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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第31回感想 生きているだけで

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先週は久しぶりに実家に里帰りをしていたので後半ほとんど感想を書けないまま終わってしまいました(汗)。今週はなんとか書けたらいいなぁと(ちょい弱気w)。

将校クラブのロケ地とした旧岡山偕行社のレポだけはちょこっと書けましたので、興味のある方は覗いてみてください。

ローズウッド中尉から進駐軍関係者のクリスマスパーティに招待された安子は最初とても複雑な想いを抱いてしまいましたが、「御主人は娘さんと同じくあなたにも日向の道を歩んでほしいと思っていたのでは」と告げられて救われたような気持になり心を熱くしていました。アカペラの「Silent night」も定一さんの「On the Sunny Side of the Street」も本当に素晴らしかったですね。

ちなみに、定一を演じている世良公則さんは放送後に岡山の倉敷でコンサートをやっていたようで、ゲストにローズウッド役の村雨辰剛さんも呼ばれていたのだとか(ほかにも渡辺美里さんなど超豪華ゲストばかり登場したらしい!!)。私はちょうどその時里帰りで岡山にいなかったのですが、叶うものなら当日チケット購入して行ってみたかったなぁと思っちゃった。

奇しくも安子は稔の命を奪ったかもしれない国から勇気と希望を受け取ることになった。ローズウッドの雰囲気はどことなく稔と重なるものがあるようにも見える…。しかし、そのことを雉真家の人々が…、そして、るいがどう感じていくのかは気がかり案件かもしれない。

これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー
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家に戻った安子はローズウッドからもらったお菓子のプレゼントをるいに渡します。最初は無邪気に喜んでいたるいでしたが、「進駐軍さんからもらったんだよ」という母の言葉に少し戸惑いの表情を見せる。

そんな娘に安子は、稔が雉真の製品をアメリカと取引したいという大きな夢を持ちながら英語を勉強していたのだと話して聞かせる。るいは初めて父が英語と密接に関わっていたことを知る。稔の直筆の名前が刻まれた英和辞典を「お母さんの宝物じゃ」と大事そうに手渡されたことで、英語への違和感が少し晴れたような表情を見せたるいに少し安堵しました。

「メリー・クリスマス」

親子でかわす、温かいクリスマスの挨拶にほっこり。予告にも出てきたシーンですね。
でもこんなに早く登場するということは…、この幸せは長く続かないのではないかと勘繰ってしまう(汗)。安子が英語と関わるのは稔を想う気持ちが強いというところが大きい。でも、そうすればそうするほど雉真の人たちと、そしてそれに影響されるかもしれないるいとの間に溝ができていきそうで怖いんだよなぁ…。

親子二人でクリスマスを祝っていたその時、雪衣が来客があると知らせてきた。慌てて安子が玄関へ走っていくと…、そこには長い間ずっと行方不明だった軍服姿の算太が立っていた!!

クリスマスに、算太(サンタ)が帰ってくるなんて!!!

彼の名前はそういう意味合いも込めてつけられていたんじゃないかと思ってしまうほどドンピシャな展開。藤本有紀さん、あえてそのために”算太”というネーミングにしたのかもしれん。その発想はさすがだなぁと思います。

「ただいま、帰ってまいりました!」と笑顔で敬礼する算太。金太さんが亡くなったあの日に幻影で登場した時には”もしかしたら…”と少し諦めの気持ちも湧いてしまったので、元気に生きて戻ってきてくれて安心しました。安子も感極まったような笑顔を浮かべます。お兄ちゃんだけでも彼女の家族が帰ってきてくれてよかった!

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着替えさせてもらった算太は安子から出征後に起きたすべての出来事を聞くことに。その解説をナレーションの城田優くんが語るわけですが、後ろ向きに座り写真を眺める算太がそれに合わせて頷いてたので聞こえてるのか!?とw。すると、ナレーションが終るか終わらないかのタイミングで「安子、いっぺんに多すぎるじゃろう!!」とツッコミながら振り向いたので、やっぱりそんな演出だったのねとちょっと笑ってしまったww。

とりあえず、安子は城田くんのナレーションと同じようなことをを一気に説明していたらしい。算太は頭が混乱したようではありましたが、会いたかった家族も”たちばな”の実家ももう存在しないことをこの時実感した様子…。
「4人一緒だったらそっちの方が賑やかだろう」とか「騒ぎすぎて極楽から追い出されるなよ」とか軽口をたたく算太。家族の中では問題児だったから、あまりショックは大きくないのかなとこの時は感じてしまいました。でも、そんな軽い想いのはずなかったんだということが後々…。

算太は妹に「よく生きていてくれた」と感無量の表情で告げ、安子も「お兄ちゃんこそよく生きていてくれた」と涙ながらに応えます。兄妹が再会できてホントよかったよ…。

その様子を後ろから恐る恐る見つめていたるい。安子は笑顔で呼び寄せ算太を紹介します。それに対して「サンタのおじさん?」と子供らしい無邪気な反応をするるいが可愛いww。子供なら特に、クリスマスに算太という名前の人が突然やってきたら、そう思うよねぇ(笑)。
安子は笑いながらるいの伯父に当たる人だと説明。母親の兄であると聞いてようやく納得したるいは算太に甘えに行く。子供好きそうだよなぁ、算太伯父さん。るいもそれがわかるからか安心しきっているように見えます。久しぶりに明るくて良いシーン。

この場面の後算太の戦地での体験が出てきたのですが…、南方戦線に行っていたことを知り胸が痛くなりました。南方は過酷な激戦で生きて帰れた人は少ないと聞きます…。本当によく無事で帰ってきてくれたと思う…。
戦争が終わったことを知らずに森を彷徨い続けた算太は、空腹のあまり”動物の落し物”を”おはぎ”と見間違えるほどヘトヘト状態になっていた。そこへかつてダンサーとして活躍したもう一人の自分が”チャップリン”のような姿で登場。一緒に踊るうち彼の背中に「War is over」という文字があるのを目にして終戦を知ったという物語を千吉と勇に話していたようです。これはけっこう脚色入れたなと思ったぞww。算太らしいけど(笑)。

ここの演出は、サイレント映画時代のチャップリンをイメージした感じになってて面白かったですね。滑稽なダンスも楽しくて算太らしさが発揮されていたと思います。でも、この体験記が後半違う形となって登場するとはこの時は思いもしなかったよ…。

千吉たちは算太のファンタジックな話の内容に呆気に取られていたようなところがあったようでしたが(笑)、それはともかくも無事に帰還したことを心から喜んでくれました。暫くの間は遠慮なく雉真家で暮らしてほしいとまで言ってくれる。金太さんの時も療養するための部屋を快く提供してくれていたし、千吉さんは本当に心が広い方だよね…。
さらに、金太が算太の出征を見送らなかったことを悔いていたと話していたことも語ってくれました。安子と稔が結婚する前に父親同士で語り合ったあの日のことですよね。金太の無念を直接知っていたのはそういえば千吉さんだけだった…。

「算太さんはこの先、悔いのないように生きてください。それが金太さんの望みだと思います」

しかし、それに対して算太は複雑な笑いを浮かべるのみで何も言葉を返しませんでした。この時彼の心の中には言いようのない悲しみと寂しさが広がっていたはずなのですが、それを表に出そうとしないので誰も気が付くことができない。

安子はまたダンスの仕事を探すのかと尋ねますが、算太は「もうその必要はないだろう」と目をそらし自分の話を断ち切ってしまった。そして、安子が雉真の家に入ったことを「うまいことやったな」だの、女中の雪衣が気に入ったからかチョッカイだそうとしたりとやりたい放題に。

安子はそんな兄の自由奔放さに大きく動揺。気遣ってくれている人たちに対して失礼だと必死に止めようとしますが、彼の暴走は止まらない。苛立った安子にきつい口調で諫められた算太は、鬱陶しそうにその場を後にしようとします。このやり取りを微妙な表情で見守ってた千吉と勇を見てハラハラしてしまった(汗汗)。すぐに追い出されかねない状況だったからな。

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算太が安子たちから離れようと廊下に出た時、その前に寝ていたはずの美都里が現れて立ち塞がった。この展開は算太が美都里から”出ていけ”と罵倒されるパターンでは!?と肝を冷やした視聴者は私だけではなかったと思います(汗)。

しかし次の瞬間、美都里は算太を優しく抱きしめる。

「恋しいんでしょう?お父さんとお母さんに逢いたくてたまらないんでしょう?」

あぁ…、そうきたか、美都里さん(涙)。雉真家のなかで、算太の心の中の痛みと哀しみを一番敏感に察知していたのは、稔を亡くした哀しみに苦しみ続ける彼女だったのです…。

突然美都里に抱きしめられた算太は最初動揺してしまいますが、伝わってくる体温の温かさを感じるに従い、空腹で森の中を彷徨っていた当時のことがまざまざと頭の中に蘇ってきてしまう。それは、千吉たちに語った物語とは違う真実だった。

空腹のあまり”動物の落とし物”を”おはぎ”と間違えてしまったことに気づいた算太は、自分の運命はそこで尽きると覚悟を決めてしまう。その時彼の目の前に突然、かっぽう着姿の小しずが現れた。いつも家で見ていたままの姿の母の登場に驚きと動揺を隠せない算太…。
そんな彼に、小しずは笑いながら戦争はもうう終わっていることを告げ「この先に港があるからそこで船に乗られぇ」とアドバイスを送ってくれた。そして、呆然とする息子を「あんたは賢いようで抜けたところがあるんだから」と優しく温かい微笑みを浮かべそっと抱きしめたのでした…。

金太さんは逢いたくてたまらなかった算太の幻を見てこの世を去りましたが、算太は逢いたくてたまらない母の幻影を見て命を救われたのですね(涙)。逢いに来たのが亡くなった母の魂だったから、その命は失わずに済んでいたのかもしれない…。そこに小しずを遣いに出したのは、きっとシャイな父の金太だったのではないだろうか…。

小しずの魂に抱きしめられたあの感覚が美都里に抱擁された時に呼び起されたであろう算太。まるで母に抱きしめられているように感じ、誰にも告げなかった本当の想いを吐露します。

「謝りたいと思っていた…。今までのこと、父ちゃんと母ちゃんに謝って、それから、わしのダンス、見てもらいたいと思っていた…。だけど、わしはもう何の気力が湧かないんだ…」

涙を流しながら父と母へのどうしようもない恋しい想いと、失ってしまったことの哀しみや虚しさを打ち明けた算太。安子からこれまでの出来事を聞いた時に、どれだけ大きな衝撃と哀しみが沸き起こっていたことだろうと思ったら胸が痛くて仕方なくなった(涙)。橘家の家族は算太にとっても宝物だった。ヤンチャばかりして迷惑をかけてしまったけれど、彼にとってはかけがえのない存在だったことを思い知らされた気がした(涙)。

安子たちには本心を悟られまいとふざけて見せていたけれど、美都里さんはそれが強がりだということを見抜いていたんですよね…。息子を失った母親だからこそ敏感に感じ取れたのかもしれない。

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まるで実の母親のように優しく温かく算太を抱きしめた美都里は、愛する父と母に永遠に会えなくなった哀しみに押しつぶされそうになっている彼を優しく諭すように言葉をかける。

「あほうじゃねぇ。生きとるだけでええんじゃ。自分らが死んでも、あんたが生きとりゃぁ、それだけでええ。お父さんもお母さんも、そねぇ思うとるんよ」

美都里はこの時、算太に稔の姿を重ねていたのかもしれませんね…(涙)。生きて帰ってきてくれればそれだけでいいと美都里さんが告げる言葉の響きの、なんと重く、切なく、そして温かいことか…!彼女だからこそ、天国へ旅立っていった金太や小しずの想いが手に取るように伝わってきたのだと思います。

算太は父と母にこれまで迷惑をかけ通しだったことを謝れなかったことを激しく後悔していました。が、美都里から「生きているだけでいいんだよ」という言葉をかけられた時、その罪悪感が癒されていくような気持が沸き起こってきたのかもしれない。
美都里の姿が次第に算太のなかで小しずへと変わっていく。美都里の体を借りた小しずは算太を抱きしめて「よう帰ってきてくれたね…、算太。お母さん、もうそれだけで十分じゃ」と涙を浮かべていた。

「母ちゃん…、母ちゃん…、母ちゃん…」

何度も母の名前を呼びながら、まるで子供のように無防備な姿で泣きじゃくる算太。そんな彼を美都里はまるで聖母のように癒し続けてくれた。あんな優しい美都里さんの姿を見ることになるとは思わなかったよ!!完全に小しずさんの魂が降りてたよね…。息子を想う気持ちが重なり合ったからこそ実現した奇跡の瞬間だったのかもしれない。

もう今回のラスト5分ちょっとはずっと大号泣でしたわ(涙涙)。まさか算太と美都里さんにこんなにも心震わさせられるとは…!!やっぱり今回も藤本有紀さん脚本朝ドラで泣かされたよ~~~!

ここから安子たちと雉真家の関係が好転していってほしいと切に願いたいんですが…、きっとそうは問屋が卸さないんだろうなぁ(苦笑)。せめて小しずさんの魂が抜けた後の美都里さんが次回からまた豹変しないことを祈る…(汗)。

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