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NHK朝ドラ『エール』第119回感想(2020.11.26放送)小山田先生からの手紙

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朝ドラ『エール』感想が新型コロナでいったんストップになった回でストップしてしまいましたが(汗)、放送再開後も熱心に見続けておりました。書きたい感想もたくさんあったのですが(戦争のエピソードや久志が♪栄冠は君に輝く♪を歌う回などは特に)、個人的事情により(引っ越しとか 汗)ドラマ感想でゆっくりパソコンの前に座る時間が取れず・・・あれよあれよという間に最後を迎えてしまった…。

これまでの『エール』感想レポ

エール
エール
2020年前期・朝の連続テレビ小説『エール』の視聴感想

放送回数が約2週分カットせざるを得ない状況になってしまったことで、最終週はものすごい超特急でストーリーが進んでしまうことに。それらを見て、もっとこのエピソード掘り下げて放送したかったんだろうなぁ…とか思うことも多かったな。
9月に新たにスタートしてからとても丁寧にエピソードを紡いできていた印象が強かったので、予期せぬ短縮によりカットせざるを得なくなったストーリーが出てしまったことが非常に残念でなりません。

第119回は、実質的に本編の最終回となりました。

時代の進みがものすごく速い1週間だったのであっという間に老後の裕一と音のシーンになってしまった(汗)。おそらく、音が病に侵されてしまうドラマはもう少し長く描きたかったのではないかなと…(実際に古関裕而さんの奥様も先立たれていますしね)。

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小山家を訪ねてきた音楽家志望の青年はかなりの熱血っぷり。いかに自分が裕一の音楽を敬愛しているかを滔々と語っていました。

そんな彼が、ある疑問を裕一に投げかけます。

「先生はどうしてクラシックを捨て、流行歌の世界に身を投じられたのですか?」

その言葉を聞いた裕一は、「最初は生きるためだった」と答えた後に13年前の出来事を回想します。

小山田先生が亡くなられたという知らせを受けた数日後、小山田の秘書だった猿橋が1通の手紙を携えやってきました。それは、小山田が亡くなる3日前に綴ったという裕一に宛てたものだった。出すつもりのない手紙だったものを、猿橋が独断で裕一に呼んでほしいと持参したのでした。

そこには、小山田の裕一に対する複雑な心境が赤裸々に綴られていました…。

裕一の仕事先が決まらず音が猛烈に売り込みに行っていた時代、コロンブスレコードの廿日市は最初断るつもりでしたが、小山田が裕一を推薦したことで廿日市はあっけなく彼を受け入れることを決めていました。
このエピソードの回収がなくて、なぜ小山田はあまり良い印象を抱かなかった裕一をコロンブスレコードに入れる後押しをしたのか不思議に思っていたんですよね。まさか、その時の謎がここで明かされるとは思いませんでした。

「私は己のエゴのために、君という才能とともに愛する音楽を冒とくしてしまったのだ」

裕一のクラシック音楽の才能を目の当たりにした小山田は、自分の才能が追い越されてしまうのではないかという恐れと嫉妬の感情に襲われたがゆえに、裕一を彼の得意分野であるクラシック音楽から引き離そうと思いついたのですね…。
事実、畑違いの音楽をやらざるを得なかった裕一はかなり苦戦し、売れる曲を出すまでに相当な時間がかかってしまいました。その最中に裕一と対峙し斬り捨てるような態度を取っていた小山田でしたが、内心はかなり複雑な心境に追い込まれていたのかもしれません…。

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手紙では、裕一に素っ気ない態度を取り続けたことは自分の嫉妬心であり後悔の念に堪えない、と綴られていましたが、もしも志村けんさんがご存命であれば、二人がわだかまりを越えて分かり合うシーンが放送されたのではないかと思わずにはいられませんでした。
おそらく制作側もそんな想いが強かったと思う…。それゆえの、あの手紙の内容だったんじゃないかな。返す返すも、本当に無念でなりませんね…。

裕一がオリンピックマーチの音楽を手掛けたことを知った時、小山田先生の心の中の罪悪感も薄れたのではないかなと手紙の内容を見て思いました。そういう意味でも、裕一がオリンピックの仕事を受けたことは非常に大きな意味があったのだと胸が熱くなりました。

「道は違えど、音楽を通して日本に勇気と希望を与えてきた同志として、今度は語り合いたい。私は先に逝く。こちらに来たら声をかけてくれ」

最後に綴られた小山田先生の裕一への熱い想いに思わず涙がこぼれました…。できれば現世でそれを実現させてほしかった…。そうしたら、同じ”音楽”を愛する者同士としてもしかしたら後世に残る素晴らしい仕事ができていたかもしれない。それが叶わなかったことがひたすら切なくて悲しかった。

手紙を読み終えた裕一は、「小山田を許してほしい」と頭を下げた猿橋に対し「先生には感謝しかない」と伝えました。小山田先生の厳しく高い壁があったからこそ、今の裕一がいるのだと私も思うよ…。
そんな彼に、猿橋はホッとしたような表情を浮かべながら生前の小山田先生の意外な素顔を明かします。

「いつも先生の前ではしかめっ面でしたが、笑顔は子どもみたいにチャーミングです」

ここで、小山田先生が遠くのほうでとても自然で無防備な笑顔を浮かべるシーンが流れました。回想シーンではない、初出しの小山田先生の素顔…。

もう、あの僅かなシーンを見ただけで涙腺が大決壊…。涙があふれて止まりませんでした(泣)。あの瞬間、小山田先生と志村けんさんが完全に重なりました…。未だに志村さんが亡くなってしまったことが現実として受け止められない部分がありますが、あの笑顔を見たときに「あぁ、もう、志村さんはいないんだ…」って実感がすごい沸いてきてしまって…切なくて切なくてたまらなかった(涙)。

あの映像は、志村さんがほかの出演者がNGを出してしまった瞬間に思わず出た笑顔を切り取ったものだそうです。遠くから構えていたカメラに偶然その姿がきれいに映っていたとのこと…。まさに、奇跡のワンシーンだったんですね…。まるでこの日の展開を知っていたかのような…。そのエピソードだけでも本当に感動的で胸が熱くなってしまう。

志村けんさん、最後まで『エール』を見守り、支えてくださり、ありがとうございました。

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裕一は訪ねてきた若者から「なぜ元気なのに曲を書くことをしないのか」と問われますが、悟ったような笑みを浮かべながら「溢れ出る音楽はあるけど、譜面に書くのはまどろっこしいんだ」と答えます。それを聞いた若者はなおも「譜面なら自分が書くからなんとか先生の音楽を世間に発表してほしい」と熱く迫る。そんな彼に、

「もう僕の中にある音楽を、僕だけで楽しみたいんだ。駄目かな?」

と穏やかに告げる裕一。そう言われたら、もうそれ以上「書いてくれ」と迫ることはできないよな。裕一はこういう熱意ある若者に後の道を任せようと思っているようでした。自分のあとを継いでいってくれる存在が、きっと嬉しかったんでしょう。

若者が帰った後に音の部屋を訪れると、彼女は弱々しい笑みを浮かべながらベッドの中で裕一と初めて舞台で共演した時に歌った歌を口ずさみ始めました。もう、今にも音の命が消えてしまいそうで見ていて辛い…(なんと、ふみちゃんはこのシーンを絶食して臨んだらしい!)。

しかし音は、裕一に「海が見たい」と告げます。体に障ると渋る裕一でしたが「出逢った頃に戻って歌を歌いたい」と懇願する音の想いに心を打たれその願いを了承する。

裕一の支えでゆっくりとベッドから起き上がりおぼつかない足取りで前に進んでいく音。カメラはそんな二人の足元だけを映し出していて…いつの間にか床には海の砂が…と、思ったら…

裕一と音は若い頃の姿に戻り、豊橋の海に向かって勢いよく走りだしました!!

こういう精神世界的な演出、すごく好き。無邪気に海岸で戯れる若き日の裕一と音の姿は「希望」そのものに見えました。オープニング曲で海岸で戯れる二人と同じ衣装なのも、すべてが繋がったような爽快感があってとてもよかった。
あのシーンはほぼ全て、窪田くんと二階堂さんの即興だそうです。これまで長い間演じてきた絆があるからこその、素敵な輝かしいシーンになりましたね。

GReeeeNによるOPテーマ♪星影のエール♪に乗せて、裕一と音は広い海をバックに砂の上のピアノで幸せな時間を過ごします。裕一のピアノに合わせて音が歌う。まさにこの二人が歩んできた人生そのものだった…。

「音に会えなかったら僕の音楽はなかった。出会ってくれてありがとね」

裕一の音へのありったけの感謝の言葉に、涙があふれて仕方なかったです。素敵な素敵な一言でした。そんな裕一の言葉に音も「私も、あなたといられて幸せでした」と感謝の気持ちを告げるのでした。
様々なことを共に乗り越え続けてきた二人の絆に、乾杯!!!私もこのドラマに出逢えてよかったと思えるよ。

ありがとう、『エール』

で、最後1分間時間が余ったのでどうするんだ?と思っていたら、窪田正孝くんと二階堂ふみちゃんに戻ってのドラマ視聴者へのメッセージが流れました。この演出は朝ドラ史上初めてではないでしょうか!!
新型コロナ禍の影響をもろに受け撮影を長期中断せざるを得なくなったし、出演者だった志村けんさんを失うという哀しい出来事もありました。そんな困難を乗り越えて最後までドラマを届けてくれた窪田くんたち始め制作者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです

さらに、明日は歌えるキャスト勢揃いの古関メロディーコンサートが放送されるという!!これも朝ドラ史上初めての試みですよね。今回のドラマにはミュージカル俳優が多数出演しました。そんな彼らの本気の歌声が朝ドラ枠内で聴けるのかと思うと、もう、ワクワクというか感無量というか…!!

とにかく、明日の展開が本当に楽しみです!!

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