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【過去ドラマ振り返り】『瑠璃の島 SPECIAL 2007』-初恋-

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田辺誠一さん出演の過去ドラマを勝手に振り返るシリーズの第8弾は、2007年に日本テレビ系で放送されたスペシャルドラマ『瑠璃の島 SPECIAL 2007』-初恋-です。

07年以前の田辺さん出演作もけっこう書きたいのたくさんあったんですが、連続モノが多くてちょっと見直す時間がなかなか(汗)。ということで、2020年にもBSで再放送があったということで『瑠璃の島2007』について書いてみることにしました。

これまでの田辺誠一さん出演作品感想レポ

田辺誠一さん出演作品感想一覧
田辺誠一さん出演作品感想一覧
田辺誠一さんが出演した作品の感想

オリジナルは2005年に放送された連続ドラマ『瑠璃の島』です。成海璃子さん演じる親に捨てられ施設で育った藤沢瑠璃が、緒形拳さん演じる仲間勇造に誘われて沖縄の孤島・鳩海島へ移住、成長していく物語が描かれました。
最初は荒れ狂い手の付けられなかった少女・瑠璃が、島の人たちの大きな愛情に触れて心癒され「島の子供」となっていく過程が感動的に描かれ大きな人気を呼びました。

といっても、私は殆どオリジナルを見たことがなくて(汗)。竹野内豊さん演じる謎の青年・高原がカッコよかったなぁ…くらいしか記憶が(苦笑)。今度時間ができたときにでもオンデマンド動画で見てみようと思います。

『瑠璃の島SPECIAL2007』ではその2年後が描かれてます。オリジナルを見ていた方がドラマをよりよく堪能できるとは思いますが、私はほとんど見ないままほぼ初見状態でスペシャルだけ見た感じです(当時完全に田辺さん目当てだったのでw)。
連続ドラマとはまた違うテーマで展開されていたこともあり、このスペシャルだけでも十分ついていける内容だと思います。

田辺さんの息子・詩音を演じたのは今では立派に成長した神木隆之介くん。ちょうどこの頃声変わりもして少年から一歩大人の階段に足をかけ始めたような時期だったかと思います。神木くんは子役時代から活躍してましたから、今の成長を見るとなんだか親のような気持にもなりますねw。
田辺さんとはそのあともいくつかの作品で共演してて、今でも「お父さん」と呼んで慕っているそうです。なんとも心温まる良いエピソード。

以下、『瑠璃の島SPECIAL2007』-初恋-について少し振り返ってみたいと思います(大いにネタバレあり)

スペシャルドラマ『瑠璃の島 SPECIAL 2007 -初恋-』

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放送:2007年01月06日(土) 21:00~21:54 日本テレビ系列

脚本:寺田敏雄

主題歌:コブクロ『ここにしか咲かない花』

田辺誠一さんの役:宮原聖一郎

主演:成海璃子

その他主な出演者:緒形拳、倍賞美津子、神木隆之介、賀集利樹、勝村政信、塩見三省、平泉成、岸部一徳、ほか

簡単なあらすじ:

あれから2年。
すっかり島の子となり、逞しく成長した中学2年生の瑠璃(成海璃子)。
そこに、瑠璃の担任・さなえ(小西真奈美)から鳩海島の話を聞いた、宮原(田辺誠一)と、 瑠璃と同い年の息子・詩音(神木隆之介)が突然、移住してくる。住民の数も増え、平和な日々が続くようにみえた鳩海島だったのだが……。

瑠璃の等身大のピュアな初恋と、島の変革に巻き込まれる島人たちの激動を描きます。ハイビスカスが咲き乱れ、青い海、美しい珊瑚礁に囲まれた南の島から贈る、瑠璃の成長記。涙と笑いに彩られた感動の物語です。

公式HPより引用>

このドラマが始まる前にメイキング番組もあったのですが、当時しっかり録画してあり残ってました(笑)。田辺さんはほとんど登場してこなかったんですが、島でのクランクインはロケ開始から16日経った頃とのことでちょっと遅めだったみたいですね。けっこう分厚いダウンコートを羽織ってやって来てたので、沖縄とはいえちょっと涼しかったのかも!?

メイキングでは火事に巻き込まれるシーンがクローズアップされてました。役者のかなり近くで火を起こしての撮影だったのでちょっとビックリです(汗)。

ちなみに、ドラマに登場する「鳩海島」のモデルは沖縄県八重山諸島の「鳩間島」です。ロケもこの島で行われたようで、島の人たちもエキストラとして参加されたりしていたようでした。

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2007年元旦、宮原聖一郎と息子の詩音が東京から鳩海島にやって来る。

瑠璃の担任でもあるさなえに会うなり「来ちゃいましたよぉ!!」とやたらとテンションが高い田辺さん演じる聖一郎w。あまりの突然の出来事にさなえは大きく動揺してしまいます。
そんな父に対し、息子の詩音はどこか上の空でテンションも低い。この親子が、この物語を大きく動かしていくことになります。

聖一郎は島の学校で英語を担当する教師に着任しました。田辺さんの英語の授業どんなかな~、とこの時は思ってたのですが、結局そのシーンは一つも登場せずw。そこはちょっと残念でした。
意気揚々と挨拶するなかで「ここはまさに、神の島ですっ!こんな素晴らしい環境で暮らせるなんて夢のようですっ」と大絶賛しているのですが、ほかの教師たちはその言葉に違和感を覚えているようで微妙な気持ちにさせられてしまう。特に名前を出されたさなえは困惑しまくりですが、聖一郎はそんな周囲の空気などお構いなしの様子。

ところが、その後にあいさつした自治会長の治衛がリゾート開発を誘致することに積極的な発言をしているのを聞いて聖一郎は思わず顔を曇らせてしまう。

詩音は瑠璃と机を並べることになりますが、常に俯き加減で担任のさなえにも心を開こうとしません。
そうとは知らない聖一郎は職員室で鳩海島へ来ることになった経緯について嬉しそうに語っている。さなえとは東京の教員研修の時に隣同士だった仲だといい、その時に彼女から鳩海島についての話を色々聞いて「思い立ったらすぐ行動」の勢いで息子を連れて移住を決断したらしい。聖一郎さん、かなーーりグイグイな性格であることがうかがえますw。が、さなえ先生としては複雑な心境の様子…。そんなつもりで言ったんじゃないのに…ってとこでしょうね。

聖一郎の奥さんは5年前に病気で亡くなったとのことで、さなえの話を聞いて移住を決めたという彼を給食係の佳枝は「彼女を追っかけて島まで来ちゃったんじゃ?」という邪推をしているようでした。

さなえは自分に心を開こうとしない詩音が気になり聖一郎に詩音が「島へ来ることについてどう思っていたのか」と聞きますが、「楽しみにしていたんですよ」という答えが返ってきてそれ以上何も言えなくなってしまう。聖一郎は本当に息子が自分と同じように鳩海島へ移住することを楽しみにしていたと思いこんじゃってるわけです(苦笑)。

と、ここまではすごくちょっと押しは強めだけど基本的には「良い人」というキャラだった聖一郎だったのですが、ある日の夕方、瑠璃たちは彼の全く違う一面を目撃してしまいます。
詩音が持っていた携帯電話を聖一郎は「約束したよな、こういったものは持ってこないって!」と恐ろしい顔で奪い取りゴミ箱の中へ捨ててしまうのです。それはまるで、息子を支配しているかのような表情で…そんな父親に詩音は従うしかありませんでした。彼らが立ち去った後、瑠璃はこっそりその携帯電話を拾い上げるのでした。

その日の夜、聖一郎と詩音の歓迎会が開かれるのですが…、やたらハイペースでお酒を飲んだらしく相当やばい感じで酔っ払っていく聖一郎さん(苦笑)。「酒の付き合いが大切」という事前情報を基にしてのことだったらしいのですが・・・もうこのシーン、見ていてハラハラしかなかったですねww。

さらに、島の開発について話が及ぶと「ここは神の島なんですよっ!?」と連呼して持論を展開しまくりだんだん周囲の空気が微妙に淀んできてしまう(苦笑)。自然を愛する聖一郎としては、開発するなんてもってのほか!という考えが根強く、その想いを酒の勢いも相まって主張しまくるんですが・・・その島に暮らしている人たちにとっては生活が懸かっていることもあるので一概には「反対」という立場でもないのです。
聖一郎はそんな事情が全く理解できていないので、暴走するだけしてついには潰れてしまうのでした(汗)。彼のKYっぷりが際立ってしまった歓迎会でしたw。

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詩音が少し学校生活に慣れてきた頃、職員室ではまたちょっとした波乱を巻き起こす聖一郎w。

食べ終わった給食を佳枝が取りにやって来た時、美味しかったかと聞かれた聖一郎は

「緑黄色野菜の割合をもう少し増やした方がいいかもしれません。子供の好みに合わせてたら、栄養バランス偏りますよ」

と余計なアドバイスをしてしまいます。自分の価値観を押し付けちゃうんですよね、この人は(苦笑)。それを聞いて佳枝はムッとしてしまうのです。かなーり彼女の中で株を落としたことには間違いないw。
そこへやって来たさなえは、聖一郎に詩音が高校受験をしないと言っていると告げます。

その後、島の商店に大量の食料品が入った箱を抱えた聖一郎がやって来る。商店の奈津美は良かれと思って生活の足しにと置いていってくれたようなのですが…

「お気持ちだけで。私たちはこの島へ来たら、極力自然食品だけを口にしようと決めていて」

と言いながら返却してしまうのでした。島の人の善意をこういう形で返してしまうとは…もう、ほんとに、危なっかしすぎて見ていられない(笑)。さらには詩音にあげようとしていたお菓子も目ざとく見つけて「お小遣い渡してないよな?」と言ってしまう始末。あんなこと言われたら、詩音は返すしかなくなるよね。

詩音は父の言われるがまま学校の体育祭の打ち合わせもキャンセルして一緒に帰ることにする。
と、この一部始終を目撃していた給食係の佳枝は表向き笑顔で「自然食品が好きなら、これどうぞ!」と大きな箱を聖一郎に手渡します。もうこの時点で彼女が逆襲したなって察してしまったよ(笑)。
案の定、聖一郎たちが家に帰って箱を開けてみると…生きたタコが入っていた。たしかに「自然食品」には変わりないが…彼には調理できまいと思っての彼女なりの復讐だったんだろうなとw。

恐る恐る生タコに触ろうとした聖一郎でしたが、その瞬間、黒墨を思い切り顔にかけられてしまった。その様子が面白くて詩音は思わず笑ってしまうのですが…聖一郎はそんな息子に「何が可笑しい!?」と激高して突き飛ばしてしまう。おそらく聖一郎は、息子にバカにされてしまったと思い込んじゃったんだと思うんだけど(何やら心の病を抱えてそうだし…)、あれは可哀そう。

さらに縮こまって謝る詩音に対し、高校受験をしないと学校で言ったことを責める聖一郎…。「父さんが行けっていうなら、行くよ…」と言い、詩音は家を出ていきました。
そしてすれ違いに会ったさなえに対し「調子のいいことばかり言って、何で父をその気にさせたんですか!?先生のせいですから!」と憤りをぶつけてしまいます。

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後日、鳩海島公民館にやって来た自治会長の治衛が島の開発についての話が進んでいるという報告をしにやって来る。開発が進めば、石垣島からの定期航路も確保できるし西表島から橋を架けることも可能だという。生活が今よりもだいぶ楽になる開発ということもあり、島の人たちのテンションは上がっていく。
しかし、聖一郎はその意見に真っ向から反対意見を述べようと手を挙げます。が、誰もそれに反応してくれる者はいない…。諦めて手を下げるしかない聖一郎がちょっと切ない…。

しかし、そのかわりに「産業廃棄物の埋め立て施設を作ること」が条件になっているということを知ると島の人たちの態度が一変。そんな島民たちの様子を離れたところから見ていた勇造は「リゾートならよくって、ゴミ処理場なら反対か」と冷やかに告げるのでした。

一方の聖一郎はと言えば、反転攻勢とばかりに「こうなったら、徹底抗議だ!みなさん!実力行使してでも、阻止しましょう!」と立ち上がって島民たちを鼓舞します。が、イケイケモードになっているのは聖一郎だけでだれも同調してくれる者はいない…。一人浮いた存在となってしまい、何とも痛々しいったらなかったです(汗)。

その夜、宮原は島の人たちが産廃施設建設について消極的な態度にならなかったことに大きな失望感を感じ「自然がわかってないんだ。情けないと思わないか!?」と愚痴りまくっていました。この無駄に熱すぎる自然愛がどんどん聖一郎を孤立させていくんですよねぇ…(汗)。息子の詩音にも「自然の恵みのなかで暮らすことが人間の本来の生き方なんだ」と熱弁を振るう。

しかし、庭には触ることができなかった生タコが干からびた姿で放置されたままになっている。さらに、自然愛を説きながらも父は朝食を食パンで済ませていた(苦笑)。詩音は聖一郎の言っていることに矛盾を感じモヤモヤした気持ちを抱えてしまうことに。食パンは自然食品?って問いかけた詩音の言葉は痛烈だったな(汗)。「こっちに来て日が浅いから」って言い訳してしまう聖一郎もさすがに戸惑った様子でした。

その日の朝、産廃施設予定地とされている浜に建築業者がやって来て準備を始めているのを目撃した瑠璃は、自分の大切な場所を汚されている気持ちにさせられて工事業者の人たちに掴みかかってしまう。
瑠璃の様子を離れたところから見ていた詩音は思わず彼女の加勢をするため飛び出そうとしますが、その肩を聖一郎に抑えられ止められてしまいました。この出来事が詩音の心に決定的な違和感を残すことに。

学校から帰ってきた宮原親子。自然食の野菜をもらってきたことでホクホク顔をしていた聖一郎に、詩音は自分が浜で感じた違和感をぶつけようとします。しかし、最初はなかなか振り向いてもらえない…。聖一郎は詩音が何を言おうとしているのかを悟っていて向き合うのを避けようとしているようだった。
しかし、詩音はそれでも父に食らいつき「なぜあの時止めたの?父さんだって反対だったじゃないか!」と責め立てる。それに対し「暴れたことでどうにかなるわけではない」と消極的な答えしか言ってやれない聖一郎…。

一方では自然を愛し自然に生きるのが正しいのだと熱弁しておきながら、もう一方では自然を壊そうとする勢力を見過ごすような態度をとったりする聖一郎の姿に混乱した詩音は、ついに胸に押し込めていた父への違和感をぶつけてしまいます。

「父さん変だよ…!言ってることとやってることがバラバラなんだよ!結局父さん口先ばっかりなんだよ!一番弱虫は父さんなんだよ!!」

激しい口調で自分を責める息子を目の当たりにした聖一郎は、苛立ちが募り思わずその頬を叩いてしまいました…。そして「おまえはな、父さんの言うことだけ聞いていればいいんだ!」と、子供に対して言ってはいけないような言葉を吐き捨ててしまう(汗)。
こんなこと言われたら、そりゃ、息子としては飛び出していきたくもなっちゃうよなぁ…。

聖一郎はその後を追うこともできなかった。それでも、詩音の夢のかけらでもあるランニングシューズのことは気になっている様子でした。聖一郎も、心の中で色んな葛藤があって苦しんでるのかもしれないと思えるシーンでもありました。

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浜の工事の件でモヤモヤしていた瑠璃は、家を飛び出して海を眺めている詩音を見つける。詩音は瑠璃に会うと「もう父さんのことは信じられない、もうダメだ。明日の朝、僕はこの島を出る。君も、来いよ」と誘います。瑠璃は戸惑っていましたが、詩音の決意はかなり堅い。

そんな計画を息子が建てているとは露知らぬ聖一郎は、仲間家の縁側で詩音を打ってしまった手を苦しそうな表情で見つめていました。
恵から気遣われてお茶を出され少し落ち着いたようでしたが、同じく仲間家に遊びに来ていた滋と美月の様子を伺いながら「なぜ島を捨てたのですか?」と尋ねてしまう。あーー、なんでこんな言い方しかできないかねぇ(苦笑)。またも場の空気が緊張感に包まれてしまった。

聖一郎の質問に滋たちは少し憤りを覚えてしまい、「捨てたのではない」と反論する。佳枝も「二人がどんな想いで!」と援護射撃。またしても孤立してしまう聖一郎が何とも痛々しい(苦笑)。
その夜、家に帰っても朝の出来事のせいで息子ともまともにコミュニケーションをとれない。どんどん気持ち的に追い込まれていく聖一郎がちょっと切ない。しかも詩音は父に隠れて脱走する準備を整えちゃってますしね(汗)。

そして翌朝の早朝、詩音は小舟を見つけ乗り込む。瑠璃はそんな彼を止めようとしますが、成り行きで一緒に乗り込みモーターを動かして船を進めてしまった詩音と図らずも島を出る形になってしまいました。
ところが、海の真ん中でエンジンがガス欠でストップ、さらに立ち上がった拍子に二人とも海に転落し船の上に上がれず大変なことになってしまう。

その頃、詩音がいないことに気づいた聖一郎は焦りを覚える。二人の居場所は勇造たちの調査で割とすぐに判明しますが、聖一郎は息子が島から脱出しようとしたという現実を受け止めることができない。そしてその気持ちのまま、さなえに対し瑠璃が唆して詩音を島から連れ出そうとしたのではないかと言ってしまうのでした…。あーーー、これも、絶対言っちゃいけないやつだよ(汗)。どんどん聖一郎の立場が悪くなっていく。

居場所を突き止めた勇造が船で二人を助けに行った頃、聖一郎は海を見つめながら「あいつ、そんなにこの島が嫌だったのか!だからってなんでこんなバカなことを!!」と憤りをあらわにする。さなえはそんな聖一郎を不安な目で見つめていました…。

ちなみに、メイキングによるとこの撮影の時の風力はかなりすごいものがあったらしく、さなえを演じてた小西真奈美さんは相当苦戦してましたね。対して田辺さんはけっこう平然と立ってるように見えました(実際はキツかったと思うけどww)。さすがボート部で鍛えただけあると密かに思った私w。

その後、二人は無事に救助されます。家に戻った瑠璃は、島の開発について恵から勇造のかつてのエピソードを聞いて心を動かされる。
水道を引く工事が行われる時、勇造は大反対して今回の瑠璃のように抵抗をしたものの、結局それは実行されたことがあった。しかし、その工事によって鳩海島の生活が成り立っている現実がある。むやみに反対するだけがこの島のためになるわけではない、ということを彼女はその時初めて知るのでした。

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その日の夕刻、職員室で考え込むさなえに聖一郎は息子が迷惑をかけたと謝罪する。それに対し、「詩音くんの気持ちを分かってあげられたらこんなことに…」と後悔の言葉を告げるさなえ。聖一郎に迂闊に鳩海島のことを語ってしまったことで今回のような事件が起きてしまったと自分を責めていました。が、聖一郎はなぜさなえがそんなことを言いだすのか理解ができない。
さらに、教育委員会にも今回の件は報告されることになり校長が呼び出されたと聞くと・・・

「またか…!ここの教育現場も上しか見ていない。結局どこも同じか!」

と憤りをあらわにする聖一郎。そんな彼に「都会の子供と違いなんてあるんですか?」と思わず迫ってしまうさなえでしたが、それに対しても「一目瞭然じゃないですか!」と一刀両断。

「あなたは都会の子供と向き合ったことがないからそんなことが言えるんですよ!!」

そう吐き捨てるように告げて聖一郎は職員室を出ていってしまう。「都会の子供と向き合う」というのが彼の中の大きなキーワードになっているんですよね。彼の心の闇の原因はそこにあるのだろうなと察するシーンでもありました。

その夜、家に戻ってみると詩音が暗い部屋のなかでぼんやりとしていました。電気は停電でつかなくなっていたようです。仕方なく蝋燭を立てる聖一郎…。これがのちに大変なことに(汗)。

何かを父に告げようとする詩音でしたが、聖一郎はそれを聞くことが怖くて「もういい。お前の気持ちはわかった。でもな、もう少し、我慢しないとな」と逃げるように言葉を被せてしまう。
しかし詩音はこの生活が聖一郎にとっての理想の生活とは思えないと告げる。「父さんは、無理しているようにしか…」とさらに言葉を重ねた時、

聖一郎は心の痛いところを突かれたからか、「生意気言うな!」と言って再び彼を叩こうとしてしまった。しかし今回は詩音にその手を掴まれ阻止されてしまう。慌ててその手を離し謝った後外に飛び出していった詩音。手を掴まれたときの感覚が聖一郎に刻まれたようで、自分を見失ったかのような表情で目を泳がせていた姿がなんだかとても悲しかった…。
詩音と向き合うためには、まず、自分の心の闇と向かい合わないといけないと思うんだけど、それがなかなかできないのも人間なんだよね。そんな心の弱さを田辺さんは実に繊細に表現しています。

なんだかんだでまた長くなってきたので、続きは次のページにて(汗)。

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