郎(二代目・モモケン)は、算太に「当てつけとしか思えません。私を拒否してあんな無名の大部屋を抜擢するなんて…」と心に溜まっていた嫉妬の感情を白状する。彼は父親と共演することをとても楽しみにしていたので、それを拒絶され自分が配役されるはずだった左近役に無名の大部屋俳優・伴虚無蔵が抜擢されたことが妬ましくてたまらなかったのでしょう。

「映画を離れてテレビの世界に行った自分のことを父は許していないのではないか」と算太に告げた団五郎。それに対して彼は馴れ馴れしく「ダンゴちゃん」とあだ名で返しました。この瞬間にあの呼び名が飛びだしたわけかw。だから再会した時に二代目モモケンはちょっと苦笑いしたんだねww。

算太は”父親像”について団五郎に語る。

「親父というのは一筋縄ではいかないものだ。許しているようで許していない。許していないようで許している。親父さんはあんたに、黍之丞をやってもらいたいんじゃないか?敵役の左近じゃなくて」

算太はおそらく、最後まで分かり合い和解することができなかった父・金太のことを重ねていたに違いありません。戦後帰還した時に妹の安子からその最期を聞いた時、彼は父の想いを初めて受け止めたように見えました。あの時からずっと算太の心には金太の存在が消えなかったに違いない…。
父との関係に悩む団五郎の姿は、かつての自分と重なって見えたのでしょう。だからきっと、放っておけない気持ちになったんだろうね。実は二人の間にそんな深い共通点があったというこの展開はちょっと胸アツでした。

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あの時は算太の言葉を素直に信じることができなかった団五郎。だからこそ、自分の代わりに左近を演じていた虚無蔵の殺陣を受けることで父の想いを知りたいと思い至ったのかもしれません。

まるで溜まっていた長年の有耶無耶を吐き出すかのようなすごい形相で向かって行く虚無蔵。モモケンはその太刀筋を一つ一つ確かめるようにしっかり受け止めている。二人の殺陣は、まるで会話をしているようにも見えました。

そして虚無蔵が倒れたところで一連の殺陣シーンは終了するわけですが、あまりにも鬼気迫るものすごい応酬を見せられた周りの人たちは時が止まったように圧倒されまくり・・・監督に至ってはしばらく「カット」の声をかけることもできませんでした。文四郎は衝撃と動揺で目が泳いでたものなぁ…。そりゃ、あんなオーディションを遥かに超越したような本番さながらな二人の迫力の殺陣を見たら誰もがそうなっちゃうの分かるよ。

ようやく我に返った轟監督の「カット」がかかった時、モモケンは肩で息をしながら「これが、父が見た景色なんですね、20年前に」と告げる。この時初めて彼は、父が無名の大部屋俳優だった伴虚無蔵を抜擢した理由に納得できたんだろうなと思いました。それと同時に、心の中でわだかまっていたことがスーっと浄化されていくような感覚もあったかもしれない。20年経っても、虚無蔵の殺陣は天下一品の素晴らしいものだったのです。

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しかしその上でモモケンは、「あんたじゃダメなんだ」と虚無蔵の左近役は認められない旨を切り出す。その言葉に不満を感じた様子の虚無蔵でしたが、モモケンは自らの想いを伝えます。

「虚無さん。私は私の左近を探しに来たんです。父があんたという左近を見つけたように。あんたに頼ったんじゃ、父を越えられない」

二代目モモケンが父と改めて対峙し新たな一歩を踏み出したことを察した虚無蔵は、「ありがとうございました」と静かに告げてその場を立ち去ろうとしました。こういうところは虚無さん、潔よくて良いですよね。ちゃんと文四郎とも手合わせしてほしいと言い残す優しさも素敵だなと思います。

すると去っていこうとしたその背中にモモケンはずっと彼に黙っていた”ある真実”を告げました。

「父は言ってました。伴虚無蔵は、桃山団五郎よりずっといい役者だと。父は役者としてあんたに一目置いていたんです」

自分が初代モモケンの敵役として映画に抜擢されたのは、彼の息子に対する当てつけだったとずっと思いこんできた虚無蔵。映画がヒットしなかったことの責任も感じずっと苦しんできた。でも、実は初代モモケンはしっかり虚無蔵の努力を認め買ってくれていたのです。その事実を知り、彼の心の中にあった重荷が静かに剥がれていく。

恨みがましく思わず「なんでもっと早く言ってくれなかったんですか!?わし、20年思い詰めてきましたがな」と言いたくなる気持ちも分かります。彼の苦しみに気づきながらずっと真相を教えてもらえなかったわけですからね。モモケンのいけず!と思ったに違いないw。

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でも、そんな虚無蔵にモモケンは爽やかな笑顔でこう返答しました。

「私はスターですよ。大部屋なんぞに軽々しく声はかけません」

一見するとすごい嫌味な言葉に聞こえるかもしれないけれど、モモケンは虚無蔵にこう告げることで”もうお互いわだかまりは無しで”と暗に伝えたんだろうなと思いました。これまでは虚無蔵への嫉妬もあって上手く彼と接することができなかった。でも、今回殺陣で剣を実際に合わせたことで父が虚無蔵を認めた理由をようやく受け止めることができた。だからこその、あの笑顔だったと思うしね。

虚無蔵もまるで憑き物が取れたかのような穏やかな表情で「恐れ入りました」と頭を下げていました。役者として初代モモケンから認められていたことを知った時、ようやく20年の呪縛から解き放たれた気持ちになったと思います。モモケンの「私はスターですよ」という言葉に、これからは遠慮なく挑んできてほしいという心意気を感じたのではないかな。

20年の因縁が解けたあとの二人の表情がとても印象的で見ているこちらも嬉しくなりました。

菊之助君の父と子の二役の演じ分けも繊細で素晴らしかったし、松重さんの真実を知った後のモモケンに対するわだかまりが消えた表情も印象的だったなぁ。

さて、今回殆ど出番がなかった主人公のひなた。オーディションが終わった後片づけをしていると、モモケンが部屋で一人黄昏ている姿が目に留まります。それに気づいたモモケンは、慌てて去ろうとした彼女を「あなたと話がしたかったんです」と意味深な表情で引き留める。モモケンがひなたに伝えたいこととはいったい!?

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