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『西郷どん』第28回感想 勝と龍馬

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幕府軍と長州軍が激しい戦闘を繰り広げた禁門の変は幕府軍の勝利で幕を閉じましたが、この戦で多くの尊い命が失われてしまいました。

「西郷どん」にもちょこっと出ていた久坂玄瑞(『花燃ゆ』では東出昌大くんが熱演してました)も、この戦で命を落とした一人です。
また、ドラマでは川路に撃たれ倒れた来島又兵衛(長州力さんが熱演)ですが、史実的には狙撃された後に自刃したとされています。

戦闘が決した後は負傷した長州兵を薩摩藩邸で丁重に扱うなど人道的な処置を施した吉之助。犬猿の中であった中でこういった行動ができるということに彼の器の大きさを感じますね。

しかし、この戦で後に「どんどん焼け」と称されるほどの大規模な火災が発生。吉之助が一番に考えていたはずの「民」にも多くの犠牲が出てしまいました。
火事が治まった京の町に出た吉之助は、あまりの惨状に言葉を失う。その中で懸命に生きようとしていた犬と出会うわけですが・・・このワンちゃん、かな~~り亮平くんに懐いてましたな🐺。シビアな場面だったけどちょっと和んでしまったw。このワンコは後に吉之助が相棒とする「ツン🐕」へのきっかけみたいになっているんだろうか?

ただ、焼け野原になった京の町でふきが綺麗な衣装で佇んでいた場面はちょっと違和感あったかも…。こういう時はあまり女性はしゃしゃり出ない方がいい気がするんで(苦笑)。吉之助に「なぜこうなった?」と詰問するのもなんだかなぁ・・・と。
ここは無くてもいいシーンだったなと思ったのが正直なところ。

大河ドラマ『西郷どん』感想一覧

第28回 勝と龍馬

2018年7月29日放送 NHK総合

鈴木亮平・町田啓太・松田翔太・堀井新太・大野拓朗・ 泉澤祐希・小栗旬・遠藤憲一 ほか

あらすじ

禁門の変で長州を破った幕府は勢いに乗る。さらに「長州を征伐せよ」という勅命が下り、慶喜(松田翔太)は戦の準備を進める。そんなとき、吉之助(鈴木亮平)は、勝安房守(遠藤憲一)に会いに行く。そこには、弟子の坂本龍馬(小栗旬)もいた。勝は吉之助に「長州と戦をしている場合ではない。幕府なんかは見限ってよい」と驚くべきことを語る。慶喜から幕府軍参謀を命じられた吉之助は、大きな決断を迫られる。

公式HPより引用

長州が京の町から撤退して程なく、「長州を征伐すべし」との勅命が下ります。禁門の変の勝利で勢いづいた慶喜は「これに逆らうことは許されない」と各藩に圧力をかける。まぁ、天皇の居る場所に砲弾まで撃ち込まれたわけですから、長州をこのまま放っておいたらヤバイって思うのは分かる気がします。

この話はすぐに帯刀から吉之助へと伝わります。二人ともこれ以上の戦は無益の殺生であると考えてるわけですが、勅命に逆らうこともできず苦悩します。
ここですぐ行動に出ようと動くのが吉之助。足の怪我がまだ癒えないにもかかわらず、半ば強引に慶喜の元へ直談判へと赴くことに。必死に止めようとしたお虎さんでしたが、結局は行かせてしまって…ねぇw。恋してるが故だから仕方ないかw😁。

慶喜邸には先客があるようで、部屋の中からは慶喜の激しい言葉が聞こえてくる。それにもひるまずに余裕の対応を見せていたのは・・・勝安房守(のちの海舟)。全く意見に耳を貸す気配のないヒー様に愛想をつかしたようでシレっとその場を立ち去るところでした。このあたりの貫禄はやっぱりエンケンさん、すごいですよね😃。
客間から苦い顔をして出てきた勝と鉢合わせになった吉之助。「この得体のしれぬオーラを持ってるオッサン、何者!?」的な気持ちだったのではww。と、その時に突然・・・

「西郷どん!??」

と勝から声をかけられる。タイトルになってるにも拘らずみんな「吉之助」呼びばかりだったので、一瞬誰のことだか分らなかった(笑)。久しぶりに聞く「西郷どん」の呼び名は何だかとても新鮮です。


それにしても、「またな、西郷どん」と言って去っていくときの笑顔になぜか既視感が(笑)。なんか「さすが兼続」ってニカって笑った時の御屋形様が思わず過ってしまったよ(by「真田丸」ww)

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慶喜と対面した吉之助は、長州にイギリス、フランス、オランダ、アメリカの四カ国連合艦隊が襲いかかった事件のことを聞かされます。これは、世にいう馬関戦争のことですね。

この前年に攘夷として外国船を砲撃した長州は手痛い報復に遭い敗北(この時期に高杉晋作を中心とした奇兵隊が誕生)。さらにその翌年に4か国からの攻撃を受けて大打撃を受けてしまいます。
この戦争で外国の脅威を目の当たりにした長州藩は「攘夷」の考えを改め「開国」へと舵を切ったとされていますね。

馬関戦争で痛手を受けた長州を叩くのは今しかない!と鼻息の荒い慶喜。
そこへふきさんが「これ以上戦をするのは止めてください!」と乱入してくるわけですが…ここもちょっと余計だった気がしますね。女子がしゃしゃり出てくる場面ではないと思うんで。っていうか、緊迫したドラマのストーリーの邪魔になってる気がして(苦笑)。吉之助がキッパリと「女子の出る幕ではない」と言い切ってくれたのはホッとしたけど、流れ的にもふきさんにはこの場は出てきてほしくなかった気がします☹。

ふきが引っ込んだ後、吉之助は「自分に何か役目を与えてほしい」と慶喜に懇願。あれ?ヒー様を止める気だったはずなのに、ここは従ってしまう方に出るんだ・・・とちょっと意外w。
それに対して慶喜は、戦を渋って海軍を出そうとしない勝を説得してくるようにと申し付ける。「仰せの通りに」とやけに素直に従う吉之助はなんだかちょっと不気味…。ヒー様も「こいつ何か企んでるのでは?」と疑いの視線向けてましたし…何かありそうな気がしてならないですな。

さっそく勝に面会すべく居場所を訪れた吉之助でしたが、なかなか取り次いでもらえない。

その時代わりにやけに軽快な音楽と共に登場してきたwwのが…


小栗旬くんの演じる坂本龍馬でした!!本格的に登場したわけですが、なかなか良い感じじゃないですか!実際の坂本龍馬もこんなだったのかも!と思わせるような雰囲気でかなりの好印象です😃。

噂には聞いていたものの西郷と対面するのは初めての龍馬は、その人物像を確かめるかのように「お前は本物か?」とか「慶喜の犬らしいな」とか辛辣な言葉を次々にぶつけてくる。
それに対して新八は怒り心頭の様子でしたがw、吉之助は全く動じることなく…むしろ笑顔でそれに対応。


「一橋様からは、犬ではなく牛男と呼ばれております!」

この返答にはさすがの龍馬も拍子抜けしたんでは(笑)。一瞬二人目を合わせて笑い合う和やかな空気になりましたがw、すぐに真顔になった龍馬は今度は拳銃をチラつかせて威嚇w。史実によるとこの時期まだ龍馬は銃を手にしていないらしいのですが、まぁ、後々有効活用していくわけですから目くじら立てるほどではないかなと。

少し緊迫したやり取りになった龍馬と吉之助でしたが、その空気を変えたのが帰宅したばかりの勝先生でした。豪快に笑いながら「西郷どんじゃねぇか!!」と大歓迎な様子に龍馬も海軍操練所の面々もビックリww。
めちゃめちゃフランクな勝先生の様子を見たら、もう龍馬も「会うな」とは言えないよね😁。「では上がらせてもらいます」と余裕の笑顔を向けた吉之助に思わず吹いたww。

小栗くんは亮平くんとは旧知の仲とのことで(亮平くんの出る大河にならと出演を快諾したそうですね)、二人の芝居もそんな雰囲気が滲み出ていて非常にテンポある面白い場面になっていたと思います。今後も楽しみ!

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吉之助は慶喜の書状を差出しますが、勝は全くそれに応じる気配はありません。

「長州と戦をするより、他に心配することがあるだろう」

町では生活苦から米蔵に打ち壊しをかける事件が勃発しているという。戦の大義なんかよりももっと身近なところに目を向けた政治に転換すべきだと勝は説く。これ、なんか、今現代の日本の政治にも言えるようなことだよなぁ…と思ってしまった。色々とね…(苦笑)。

そんな勝に吉之助は「今慶喜に逆らったらどうなると思うか?」と尋ねると、あっけらかんと大したことではないというような回答が戻ってくる。逆らった影響で海軍も潰されるだろうけど、それすらもどうでもいいといったような雰囲気に吉之助は戸惑い、「異国から守るための海軍が無くなったら困るのは民だ」と反論。
そんなまっすぐな吉之助の意見を聞いた勝は「さすがは斉彬に見込まれた男」と称賛します。勝も斉彬に会って異国の話などをした経験があるようでかなりリスペクトしているようです。

斉彬の話を聞いた吉之助は、「もしも斉彬が生きていたら、今の慶喜についてどう意見するだろう」と思わず口にします。かつてはこの国のために慶喜が必要だと熱弁を振るってましたが、その時とは事情が変わってきてしまったことを吉之助は憂えている様子…。
そんな吉之助の心の迷いを勝は敏感に察知します。そして慶喜からの書状を火鉢に置いた後衝撃の一言を発する。


「もう幕府なんざ、見限るこった…!!」(大事なことなのでリフレインありw)

幕府を見限るということは全くなかった発想だっただけに、吉之助は言葉を失ってしまいます。なんやかんやでも絶対的な存在の幕府をバッサリと切り捨てたのが幕臣である勝だというのも当時は相当大きな衝撃だったのではないでしょうか。
この勝の発言が吉之助の迷いに大きな楔を打ち込んだことは間違いないですね。

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書状を燃やされたと聞かされたヒー様は当然のことながら大激怒!せめて中身だけでも見てくれてもねぇ(って、そういう問題じゃないかw)。勝に対する怒りを顕にする慶喜でしたが、「軍艦を持ってる勝が万一江戸城に咆哮を向けたら大変なことになるから落ち着け」となだめる。吉之助は話題を長州征伐に向けたことで、慶喜はそちらの方に意識を向け勝のことは曖昧なままに。このあたりのコントロールはさすがだなとw。
この流れで、吉之助は長州征伐の総指揮(大参謀)を任されることになりました。何も逆らわずに素直に命に従う吉之助はやはり不気味…。「お前は長州征伐に反対すると思ってたが」と疑いの目を向けてくる慶喜に対しても平然と「たった今、勝ち目が見えたので任せてほしい」と不敵な笑みを向ける。この時の吉之助は何だかゾクっとするようなものを感じさせましたね😱。

で、結局誰も引き受けたがらなかった長州征伐の総大将には徳川慶勝が選出されることに。
ところが慶勝さん…本当にお飾り将軍的な雰囲気で😅、軍議にも消極的すぎて話が全くまとまらない状況に(苦笑)。もともと戦には反対派だったようなので、とにかく早く穏便に終わらせたいというのが本音でしょうな。

そんな状況の中、吉之助はある策を思いつき半次郎と良利を密かに長州へ送り込む。
廣島に幕府軍が入ったところで吉之助は二人の報告を受ける。・・・って・・・え?半次郎たちの奮闘はスルーですか😅。なんか急に成果報告の場に入ってしまったのでちょっとビックリしてしまった。まぁ、時間の関係上仕方がない事なのかもしれないけどね(苦笑)。
ちなみに、実際に二人揃って長州に潜入していたかどうかはたしかな資料がないとのこと。半次郎に至っては潜入に失敗したって記録もあるらしい。まぁ、ドラマ的には二人は活躍させたいってことでこういう描写になったのでは。

半次郎と良利は、長州の中にも「降伏やむなし」と考えている者が数多くいると吉之助に報告。
ちなみに、長州の中で降伏反対派が頼っていたのが大河ドラマ『花燃ゆ』で石丸幹二さんが演じていた周布政之助です。結局は政争によって幕府恭順派に敗れたことで責任を取って自刃してしまいました。

報告を聞いた吉之助は慶勝の元へ赴き、一人で長州に乗りこんで説得したいと申し出ます。大将が一人で乗り込んで来たら相手も斬り捨てる気にはならなくなるだろう踏んでいたようですね。それはそうかもしれない。
「戦わずして勝利する」という吉之助の言葉に大いに共感した慶勝はそれを了承します。


ちなみに、慶勝さんが大事そうに持っていたのは…カメラですね!慶勝はカメラが趣味で実際に長州征伐の時にも持参していたそうです。

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長州の入り口である岩国に一人で乗りこんだ吉之助は吉川監物と対面します。当時吉川は幕府と長州の仲介役を果たしていたようです。


吉川を演じてるのは猪野学さんではないですか!!渋カッコいいっ😆!!

吉之助が持参した書状には、禁門の変を引き起こした三人の家老の切腹、長州藩士の謹慎などで幕府への恭順を示せば軍を撤退すると書かれてありました。

ちなみに、その書状には三家老の切腹・四参謀の処分・毛利家藩主親子の隠居・長州が匿う五卿の九州送還・城の破壊が条件として書かれてあったのだとか。

五卿が送還されたのが太宰府の延寿王院です。


今年九州旅行に行ったときに訪れました。

家臣たちの中には薩摩軍に仲間を殺され恨みを持つ者も多く、最初は吉之助に対して激しい罵声を飛ばし叩き斬る勢いでしたが、それを鎮めたのが吉川でした。いやぁ~素晴らしい人格者ですよねぇ。
そんな吉川の姿勢に心を打たれた吉之助は、禁門の変の折に手当てを施した長州兵を返還したいと申し出ます。その心意気に感動した吉川は条件を受け入れる決断をします。

これ、実際には紀行にもあったように、条件を飲んだら返還に応じるっていうのが事実だったようですね。まぁ、そりゃそうだろう。あくまでも言うこと聞いてくれた見返りとしてってことでね。
ここはちょっと吉之助をヨイショしすぎかな…とは思いました😅。ちなみにこの場に小松さんがいたのはフィクションってことのようです。まぁ、岩国に乗りこんだのは単身でってことだったのでそれが真実でしょう。町田くん、カッコよかったから良いけどね😁。

事の顛末の報告を受けた慶勝は大いに喜び、西郷をねぎらいます。
戦わずして収めたことで、慶勝は後に慶喜と袂を分かつ決断をするようです(ドラマでは出てきそうにないけど)

この一連の事件が第一次長州征伐

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戦を起さずに長州征伐を乗り切ったことに怒り心頭なのが慶喜です。彼はあくまでも戦で完膚なきまでに長州を潰すことを目的としていたので、和睦に近い形で事を収めてしまった吉之助に対しては裏切られたという想いで満ち溢れている。それに対して「命令通りに長州を征伐しただけのこと」と吉之助も今度は一歩も引かない。
慶喜の想う征伐と吉之助の想う征伐はこの先一切交わることはなさそうです。おそらく吉之助は後々そういう結末が待っているということを最初から予感していたのかもしれないですね。むしろ、慶喜から関係を断ち切られることを望んでの行動だったようにも思える…。

「生きたいと思う者のために政治はあるべき」と主張する吉之助と、「日本を守っていくのは幕府であるべき」と主張する慶喜。民の目線に立つ吉之助に対し、慶喜は組織を重んじる考えに固執したわけですね…。いくら論議を重ねても、二人の意見が近づくことはもうあり得ないところまで来てしまった😣。

「たとえ日本国中が火の海になろうと、徳川のお家だけが残ればいいと思っている!違いますか!?」

おそらく慶喜は図星を突かれたと思ったのではないだろうか…。それ故に、吉之助に向かって「腹を斬れ!!」と迫ってしまった。売り言葉に買い言葉みたいなふうに受け取れてしまったんだよなぁ…。本気で腹を斬れとは思っていなかったのではないだろうか。

しかし吉之助は懐刀を持ちだしてジリジリと慶喜に詰め寄っていく。吉之助が手にしていたのは、かつて品川宿で襲われた慶喜を守るために初めて人を殺めた時のものだったというのが衝撃的だった…!!ここであの時の懐刀が出てくるとは😵。


「こいでもう、昔の縁は断ち切りもした!!我らもう…ここまででございもす…!」

慶喜を守るために人を殺めた刀を、今度は慶喜に向けて突き出すことで関係を断ち切る決断を下した吉之助にはゾクっとさせられました…。その刀は守るものではなく、突きつけるものへと変わってしまったわけですね。

しかし、吉之助の表情には断腸の想いが色濃く浮かんでいます。かつては志を同じくして共に時代を歩こうと決めた人だったものね…ヒー様は。そう簡単に決別できる相手ではないはず。でも、後の日本を想ったら・・・もう慶喜には着いていくことはできない。
そして慶喜も、吉之助から関係を絶たれたことで激しい感情を顕にする。なんだかんだ言いながらも、慶喜は吉之助のことが好きだったし一緒に日本を守っていこうと思っていたはずなんですよね。だけど、彼は同じベクトルを向いてはくれなかった。そのことが悔しかったし、悲しかったとも思います…。

二人の別れのシーンはとても切なかったです😢。

ナレーションの西田さんから「きばったのぅ・・・」と言葉をかけてもらった吉之助。次回は3回目の嫁取りエピソードになるようです。きばれーーw。

🌿今週の亮平くんの撮影秘話ブログ

亮平くんらしい誠実な言葉が綴られています。

🎀「西郷どん」ブルーレイ第三弾(24~35話まで)

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