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NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第107回感想 みんな、間違うんです

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これまでの『カムカムエヴリバディ』感想レポ

カムカムエヴリバディ
カムカムエヴリバディ
2021年度後期NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の感想レビュー

『サムライ・ベースボール』の撮影も無事に終了し、翌年の公開日も決まったようです。主演のマット・ロリンズさんは映画のPRのために色々な取材を受けているようで、テレビでの露出も増えてきました。インタビュアーはLiLicoさんかしらw。
これって、日本側のメインキャストも取材受けたりしてますよね?モモケンさんは心配ないとしても、虚無さんがちゃんとインタビューとか写真撮影こなせているのかちょっと気になってしまいます(笑)。

その頃るいは、桃太郎から雪衣が倒れたという連絡を受け慌てて岡山の病院に駆けつけていました。ベッドに横たわる雪衣さんは「大したことないんよ」と気丈に振舞っていましたが、体調はかなり悪そうです…。
ちなみにるいはこの時お見舞いの花籠を持参していましたが、現在は感染症防止の観点から生花の持ち込みは禁止という病院が増えているらしい。時代はどんどん変わっているんだなと思った。

雪衣はるいに安子のことで何か分かったことはないかと尋ねますが、それに対してるいは少し戸惑い気味に「まだ…」と成果がないことを告げました。雪衣さんと安子について話をすることに対してどこかまだ抵抗があったように見えたな…。

すると雪衣は突然「ごめんなさい…。ごめんよぉ、るいちゃん。ごめんなさい、安子さん」と謝罪の言葉を口にする。この時彼女は自分の死期を悟っていたのかもしれない。その前に、どうしても心に溜め込んできた”罪悪感”を告白しようと決めたんだろうね…。

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同じころ、ひなたは映画のプロモーションのために来日していたアニーと再会。アニーにはどうしてもひなたに聞きたいことがあった。それは、「回転焼き」のあんこがなぜあんなに美味しいのかということ。その問いに対してひなたは「おまじないをかけているからです」と嬉しそうに答える。
その”おまじない”が「母から教えてもらったもの」と聞いたアニーは俄かに顔色を変えてしまう。そして、おそるおそる「どんなおまじないなの?」と尋ねました。

ひなたは翻訳するのは難しいけれどと前置きをしながらも、”美味しいあんこのおまじない”を英語でゆっくりと唱えてみる。その合間に、安子がるいと一緒に社務所でロバートから”おまじない”の英訳を楽しそうに聞いた日の回想が挟まってきました。これって、アニーさんの脳裏に過った光景だったのだろうか?もしそうだとすると、やっぱり…。

アニーはまだひなたの英訳が終わらないうちに、打ち合わせの時間があるからと逃げるようにその場から駆け去ってしまいました。靴も履かずに裸足で飛び出すほど慌てるなんて…、それって、あの”おまじない”に聞き覚えがあったからと解釈できてしまうんですよね。じゃなければ普通聞いている途中であんな立ち去り方はしないはず。
この場面を見た時、9割以上の確率でアニーさんは安子なのではないかと思いました。安子だと当てはめてみると、回転焼きのあんこだけを先に摘まんで食べたり、おまじないを聞いて顔色を変えて逃げ去ったりしたことが全部腑に落ちるんですよね。

安子はるいに対して「娘を捨ててしまった」という罪悪感をずっと持ち続けていると思うんです。だから、ひなたの名前を知った時にその母親がるいではないかと悟り大きく動揺したんじゃないかな。娘には合わす顔がないと責めているだろうから、何としても正体を知られたくないと思ってるような気がする。もしかしたらアニーさんは今後、ひなたとは距離を置くようになってしまうかもしれない。
これで彼女が安子でなく別人だったとしたらビックリしますよ(汗)。でもその可能性もまだ1割弱捨てきれない気もして…これは最終週まで持ち越しだなぁ。

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岡山では、病室で雪衣が初めて雉真家に入った頃のことからを語り始めていました。

雪衣がやって来た時、雉真家には安子もるいもいなかった。彼女は”夫が戦死したあと未亡人になった安子は、子供を連れてさっさと再婚した”と誤解してしまっていたのです。それゆえ、精神的に不安定になった美都里が孫会いたさに泣く姿を見て「安子さんという人は酷い人だ」と 思ってしまったのだと…。雪衣はそんな姿を見つめながら、薄情な嫁のことやその嫁が産んだ子供のことなど忘れてしまえばいいのにとずっと感じながら雉真家で働いていたのでした。

家族の縁が薄い事情を抱えていた雪衣は、雉真家で働くうちにそこが自分の居場所だと思うようになり喜びを感じるようになっていた。でも、そんな矢先に突然安子が娘を連れて雉真家に帰ってきた…。だから安子と初対面した時に何とも言えない複雑な表情を浮かべてしまったのか。雉真の家を捨てて出ていったと思っていたのに、今更戻ってくるなんてどういう了見だと感じてしまったんですね。最初の思い込みが安子を悪い印象としてとらえる要因になってしまったとは…。

そんな安子が、想いを寄せていた勇となぜかとても親しそうに接している。勇もまた安子に想いを寄せていたことに気づいてしまったが故に、なおさら彼女に対する嫉妬の感情が増幅してしまった雪衣…。
さらに彼女を混乱させたのは、安子がるいを置き去りにしてまでおはぎを売ることに必死になっていたことだった。だけど、安子は本当はるいと一緒におはぎを売りたかったのに、千吉から子供を連れて商売することは「雉真のメンツにかかわる」と言われ仕方なく一人で行くことにしたんでしたよね。千吉さんはあくまでもるいは「雉真の子だ」ということにこだわり続けていました。その時の安子の張り裂けそうな苦しい想いを、雪衣さんもるいも知る由がなかったのです…。

玄関先で「連れていって」とせがむるいを振り切るように一人でおはぎを売りに行く安子を目の当たりにした雪衣。幼かったるいは母の事情を理解できず、雪衣に「なんでお母さんはここへ連れてきたの?」と寂しそうな表情を浮かべていた。その姿を見た時、彼女の心の中に”どす黒い気持ち”が沸き起こってきてしまったのだという。そしてあの言葉を言ってしまった…。

「安子さんは、諦めたんだと思います。女手一つでるいちゃんを育てることを諦めて、雉真の家にお返ししようと決めたんだと思います」

まだ幼く寂しい想いをしているるいに追い打ちをかけるような言葉を告げてしまったことを、雪衣はずっと悔やんでいたのです(涙)。あんなことを言わなければ、もしかしたら安子とるいは離れ離れになることもなかったのではないかという罪悪感が彼女の中から消えることはなかった。
その想いは今もずっと抱えていて、だからるいと久しぶりに再会した時にちょっと顔を合わせづらそうな表情を浮かべてたんだなと思いました。おそらく安子が出て行ってしまった後も、るいとは腫れ物に触るような気持ちで接していたのかもしれない。そう思うととても心が痛みます(涙)。こんな気持ちを抱えて生きてきたなんて…ずっとずっと、苦しかっただろうね…。

るいはこの言葉を聞いて否定の言葉を告げることができなかった。雪衣から「安子はるいを育てることを諦めて雉真の家に返すことを決めたのだ」という言葉を聞いた時、幼すぎてハッキリした意味は理解できなかったにしてもずっと心の中で棘のように刺さり違和感を抱えてきたのかもしれない。
成長して母との絆を深めていたように見えたあの時も、自覚はなかったかもしれないけれど「捨てられてしまうのでは」という漠然とした不安のようなものが育っていたのではないだろうか…。だからロバートとの一件を目撃した時に一気に憎しみの感情が溢れてきてしまったのかもしれないなと。

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雪衣は、生きている間に安子に謝りたかったけれどそれも叶わないだろうと呟く。そのうえで、想い人の勇と添い遂げることはできたけれど、心の中では常に安子への罪悪感がのしかかっていて気持ちが晴れることはなかったと苦しそうに告げました。「当然の報いじゃ」と自分を責め続けている雪衣さんに心が痛みます(涙)。

「お義父様がるいちゃんをかわいがる度に思っていた。この家の嫁は、私ではない。安子さん、ただ一人だと」

あぁ…、辛い、辛すぎるよ、雪衣さん…。初めて雉真の家にやって来た時は自分の居場所を見つけることができたと喜んでいたのに、実はそうじゃなかったんだってずっと肩身の狭い想いをしてきたんだね(涙)。千吉さんはるいのことを溺愛してたから、それもあってどんどん自分が惨めになっていってしまったんだろうな。千吉の葬儀の日に「朝ドラがあるから」とやけにドライな対応をしていた理由も納得です。
勇はそんな雪衣の気持ちに気づいてはいたのだろうけれども、そこにあまり目を向けないようにしてきたというのはあるのかもしれない。千吉が居なくなった後は時間が解決すると思うところもあったのでは…。それだけに、今もずっと彼女が過去に捉われて苦しんでいると知ったことはショックだったんじゃないかな…。

雪衣が今も母との関係のことで苦しみ続けていることを知ったるいは、そっと彼女の手を取り優しく語り掛けました。

「雪衣さん。もう、自分を責めないでください。みんな…、 間違うんです。みんな…」

この言葉を聞いた時、雪衣は涙をこらえることができずむせび泣いてしまいました。これまで抱えてきた心の重荷をあの瞬間やっと下ろせることができたんだと感じて、私も思わず涙がこぼれてしまった(泣)。
るいから「みんな、間違うんです」と言われたことで、初めて自分が赦されたという気持ちになったのかもしれませんね(涙)。心の内をすべて打ち明けたことで、雪衣はようやくるいと本当の意味で向かい合えたんだと思えた。

そして、「みんな」という言葉の中にはおそらく、るい自身も含まれていたのではないでしょうか。雪衣の告白を聞いて自らの過去を見つめ直す気持ちが湧いてきたのかもしれない。

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その日の夜、るいがお見舞いで持ってきた花籠を見つめていた雪衣に勇が静かに語り掛けました。

「雪衣。ありがとうよ…。わしの嫁さんになってくれて」

勇からの心からの愛と感謝の言葉に、号泣させられてしまった(涙)。勇は彼女が妊娠したと知ったことがきっかけで結婚したような感じでしたから、最初はまだ安子への未練が残ったままなところはあったのかもしれない。それでも一緒に結婚生活を送るなかで、雪衣への想いを大切に育ててきたと思います。
だけど、面と向かっての愛の告白はこれまでしてこなかったのではないかな。るいに自らの本当の心の内を曝け出した雪衣を目の当たりにした勇は、その時ようやく確信できたのかもしれない。雪衣のことを愛しているのだと…。

それから毎日、二人はミュージカル仕立ての朝ドラを一緒に見て穏やかな時を過ごしたという。もしかしたら、この数日が雪衣と勇にとっての本当の夫婦の時間だったかもしれない。

この朝ドラは、石原さとみさん主演の『てるてる家族』でしょう。ほかにも上野樹里さんとか、錦戸亮くんが出演していましたよね。振付けは謝珠江さんが担当していて、当時はかなり画期的な挑戦の朝ドラだと言われていました。ただ、時代がそれに追いついていなくて視聴率的には苦戦したようでしたけどね(汗)。
あの当時は、まさか石原さとみさんがこんな美人の売れっ子女優さんに成長するなんて思いもしませんでした。

『てるてる家族』のエピソードのなかで♪見上げてごらん夜の星を♪が歌われた日の夜、雪衣は静かにこの世を去りました。ずっと罪悪感に苛まれ苦しんできた彼女だったけれど、るいと話した後は幸せな時間を過ごせたのではないでしょうか。最後に彼女が救われたのは本当に良かったなと思います。

ちなみに、「てるてる~」でそのエピソードが放送された日は2003年12月15日の第67話だそうです。この朝ドラは毎朝見てたけど、いつ放送されたかは覚えてなかった(汗)。上原多香子さん演じる二女の夏子が東京の芸能事務所へ行くとなった時に、浅野ゆう子さん演じる母の照子に教えてもらった♪見上げてごらん~♪を歌って寂しさを紛らわせるって展開とのこと。
私は岸谷五朗さんが天国へ旅立ったお母さんと空想の中で♪ラストダンスは私に♪を歌いながら踊るシーンがすごく印象に残ってますね。

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雪衣が亡くなって少し経ったある日の夜、るいは錠一郎に「お母さんに謝らなければならないのは、雪衣さんじゃない。私だ」と呟きました。
今までずっと思い出さないようにしてきた母との決別の日のことを、るいはようやく明確に見つめ直すことができるようになっていた。あの記憶があまりにも辛すぎて「自分は捨てられたのだ」と思い込んで生きたけれど、雪衣の懺悔を聞いた時に、事情も聴かず一方的に「I hate you」と最上級の拒絶の言葉を母にぶつけ扉を閉ざしてしまったことへの後悔が押し寄せてきたのでしょう。

母への申し訳なさから肩を落とするいに錠一郎は優しくある提案をしてきました。

「るい、ステージに立ったら?岡山のクリスマスフェスティバルで、♪On the Sunny Side of the Street♪を歌ってみたら?届くかもしれないよ。あの特別なステージで歌う”サニーサイド”だったら、お母さんに…」

その言葉を聞いた時、るいの心の中に母・安子の♪サニーサイド~♪の歌声が蘇ってきた。

戦争中、稔の安否を気遣いながら生まれたばかりのるいに子守歌として♪サニーサイド~♪をずっと歌い聞かせていた安子。あの時の歌声がるいのDNAの中でしっかりと息づいていたのです。それはとても優しく、甘く、温かかった。母としてのありったけの愛情が確かにそこに存在していた。

一人外に出て♪サニーサイド~♪を口ずさむるいは、ますます母・安子への思慕の念を募らせていきました。

そしていよいよ最終週へ。るいと安子が無事に再会できるのかということ(アニーさんは安子なのか)が最大の関心事ではありますが、それ以外にも気になることがいくつかあります。
きぬちゃんは今どこでどうしているのか小夜子の家族に安子と関わりのある人がいるのではないか、「ディッパーマウス ブルース」の定一さんの遺影の前にお供えされていたおはぎの店”たちばな”は金太さんが気にしていた少年がやっているお店なのか?などなど。

最後まで目が離せません。

ちなみに、あさイチのプレミアムトークはひなた役の川栄李奈さんでした。英語の勉強のことやセリフ覚えの速さ、オーディション6度目の挑戦だったことなど興味深い話がたくさんあった。アイドルだった川栄さんがこんなにも努力家の女優さんに転身したことを知り感動したなぁ。

それから、AIさんの生歌は本当に感動的だった。特に♪アルデバラン♪生熱唱は涙が出ました。そう言えば今回、雪衣さんが旅だった日のエピソードで♪見上げてごらん夜の星を♪のことが出てきましたね。”星☆”繋がりというのを藤本さんは意識して書いたのかもしれないなと思った。やっぱりすごい脚本家さんだなと。

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