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NHK大河ドラマ『青天を衝け』第18回ネタバレ感想 一橋の懐

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今回の『青天~』に備中が登場するということで、放送の前の週にNHK岡山の夕方の番組で5日間ゆかりの地特集が放送されていました。

4日目と5日目には撮影現場のメイキングや吉沢くんや山崎さんのインタビューまで放送されるという力の入れっぷり!ちなみに、『青天~』のチーフプロデューサーの黒崎さんは岡山出身だそうで、この回にかける想いなどの単独インタビューもありました。

井原駅に『青天を衝け』の宣伝ポスターがあったのは知っていたのですが、大河で扱われるエピソードとは思っていなかったのでこれは嬉しい驚きでしたね~。岡山に移住してから約8か月ですが、タイムリーな時期にいてよかったです(笑)。

以下、第18回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

これまでの『青天を衝け』感想レポ

青天を衝け
青天を衝け
2021年度NHK大河ドラマ『青天を衝け』の感想レビュー

『青天を衝け』第18回 一橋の懐

2021年06月13日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45 ほか

出演:吉沢亮、高良健吾、山崎一、磯村勇斗、藤原季節、津田寛治、草彅剛、小林薫ほか

あらすじ

篤太夫(吉沢 亮)は、天狗党(てんぐとう)討伐のため慶喜(草彅 剛)とともに京をたつ。一方、成一郎(高良健吾)は、慶喜からの密書を耕雲斎(津田寛治)に届ける。耕雲斎は降伏を決めるが、悲しい運命が待ち受けていた。一橋家を強くしなければという思いに駆られた篤太夫は、新たな兵の招集を慶喜に建白。歩兵取立御用掛となった篤太夫は、一橋領のある備中に向かう。江戸城では、三度(みたび)京に向かうことになった将軍・家茂(磯村勇斗)が、和宮(深川麻衣)との別れを惜しんでいた。

<公式HPより引用>

武田耕雲斎の「一橋様は我らのことを決してお見捨てにはなりますまい」という言葉を信じ、京へ上洛することを決めた藤田小四郎ら天狗党。しかし、京の町を守る役目に就いていた慶喜としては彼らを受け入れることは到底でず、「私の手で討伐する」という苦渋の決断をするしかありませんでした。水戸の同志を討たなければならなくなるなんて、ほんと辛かったと思うよ(涙)。

篤太夫と成一郎にも天狗党討伐の旨が原市之進によって知らされることとなりました。篤太夫は討伐軍に入ることとなり、成一郎は別件の任務を与えられることに。今までほとんど一緒に行動してきた二人でしたが、ここにきて役目が分かれてしまいましたね。
篤太夫の脳裏に、泥酔してヤケッパチになってた小四郎に対してハッパをかけたことが蘇ってくる。「それでも東湖先生の御子か!?」という檄に対して「父をも烈公をも超える大義を成してみせる!!」と目を輝かせていた姿が頭にこびりついていた…。そんな彼を討ちに行かなければならない現実に篤太夫の表情は暗い。

元治元年12月、天狗党討伐に出立した慶喜一行。その中に異母弟の松平昭徳がいました。後の徳川昭武ですかね。やったら美形な弟さんではないですか!彼は後に篤太夫と大きな関わりを持つのでその時が楽しみです。

その頃、成一郎は慶喜の密命により越前・敦賀の天狗党陣営に来ていました。別件で呼ばれたのはこのためだったのか。こんな重要任務を任されるということは、やはり彼のほうが”武士”としての評価が高いってことかもしれない。
成一郎は、疲れ果て既に戦闘意欲を失い寒さに凍える天狗党の兵の姿を目の当たりにして衝撃を受けてしまいます。あれは敵が攻めてきたら全滅してしまうレベル…。それはあまりにも哀しい「尊王攘夷」の成れの果てでした(涙)。

耕雲斎と小四郎と対面した成一郎は慶喜からの密書を手渡す。その文には「武器を持って京に入ることは天子様に背くことになるから上洛を諦めて国許へ落ちよ」と書かれてある。さらに加えて、それが成しえない場合には自分が追討の軍を指揮しなければならないとも…。慶喜としては、自分の苦しい胸中をどうか分かってほしいという一心でこの手紙を書いたんだろうね…。

しかし小四郎は「一橋様は烈公のご遺志を踏みにじるのか!」と憤りを隠せない。自分たちを斬り捨てて身の安泰を図るとは何事だと怒りに震える小四郎でしたが、耕雲斎の反応はそれとは全く逆のものでした。

「違う!!!分からんのか!!!我らがこれほどまでに一橋様を追い詰めてしまったことを…!!もはやこれまでじゃ…」

耕雲斎には慶喜の苦しい胸の内が手に取るように分かったんだと思う。慶喜が七郎麻呂と呼ばれていた頃からずっと見守り支えてきたものね…。今回の天狗党の一件さえなければ、慶喜を助けるために兵を連れて馳せ参じるつもりだったくらいだもの…。それだけに、自分たちの行動が支えるはずの人を窮地に追い込んでしまったと悟った時は身を切るほど辛かったと思うよ(涙)。

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耕雲斎は成一郎に「ご苦労をおかけいたした」と頭を下げます。忠誠を誓った慶喜や昭憲に弓引くことだけは断固避けなければならない想いが強い。なのにそれとは裏腹な結果になってしまったこと、さぞかし無念だっただろうな…。

しかし、未だに引くことに納得していない様子の小四郎は「そんな事どうでもいい。俺たちはただ負けたのだ」とヤサグレている。そんな彼に成一郎は慶喜たちは何としても他国の討伐だけは避けようとしていたのだと説得を図る。
「栄一も気にしている」と口にした成一郎でしたが、それに対して小四郎は「あいつが俺に言ったんだ!東湖の子であるお前がこのままでいいのかと!!」と恨み節をぶつけてくる。あの時のこと、覚えてたんだな。だけど、ここで栄一にその責任を擦り付けるのは違うと思うのだよ…。でも、雪が降りしきる景色を眺めながら唇を噛みしめる小四郎演じる藤原季節くんの芝居がとても印象的だったな。悔しさと情けなさと哀しさとが入り混じった表情がすごく良かった。

ちなみに、98年大河『徳川慶喜』では、田辺誠一さん演じる藤田小四郎は断固として戦う意思を捨てず「逃げ出そうとするやつは斬り捨てる!!」と恐ろしい剣幕で叫んでました。この場には成一郎の姿はなく耕雲斎だけが必死に説得するという形だったので、シーン的には『青天~』よりも苛烈を極めた雰囲気だったかも。
そもそも98年大河は渋沢栄一の資料を参考にしながら渋沢栄一の影が全くなかった不思議があったんですけどねw。

天狗党が投降するという知らせは討伐軍に加わっていた篤太夫の元にも届いていました。

慶喜は急ぎ京へ戻るということで、篤太夫の初陣は戦場へ行くことなく終わる形となりました。一緒にいた伝蔵は「稽古の成果が出せると思ったのに」と残念そうな顔をしていましたが、篤太夫は小四郎と戦いたくない気持ちが強かったと思うので心のどこかでホッとしていたんじゃないかな…。

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京へ戻った篤太夫は千代に手紙を書きました。そこには新たに「小十人並」という将軍や藩主といった偉い身分の人を警護する役目をもらったことや、重役の宴会の共をしながら元気に働いている旨が書かれてありました。宴会シーンでは先週涙を流していた川村も楽しそうにしていてちょっとホッとしたよ…。顔の傷が消えてたのが気になったけど(ずっとあのメイクかと思ってた 汗)。
ただ、ご丁寧に黒川から女の手配の打診があったことまで書いちゃうとは(笑)。正直者とはいえ、そこは書かなくてもいいでしょww。千代さんが気にしてしまうではないか。こういうとこ鈍いよなぁ~~。

でも、この時はきっぱり「自分には妻がいるので女はけっこう!」と断れてたけど…これって後半に向けたフリだったりする!?なにせ渋沢栄一という人は後年女性に大変モテてすごいことになってたらしいのでね(笑)。大河でそこを描くのかどうかちょっとした話題になってるほどww。果たして??

手紙の後半には、足袋や下帯がすぐに汚れて困っていると綴った篤太夫。役目はもらえたものの生活自体は今まで通りだったので相変わらず炊事や洗濯は自分たちで賄っている。だいぶ家事には慣れてきたようでしたが、何度も洗濯をするうちに生地が傷み千切れてしまうこともあったらしい。
つまり、手紙の一番の目的は「衣類をいくつか送ってくれないか」というヘルプだったわけだねw。これを読んだ血洗島の女性たちは嬉々として編み物に励み、それ以外のものもたくさん用意しなければと張り切っていました。離れている分、篤太夫や成一郎の役に立てるってことが嬉しかっただろうね。

それにしても、惇忠兄ぃがすっかり穏やかになってしまっていたのには驚いたww!

娘の成長に目を細めるマイホームパパになっているではないですかw。あんなにギラギラして「攘夷」に邁進していたのが嘘のように牙が抜けている。牢獄から何とか出られたときに母の涙を見て惇忠も感じるところがあったのかもしれないな…。まぁ、平和になってよかったよ。

しかし、平九郎だけはやり場のない想いを抱えているようで…。一人鬼気迫る表情で剣術の稽古に励んでいる姿を見た千代は不安を覚えずにはいられませんでした。平九郎はずっと自分だけ仲間外れにされてきたという忸怩たる想いがあるだろうからなぁ。いざという時の暴発がちょっと怖いかも…。

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数日後、二条城では投降した天狗党の扱いについての話し合いが行われていました。慶喜は「身内の戦いだったこともあるから、武田耕雲斎たちはこちらで引き取りたい」と願い出る。しかし、天狗党の征討総督だった田沼意尊「それはできかねる」と慶喜の要求を拒絶しました。ん??この田沼様、どこかで見覚えが…w

『おんな城主直虎』で心優しき男・奥山六左衛門を演じていた田中美央さんではないですかっ!!あの時の役柄とはこれまた180度ガラリと違った冷徹な男になっててビックリだよ(笑)。六左よ、転生して闇落ちしてしまったんかーーー(違)。

田沼意尊の曽祖父は、”賄賂政治家”と揶揄されていた江戸幕府老中の田沼意次です。

田沼は公儀(幕府)で”公平な処置”をするのでこちらに任せてほしいと一歩も引こうとしない。その言葉を信じた慶喜はそれに従うことにするしかなかった…。
しかし田沼は、今回の天狗党の争乱は平和だった世の中を乱した「悪」という認識を持っていたため、彼らに公平な裁きを行う気など全くありませんでした。すぐさま捕らえた天狗党の兵たちを敦賀のニシン蔵に閉じ込めるよう指示し、その後自らが裁きを行うと不敵な笑みを浮かべる田沼。これはもう、悲劇の結末になることは明白です…。

慶喜の助命嘆願は悉く却下され、捕らえられた天狗党員828名のうち、352名が処刑されてしまいました。最初の日に処刑されたのは武田耕雲斎、藤田小四郎ら24名の幹部だったそうです…。皆、それまでに拷問を受けたからか体中が痣だらけになっていたのが痛々しい(涙)。

斬首される直前「烈公…、今お傍に…」と哀しい笑みを浮かべていた耕雲斎の姿が本当に泣けました(涙)。慶喜の役に立とうと張り切った矢先のこの悲劇…あんまりだよなぁ…。でも最後の瞬間はすべての重荷を下ろせたような気持ちにもなっていたのかもしれない。それだけが救いかなぁ…。
次に首を撥ねられる運命にある小四郎はあの時何を感じたのだろう。絶望しかなかったか…。地震で命を落とした父・東湖の傍で子供のように泣きじゃくっていた姿を思い出すと、なぜこんな苛烈な方向へ走ってしまったのかと悔しい気持ちが沸き起こってしまいますね(涙)。違う道を選んでほしかったよ…。

武田耕雲斎の墓は福井県敦賀市と茨城県水戸市の妙雲寺にあるそうです。

藤田小四郎は父親の藤田東湖と同じ茨城県水戸市の常磐共有墓地で眠っています(訪問日:2011.09.10)。訪れた日は東日本大震災があった年だったので倒れているお墓が多かったのですが、現在は綺麗に整備されていると思います(お墓の写真はクリックすると拡大します)。

ちなみに、常磐共有墓地には桜田門外の変の首謀者とされる関鉄之助(映画「桜田門外の変」で大沢たかおさんが演じて話題になりました)や、水戸黄門に登場する”格さん”のモデルとなった安積澹泊も眠っています。

なお、98年大河ドラマ『徳川慶喜』では天狗党争乱を5回に分けて描いています。田辺誠一さんが藤田小四郎を演じていたこともあり、当時その場面だけは夢中になって見ていましたw。このブログでも田辺さんのシーン中心のレポ書いてるので興味がありましたら覗いてみてください。

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成一郎は篤太夫に天狗党の末路について報告する。大きな衝撃を受けた篤太夫は「なぜそんなことになってしまったんだ!?」と食って掛かろうとしますが、成一郎は険しい表情で「幕府に侮られたんだ!!」と叫ぶ。天狗党を生かしておけば、いずれ兵力が足りない一橋家がそれを取り込み反乱の火種になると危惧してのことだろうということだったらしい。たしかにそう考えられなくもないからなぁ…。

篤太夫は「そんなことのために国を想うものを無駄死にさせるとは!!」と憤りを隠せない。と、その直後に彼の脳裏に浮かんだのは、小四郎を焚きつけてしまったという罪悪感だった。しかし成一郎はそんな彼を見て「うぬぼれるんじゃない!!!」と一喝する。たとえあの時栄一が小四郎に何も言わなかったとしても、水戸は立ち上がっていただろうと…。実際に天狗党の末路を目の当たりにした成一郎だからこそそう言い切れるのかもしれない。

「俺は、攘夷などどうでもいい!!この先は一橋を守るために生きる。お前はどうする?」

ついに成一郎は攘夷への志を放棄するに至りました。しかし篤太夫は天狗党の末路を目の当たりにしていないこともあり、その境地までには至れない様子…。同じ道を歩んでいた二人でしたが、ここで岐路に立たされてしまった。あの時篤太夫も成一郎と一緒に行動していたら果たしてどういう心境になったのだろうかと考えてしまう。

篤太夫は成一郎が「一橋家には満足な兵がいないから侮られたのだ」という言葉がずっと心のなかで引っかかっていました。在りし日の平岡円四郎が「兵を集めたくても金がない」と嘆いていたことも頭をよぎる。酒の席でその件をずっと考えている様子の篤太夫。

と、このタイミングで徳川家康さんの登場です。今回は「尊王攘夷」思想が多大な犠牲を払って終焉を迎えたと解説。その後、夷狄を撃ち祓えといっていた国がどんどん外国に頼り出す現象が起こる。それと同時に、今まで外国に向けられていた敵意が幕府へと向けられる結果になってしまったと…。これは家康さんも辛い解説だねぇ(汗)。

江戸城では小栗忠順(上野介)がフランスの公使ロッシュの助けを借りて造船所と製鉄所を作る準備に入ったことを将軍・家茂に伝えていました。

前回は名前だけ登場していた武田真治さん演じる小栗上野介がいよいよ本格的に登場してまいりました。あのギラギラした雰囲気がなんだかいいですねぇ~!自慢の筋肉も披露する日が来るのだろうか(違w)。

小栗はさらに幕府の兵を西洋の軍のごとく変革してはどうかとも勧めてくる。長州や薩摩はイギリスに頼って軍事増強していることもあり、幕府もこれに遅れてはならぬという危機感があったからか家茂はそれを了承します。
それに対して老中は「お金が足らないのでは」と懸念の意を述べようとしましたが、小栗は「某は勘定奉行でもあります!」と自信満々(笑)。

「フランスと、コンパニー設立の策を練っております」

つまり、カンパニー(会社)ですね。幕府の恩を忘れたかのごとく暴れる長州や薩摩、そして朝廷は許しがたいと憤りの気持ちを抱いていた小栗は、会社を設立することによって封じ込めてしまえばいいと考えていたようです。

小栗が廊下で取り出した1本のネジは遣米使節として渡米した折にアメリカから持ち帰ったものだそうです。何もかもが進んでいたアメリカに衝撃を受け刺激を受けた小栗は、日本の近代化への想いを強くしました。持ち帰ったネジはその象徴だったのかもしれません。
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一方、一橋邸では篤太夫が慶喜にある提言をしていました。

 「新たな歩兵の組み立てと、その兵を集める御用を何卒、某に仰せ付けられませんでしょうか」

円四郎に見いだされ今の自分があると語る篤太夫。自分のように百姓の身分でも取り立ててほしいと思う者は全国にたくさんいるはずだと熱弁を振るう。彼の狙いはそれらの人々を集め「薩摩や公儀に侮られない歩兵隊を作りたい」というものでした。
それも一理あると納得した慶喜は篤太夫に軍制御用掛、歩兵取立御用掛という役職を与えて備中の一橋領へ向かうことを命じました。

今回篤太夫と行動を共にするのは血洗島の頃からの親友・伝蔵くん。備中行きのために用意された立派な輿にビビる篤太夫を見て「似合わねぇ」といたずらっぽく笑ってるのが可愛かったなw。

ここからいよいよ岡山(井原市)エピソードになります!

備中の一橋陣屋に到着した篤太夫はさっそく代官の稲垣らに「兵の充実のために志ある者を速やかに集めてほしい」と伝えます。上座に座る篤太夫はなんかワンランク上の男に見えたぞ(笑)。
ところが、集まってきた百姓たちは篤太夫の大演説に対してひどく退屈そうな顔をしていて全くやる気が見えてこない有様w。何か質問があったら何でも尋ねてこいと意気込んでみるものの反応はゼロ(笑)。「なぁにを聞いてきてもいいんだよぅ」っていう動揺したセリフは吉沢くんのアドリブですかねww。あれ、めっちゃ可愛かったわ(笑)。

どんなに熱弁を振るっても暖簾に腕押し状態で集まってくる者たちに全く響いていないどころか、暇だから帰ろうぜとばかりに勝手にその場からいなくなってしまう有様ww。そんな日が何日も続き、さすがの篤太夫も「なぜ一人も出てこないんだ!!」と苛立ちを隠し切れません。さらには自分には一橋家臣としての威厳が足りないのか!?といった怒りまで湧いてきてしまう。役職をもらったことでちょっとプライドみたいなのが芽生えちゃったかなw。

そんな篤太夫を横目に見ながら「時がないというのは嵐の前の藍葉の刈り取りの時みたいにかい?」と笑う伝蔵くん。それに対して最初は「違う!!」と興奮していた篤太夫でしたが、すぐ冷静になって「あの時もめっちゃ焦ったな」と同意してしまうのが面白い(笑)。気持ちの切り替えスイッチが早いなww。

そして「この地の百姓にも暮らしはあるんだよなぁ」と気が付いた篤太夫。その様子を見た伝蔵くんが「お前一人が大変なんじゃなくて、み~んなが大変なんだで」とゑいさんのモノマネして窘めてたのがこれまた可愛かったわww。こんな時、彼の存在は癒しだねぇ。ただ頭ごなしに兵を募ろうとしてもダメだと気づいた篤太夫は翌日から作戦を変更しようと思い立ったようでした。

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同じころ、横浜にはイギリス公使のハリー・パークスが来日していました。パークスは幕府がフランスと接触しようとしているという情報を耳にしているようで、アメリカが内戦の混乱にあるうちにイギリスが日本に食い込んでいかなければという野望を語っている。

パークスが語っていたアメリカの内乱とは、1861年(文久元年)にアメリカで勃発した南北戦争を指していると思われます。

それに対してアーネスト・サトウは長州や薩摩がイギリスと貿易を結ぼうとしていて、そのためには幕府が邪魔な存在になっていると報告する。これを聞いたパークスは「幕府の将軍はこの国の君主ではないのか!?」と驚きを隠せない。たしかにねぇ。君主がないがしろにされているなんてあっていいのか??ってビビったと思うわ(苦笑)。

長州とイギリスが関係を結ぼうと下関で怪しい動きをしていることは幕府の耳にも入っていました。この話を聞いた家茂は、長州が再び幕府に楯突こうとしているのではと衝撃を受けてしまう。
それを聞いて俄然やる気になったのが小栗です。「こうなったら、完膚なきまでに討ち尽くすしかありますまい!!」とメラメラと闘志をたぎらせていました。この小栗さんだったら本当に長州討ち負かしてしまいそうだわw。しかし家茂は「また戦か…」と疲れた表情を浮かべています。体も丈夫でなかったようですから、こういった心労が寿命を縮めてしまいそうで心配(汗)。

その夜、家茂は和宮に長州征伐のために西へ向かわなければならなくなったことを告げました。和宮は家茂と再び離れ離れになってしまうことが心細くてたまらない様子。降嫁してきたばかりの頃はあんなに不信感を抱いていたのに、共に生活をするうちにすっかり打ち解け優しい家茂に愛情を抱くようになっていた和宮。二人はおしどり夫婦だったそうですから、戦に向かわなければならないという話を聞いた時にはさぞ不安だったと思います…。

そんな和宮を慰めるため、家茂は西陣織を土産に買ってくることを約束します。「それを纏った姿を上様に見ていただきたい」という和宮の言葉にグッとくる…。本当に愛していたんだね、家茂のことを。これはあまりにも切ない伏線だったなぁ…(涙)。

出立の日、天璋院と対面した家茂は今回の征討で自分に万が一のことがあった時のことを耳打ちします。

 その言葉に衝撃を受けていた天璋院。おそらく、家茂は自分の跡継ぎのことについて語ったのではないだろうか。その時に出た名前に天璋院は驚いたのかもしれない…。おそらく、あの人だよね…。

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一方、備中滞在中の篤太夫は寺戸村にある漢学者の阪谷朗蘆の塾に通い地元の若者たちと共に学んでいました。上から押し付けるのではなく、彼らの生活に自らを馴染ませて彼らに近づくという作戦に出たわけだね。

阪谷朗蘆を演じていたのは山崎一さんです。NHK岡山のインタビューでも朗蘆について熱く語られていました。

その日の夜、朗蘆は篤太夫に恐縮した様子で頭を下げます。それに対し、自分も元々は武州の百姓だと告げる篤太夫。すると後ろにいた若者たちが「え!?」とざわつき始めました。今ではそう見えないほど立派な雰囲気になっちゃったからねぇ。
百姓だった時に従兄弟の惇忠から多くを学び「攘夷を志していた」と語る篤太夫の言葉に、朗蘆は怪訝な表情を浮かべ「一橋のご家臣でありながら攘夷を語るとは感心できませんな」と篤太夫をけん制する。

朗蘆は「港は開くべきだ」と教えていると語る。異国が貿易を望むのは互いの理の為であるのに、それを無下に祓おうというのは世界の流れに反することでもあるという考えを聞いた篤太夫は「なるほど」と目を光らせました。彼自身、攘夷の考えを完全に捨てようとは思っていないようでしたが、朗蘆の語る言葉には説得力があると感じた様子。
柔軟な考え方をする篤太夫に朗蘆は「常の役人とは違うようだ」と興味を示してくれました。何事にも興味津々に耳を傾ける彼の特性がここで生かされる形になりましたね。

その後何日も阪谷朗蘆の塾に通い詰めた篤太夫は、剣術の稽古にも参加するなど塾生たちとの距離をどんどん詰めていき信頼を勝ち取っていきます。天真爛漫で常に心を開いている篤太夫にみんなも信頼を寄せやすかったのかもしれません。

ある夜、篤太夫は塾生たちと夕食を共にしていました。そこに出てきた鯛は、篤太夫が自ら笠岡まで釣に行って捕ってきたものらしい!すごいバイタリティだな。そりゃ塾生さんたちもますます彼に信頼を寄せていくはずだよ。

ちなみに、この鯛を箸でつまむシーンは別撮りで撮影されたものです。実際に吉沢くんがお箸で取っていたのですが、なかなかうまく摘まめず苦笑いしてたメイキングが可愛かったw。

篤太夫が鯛に舌鼓を打っていると、「わしらも一橋家でご奉公したいんです!」と2人の塾生がやって来る。それに呼応するように「わしらもぜひ!!」と次々と声が上がる。塾生たちと同じ目線で日々を過ごしたことが実を結んだ瞬間でしたね。そんな彼らに感激した篤太夫はある策を思いついたようで、「その志を書面にまとめてもらえないか」と打診しました。

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数日後、村のお偉いさんを集めた篤太夫は塾生たちがしたためた志の書を彼らに見せながら「自分が会ったわずかの間に5人も加わりたいという申し出があったのに、数百人集めた中で一人も手を挙げる人がいなかったのはおかしいのではないか!?」と鬼気迫る表情で問い詰める。こういう時のために塾生たちに志の書を書かせたわけだね。

篤太夫は「どこかの誰かが邪魔だてして志願したい者をできないようにしているのでは?」と勘繰っていたようですが、それがズバリ的中だったことが判明。代官の稲垣が裏で面倒に巻き込まれたくないから「一人も志願する者はいない」ことにしてしまおうと画策していたらしい。篤太夫のことも「今回の一橋の役人は成り上がりだ」とバカにしてたようで(苦笑)。またしても彼は厄介なお代官に悩まされることになっちゃったね。

再び代官の稲垣と対面した篤太夫は、慶喜が禁裏御守衛総督の役職についていることから兵を必要としていることは知っているだろう?と鋭い表情で迫る。

「拙者は、かように重大な役目ではるばる来たからには、御用を果たせぬならば生きては帰れぬ。貴殿も拙者と同罪でございます」

最初は「生きて帰れないなんて大げさな」と笑っていた代官・稲垣でしたが、お前も同罪だからなと脅されると途端に顔面蒼白に(笑)。明後日には出立するからそれまでに結論を出すようにとだけ告げて去っていく篤太夫。いやぁ、お見事っ!!あんな冷たい目で言い放たれたら、さすがの稲垣さんもそれに従わざるを得なくなるよね。命まで取られたら堪らんですから。
この時の篤太夫のハッタリっぷりはさすがでございました。やっぱり頭キレるよなぁ、彼は。吉沢くんの表情も最高でした。

その翌日、最初の頃の体たらくが嘘のように門の外まで溢れんばかりの百姓たちが「一橋に仕えたい」とやって来た。予想した以上に集まった人たちを見て、篤太夫も伝蔵もちょっと呆れ顔。「どこの国も代官というのは厄介だのぅ」とため息をつく篤太夫がちょっと面白かったww。

結果的に、井原村から200人ちょっと、そのほかの村も合わせると450人程度の人が集まったそうです。

ここまでが岡山パートのエピソードでした。予想外に多くの時間が割かれていたのでなんだかちょっと嬉しかった。

栄一から阪谷朗蘆について話を聞いた慶喜は彼に興味を持ち京へ呼び寄せようとしたようですが、朗蘆はそれを断ってしまったそうな。
ちなみに、栄一の次女は後に朗蘆の四男と結婚しています。
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京へ戻った篤太夫に慶喜は褒美として銀貨を与えますが、篤太夫は「兵を賄う金も入用になると存じます」とそれを受取ろうとしない。それを見て慌てた黒川や猪飼は「そんなことはお前が気にすることではない」と受け取るよう促しますが、「借りた金では懐は豊かにならない」と頑なに固辞してしまう。

そんな篤太夫に「何が言いたい?」と少し怪訝な表情を浮かべた慶喜。こんな対応されたの初めてだろうから戸惑いもあっただろうね(汗)。そんな慶喜に篤太夫は怯まずまっすぐ前を見据えて語りだす。

「武士とて金は入用。某は天狗党があのような結果になったのもそれを怠ったからだと存じます」

どんなに高尚な忠義を掲げたとしても、戦場に赴けば当然お腹も減る。そうなれば盗賊のような真似をするしかなくなる。小四郎たちは忠義だけにしか目を向けず懐を整えることを怠ってしまったが故に悲惨な末路を辿ることになったと分析する篤太夫。なるほど、確かにその通りですね…。
ここまでしっかりとお金が絡んだ話をして戦を語るシーンってそんなに目にしたことがなかったのでとても新鮮でした。

「両方なければ駄目なのです!それゆえ某は、一橋の懐具合を整えたいのでございます!」

今回の旅を通して様々なことを思いついたと目を輝かせる篤太夫。
品質の良い米を入札払い(入札制ってことね)にして高く売ること、何の工夫もなく売られている質の良い播磨の木綿の売り方を改革すること、そして備中の硝石を火薬の材料として高く売り込むこと。そのどれもが斬新で興味深いことばかりでした。

それらの提案をしたうえで、最初一橋に仕えようと思ったきっかけは「攘夷の実現」のための”腰かけ”だったと告白してしまう篤太夫。ほんっと、正直者だよなぁww。今そんなこと告白しなくてもいいのにと思ってしまう。猪飼さんも「腰かけ」発言にはビビッてアワアワしちゃってるではないか(笑)。
しかし、そんなことは全く気にしていない様子の篤太夫は濁りなき真っ直ぐな視線を慶喜に向け今の心境を語ります。

「今改めて、この壊れかけた日ノ本を再びまとめお守りいただけるのは殿しかおらぬと!そのためにこの一橋の御家をもっと強くしたい」

物怖じせず前に進み出てそろばんを出し、軍事よりも懐具合を整えることが自分の長所だと自己アピールしまくる篤太夫。すごい度胸あるよねぇ…。普通、主君の前にこんな進んで出て行けないよ(汗)。
そんな篤太夫を目の当たりにした慶喜は「父を思い出すのぅ」と少し笑みを浮かべていました。斉昭も水戸の懐をどうにかしようと奔走していたと静かに思い出す慶喜。グイグイ前に出てくる篤太夫と父を想わず重ね合わせてしまっていたのかもしれません。

斉昭は百姓のことも「お百姓様」と言ってとても大事にしていたと語る慶喜の言葉に、少し驚いた様子の篤太夫は戸惑いながら「失礼いたしました」と頭を下げました。そして「今まで烈公をとんでもない石頭の風神雷神のようなお方かと思っておりました」とまたまた正直に思ったことを口にしてしまう(笑)。
それを聞いた黒川様は口あんぐりでしたが、猪飼様は「確かに」って感じで最初頷いちゃって、黒川さんの視線に気づくと慌てて「渋沢!!」とツッコミ入れてましたね(笑)。猪飼様も正直なお方だ(ますます推しキャラになっちゃうよ)ww。

そんな正直者の篤太夫の発言を聞いた慶喜は、意外にも声を上げて笑い始める「雷神となった父を思い浮かべてしまう」とどうやら笑いのツボに入ってしまわれた様子(笑)。うん、たしかに竹中@烈公のそんな姿思い出すと…笑っちゃうかもww。
篤太夫は恐縮して頭を下げましたが、慶喜としては予想外の言動がポンポン飛び出す篤太夫のことをえらく気に入ってくれたようです。

「円四郎め、不思議な者を押しつけおった。渋沢よ、もはや腰掛ではあるまいな?ならばやってみよ、そこまで申したのだ。お主の腕を見せてみよ!」

この時、篤太夫の脳裏に最後の見送りの時に「お前はお前のまま生き抜け、必ずだ」と円四郎から念を押されたことが過っていた。慶喜も篤太夫の姿を通して円四郎の姿を見ていたに違いない。目には見えなくなってしまったけど、篤太夫と慶喜を通して平岡円四郎の志は生き続けているんだなと感じ、胸が熱くなりました(涙)。

いよいよ篤太夫の商才を発揮する時が来たようですね!今後の活躍に期待したいです。

ちなみに今回の『青天を衝け紀行』は岡山県井原市で、阪谷朗蘆と興譲館についての紹介がありました。

時間ができたら尋ねてみたいと思います。

完全版ディスク発売!

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