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新木曜劇場ドラマ『波うららかに、めおと日和』最終話ネタバレ原作比較感想

毎週欠かさず”リアルタイム”で視聴し続けてきたドラマ『波うららかに、めおと日和』が最終回を迎えました。自分でも驚くほど熱中してかなりのめり込んでしまったw。
放送前から原作全巻買い込んだしSNSも毎回チェックした。芳根京子さんと本田響矢くん主演なら間違いないと確信して待ち望んだ初回(放送前企画に当選した奇跡も思い出)。そこから約2ヶ月ちょっと。視聴熱の盛り上がりもウナギ上りだったし(SNS発信の盛り上げ方がとにかく巧みだったなぁという印象)、何よりドラマそのものをどっぷり楽しませていただきました。こんなに心が躍った民放のプライム枠ドラマは久しぶりです。作り手の皆様、キャストスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

そういえば、最終回前に行われたトークショーレポが面白かったな(私は参加してません)。朝ドラ『あんぱん』と時代がかぶってる(正式にはあんぱんのほうがさらに先に進みましたが)故の思わぬ苦労話エピソードは特に興味深かったです。

同時期の時代背景だとこういうこともあるんですねw。

ということで、最終回の展開を振り返りつつ原作とも比べながらの感想を書いてみようと思います。

以下、さらにネタバレ感想となります。

第1話からの感想レポはこちら

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ドラマ『波うららかに、めおと日和』最終話

公式あらすじ(引用・抜粋)

2025年6月26日(木)放送

1年前の約束を果たすため、蛍を見に行くことにした江端なつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)。しかし突然招集がかかり、瀧昌は深見龍之介(小関裕太)とともに艦へと向かう。海上では暴風雨が続き、艦が大きく揺れて対処に追われていた瀧昌と深見は巻き込まれてしまい…。

一方、海軍の妻としてしっかり家を守らねばと思うなつ美だが、艦の状況が気になって居ても立ってもいられない。海軍の情報を取りまとめている鎮守府に行けば何か分かるかもしれないと思い、なつ美は出かけようとする。

原作漫画は第7巻46話~49話、第8巻50話~56話。

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ドラマ感想(原作比較あり)

前回は原作にはないオリジナルのエピソードで不穏な終わり方をしていた『めおと日和』。そのまま今回もオリジナルで通すのかなと思っていましたが、かなり原作シーンが盛り込まれてました。

ラジオから流れてくる不穏なニュースへの不安を打ち消すかのように家事に没頭するなつ美。体を動かしていないと不安に押しつぶされてしまいそうだったんだろうなと思うとホント胸が痛むシーンでした…。郁子さんとの朝食も表向きは明るい表情を浮かべてるけど、明らかに様子がおかしい。郁子さんはそんななつ美の不安を敏感に察知したようでした。
家に戻ったなつ美はラジオで瀧昌たちが乗り込んでいるであろう軍艦との連絡がついたものの負傷者が出ているというニュースを聞いてしまいます。居ても立ってもいられず横須賀の鎮守府に向かおうとしましたが、そのタイミングで芙美子が訪ねてくる。

ここのくだりは原作第8巻50話冒頭にも描かれていますが、原作ではなつ美は実際に鎮守府前まで行っています。見張り番にビビッて近づけないなつ美を、彼女を心配して後をつけてきた芙美子がフォローして近くの喫茶店へ連れていくといった設定でした。ドラマではなつ美が出かける寸前に芙美子と鉢合わせして家に留まるといった流れになってましたね。

芙美子はなつ美を落ち着かせた後、自分も鎮守府へ向かおうと思っていたと告白しました。彼女は事件前に深見と一緒だった時に「僕が死んでしまったらどうしますか?」という問いに対して「別の人生を考えるだけです」とドライな回答をしてしまったことを後悔していた…。あぁ、それであの二人だけの花火シーンがあったのか!!
ちなみに原作(50話)では深見と芙美子はこうなる直前に結納を交わしていて、深見が積極的な行動に出るので芙美子が照れまくってしまい「当分近づかないで」と窘めてしまったことを後悔しているといった展開になってます。

芳根ちゃん演じるなつ美が自分の不安な気持ちを吐露しながらボロボロと涙をこぼしてしまう姿は、見ているこちらも思わずもらい泣きしてしまうほど切なかったよ(涙)。強くあらねばと自分を律してきたけれど、もう心が限界だったんだなぁって…。
なつ美が自らの本音を吐露するセリフは原作第8巻の53話のものを抜粋したのだと思われます。ここはドラマとは全く違う展開で出てくるんですが…原作もめちゃめちゃ泣けるのでぜひ読んでいただきたい。

そして傍でその言葉を一つ一つ噛みしめるように受け止めてくれようとしていた舞香さん演じる芙美子の切ない優しさも本当に沁みました(涙)。彼女もすごく不安な気持ちを抱えていただろうに、それをグッとこらえてるのが伝わってきたんですよね…。なつ美と想いを共通にしながらも、今自分は泣くべきではないと言い聞かせているかのような。”私もあなたと同じ気持ちよ”という想いをこめた芙美子のハグはほんっとに切なくて泣いた(涙)。
ちなみにこのシーンも原作53話から抜粋したと思われます。漫画ではなつ美を抱きしめるのは違う人物になっているわけですが…これもホント切ないんですわ(涙)。ぜひ原作で確認していただきたい。

そしてこのタイミングでなつ美を心配していた郁子さんがやって来る。郁子はなつ美の気持ちを察したうえであえて軍人の妻としての心得を厳しく伝えました。

「私たち海軍の妻は夫と一緒に戦っているのよ。もし残された自分を憐れんで泣いているのなら、みっともないからやめてね。不必要に悪いことばかり考えて泣いているのなら、お国のために戦二人に失礼だからやめてね!」

このセリフ、和久井さんが演じたからこその説得力が本当に凄くて…すごい刺さりました。いつも明るく朗らかな郁子さんですが、軍人の妻としての矜持をしっかりと抱いて生きている。
おそらく彼女は、邦光と結婚した後もなつ美と同じような不安に押しつぶされそうになる経験を何度も重ねてきたに違いありません。その度に自分を鼓舞し愛する夫と戦う気持ちでそれに耐えてきた。だからこそのあの厳しい言葉だったと思うのです。ここは本当にグッときましたねぇ。

しかし郁子は厳しく諭しながらも「心が疲れたなら泣いてもいいのよ」と優しくなつ美や芙美子の気持ちも思いやる。この”飴と鞭”の使い分けが本当に素晴らしい。しかも邦光との会話の中で瀧昌や深見はそう簡単にはくたばらないと語り合ったことも明かしてくれたりしてw(原作ではなつ美が芙美子に瀧昌談として語り、芙美子が深見談として語り笑い合うというシーンになってます)

一人じゃないという思いを共有し合った3人が笑顔で抱き合う場面は、微笑ましいながらも愛しさあふれるとても良いシーンだったと思います。

この場面もドラマとは違う流れではありながら原作53話に登場しています。郁子の台詞は別の人物が語る設定になってるんですよね。とにかく第8巻53話は全部が切なくて泣けるのでぜひ確認していただきたいです。

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それから数日後、洗濯物を干すなつ美は玄関に気配を感じます。無我夢中で玄関へ駆けつけたその先に立っていたのは、無事に帰還した瀧昌の姿だった。なつ美は感情を抑えきれず何も言わずに瀧昌の胸の中に思い切り飛び込み泣きました…(涙)。そんな彼女の姿に戸惑いながらも、その温かさを徐々に受け入れながらそっと…優しく抱きしめる瀧昌…!!
あの前回ラストの事故シーンで瀧昌が負傷してしまっていたので、もしや耳が聞こえないことになってしまったのではと心配したのですがそれはなかったようですね。深刻な事故のように描かれながらも蓋を開けてみればあまり重大ではない感じになっていたのは少しモヤりましたが(汗)、ここは素直に瀧昌が軽傷だけで帰還してなつ美と無事に再会できたことへの感動に浸るのが正しい鑑賞なんだろうなと思います。

号泣して瀧昌の胸に飛び込む芳根ちゃんなつ美と、彼女の涙に少し戸惑いながらも彼女への愛しい気持ちが沁み出ていくかのような響矢くん瀧昌の表情のお芝居がとにかく素晴らしかった!!あれは泣ける…!!!

瀧昌帰還シーンは原作8巻53話ラストシーンで登場。ドラマのシーンがそれをかなり忠実に再現していたのもすごく良かったです。ちなみに原作では瀧昌が「ただいま」という前にある一言を告げますが(これが泣ける…)、ドラマでは整合性が取れない展開もあったりするのでカットになったのかなと思いました。

そして、芙美子と深見はどうなったのか。原作ではこの二人の再会シーンは描かれていなかったのでドラマに登場してめっちゃ感動した!!!八百屋で買い物している芙美子の横にいつの間にか深見がいて…、その姿を見た彼女が感情を抑えきれずに思わず安堵から泣いてしまう。あぁ、やっと芙美子は深見の前で素直な気持ちをさらけ出すことができたんだなって。そんな彼女にそっと歩み寄っていく深見くんの優しさも泣けたし…、ここはもう、思わぬご褒美シーンみたいに思えてボロ泣きしてしまった(涙)。
深見は芙美子に艦が嵐に巻き込まれ怪我をしたときに「死を覚悟した」と語ります。「僕たちは運が良かったんです」と語る彼の背中はどこか孤独を感じる…。でも別の人生を考えると告げたことを謝罪する芙美子に、けがを負った時にもう一度芙美子に会いたいと思ったと本音を打ち明ける。静かに、でも確かにお互いを想い合う二人は本当に素敵。

このあと深見はいつものようにちょっとお茶らけて彼女をからかっちゃうんだけど、「結納までにこの腕が治ると良いな」と呟く深見に芙美子は優しく手を添えながら「私が治します」と微笑む。このシーンも非常に感動的でした。ドラマでは残念ながら二人の結納は放送されませんでしたが、こうして温かな愛情で結ばれる姿を描いてくれたのは本当に良かったです。

それからしばらく経って、瀧昌の無事の帰還を祝って関谷家が一家総出で江端家にやってきます。そこでお寿司を頼んだのがなつ美の父でしたが…、そのお寿司屋さんを演じていたのは・・・野間口徹さんではないですかっ!!大河ドラマの時も思ったけど、野間口さんって眼鏡を取ると印象がけっこう変わりますよね~。身振り手振りがめちゃめちゃ大きなお寿司屋さんでめっちゃ面白かったww。

なつ美の父・篤三は瀧昌を「瀧くん」と親しみを込めて呼び労をねぎらいますが、娘たちはなぜ父が瀧昌と急に親しくなったのか知らないのでめちゃめちゃ怪しまれてしまう(笑)。その”きっかけ”は瀧昌から海軍情報を秘密裏に聞き出そうとした時の出来事だったが故にアタフタしてしまう篤三が面白すぎたww。
はる江は訝しがりながらも「瀧くん」疑惑はそれ以上追及しませんでしたが、もう一つ気になっていたことを尋ねます。それは、なぜ父がなつ美と瀧昌を結婚させようと決断したのかという事。それは瀧昌自身も気になっていたところだったらしく興味津々。商売に利用するためというわけではないと聞いた時の響矢くん瀧昌の”よかった~~”的な脱力表情がめっちゃ可愛かった(笑)。篤三は具合の悪くなったなつ美を助けてくれた瀧昌の男気に胸打たれたからだと打ち明け、ホッとする瀧昌。照れて動揺するなつ美。それぞれの反応も面白かったですねw。

食事の席でもラブラブななつ美と瀧昌を見たふゆ子は「私も誰かと結婚したくなった」と羨ましがります。それを聞いた父・篤三は動揺しまくり「縁談を持ってくるまで誰も好きになるんじゃないぞ!!」と釘を刺すww。ここはなんだか昭和の親父って感じでしたがw、なんだかんだで篤三はちゃんと家族を愛しているんだなというのが伝わってきてホッコリしました。ふゆ子の恋愛エピソードはドラマでは「まだ」ってことになっていましたが、原作では少し描かれています。可愛らしさと切なさとが入り混じったものになっているので、ぜひ原作で確認していただきたい。
食事が終わった後、はる江は娘たちが醤油をこぼした服を選択しながらなつ美に子供への想いを語ります。はる江はなつ美と瀧昌の子供についても言及しようとしましたが、以前のようにグイグイ聞き出そうとするのではなく「夫婦仲が良ければそれでいい。大切な人のことをちゃんと大切にするのよ」と優しく告げました。このセリフもグッときました。姉ならではの妹を想う心が伝わってきてジーンときまくっちゃったよ。

ちなみに、瀧昌が無事に帰還したお祝いの食事会が開かれるエピソードは原作第8巻54話に登場しますが、関谷家がやって来るのではなく二人が柴原家に招待されるといった展開になっています。瀧昌がなつ美が作った料理ばかり褒めるので郁子さんが少しへそを曲げてしまうっていうエピソードが面白いw。

関谷家が帰宅して二人きりになった後、瀧昌は「騒がしくしてすみませんでした」と謝るなつ美に「家族の一員になれたようで嬉しかったです」と笑みを浮かべます。なつ美と結婚してから瀧昌は孤独から解放されて表情が本当に柔らかくなったよね。
優しい言葉をなつ美にかけられた瀧昌は気持ちが昂りなつ美の傍に近寄り…あれは接吻しようとしてたよね!??このドラマで瀧昌が原作バリに積極行動出たのって初めてじゃない(笑)!?今までもキスシーンはあったけど、どれもなつ美の意志を第一みたいな慎重さがあった。でもこの時ばかりは自分の本能の赴くままになつ美を求めにいってたように見えてドキドキしましたww。おそらくこれは、原作54話ラストの展開を匂わせて再現した感じに描写したんじゃないかなぁとw。

いざなつ美と接吻…となったちょうどいいタイミングで「ごめんくださーーい!」と元気に表れたのはおはぎ屋の坂井くん(笑)。前回登場した時は綺麗な女装姿だったけどww、今回は普段の姿で登場。あのアッケラカーーンとした明るさが良いよねぇ。原作とはけっこう雰囲気違うんだけど、戸塚君が演じる坂井、めっちゃ可愛くて好きだったよ。

おはぎを持ってきた坂井をなつ美は家に上がるよう促しましたが、せっかくの機会を台無しにされた瀧昌としてはすんなりそれを許すわけにはいかなくて(笑)。坂井が家に入れないようにお尻でガードしてたのがめっちゃ面白くて笑いましたwww。あれはなつ美に気づかれにくいナイスアイディアだったぞ、瀧昌(笑)。そして無言の「帰れ」アピールwww。ようやく察した坂井はまだ店があるからと退散するのですが、去り際になつ美が敬語を使っているのが気になり「男はたまに砕けた言葉遣いをされると嬉しいものなんですよ」とアドバイス。これ、前回放送の時にSNSでも結構話題になってましたよね。ひょっとしてそれを反映したとかかな?なんてちょっと思いました(違うだろうけど)。
それにしても、戸塚君の最後のあの去り方リアクションはアドリブか!??初回の時もそうだったけど、最終回もめっちゃ面白すぎたんですが(笑)。

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坂井が帰った後、なつ美は瀧昌に夕飯何が食べたいか尋ねる。せーので一緒にそれを言い合うことになるのですが、瀧昌の「カレイの煮つけ」とは違う回答になりかけて慌てて訂正(笑)。なつ美ちゃんは「肉…」としか言えなかったけどもしかして「肉じゃが」だったのかな?なんて。そんな二人も微笑ましい。

瀧昌はなつ美の料理の手助けする。一生懸命咳きこみながらも釜の火を調節する瀧昌の姿はなんだかとても愛しい。ご飯が完成した後「こうやって一緒にいるのがなつ美さんでよかった…本当に」と告げる瀧昌の言葉は本当に泣けたよ(涙)。まっすぐで純粋な想いがあの瞳からひしひしと伝わってくる。響矢くんの目の表情って本当に魅力的だよなぁ。

そして二人は穏やかに夕食の時を迎えます。一見何気ない普通の風景ですが、このドラマを見るとそれがとてつもなく神々しくてキラキラと輝く愛しい瞬間に感じられる。当たり前の日常を送る時間がどれほど大切なことなのか、それを思い知らされる。この作品が伝えたい核の部分はそこにあると思うんです。
食事をしながら二人はこれまでの歩みを一つ一つ回想し語り合っていきます。総集編的な演出でしたが、二人の足跡を改めて追って見ていくとなんだかとても温かい気持ちになった。良いなと思ったのは、その当時には素直に表に出せなかった感情を語り合う中でお互いに伝え合うことができたことです。

時々照れて顔を背けちゃったりしつつも(特に初夜のことを思い出して動揺しながらバク食いする二人は可愛かったw)、二人の気持ちがさらに深く結びついていくように見えてなんだか愛しさが増してしまった。食事中に「良いものを作ったんです」と慌てて立ち上がろうとしたなつ美を「(とりあえず今は)食べましょう」と気遣う瀧昌も本当に優しくてジーンときちゃったな。

食事の後、なつ美は瀧昌に「良いもの」を見せることに。それは、結婚指輪交換の練習のためになつ美が手作りした”指輪”。この模擬指輪交換シーンは原作第8巻54話に登場します。瀧昌と一緒に取りに行く日を夢見ながら作っていたであろうなつ美の気持ちを考えるとホッコリします。なぜ右手で練習していたのかと尋ねる瀧昌に対して「右手には瀧昌様にはめてほしいので」と恥じらいながら答えるなつ美も実に可愛らしい。
ところが、瀧昌は自分用に作られたもののサイズがやたら大きいことに気づき不満顔にw。たしかにあれはデカすぎるだろう(原作よりデカかった 笑)。それにしてもあの不満顔、漫画とかなり寄せてきててめっちゃ可愛かったな!!

瀧昌はなつ美と手を絡ませながら「離れている間覚えていてって言ったのに忘れているようなので」とスネながら抗議。その言葉は初夜の時に瀧昌が告げたものだったので、なつ美は思わず赤面してしまうw。慌てたなつ美が指輪の針金の大きさを調節して一生懸命瀧昌の指にはめようとしてたのが可愛かったなぁ~。
ちなみに原作では指輪の大きさが違うと瀧昌がスネながらなつ美と手を絡ませるまではだいたい同じ流れなのですが、そこから先が違う展開になっています。久しぶりになつ美と二人きりの時間が取れたことによる・・・みたいな感じ。少しオトナ展開にはなるけど匂わせ程度だし、二人の愛情がより深く伝わってくるように描かれているのでぜひ読んでいただきたい。

そしてついに二人揃って結婚指輪を取りに行く日がやってきました。今回はちゃんとデパートに訪れたことになっていてよかった(小道具だけでの表現が巧い)。洋服姿のなつ美とスーツ姿の瀧昌っていうのも久々で良い。ここで再び竹財輝之助くんが登場!!前回は御用聞きとしてだったけど今回はデパートの販売員。相変わらず気遣いのできる大人な雰囲気が素敵だった。

なつ美と瀧昌はドキドキしながら指輪を交換。この時の二人の初々しくもお互いを気遣うリアクションがとにかく素敵。あんなに相手を思いやりながらの指輪交換なんて昨今なかなかお目にかかれないのでは。
原作ではお互いの指にはめ合う場面はドラマとは違うちょっと繊細なシーンで描かれています(第8巻56話)。幸せを実感しながらも戦争の足音を感じるなかで行われた二人の指輪交換はとても美しく切なく感動的だった。ドラマ版も初々しくてよかったけど、原作版もぜひ読んでいただきたいところです。

それからしばらくして、二人は”恒例行事”と決めていた蛍を見に出掛けました。前回放送では蛍を見に行く寸前のところで瀧昌に出撃命令が出て実現しませんでした。ドラマでは蛍シーンはカットになるかなぁとも思ったのですが(ロケとかの関係もあるし)、ちゃんと最終回で描いてくれてよかったです!二人で蛍を見に行くシーンは原作第7巻49話に登場します。
ちなみにドラマ版は半分ロケ、半分CGっていった感じでしたかね。芳根ちゃんが同時期に舞台の仕事も入っていたようなので夜の撮影ができたのかもとか思っちゃったけどどうなんだろう?

蛍を見て喜ぶなつ美の横顔を見ている時の瀧昌の嬉しそうな表情がとても愛らしい。蛍の景色を見せてくれたことに対してお礼を言うなつ美に対し、瀧昌は「お礼はいりません、我が家の恒例行事なんですから」と告げる。このセリフがま泣けるんですよね…。なつ美と結婚したことで瀧昌は家族というものをちゃんと受け入れることができたんだなって思えるので…。躊躇いながらも一言一言丁寧に告げていた響矢くん瀧昌がとても印象深かった。
なつ美は蛍を見つめながら結婚してからの1年をしっとりと振り返る。それに対して「二人でいた時間は実質数か月でしたからね」と少し申し訳なさそうな表情の様子の瀧昌。そんな彼に彼女は七夕の織姫と彦星の話をする。

「会える日が少ないからこそ、今まさにこの時間が、1時間が、1分が、1秒が濃厚で特別で大切だから、短くて長~~いんです」

なつ美の言葉に心打たれた瀧昌は、彼女の手に自分の手を置いてそっと唇を重ねました。満天の星空と蛍が舞い飛ぶ景色の中の二人の接吻シーンは透明感あふれるとても儚くて美しい瞬間で…、なんかすごい泣けてきてしまった。唇を交わし合った二人は、これから毎年蛍を一緒に観に来ようと約束を交わします。バラード版のBE:FIRSTによる主題歌「夢中」が流れてきたのもすごく良かった。
ここまでの流れ、ほぼほぼ原作の通り忠実に描いてくれたドラマ班に心から感謝です!!その後の展開もあるんだけど、それはこのドラマの雰囲気から少し踏み込むのでカットもやむなしかなとww。ちなみに原作では、この日の夜に瀧昌が緊急招集をかけられ長く家を空けることになってしまうエピソードに繋がっています。

二人の美しいシーンを映像で眺めていた活弁士は、この時代は戦争の足音を感じながらもまだ穏かな時間があったのだとしみじみ振り返りました。その後の言葉は、今回一番心に突き刺さった。

「戦争の気配を感じているからこそ、日常の小さな幸せが、煌めくように輝いていたのかもしれません。皆様、日常の小さな幸せ、ちゃんと大切にしていますか?」

私が原作やこのドラマに触れて感じ取っていたことを、生瀬さん演じる活弁士さんが全て代弁してくれたような気がして…思わず落涙してしまいました。
今現代、世界情勢はとても不安定で日本もいつその渦に巻き込まれるか分からない岐路に立たされているように感じます。この先全ての人が平穏に過ごせる保証はどこにもないとも思うのです。それは戦争云々ということだけではなく、様々な災害やそれに準じること、もしくは健康のことだったり…。だからこそ私たちは今あるささやかな日常を大切に生きなければならないのだと、この作品を通して考えさせられるきっかけになりました。

それにしても、最終回ラストで流れた主題歌のバック映像、めちゃめちゃ芸が細かかったですね!!改めて見直してみると、「夢中」の歌詞をちゃんと刻んでいるように見える。

よもや、このエンディングのためにあらかじめ撮影していたとか!??そう感じてしまうほど見事な映像で本当にびっくりしました。最後まで作品愛を感じますねぇ。

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ドラマ終了後にFODからオリジナル限定エピソードが追加されました。

10分そこそこかなと思ってたら、なんと40分もあるらしくてビックリ!!FODに入っててよかった~~(笑)。時間ができた時にじっくり楽しみたいと思います。

それから、原作SNSにドラマに登場しなかったエピソード一覧が掲載されました。

カットされても致し方なし、的なエピソードもあるので(笑)気になる方はぜひチェックを。

原作はドラマ終了時点で8巻まで刊行されていますが、少しずつ戦争の足音が大きくなりつつある描写が出てきました。愛し合う人たちが愛らしく描かれれば描かれるほど、これからやって来る大きな荒波に彼らがどう翻弄されていくのかとても気になるところです。特に瀧昌と深見は海軍ですから…なつ美や芙美子、郁子たちがこのドラマで描かれているよりもっと苦しい気持ちを味わうことになるかもしれない。そして瀬田くんのことも気になります。今回ドラマでは最終回登場がなくてとても残念だったのは彼だったんですよね。
どうかどうか、無事に生き延びてほしい。それを願いながら、これからも原作を読み続けていきたいと思います。

ちなみに原作者の西香はち先生もSNSでおっしゃっていましたが、この作品は少女漫画ではなく青年漫画掲載扱いになっています。それゆえ、ドラマ版よりも瀧昌は軍人らしく(?)まぁまぁ積極的になつ美を求めにいってるw。とはいうものの、個人的には中学生以上なら全然平気レベル(匂わせ程度のものばかりだし)だと思うのでぜひ多くの方に原作も読んでほしいなと思っています。

今回のドラマ版『波うららかに、めおと日和』、原作にとても忠実に描かれていたことが成功に繋がったんじゃないかなという印象がとても強い。ドラマチームが原作へのリスペクトを忘れず原作者とのコミュニケーションもしっかり行っていたことは大きいと思います。数年前、原作もののドラマ化関連でとても不幸な事件があったので正直心配もあったのですが、『めおと日和』はお互いの意思確認が成されていたようで本当に良かった。何より西香先生ご本人がSNSで絶賛していらっしゃったのがとても大きいと思います。
それからもうひとつよかったなと感じたのが、下手にオリジナルキャラを作って登場させなかったこと。原作ものをドラマ化する時にオリキャラを出したことでオリジナルの良さを薄めてしまう作品がいくつかあったりしますが、今回のドラマでは”活弁士”というナレーション的立場の人物を据えることに留めていた。「ちびまるこちゃん」で言うところのナレーターのような立ち位置に活弁士を登場させることによって、かえってよりドラマに厚みをもたらしていたと思うんですよね。

あと個人的に大きな拍手を送りたいのは、キャストの皆さんです。若手の役者さんとベテランの役者さんのバランスが非常に良かった。

特に郁子役の和久井映見さん、活弁士役の生瀬勝久さん。このお二人のメインの若手役者さんたちを盛り立てる大きな太い幹のような確かな存在感とお芝居はこのドラマになくてはならないものだったと思います。

マンガから抜け出てきたかのようなリアルな存在感ある深見と芙美子を演じてくれた小関裕太くん山本舞香さん、本当に素敵でした!!最後、二人の結婚式まで描いてほしかったなぁ(原作でとても素敵に描かれているのでなおさら…)。

芳根京子ちゃんのなつ美、一つ一つのお芝居、表現が魅力的で愛らしくて切なくて…すべてに惹きこまれました。NHKの朝ドラで見た時はあまり印象に残らなかったけど(ごめんなさい!!)こんなに素敵な存在感ある女優さんに成長されたのかと思って本当に感慨深いものがありました。最後のほうの撮影は出演中舞台と同時進行だったようで…本当に本当にお疲れ様でした!

本田響矢くんの瀧昌は原作とは雰囲気がかなり違うのですが(原作のほうが軍人らしいイカつさもあるので)、それでもここまで深く惹きこまれたのは彼の透明感あふれる純粋で誠実な存在感あってこそだったと思います。NHK朝ドラ『虎に翼』で初めて知った時には「美形な役者さんが出てきた」と色めきだった私ww。でも今回の瀧昌を演じる響矢くんを見て、それだけではない役と実直に向き合う魅力に気づかされました。キリッとした表情ももちろん素敵だったけど、個人的にはオロオロ狼狽える人間らしさが滲み出るお芝居がとても好きだったな。人柄が滲み出るような笑顔にも何度癒されたことか。
このドラマの瀧昌役が響矢くんで本当に良かったです。彼ならば魅力的に演じてくれるに違いないと信じた私の直感は間違っていなかった。今後、NHKの大きな作品やこれまで演じたことがない分野からも声がかかるんじゃないかなと期待しています。

6月の朝はこの笑顔にメロメロ癒されまくりでした(笑)。注目度がグンと上がった響矢くん、この先大きな波に呑まれることなく真っ直ぐ自分らしく俳優道を進むことができますように。これからも応援しています!

BE:FIRSTによる主題歌「夢中」、中毒性のある名曲だと思う!!

色々トラブルがあったようだけど、これからもいい作品を創り出していってほしいです。

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