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NHK大河ドラマ『青天を衝け』第31回ネタバレ感想 栄一、最後の変身

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いよいよ『青天を衝け』も終盤に差し掛かりました。今回はそのラストに向けての助走に入るような転換点だったように思います。

それに合わせて最後のメインキャストも発表されましたね。大きな話題になっているのは大島優子さんの初大河ってことですが(彼女は最後に向けてのキーパーソンになるはず)、個人的には栄一の長男・篤二役に泉澤祐希くんが配役されたことに注目しています。

繊細で壊れやすい人物像になるであろう篤二を泉澤くんがどう演じるのか、とても楽しみにしているし期待しています。かなりグッとくるお芝居を見せてくれるはず。

以下、第31回を見て気になったシーンもろもろネタバレあり

これまでの『青天を衝け』感想レポ

青天を衝け
青天を衝け
2021年度NHK大河ドラマ『青天を衝け』の感想レビュー

『青天を衝け』第31回 栄一、最後の変身

2021年10月17日(日)放送 NHKBSプレミアム 18:00~18:45 ほか

出演:吉沢亮、高良健吾、橋本愛、田辺誠一、博多華丸、福士誠治、大倉孝二、イッセー尾形、和久井映見、ほか

あらすじ

栄一(吉沢 亮)たちは、日本で初めてとなる銀行づくりに乗り出した。さっそく、豪商の小野組、三井組に協力を依頼するも難航。民間の合同によって銀行をつくりたい栄一と、独自に銀行をつくりたい三井は対立し、三野村利左衛門(イッセー尾形)と熾烈(しれつ)な駆け引きを繰り広げる。そのころ、富岡製糸場の操業を始めたい惇忠(田辺誠一)は、工女が集まらないことに悩んでいた。西洋式への誤解から、「生き血を取られる」とうわさが立っていたのだ。誤解を解かねばならない。惇忠は、娘のゆう(畑 芽育)に伝習工女になってほしいと頼み込む。

<公式HPより引用>

市郎衛門の初七日が終わった頃、ていの婚約者である須永才三郎がやってきて「渋沢市郎」を名乗ることになったと報告します。ていも嬉しそうにしてて、幸せな結婚ができて本当に良かったと胸をなでおろしました。栄一も家の跡継ぎのことで気を揉まなくても済むことになりますね。それもこれも、市郎右衛門さんが遺した息子への気遣いだったのかもしれません。

須永才三郎は伝蔵(須永虎之助)の弟。のちに名誉村長に推薦されたり県会議員になったりと、かなり優秀な人物だったようです。ちなみに、伝蔵も牛乳やバターの製造など酪農業に力を入れたのち、仙石原の村長に就任しています。

しかしホッと一息ついたのも束の間、栄一のもとに衝撃的な手紙が舞い込んでくる。大阪出張した時に関係を持ってしまったくにに子供ができてしまったのだという(汗)。当時は避妊とかそういう概念ないでしょうから…これはもう致し方がないというか…。
覚悟を決めた栄一は正直に千代に事の次第を説明。動揺のせいでロボットみたいな歩き方になってた栄一はちょっと面白かった(笑)。

その数日後、東京の渋沢邸に栄一に伴われてくにがやって来た。

身重っていうか…けっこうな臨月状態でないの!!それでも千代の姿を見たくには真っ先に膝をついて栄一の子供を身籠ってしまったことを謝罪。迷惑をかけないように一人で産み育てるつもりだったと語りますが、身寄りがいない彼女を案じた栄一が救いの手を差し伸べてくれたようでした。くにさんとしては栄一を誘惑したのかそうでないのかは定かではないですが、心細さはあったと思います。

そんな二人を見た千代は「そうですか…」と何度も言いつつ自分の気持ちをなんとか落ち着かせ、一緒に住むことを提案。「お前様の子です、共に育てましょう」と度量の大きいところをみせた千代にくにと栄一は平身低頭謝るしかない(苦笑)。だけど千代さん、目は完全に笑ってなかった…っていうかゾクっとする冷たさすら感じさせてたからなぁ(汗)。心中お察ししますとしか言いようがない。

でもやっぱり、栄一たちの元を離れた後は「はぁ…」とため息出ますよねぇ。この時代はそんな女性がたくさんいたと思います。明治の偉人たちにもたくさんの女を囲っていた人は多い。現代の感覚では理解できないようなことも、この時代は当たり前のように行われていたわけで…。ただこのドラマでは栄一と千代の関係がかなり良好に描かれていたので、今回の展開は史実だったとしてもけっこう衝撃は大きかったかな(汗)。

くにの産んだ娘は後に惇忠の息子(次男・尾高次郎)と結婚します。その孫にあたるのが、大河ドラマ『青天を衝け』のOPテーマの指揮を担当する尾高忠明さんです。

明治2年の箱館戦争の折に脱出し囚われの身となっていた成一郎が、2年半ぶりに牢獄生活から釈放されることになりました。釈放された成一郎は渋沢家で厚くもてなされたようで、長く伸びていた髪の毛もスッキリと散髪していました。

この知らせを受け急ぎ自宅に戻った栄一は、久しぶりに再会した成一郎の姿を見て感極まりしばらく言葉が出てきませんでした。しかし二人の間には微妙な空気が流れていて、なかなか感動の再会という雰囲気ではない。投獄されている間に差し入れしてもらったことに対して感謝の気持ちは述べたものの、成一郎は栄一から顔をそむけたまま…。
栄一は「よくもまぁ、互いに生き延びることができたものだ」と言葉をかけますが、成一郎はそれに対し「死ねと文を残したではないか!」と突っかかってくる。あの時は「栄一らしい」とほくそ笑んでいましたが、生き残った今改めて思い出すと急に腹立たしく思えてきたんじゃないかと(苦笑)。

さらに成一郎は栄一が新政府の一員として働いていることに対して恨み言をこれでもかとぶつけてくる。自分が命がけで戦っていた相手である薩長中心の人物たちと一緒にやってることは、彼にとって許しがたいことだったと思います。このあたりの心境はかつての惇忠と重なるものがありますね。
自分に対して怒りをぶつけてきたことに少し安堵した栄一。「しょげてると思ったのにやけに威勢がいいじゃないか」と告げたかと思うと、猛然と戦いに没頭していた成一郎を大批判!その言葉に怒りが沸点まで達してしまった成一郎は「お前に俺の気持ちが分かってたまるか!!」と猛然と掴みかかっていく。

たくさんの悲惨な「死」を目撃してきた成一郎。さらに平九郎を死なせてしまったことへの自責の念も重なり「いっそ死んでしまえばよかったんだ」と涙を流す…。あまりにも凄惨な出来事を体験したが故に、今でいうPTSDのような症状を患ってしまったのかもしれないよね…。
栄一にもそんな彼の心の痛みや苦しみがヒシヒシと伝わってきた様子。泣き崩れながら、死ねばよかったと思う反面「日が経つほど未練が…」と言葉を詰まらせる成一郎の姿に見ているこちらも切なくて苦しくなってしまった(涙)。でも栄一は、きっとその言葉を待っていたんだと思う。

「良かった…!死なないでよかった。生きていればこうして文句も言い合える!よかった!!」

生きていたから言いたいことを言い合えたんだという栄一の言葉に私も思わず涙…!!成一郎と栄一が厚い抱擁を交わすシーンは涙失くして見られなかったよ(泣)。成一郎、生きていてくれて本当にありがとう!!

そしてその現場によしが駆け込んできた。ずっとずっと成一郎の身を案じて生き抜いてきたおよしさん、再び会えて本当によかったーーー(涙)。よく耐え抜いたと思う。何度も心折れそうになってた彼女の姿見てきたから、二人が再会して抱き合うシーンは見ているこちらも感極まってしまったよ。

この後、成一郎は名前を本名の「喜作」に戻し、栄一の推薦により大蔵省で働くことになりました。

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一方、これまで新政府の要となっていた大久保や岩倉といった大物が海外に出ていたことで(岩倉使節団)いくぶん会議の緊張感が和らいだ感じになっていました。特に大久保がいなくなったことで皆ちょっとホッとしてたんじゃ…w。
ということで、鬼の居ぬ間に経済を見違えるように進めてやるんだと意気込む井上。ところがそれに待ったをかけたのが司法卿の江藤新平。前回はちょろっとしか登場しませんでしたが、今回から名前付きで本格的に出てきましたね。江藤は、大久保が旅立つ前に釘を刺す意味で置いていった『十二箇条の約定』を提示する。そこには、自分たちが離れている間は「廃藩置県に関わる業務以外はいっさい手を出してはならない」と記されている。こういう抜け目ないところ、大久保さんらしいよなぁ(苦笑)。彼には彼なりの理想と信念があってのことだと思うんですが、こういうことは敵を作りやすいと…(汗)。

それを知って皆が微妙な空気になった時、栄一は「裏を返せば廃藩置県後の処理であれば大いにやれ、ということではないか」と発言。なるほど、大久保の思惑を逆手に取ったなww。こういう発想はさすがだなと思います。
江藤は「そんな屁理屈通るはずがない」と憤りますが、井上はそれに賛同して円への統一のためだと自分たちだけで進めることを押し通してしまいました。ここで栄一が提案したのが「バンク」。パリでエラールから得た知識をここで生かそうというわけです。このシステムを作ることによってお金の流通がスムーズにいくばかりでなく、新しい事業を始める人の後押しもできることによって日本の国や富を潤すことができるはずだと熱弁を振るう。

ということで、結局これに西郷さんがOKを出したことで「バンク」構築への道が開くことになりました。

その夜、大隈邸にやって来た栄一と井上は「なぜ大隈さんは日本に残ったのだろうか」とヒソヒソ話をしていましたw。海外への使節団の話は、もともとは大隈が提案して実現したようなものだったようなのですが、どうやら大久保がこれ以上出しゃばられては困ると大隈を入れることを断固拒否したらしい(苦笑)。

大隈の妻の綾子はその話を聞きながら、大久保に疎まれまくってる大隈を心配した五代友厚から文をもらっていることを明かしました。そこには、五代が感じている大隈の欠点5か条がご丁寧に記されていたw。特に「嫌いな人ともきちんと付き合え」という下りはおもわず聞いてるこちらもクスっとしてしまいますね(笑)。大久保さんが嫌悪感を抱く要素を大隈さんはめっちゃ持ってるっていうことかw。それはもう、根本的に相容れない中なのは仕方ない。

そんなヒソヒソ話に勘付いているのかいないのか分からない大隈が、不意に栄一を呼び「”ナショナルバンク”の我が国の呼び名をどうするか」と言ってきた。ということで、またまた日本の名称誕生物語の展開になりましたね。色々と考えた結果…

「国立為替両替商(栄一案1)」→「金甫(井上案)」→「金行(栄一案2)」

そして、「銀行」!!

正式名は「國立銀行(こくりつぎんこう)」に決定。 将来の”みずほ銀行”の始まりですね。商人たちを集めた栄一はその名前を発表し、「あくまでも民による会社にしたい」と提案します。そのために、小野組三井組の両者で設立のための準備を始めてほしいと告げるのですが、三井は独自の銀行を作りたいと渋い顔。がめつそうな三野村さんの考えそうなことだw。
これに対して小野組の小野も「御一新の時には新政府を助けたのは自分たちだ」と反論。要するに、どちらも一緒に手を組むつもりがないということです(苦笑)。あのクセ者の三野村さんと一緒にやりたいと思う人も少なかったんじゃないかと思うけどねw。

しかし栄一はあくまでも「合同」にこだわっている。商人たちの力をさらに大きくするためには彼らが作る「銀行」が必要だと考えている栄一。そのために欠かせないのが「合本(がっぽん)」であると熱弁。でもそれに対して今ひとつピンと来ていない様子の小野は「がっぽ??」と言ったり三野村は「かっぱだよ!」とツッコミ入れたりwwwなんとも緊張感が足りない(笑)。
これに対して三野村は「商人をそのように大切に考えてもらうことはありがたい」と感謝の気持ちを述べつつも、誰がそれを理解できるのかとのらりくらり話をかわそうとしてしまう。小野組も合本には乗り気じゃないのでこれには賛同して曖昧な態度にw。

その様子に業を煮やした栄一はついに強硬手段に出ることを決断。「遅れれば国の損失になる」と警告し、三井組と小野組の官金(政府のお金)取り扱いを取りやめにすると宣言。つまり、政府御用達からは外れてもらうと脅したわけです。官金はすぐに返納するようにと告げ立ち去ろうとする栄一。
これにはさすがの三野村さんも動揺。小野さんも今後の不安に襲われてオタオタ状態w。これで一気に形勢逆転。ついさっきまでドヤ顔していた三井も小野もこぞって栄一に前に土下座をして合本に協力することを約束せざるを得なくなりました。その様子を眺めていた喜作は栄一の力に圧倒された様子でしたね。

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その後喜作は新しく作る製糸場の手伝いのため富岡に派遣されることに。事務所では異人と共に設立準備に追われている惇忠の姿がありました。

惇忠さんもこのシーンからようやく断髪頭になりましたね。演じてる田辺誠一さんはこのために髪の毛を伸ばしていたのかも。

この時点ではだいぶ形が出来上がっている製糸場でしたが、最初の頃はメートル法やレンガの作り方なども理解が難しくかなり苦労したようですね。ちなみに、ここに使われている煉瓦は深谷の瓦職人さんが作ったものだそうです(ふっかちゃん情報)。

さらには指導者でもある外国人のブリュナを呼び寄せる時にも「神仏の祟りが起こる」と住民たちから大反対されたらしい(汗)。そんな苦境だらけの環境のなかでよくぞ計画を前に進められたものだと感心してしまいます。

でも、反対する住民の気持ちもかつての尊王攘夷に燃えていた自分たちと変わらないという想いをもっていた惇忠。だから説得できたのかもしれない。喜作は「あの兄ぃがフランス人と働いているとは」と苦笑い。そんな彼に「腹を割って向き合ってみれば、結局は人と人だった」と惇忠が笑う。そういう心境に到達できて本当に良かった…!

喜作はいまだに浦島太郎のような心境だと新しい時代に追いつけない様子でしたが、そんな彼に惇忠は「パリから戻った栄一も同じことを言っていた」と告げる。栄一の話が出たところで、喜作は商人たちに頭を下げさせていた時のことを回想し、自分よりもはるか上に出世してしまったと少し悔しそうにしている。「パリと獄とでは雲泥の差だ」と肩を落とす喜作に対し、惇忠もかつて同じことを感じたと溜息をもらす。しかし、今の彼はもうその場に立ちすくむようなことはしない。

「生き残った以上、俺たちも前に進まなければならない」

栄一に言われた言葉を惇忠は大切に噛みしめていたんだなと思ってちょっと嬉しかった。喜作にはまだその意味を理解するのは難しかったかもしれないけどね。

明治5年の夏、三井組が立派な西洋式の新しい建物を建築しました。

「三井のリハウス」ではなく、「三井組ハウス」です(笑)。でも三野村さんの言い方が「三井のリハウス」って聞こえてしまいちょっと混乱しちゃったよww。

さっそく多くのお偉いさんを集めての新築パーティを行う超ご機嫌の三野村。ちなみにここに招いていた「清水さん」とは、清水組二代目店主の清水喜助だと思われます。清水組は、将来の清水建設ですね。

そこへ井上馨が突然やってくる。招かざる客にビビる三野村でしたが、その不安は見事に的中。「ここが日本初の銀行になるんじゃな」という井上の言葉にビックリ仰天。全くその気はなく「駿河の両替店をここに移すつもりだ」と反論しますが、「両替店がこんな西洋造りである必要はあるまい」と一蹴されてしまい万事休す(苦笑)。

提案者の栄一の元へ駆けつけ怒り心頭で猛抗議する三野村。合同銀行は小野組と後々新たに普請するという話がまとまっていたらしく、まさか自分たちが建てたハウスがそれに使われることになろうとは寝耳に水な話だったのです。しかしそれに対し栄一も黙っていない。三井組には駿河に立派な両替商があるから、三井組ハウスはどうしようと差し支えないと井上から聞いていると反論。今から新規に普請していては時もお金も勿体ないからと強引に話を進めようとします。

三野村も今回は負けずに食い下がろうとしましたが、「三井一門が政府を敵のようにして断るとはいかなることか」と冷たく言い放った栄一の言葉に脅威を感じてしまう。そして考えに考えを重ねた結果(この時のイッセーさんの顔芸がすごかったww)、三井組ハウスを提供することにしぶしぶ了承するのでした。

そのことにホッとする栄一でしたが、去り際三野村から「渋沢さまもお上のお役人さんでございますなぁ」という嫌味を投げかけられ心がざわついてしまう。「所詮私たちとは経っている場所が違う」という三野村の言葉に「私は皆さんと力を合わせたいと…!」と思わず立ち上がって反論しようとする栄一。そんな彼に、今後の商人たちの将来について「これから先も地べたに頭をつけたままだ」と諦めたようなことを告げる三野村。

さらに「徳川の世と、何も変わりませんな」という最後の言葉が栄一の胸に鋭利な刃物のように突き刺さる。

かつて岡部藩の代官からぞんざいに扱われてきた過去の憤りが蘇ってくる…。そんな世の中を変えたいとここまで突っ走ってきたはずなのに、いつの間にか自分はあの時の代官と同じようなことをしてしまっているのではないか。気づかないうちに政府の役人としての”驕り”が芽生えていたのではないか。栄一は改めて自問自答することに…。 でも、こういうことに気づいたのは良かったと思いますよ。今の政治家や役人は自問自答すらしようとしない人が多いように感じますしね。

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ある日、血洗島の尾高家に惇忠が重い足取りで帰って来た。惇忠は娘のゆうに富岡の伝習工女になってくれないかと頼み込む。製糸場の建物は完成したものの、働き手の女性たちが全く集まらなくて困っているのだという。
「若い娘だけを集めるのはその生き血を取ることだ」という根も葉もないとんでもない噂話が飛び交っていることが原因の一つになっているらしい。惇忠は「むろん出まかせだ」とその噂を一蹴するのですが、どんなに心を尽くして説明してもその疑いを払拭することができず頭を悩ませていました。

そこで、実際にやる姿を見せることで何とか納得してもらおうと考えた惇忠。その白羽の矢を娘であるゆうに定めたというわけです。妻のきせは反対しますが、その気持ちはよく分かります。どんなに噂はデマだと説得しても当時はそれを確かめる術はなかなか見つからなかっただろうし…、万が一っていう不安も大きかったはずです。親としてそんな危険な場所へ娘をやるわけにはいかないと思ってしまうきせさんの想いも理解できる。

それでも惇忠はゆうの技術の高さを見込んでおり、「きっとみんなの手本となるような工女になれる」と頭を下げて頼み込む。そんな父を前に戸惑いを隠せないゆうでしたが、そんな彼女に惇忠の母やへは「行ってやったらどうだい」と促します。

「私らはずっと男たちを見ているだけだった。何も知らせてもらえないでただ黙って…。その惇忠が頭を下げて助けてくれと頼んでいるんだ。なんだか、嬉しいじゃないか」

このやへさんの言葉は息子の惇忠への強烈な皮肉のようにも聞こえますが、それだけ彼女はこれまで寿命が縮むような想いを何度もさせられていましたからね…。物騒な相談事をしていると勘付きながらも何もできずに怯え、祈ることしかできなかった。その結果、息子2人の命を失うという哀しい経験もしてきた。何もできなかった自分を、やへさんはどんなにか呪ったことだろう。

それだけに、今回惇忠が自ら困難に接している事情を話し助けを求めてきたことは嬉しかったと思います。やっと話してくれたと。息子に対する皮肉でもあり、安堵した気持ちもあり…あの言葉にはやへさんの色んな複雑な感情がこもっているように思いました。
きっと、惇忠もそんな母の想いに勘付いたんじゃないかな。あまりにも苦労かけすぎてしまったからね。ゆうはやへの言葉に打たれたからか、父と共に富岡へ行くことを決意しました。

そしてついに官営富岡製糸場が本格的に稼働します。

現在富岡製糸場は世界遺産に登録されていますね。現地ロケは叶わなずCG映像となったようですが、めちゃめちゃリアルに描かれていたと思います。

惇忠は初代工場長に就任。娘のゆうは第一号の伝習工女となり、その働きが功を奏し翌年には500人以上の工女が集まったらしい。働き手が一人も集まらないことに頭を悩ませていた惇忠としては、娘に頭が上がらなかったでしょうね。富岡製糸場が日本の女性進出の先駆けとなったというのは嬉しい出来事です。

ちなみに、官営時代の富岡製糸場での女性の扱いはとても良好で働く環境もかなり上々だったそう。しかし、経営が破綻し民間に託すようになったあと労働環境が一気に悪化してしまったようです(買い取ったのは三井)。ただ、「あゞ野麦峠」の舞台となったのは富岡製糸場ではありません。

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惇忠の富岡製糸場での働きっぷりを目の当たりにした喜作は、自分ももっと頑張らねばとやる気がみなぎっていました。さらに、イタリアに行って製糸の商いを学んできたいと目を輝かせている。およしさんをまた一人にしちゃうことになるけど、でも、喜作がやっと前向きな気持ちを取り戻せてよかったです。
しかし、その話を聞く栄一の表情はどこか冴えない感じ…。三野村に指摘されたことがずっと引っかかってるようですね。

その年の秋、千代は男子を出産。のちに泉澤くんが演じることになる篤二の誕生です。名前の「篤」の字はきっと、栄一のかつての名前から一字取ったんだろうね。それだけ息子に対する期待も大きかったのだと思います。
よしは「正直言うと私、男の子を生んだのがあの人じゃなくてお千代ちゃんでホッとした」と笑って見せる。おそらく多くの視聴者が思ったであろうことを代弁してるかのようだったなw。喜作とはまた一緒に暮らせないけど、よしはこれまでとは違って明るい表情をしている。戦に行ったわけじゃないから気持ち的に余裕があったんだろうね。

一方、留守政府はというと…大蔵省と各省の対立が激しくなり、全く意見がまとまらずに大混乱状態に陥っていました(汗)。江藤が「官の中に私腹を肥やしている奴がいる!」と糾弾してたのは、もしかして井上さんのことじゃ…(苦笑)。議長の三条さんは言い争いを何とか止めようと必死ですが、全く威厳がないので収まるどころか悪化するばかりw。
そんな体たらくな様子を眺めながら西郷は一人♪トコトンヤレ節♪を歌って憂えていました。

そしてある日の夜、西郷が不意に栄一の家を訪ねてくる。昔食べた豚鍋を懐かしみながら久しぶりに食事を一緒にできることを喜び合う二人。すると西郷はふと「左内殿や平岡殿と慶喜公を将軍にと働いていた時が一番良かった」とため息をつく。自分が動けばこの国はもっとよくなるはずだと信じていたあの頃が、西郷が一番生きていると実感できていたのかもしれません。
しかし、今の混乱する政府を目の当たりにして「この先なにも良いことがないのではないか」という無力感が襲っていると打ち明ける西郷。

彼の話を聞いた栄一は「私も偉くなりたかったわけではありません」と複雑な胸中を打ち明ける。政府に入ったのは、新しい日本を作りたいという純粋な気持ちがあったからでしたよね。でも、いつの間にか驕った気持ちが芽生えてしまっていた自分がいる。

「高いところから物言うだけの己が、どうも心地悪い…。おかしろくねぇ」

そう溜息をつく栄一を見た西郷は、困難な時代の中でも将軍となり徳川を立て直した慶喜に対して脅威を感じてしまったが故に潰すことに必死になったことを明かす。このあたりの西郷の解釈は『西郷どん』の時とちょっと違う感じで印象的でした。
降りしきる雨を眺めながら、西郷は栄一に「今のままでは慶喜公に申し訳が立たない」と告げる。そして、肩を落としている栄一に力強く言葉をかけました。

「おはんは、おいとは違う。まだ色々な道が開いている。おはんも、後悔せんようにな」

西郷さんの言葉は栄一に大きな勇気を与えたと思います。それと同時に、なんだか遺言のようにも聞こえて切なかった。もしかしたら、二人がゆっくり語らえるのはこれが最後になるのかもしれないという予感も…。西郷は自分には果たせないであろう先のことを栄一に託そうとしたのかもしれません。

西郷が帰った後、栄一の胸に慶喜から「この先は日本のために尽くせ」と背中を押してもらった日のことが浮かんできた。自分が日本のために尽くすには、今の場所にいてはダメだとこの時悟っただろうね。子供たちが寝静まった後、栄一は千代に自らの決意を伝えます。

「俺は、大蔵省を辞める」

”過ちて改めざる、これを過ちという”とは、孔子の言葉で「間違うことが悪いのではなく、間違ったことを反省しないのが悪いのだ」という意味。栄一はいつの間にか役人として驕った気持ちが芽生えてしまっていたことに気づき、そんな自分を振り返って嫌悪したのでしょう。それを気づかせたという意味では、三野村さんに感謝しないといけないですよね。

「何度も何度も違えてすまない」と千代に謝る栄一。それは何度も自分の方向性を変えたことに対してだと思うけど、おくにさんの一件のことも含まれていたのだろうか(苦笑)。

「やはり俺の道は官ではない。一人の民なんだ。今度こそ最後の…、最後の変身だ」

そんな夫の決意を、千代は快く受け止めるのでした。ついに栄一の完成形に近づいたというわけですね(仮面ライダーにはなりませんがw)。でも来週まではまだ「官」の立場にいることになるのかな。

そしてついに三菱の岩崎弥太郎さんも登場。『龍馬伝』の時の香川照之さんの怪演が未だに強烈な印象として残っていますが、中村芝翫さんもそうとう強烈なキャラになりそうで楽しみです(笑)。

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