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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第93回感想 それでも人生は続いていく

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これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

カムカムも後残り3週となりました。いよいよ今週あたりから様々な伏線が色んな所に繋がっていくような気がします。

桃太郎の失恋の件で姉弟ケンカに発展し家中に険悪な空気が流れたその時、錠一郎がトランペットを手に家族の前に現れた。

しかし、いくら必死に吹こうとしてもまともに音を出すことができなかった。ひなたと桃太郎が呆気に取られているなか、るいだけは哀しそうに顔を伏せてしまう…。

錠一郎は意を決したように子供たちの前で「お父ちゃんな、昔トランぺッターやった」と告白。レコードデビュー寸前までいった時謎の病にかかって夢を断念した話を始めますが、ひなたや桃太郎はそれが突拍子もない冗談にしか聞こえず呆れたように笑い出してしまう。まぁ、これまでの働かずにのほほ~~んと家の中で暮らしてきた父親しか見ていないから…そう思ってしまうのも無理はなかったかもな(苦笑)。

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るいは二人を信用させるために、店に貼っていた初代・黍之丞主演映画『妖術七変化』のポスターをはがしその裏側に書かれた錠一郎のサインを見せる。それは、彼がコンテストで優勝したあとに竹村クリーニング店を訪れた時に記したもの…。

あの時は竹村さんご夫婦がサインをねだったものの色紙がなくてたまたま目に入った映画ポスターの裏にお願いしちゃった…みたいなコメディ展開になってたけど、まさかここにきてそれが重要な役割を果たすことになろうとはねぇ。
色紙じゃなくてポスターの裏だったから、ひなたも桃太郎も父の過去を知らなかった。るいも錠一郎も、あえてその当時の話を聞かせようと思わなかっただろうしな。

このサインを見てひなたと桃太郎は初めて父の話していることが真実だと知って驚いてしまう。るいは二人に錠一郎がコンテストで優勝した後東京デビューするはずだったのだと語って聞かせますが、その後の彼の顛末については言葉を続けることができませんでした…。彼女にとってもあまりにも辛すぎる記憶だものね…。

るいが言葉を詰まらせた後、その気持ちを察した錠一郎は続けて自らの口で辛く苦しかった過去の話を語りました。

ある日突然吹けなくなってしまったトランペット。何かの病気ではないかと片っ端から色々な医者に診てもらったものの全く原因を掴むことができず治す術が見当たらなかった。るいと結婚の約束をしていたものの、自分の境遇に絶望し一度は死を選ぼうとしてしまった錠一郎。そんな彼をるいは全て受け止め救った…。

子供たちに自分の辛かった過去を語るうえで”お母ちゃん”呼びではなく「るい」と名前で告げた場面はとても印象深かったです。 久しぶりに聞く錠一郎の「るい」には彼女への絶対的な信頼と深い愛情が込められているように聞こえてジーンときてしまった。

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回転焼き屋を始めた後も病院探しは続いていたという。気楽に暮らしているように見えたけど、実はトランぺッターとしての未来を捨てたわけじゃなかったんですね…。でも、桃太郎が誕生した後あたりからは病院探しもしなくなり「もう一生トランペットは吹けないんだ」という諦めに似た感情が生まれてしまったという…。

「この回転焼き屋で、仕事の役には立てないけど、ひなたと桃太郎の”お父ちゃん”として生きられたらそれでいい。それで僕は幸せだ」

錠一郎はるいと結ばれ愛しい子供2人に囲まれて暮らすことに幸せを見出すことができた。穏やかな日常のなかでいつしかトランぺッターとしての情熱も薄れていったというのはちょっと寂しい気もするけど、それが彼が見つけた”ひなたの道”でありるいも受け入れてくれているのならそれも夫婦の在り方のひとつかなと思います。

自らの過去を語った後、錠一郎は神妙な表情を浮かべている二人の子供に本当に伝えたかった言葉を告げる。

「それでも人生は続いていく」

一度は絶望のどん底に落ちた経験がある彼だからこそ、この言葉に込められた想いの深さや重さがひしひしと伝わってきた。どんなに辛い出来事が襲ってこようとも、生きている限りはもがきながら乗り越えて進んで行くしかない。二人には逞しく生きてほしいと伝えたくて、錠一郎は自ら触れたくない過去を晒したのかなと思うとなんだかとても切なくなってしまった…。

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父の過去を知ったひなたと桃太郎はその内容に圧倒されたようでしたね。でもやっぱり実際にその当時を見てきたわけではないので、完全には受け止めきれてないようにも見えたかな。

だけど、桃太郎はようやく気持ちを落ち着かせることができたようでCDプレーヤーを盗んでしまったことを「あかにし」に謝りに行きました。吉右衛門さんとしてはどんなに謝られても怒りが収まらないといった感じでしたが、私としては警察を呼んでないところに温情を感じたなぁ。普通なら、盗まれたと判明した後すぐに警察通報してると思うので。
そこへ清子さんが「おめでたい時なんだからそれくらいに」とやって来た。それでも渋る吉右衛門に「昔お父ちゃんは堪忍してあげてたよ」と笑顔で訴える。

清子さんが産気づいた日に、店の留守を見計らった算太がラジオを盗んだ時の出来事ですよね。あの時はおじいちゃんが紅白まんじゅうを持って行ったことで許してもらえたんだっけ。吉右衛門もお父さんと同じような体験をする日がこようとはねぇ(苦笑)。

すると得意先から吉之丞が帰って来た。桃太郎は少し躊躇いながらも「結婚おめでとうございます」と祝福の言葉をかける。小夜子への失恋の痛手はまだ消えてないけど、父の話を聞いて自分に区切りをつけなければという気持ちになることはできたようだね。それだけでも大きな進歩。
それにしても、「小夜子からもう話聞いたのか?」とちょっと照れ笑いする吉之丞くんはなんだか可愛かったなw。

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その頃、錠一郎は物置部屋でトランペットを大事そうに手入れしながら片づけていた。そこへやって来たるいは「私は信じてる、またジョーさんがトランペットを吹ける日が来るって」と励ましの言葉をかける。子供たちの前で彼が「諦めた」と告げた時哀しげな表情浮かべてたものなぁ…。もうトランペットを吹けなくなって30年以上が経っていたけれど、るいとしては必ず復活する日が来るとずっと信じていたのでしょう。

そんな彼女に錠一郎は、時々「試していた」と告白する…。「ある日突然、治っているかもしれない」と何度も何度もトランペットと密かに向き合っていたのかと思うと胸が痛い…(涙)。でも、いくら試しても音を出すことができなかった。次第に回数は減り、今では殆ど触れることが無くなったという…。

「薄れていくんだ…。あの感覚が。トランペットが…、僕にサヨナラを言っている、そんな気がするんだ」

このセリフはるいと一緒に私も泣いてしまったよ(涙)。孤児だった時に初めて出会ったトランペットは錠一郎の人生に新しい希望の光を与えてくれた。あんなにも愛し真剣に取り組んできたトランペットだったのに、ある日突然拒絶されてしまった…。何度もアプローチを試みるも、一向に受け入れてもらえない。そうしていくうちに、トランペットに別れを告げられているような気持ちに苛まれてしまった錠一郎…(涙)。そんな身を斬るような辛さや哀しみが30年経った今も続いているなんて切なすぎる…。

この二人のやり取りのシーンを見て、文四郎くんのことがちょっと過った。
彼も時代劇に心血注ぐ想いで取り組んできたけれど、結局理想とする道を見いだせずに挫折してしまった。「必ずできる日が来る」と愛する人に励まされてきたけれど、それも重荷と感じてしまい違う道へと逃げる結果になりましたよね。

錠一郎はるいが自分に期待を抱き続けてくれていることを分かっていて、でもそれに応えられないことの苦しみをずっと感じてきたのかもしれない。だからこそ、ひなたの気持ちに大きなプレッシャーを感じて断腸の想いで別れることを決断した文四郎の気持ちが誰よりも痛いほど理解できてしまったんだろうなと改めて思いました。

丁寧に手入れをしてトランペットを片付ける錠一郎の背中が哀しい…。るいも、かける言葉が見つからないようでした。

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時は流れ、1993年の12月クリスマスシーズン。「あかにし」前では錠一郎がサンタクロースの扮装をしながら商店街の福引コーナーのバイト(?)をしていました。子供から補助券10枚渡されたのに「10回ね」と言ってしまい即座に酒屋の森岡さんから「1回な!!」ってツッコミ入れられてたシーンは面白かったww!!

さらに少年がガラガラで玉を出すと「大当たり~~!1等!!」と盛り上がるんだけど、即座に森岡さんが「ちゃうて!!1等は赤玉や!!」とさらに特大のツッコミが帰ってくる(笑)。それでも錠一郎がガンガン当選ベルを鳴らしまくって森岡さんが「うるさいな!!!」とキレまくりwww。
あれってもしかしてオダジョー君のアドリブお遊びっぽく見えたんだけど真相やいかに!??森岡を演じてるおいでやす小田さんは大声でキレるのが売りの芸人さんですからねw。

少年が当てたのは結局五等だったようで、ラッパのおもちゃを差し出した錠一郎。嬉しそうにそれを手に帰っていく少年の背中を少し寂しげな笑顔で見送る場面は切なかったな…。諦めたと割り切ろうとしながらも、やっぱり心の底ではもう一度トランペットを吹きたいという気持ちが捨てきれないはず。なんとかもう一度吹ける日が来てほしいんだけど…どうかなぁ。

しばらくすると、るいが買い物から戻ってきた。慌てて店に戻ると、ある老人が立っている。お客だと思い声をかけたるい。すると、思いもかけない言葉が返ってきた…。

 「るい…。るいじゃのぅ?」

目の前に立っていたのは、るいの伯父・算太だったのです。ナレーションでは「ひなたの前には二度と現れなかった」と言っていたけれど、約8年経過してまた戻ってきたのですね。いよいよ因縁の過去を語る時がきたのでしょうか。

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