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NHK朝ドラ『おかえりモネ』第104話ネタバレ感想 母親と教師の狭間で

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民放ドラマの撮影に忙しくしていたであろうw菅波先生が約1週間ぶりに帰ってきました!まさに「おかえり」な心境です(笑)。

これまでの『おかえりモネ』感想レポ

おかえりモネ
おかえりモネ
2021年度前期NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』の感想レビュー

百音は永浦家が抱えている問題について菅波先生に状況を説明しました。家業のことは長い間外に出ていたこともあり口出しする立場にないと語る百音に対し、「離れていた人間にとやかく言われたくないですからね」と、相変わらずグサッとくるワードをさらりと入れて反応する菅波ww。でもそれに対して百音も「先生言葉がきついです」とストレートに返しててw。こういう風に素直に想いを告げられる関係になってるのがいいなって思っちゃいました。

そのうえで百音は「一度離れて、戻ったから感じていることもあって…」と続ける。逃げずに地元で踏ん張っている人たちだからこそ、想いを吐き出せずにモヤモヤしてしまっていることも多いのではないかと感じている。その時感じた痛みは何年たっても消えるものではないことも百音は知っている。
未知が混乱している時に「私にすべて言って」と促した百音でしたが、その想いの丈を聞いたところで彼女の解決に繋がったわけではない。肩をさすってやるだけで精いっぱいだったし、未知もやっぱり「お姉ちゃんに私の気持ちなんか分かるはずない」という気持ちのほうが強かったと思います。

それでも、痛みを抱えたまま平気な顔をしていることは辛いはず。百音もずっとそうだった。自分と同じような苦しみを皆にはしてほしくないと思っているところは強いんじゃないかな。

そんな百音の気持ちを受け止めたうえで、菅波は自分の考えを伝えます。

「まずは、ここが痛いって言わせてあげるだけでいいんじゃないですか?痛みを口に出させてやることは、本人の心を軽くします」

菅波先生も宮田さんに対する罪悪感を百音に語ったことで心が少し救われたところもあったよね。たとえどうにもできなかったとしても、心に抱えた痛みを誰かに聞いてもらえるだけで重荷が軽くなることもあるし、もしかしたら解決の糸口が見つかることもあるかもしれない。

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その言葉を聞いて、百音の心の中にあった暗雲が晴れていく感覚があったように見えました。菅波先生の言葉はいつも百音を救ってくれますね。

「先生の言葉は時々きついけど、私には、ないと困る」

あーーー、これって、最高の信頼の言葉だよね(感涙)。百音にとって、菅波先生はやっぱり大切な失くしちゃダメな人なんだよ。よかった、そういう気持ちがまだ彼女の中に持続してて。一時はちょっと「大丈夫か!?」って思ったものでなおさらw。

「ないと困る」と告げた百音に対し、「これも重荷になる言葉かもしれないけど…」と前置きした菅波先生が掛けた言葉は…

「頑張れ」

あーーー、なんと優しく温かい響き!!その言葉には百音へのエールと愛情がたっぷり詰まってて思わずグッときてしまったよ。「重荷になるかもしれないけど」って前置きしてくるところが菅波先生らしいんだけどw、その優しさが本当に好き。それに彼が言う「頑張れ」はちっとも重く聞こえてこないんだよなぁ。百音だけに向けられた特別な響きのように聞こえてきてとても感動的でした。

これでこそ、”俺たちの菅波”先生だよ~!結末に向けての展開がさらに楽しみになりました。

ちなみに電話してた時間って、百音が放送する直前くらいですよね?朝6時半とかそのくらい?ってことは、菅波先生は夜勤明けか?でもその時間のほうが比較的落ち着いて喋れるのか。まぁ、二人にとって喋れる時間は貴重だし疲れるどころかパワー充填って感じだと思いますけどねw。

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菅波先生の言葉に勇気と元気をもらった百音は朝のラジオ放送に臨んでいました。早朝に見てきたという気仙沼の「けあらし」の光景について語っていましたが、そのシーンで流れた映像は実に見事でしたね。一度生で見てみたくなりました。

さらに「気象病」についての豆知識を語るなかで「心に溜めて言えないことを、少しだけでも外に出してみてください」と促しました。菅波先生と話したことでこの言葉を言う勇気が出たんだろうね。「声を聞かせてください」というラジオから聞こえてくる百音の優しい声色は、永浦家の家族の耳にも届いていたようでした。

放送が終わった後ブースを出てみると、以前ふらりとやって来ていた中学生のあかりが立っていました。彼女は、百音に話があるのではなく「永浦先生」…つまり、亜哉子に会いたがっていた。その気持ちを汲み取った百音はあかりを自宅に連れて行く。

あかりの姿を見た亜哉子は、久しぶりの再会に大喜びで迎え入れます。あかりは小学3年に上がる頃に母親の実家のある北海道に移住が決まり転校していった生徒でした。今回6年ぶりに気仙沼へ戻ってくることになったようです。亜哉子ともそれ以来の再会。

ただ、学校がまだやっている時間帯にあかりがやって来たことに少し違和感を感じた亜哉子は「サボってきちゃった?」といたずらっ子のように促すと、「時々」と苦笑いしながらの答えが返ってきた。「もう先生じゃないからいいわ」と笑う亜哉子でしたが、この時、あかりが心の中に何かを抱えているのではと感づいた様子でしたね。

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北海道では友達もたくさんできたのでは?と話しかけると、あかりは複雑な表情で黙り込んでしまった。そして、ポツリポツリと自分の心の中にある気持ちを打ち明け始めました…。

「本当は…、戻ってきたくなかった。でも、お父さんもお母さんも、こっちに戻れてすごく喜んでるから…」

気仙沼も決して嫌いではないというあかり。戻ってきてから友達もできた。でも、北海道での楽しかった思い出が忘れられず、割り切れない思いを抱えていたのです。子供にとっての6年間ってけっこう濃密で大切な時間だと思う。多感な時期ということもあって、新しい生活に馴染みづらくどこか違和感みたいなものも多いんだろうね。
お父さんとお母さんが戻ってこれたことに喜んでいる姿を目の当たりにして、そんな自分の心のモヤモヤを伝えられなかったあかり。気を遣っちゃったんだなぁ…。

そんな想いを、この日初めて亜哉子に打ち明けることができたわけです。あかりにとって亜哉子は短い間だったけど信頼できるいい先生だったんだなということが伝わってきました。

「言えてよかった。言ってもらってよかった。来てくれてありがとう」

そう言いながら亜哉子は優しくあかりの肩をさすってやりました。溜めていた想いを外に出せたことで安堵感から涙ぐんでしまうあかり。そんな彼女に優しく寄り添う亜哉子。学校の先生時代の彼女の顔を見たような気がした。あんな先生、いてほしいよね、ホント。
それにしても、あかり役の伊東蒼ちゃんは、実に自然な良いお芝居をしますよね!中学生の多感で繊細な感情を見事に表現していたと思います。

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夕飯の支度をしながら小学校1年だった頃のあかりの話を嬉しそうに語っていた亜哉子。ところがその途中で突然体に異変が生じ苦しそうに立ち尽くしてしまった。心配する百音に背中を向けたまま、亜哉子は「あの日」の体験を語り始める…。

震災が起こった日、学校にいた亜哉子は子供たちを守るため必死に頑張っていた。しかし、時間が経ち夜になった時、その「一瞬」、子供たちから意識が離れてしまった。

島を離れている百音は無事なのか、家にいるはずの未知はちゃんと避難できたのか…。

いまから思えば、それは「一瞬」ではなかったと話す亜哉子…。あの時は瞬間的に思えたけど、実際は10分くらいの時間だったのかもしれない。先生として守るべき子供たちの存在を目の前にしながら、”母親”として二人の娘の心配で頭がいっぱいになってしまったのです。

耕治と一緒にいるから百音は大丈夫、未知もちゃんとおばあちゃんを連れて避難所へ行っているはず、そう思おうとしても、あとからあとから「だけど」「もしも」という悪い予想が次々に頭の中に浮かんできてどうにもならなかった亜哉子さん…。

あの日、あの時、亜哉子さんは「先生」ではなく「母親」の顔に戻ってしまったのです。それは人間として、母親として、当然の感情だったと思う。だけど、人一倍責任感が強く「先生」という仕事に誇りを持っていた亜哉子さんとしては、ほんのひと時でも生徒たちのことより娘たちのことを優先して考えてしまったことが許せずずっと心の傷となって残っていた…。これは辛すぎるわ…(涙)。

さらに、娘のことと生徒のことで頭の中が混乱の極みに達してしまったという亜哉子。当時のことを思い出すと激しい罪悪感に襲われ涙を止めることができない。さらに彼女を苦しめていたのは、その後のこと。

「気が付いたら私、学校から出ようとしてた…。あなた達よりもっと小さいあかりちゃんたちを、置いていこうとしてた」

亜哉子さん、こんなに重い苦しい体験をずっと心の中にしまい込んでいたなんて…(涙)。あの明るく優しい笑顔の裏で、ずっと「教師」でなく「母親」を優先させようとした自分を責め続けていたのかと思うと、見ているこちらも苦しくて苦しくて涙が止まらなかった…。ずっと教師を辞めた理由を語りたがらなかったワケがようやく納得できました。これは…言えないよなぁ…。思い出すだけで体が硬直して息苦しくなってしまうような出来事だったから。

おそらく、亜哉子さんと同じような体験をされた方も多かったと思います。もしかしたら今日の放送はあまりに感情がリアルすぎてまともに見れなかった方もいるかもしれない…。あの日の出来事は色んな人に色んな形の大きな傷跡を残していったのだろうなと、改めて感じてしまいました。

百音はただ立ち尽くして聞くことしかできなかった。今まで知らなかった母の心の傷に触れた衝撃も大きかったと思う。誰か、少しでもいいから、亜哉子さんの心を救うきっかけを作ってほしいです…。

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