フジテレビ系で放送された「ドラマミステリーズ~カリスマ書店員が選んだ珠玉の一冊~」に村上新悟さんが出演されました。この手のミステリーもの(不穏な空気系)は個人的には苦手分野なんですが、村上さんが出るとあらば話は別・・・ってことで、ガッツリ見させていただきましたw。
3篇の短編からなるドラマで、村上さんが出演されたのは第2話の『妻の女友達』でした。
どの作品も短いながらけっこう面白い内容だったのですが、今回は『妻の~』をちょっと振り返ってみたいと思います。
『ドラマミステリーズ カリスマ書店員が選んだ珠玉の一冊 -妻の女友達-』
2017年4月22日(土) フジテレビ系(わが地域はOHK)
出演 大泉洋、高岡早紀、戸田菜穂、村上新悟ほか
妻の女友達 (集英社文庫) | |
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原作は、小池真理子さんの短編小説「妻の女友達」です。私は小池さんの作品は読んだことがないのですが(どちらかというと苦手な作家さんなので)、今回村上さんがどんな役なのか気になったので…小説を読んだことのある人の感想をネットで検索して内容を知りました(笑)。この話が決まってから内容チェックしたファンの人は私だけではない気がします←私は作品まともに読んでないのでセコいんですけどねww。
ドラマ全体内容について
大泉洋さん演じる夫・肇は地味で真面目なんだけど融通が利かず要領の悪い役所の公務員。職場ではほとんど周りと接することなく一人黙々と仕事をこなし定時に帰宅。たまに面倒が起ると対応しきれず周囲からは馬鹿にされる始末。その愚痴は帰り道、自転車に乗りながら大声で発散させてるところが何だか情けない(←ちょっと洋ちゃんのボヤき節が入ってるようで面白いシーンだったw)。
そんな彼の心の支えは愛する妻と娘。帰ると笑顔で迎えてくれる存在にすさんだ心を癒す毎日。しかし、そんなある日、妻・志津子の学生時代の友人・美雪が突然訪ねてくる。妙に馴れ馴れしく横柄な態度を取る美雪と志津子が仲良く会話している様子に嫌悪感を覚える肇。さらに志津子が売れっ子作家でもある美雪の家政婦の仕事をすることになったのが気に入らない。手伝ってくれたお礼として高価な服やアクセサリーをもらったと嬉しそうにする志津子にも苛立ちを隠すことができない肇。
ある日、母親が病気との連絡が入ったという志津子は娘を連れて実家へしばらく戻ることに。独りになった肇はある思惑を胸に美雪の自宅マンションへ向かう…
と、こんな感じのストーリー。
この作品は一番最後にすべての真実が語られるので複数見たほうが面白味が増すんじゃないかなと思いました。1回目に見たときは「女って怖い!」と最後にゾクっとくるものがありましたが、2回目に見たときは妻の行動がほとんど「実は…」ってことで繋がってくるので最初の方から「うわ~・・・」って感じでドキドキさせられます。それに、ちょこちょこ志津子は肇に信号を送ってるってことも分かるんですよね。演じる戸田菜穂さんがちょっとしたときに見せる暗い目線がそれを物語っていて、そういう細かいところを見るのもこのドラマの楽しみ方の一つかもしれません。
ただ、これ、小説を全く読んでない人には分からないシーンがちょこっとあるんですよね。一番不思議に思ったのは、志津子が常に足を引きずって歩いていたことでは。その背景がドラマでは語られていなかったのが残念。志津子さんは幼いころに患った病気が原因で足に障害が残ってしまったという設定になっています。それゆえ、ラストシーンでの肇による「志津子は俺がいなければ何もできない」っていう言葉が繋がる気がするんですけどね。ドラマだけだとなぜ肇がそんな言葉を言ったのかがよく分からないことになってしまってた。
あと、ドラマでは洋ちゃんの役柄の名前がハッキリと出ていないので、現場に落としてきてしまったボタンのアルファベットが何を意味していたのかがボヤけてしまっていたように思います。あれは「広中肇」のイニシャルの「H・H」なんですよね。それが現場に落ちてたらものすごい重要な証拠になっちゃうわけで。それを志津子が発見してわざと娘のクマのぬいぐるみの目として縫い付けたことへのゾクゾク感がミソだと思うんですが(しかもあれ、わざと娘に父親の前へ持っていかせてますからね…こわっ)、ドラマだとちょっとそのあたりもボヤけたかなぁという印象です。
それから、アリバイのためとはいえ女装して美雪のマンションに簡単に侵入できてしまったのもちょっと「あれ」と思ったり。彼女はなんであの姿を確認しながら不審に思わずすぐに入り口解除しちゃったんだろうなと。私だったら開けないww。それにしても洋ちゃん、女装姿けっこう気合入ってたみたいなのにドラマでは一瞬しか映りませんでしたね。
それにしても、洋ちゃんはこういった狂気をはらんだ男の役も実にうまく演じてるなぁと思いました。私は個人的にバラエティの洋ちゃんよりも役者をしてる洋ちゃんがとても好きで、大泉洋はとてもいい芝居をする役者として見ているので今回の役柄は非常に興味深いものがありました。
妻を溺愛しているあまり彼女の秘密に気づかず、突然現れた傲慢な「女友達」に奪われてたまるものかという想いだけで突っ走ってしまうという・・・すごく器が小っちゃい男なんだけど、同時に哀れさも感じさせられました。妻には自分しかいないってなかば押しつけがましい想いを強烈に持ってしまってるわけだけど、それは彼の真面目で神経質な性格からくるものでもあって・・・妻と娘だけが心の支えみたいなところがあった気がするんですよね。美雪の挑発に乗って溜め込んできた愚痴をぶちまけるシーンとか、歪んでるんだけど哀れさも滲んでて…そういうところを感じさせる芝居が洋ちゃんは巧いなって思いました。
それにやっぱり、スタイルが抜群にいいですからカッコいいですよね。美雪と対峙するシーンはゾクゾクさせられながらも、洋ちゃんカッコいい…って思いながら見ちゃいましたw。
美雪を演じた高岡早紀さんは、ああいった艶っぽくて高飛車な女の役が実にピタリとハマりますね~ww。もうセリフの言い方とか表情とか、すべてが妖しくてイラッとくるww(←すっごい褒めてます!)。あの態度取られたら、器の小っちゃい肇なんかはすぐにキレちゃいそうだっていうのが一発で分かる。特に最後の「ちっちゃい男」の言い方は絶妙でした!
志津子を演じた戸田菜穂さんも役の感情の緩急の付け方がすごくよかった。最初のうちはおとなしい「良妻」を演じているんだけど、ちょいちょい目線で「なんてつまらない男」って感じの信号送ってるのが分かるんですよw。そして美雪の事件後の真相を告白するときの豹変っぷりがとても印象的でしたね。女の本性が出た!!って感じw。女って怖い生き物だわ~~って思いましたから。
だけど、このドラマの中では妻よりも夫の方が怖いといった感じで締めくくってましたね。本当に怖いのはどっちなんだ?とちょっともやっとしたものが残ったままドラマはブラックアウト。あれは視聴者にその後の展開を託したって意味なんでしょうかね。
村上新悟さんについて
昨年、真田丸関係のイベントで村上さんがゲスト出演した時に「僕、この前キスシーン撮影したんですけど」と突然コメントしてビックリしたことがありましたw。
その日以来、私を含めたファンの頭の中には「いったいキスシーンとやらを撮ったというドラマはいつ日の目を見ることになるのだろうか?」という疑問符がいつも付きまとっていたように思います。あの時は「村上さん、ちゃんとドラマの仕事来てたんだ!」って喜んだんだけど、日が経つにつれていつそれが解禁されるのか気になって仕方なかったw。
そしてついに新たなドラマ出演情報が飛び込んできたわけで、いったい村上さんがどんな役で出演するのか気になってww・・・それで私はネットでネタバレをチェックして役柄に目星をつけたというわけです(笑)。つまり、十中八九、「キスシーン」ありそうなあの役だなとww。
ところが、放送間際になるとご本人がSNSでドラマの宣伝をしてくれたのはいいのですが「ほんの一瞬しかいない」とか「僕を探してみてください」とか書いてあって・・・それを見たファンは「え、あの役じゃないかも?」と不安にw。でも結果的には思った通りの役柄だったので、終わった後は皆さん大騒ぎで楽しかったです(笑)。
公式ツイッターでも放送前に村上さんの出演シーン写真を出してくれましたしね。これ紹介してくれたの、嬉しかったですよ(ちょいネタバレ気味だけどw)。村上さんの事にもちゃんと触れてくれたんだって…なんかジーンときちゃいました。公式さん、ありがとうございました。
さて、村上新悟さんが『妻の女友達』の中で演じたのは、肇の妻・志津子が通いだした和食料理教室の先生・シンジさんでした。名前つけてもらっててよかった~。ちなみに私はこの名前が出てきた時に「新悟じゃなくてシンジなのね」と余計なツッコミを心の中でしてしまいましたww。
実はこの放送日、外出していてリアルタイムで見れるか不安だったのですが…第2話だったことが幸いしてリアタイに間に合ったんですよね。車の中にもテレビ機能はあったのですが上手いこと画面が映らなかったのでちょっと気が気じゃなかったんですけどw。ちなみにこの時のダンナの一言…
「新悟くんのキスシーンは18禁で映らないんじゃないの?」
だったwwwwww。
シンジ先生の登場時間は村上さんが事前に言ってた通り1分もないくらいの短さではありましたが、役どころ的には非常に重要なポジションでしたよ!!村上さん、あれ、全然チョイ役に入らないから!って思いましたw。クライマックスでごっそりかっさらっていきましたから(笑)。
まず最初に登場した時が、志津子に人参の切り方を教えるシーン。
「広中さ~ん、いいですねぇ。上手に切れてますよぉ」
ダンナと見ながら「出た~~!」と盛り上がっちゃいました(笑)。
このシーンを見たとき、まず一番強く印象に刻まれたのが村上さんのイケボと呼ばれているあの低い重低音の「声」です。初めてこのドラマで村上さんを見た人は「!?」ってなったかもしれない。そのくらいインパクトがあったと思います。やっぱり村上さんのあの「声」は武器だよなぁって再認識してしまいました。私はファン目線もあるから一般的な意見にはならないんですけど、この短いシーンの中ですごい耳と同時に目を惹いたんですよね。
さらに、セリフ回しがまたすごく良い感じでした。あぁ、こういう言い方する先生っているだろうなって思ったんで。このあたりも村上さんかなり研究したのではないでしょうか。
それにしても・・・
「あ、もうちょっと深く切れ込んだ方が…」
この続きはいったいなんだったんだ!??なんかアドバイスしてるっぽかったんだけど途中で切られちゃってたよww。我が家ではこのセリフ途中でぶった切られたシーンで吹いてましたがww。
しかし、あの、目つぶし焼きでスタパに波紋を起こした村上さんが「料理の先生」役をするなんてねぇ(笑)。これ、撮影時期的にスタパから1か月後くらい後だと思うんでなおさらw。
その後出番はなく、SNS上には「あれで終わり?」みたいな不安の声もちらほらww。そろそろ物語が佳境に入ったその時、ついに核心部分のシーンが登場し・・・シンジ先生再び。
夫の肇にずっと隠れて料理教室の先生と不倫をしていたことを告白する志津子の回想シーンとして出てきました。志津子の言葉に頭が追い付かなくて「…シンジさん・・・???」と惚けてしまったような言い方をした洋ちゃんが面白かったwww。
「似合ってるよ、すごく」
こういうシーンでは、本当に村上さんのあの艶っぽい低音ボイスが映えるなぁと思いました。志津子さんにせっせと服飾品を貢いでたぬかりないシンジさんww。
ここから、ついに、あの、ずーーっと気になっていた「キスシーン」が満を持して登場したわけですがwwよく見ると、先に食いついたのはシンジさんじゃなくて志津子さんの方でしたね(笑)。肉食系は志津子さんの方だったって事でしょうか。でもシンジさんも一筋縄じゃいかないような妖しい雰囲気を醸し出してたからねぇ~。腹の内では「この女見事に落としてやった」的に思ってるんだろうか、みたいな、いろんな想像をしてしまったw。
ちなみにこのシーンの時、我が家では「チュー、きたぁ~~~」と大盛り上がりしてたわけですが、ふっと、トークショーの時に「キスシーンの寸前で止められることがあってどんな顔して向き合えばいいのか分からなかった」ってエピソードを新悟くんが語ってたことを思い出して笑っちゃいましたww。あの密室状態で止められたら、そりゃ、どんな顔していいかわからなくなる気持ちよく分かるわ。
志津子さんがチューーの妄想をしてるところで村上さん演じるシンジさんの出番は終わったわけですがw、そのあと彼がどんな末路を辿るのかが色々気になりましたね。私的には、シンジさんが肇に殺されてしまう未来がすごい見えてしまったんですけど。あのあと肇の不気味な愛情に恐れをなした志津子さんはシンジさんとこに駆け込んでいくものの、二人もろとも狂気の肇にグッサリやられてしまう、みたいな。
どっちにしろ、シンジさんの明るい未来はほとんど想像できませんでした。
いやぁ~、時間的には確かに「ちょっと」でしたけど・・・この作品の中でたしかに爪痕は残したんじゃないかと思います。村上さんのあの「低音ボイス」に表情が付くと、聴いていてハっとさせられるしそれと同時にそのキャラクターにも注目してしまったので。改めて、あの「声」が今後も村上さんの役者人生を支えていくのかもしれないなと思わせてくれた作品でした。
ただ、すべての作品が村上さんの低音ボイスにハマるわけではないはずなので、そのあたりは色々とまた変化させて演じてほしいなと思います。
時期的にはフリー宣言をする少し前の時のお仕事(昨年の10月頃)だったようです。この頃はたしか村上さんが一番将来に不安を抱きながらって時だったと思うので、そう考えるとこのドラマの仕事してるときはものすごく必死だったんじゃないかなぁってジーンときてしまいます。それだけに、今、二人三脚で一緒に歩いていこうという事務所さんとお仕事を頑張っているというのがファンとしてとても嬉しい。たぶんまだ解禁できない作品もあると思うので、開示されるまで楽しみに待ちたいと思います。
とりあえず、「キスシーン」が数年後まで出てこないなんて事態にならず無事回収されてよかったです(笑)。村上さん、次の作品も楽しみにしています。